私のご主人様   作:天神神楽

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どうしても書きたくなったので、このお話を。
今回はその零というか導入なのでかなり短いです。


騎士様を追跡せよ~蓮華作戦~ その零

 

 ~朝~

 

 そわそわ。

 「あら、杏奈さん?」

 そわそわそわそわ。

 「杏奈さん? どうしたのですか?」

 はっ!?

 「す、すみませんソフィアさん。少しボーっとしていました。何かご用でしたか?」

 「いえ、そういうわけではありませんが。でも、杏奈さんがボーっとしているだなんて珍しかったので」

 「お恥ずかしい限りです」

 

 

 ~お昼~

 

 そわそわ。

 「あら、杏奈様?」

 そわそわそわそわ。

 「杏奈様? どうかなさいました?」

 はっ!?

 「す、すみません柊さん。少しボーっとしていました。何かご用でしたか?」

 「いえ、そういうわけではありませんが。でも、杏奈様がボーっとしているだなんて珍しかったので」

 「お恥ずかしい限りです」

 

 

 ~放課後~

 

 そわそわ。

 「あら、杏奈さん?」

 そわそわそわそわ。

 「杏奈さん? どうかなさいましたか?」

 はっ!?

 「す、すみません輝夜様。少しボーっとしていました。何かご用でしたか?」

 「いえ、そういうわけではありませんが。でも、杏奈さんがボーっとしているだなんて珍しかったので」

 「お恥ずかしい限りです」

 

 

Another side ソフィア

 

 杏奈さんの様子がおかしい。

 何と言うか、一日中そわそわそわそわしていました。

 「杏奈様、どうしたのでしょうか?」

 「あれほど落ち着きのない杏奈さんなんて初めてですね。あれはあれで愛らしくはありますけど」

 それは同感である。

 今私は柊さんと輝夜様と一緒にカフェにいる。放課後なので、ちらほら他の席も埋まっているが、お話をするのにはもってこいな場所だ。

 「お昼の時も、杏奈様、ぽやーっとしていましたし、何か気掛かりなことでもあるのでしょうか?」

 「杏奈さんは何でもないと仰ってましたけど、何かあるのが丸分かりでしたね」

 ついでに言えば、携帯でメールをやけに気にしていた。

 「輝夜様は何かご存知ですか?」

 「いいえ。私にも何でもないとしか。華琳さんや唯依さんも何も知らないみたいですし」

 杏奈さんと交流のある皆様もご存知ないようだ。

 三人でウンウン悩んでいると、少し離れているテーブルにいた木下さん達の言葉が耳に入る。

 「それ、見間違いじゃねぇの?」

 「いやいや、俺が、というか、ここの生徒が吉祥さんのことを見間違えるわけないだろ?」

 はて、なんのことでしょうか。私達三人は、木下さんの言葉を逃すまいと耳をすます。

 「でも、あの吉祥さんがなぁ……」

 「男と一緒に帰るだなんてなぁ。しかも、私服で」

 「…………」

 「…………」

 「…………」

 ……さて、木下さんとO★H★A★N★A★S★H★Iしなければ。

 

 

 木下さんからお聞きした話を纏めると、どうやら杏奈さんは男性と一緒にお出掛けをしたらしい。

 しかも、一度車の中で着替えてから。つまり、凰家公認というわけだ。

 となれば、このお方に聞くのが一番だろう。

 「それで、私が呼ばれたんですね」

 杏奈さんのご主人様である舞姫様である。

 「というか、輝夜様。開始を少し遅らせるとは、これのせいだったのですね」

 「あら、大事なことですわ。それで、杏奈さんは何をしに?」

 輝夜様がズバリとお聞きになる。舞姫様は苦笑しながらもなかなか口を開かなかった。

 「そうですね……あまり隠すようなことではないのですけれど」

 勿体振るように私達を見渡すと、舞姫様は意地悪な笑みを浮かべながら、爆弾を投下した。

 

 「そうね、杏奈はデートをしに行ったのよ。愛しの君とね」

 

 その瞬間、カフェにいた全員の呼吸が止まった。




輝夜のキャラが最初の方から大分ずれてきました。
今回のメインはソフィアと柊さんです。

愛しの君については次回少し登場するかもしれません。
因みに過度の心配はご無用なのでご安心を。

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