ウルトラマンX  これくしょん   作:ベンジャー

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熔鉄怪獣 デマーガ
登場。


第1部
第1話 『未知の超人』


「深海棲艦」……突如として深海より現れた謎の存在。

 

その正体は謎に包まれており、様々な説があるがその正体は全くの不明である。

 

分かることと言えば深海棲艦は人類に敵対する意思を持っていること、また深海棲艦には通常兵器が一切通用しないということ。

 

そして……深海棲艦を唯一、倒せるのは「軍艦」の力を持ち、この世界に生み出された少女たち……「艦娘」だけである。

 

しかしこれから語られるのは艦娘と深海棲艦の争いの物語ではない。

 

これは地球に突如として出現した光の巨人と……艦娘が共に地球に迫り来る幾つもの脅威に立ち向かう物語である……。

 

 

 

 

 

 

 

宇宙……太陽系にて。

 

そこでは赤い発光体と黒い発光体が激しいぶつかり合いを繰り広げており、太陽の近くにまでくると赤い発光体が勢いをつけて黒い発光体に突撃。

 

突撃を受けた黒い発光体はそのまま太陽の中へと放り込まれ、太陽が突然爆発したのだ。

 

この爆発で起こった炎は放っておけば赤い発光体の後ろにある地球にも降り注いでしまい、地球は大惨事となってしまうだろう。

 

すると赤い発光体は太陽で起こった爆発の炎を地球に届かせまいとまるで地球を庇うように炎をどうにか受け止めようとしたのだ。

 

赤い発光体はどうにか炎を食い止めることに成功したのだが……赤い発光体は徐々に光の粒子となって消滅してしまい、さらには……。

 

発光体の中から現れた赤と銀色の巨人がその炎に巻き込まれ、光の粒子となって消滅してしまうのだった。

 

『ユナイト……』

 

「ユナイト」……巨人は消滅する瞬間、そんなことを呟いていた。

 

また、その光の粒子は……地球へと向かって降り注ぐようにどこかへと消えて行き、これが後に「ウルトラフレア」と呼ばれ、世界中に散らばっていた怪獣のソフビ人形のような姿をした謎のオーパーツ、「スパークドールズ」が実体化し、「怪獣」と呼ばれる巨大な生物達が出現し始めた事件の始まりでもあった。

 

 

 

 

 

太陽の爆発が起こり5年後……艦娘達の母港本拠地にして、対深海棲艦の最前線でもある場所……「鎮守府」

 

最近では深海棲艦の数はかなり減って来ており、深海棲艦の全滅の日もそう遠くはなかった。

 

しかし、ここの提督である青年「西崎 夜空(にしざき よぞら)」はそのことに関してどうも浮かない顔をしていた。

 

「どうしたんだい提督? 浮かない顔して?」

 

そう問いかけてきたのは黒いセーラー服を着たセミロングの黒髪を後ろで一つ三つ編みにし、先っぽを赤いリボンで括った少女……夜空の秘書艦でもある「白露型駆逐艦 2番艦 時雨 改二」である。

 

「あぁ、いや、最近出撃が少ないなって思ってな。 元々、この辺りは敵さんが少ないから他の鎮守府と比べると出撃数はかなり少ないが……最近はもっと少ないなって」

「まあ、深海棲艦ももう残り少ないみたいだからね。 元から出撃が少ないこの辺りの海域にはもう深海棲艦はいないのかもしれないね」

「最も出撃が少ない上に遠征や護衛任務を主にやってたせいでウチは駆逐艦しか所持できなかったがな」

 

夜空の言う通り、実はこの鎮守府……敵と戦うよりも護衛任務や遠征任務などを主に受ける場所だった為、上からの命令もありコスト削減ということでこの鎮守府は駆逐艦の所持しか許して貰えなかったのである。

 

おかげで強い敵が出て来た時は本当に焦ったものではあるが……。

 

「まぁ、確かに苦しい時もあったけど……それでも誰1人欠けることなく今までやって来れたのは提督の指揮のおかげだよ?」

 

時雨は笑顔でそう言うと夜空は少し照れ臭そうに顔を窓の方へと向ける。

 

「照れるからやめろ」

 

照れ臭そうに喋る夜空に時雨はクスクスと笑顔を浮かべるが、話を戻し、なぜ先ほど夜空は浮かない顔をしていたのかと問いかけた。

 

「あぁ、さっき……時雨も言ったように敵さんは全滅しかけてる。 だけど、俺は最近思うんだよ。 あいつ等と分かり合えなかったのかって」

「分かり合う?」

「深海棲艦は艦娘とも非常によく似た存在だ。 一部の説では昔沈んだ艦、もしくは艦娘の成れの果てだって聞いてる。 そう考えると……あいつ等とも分かり合えたんじゃないかなって。 勿論、こんな考えが甘いのは分かってる。 でも実現ができるのなら、実現したい理想だと思うだろ?」

 

時雨は真面目に黙り込んで静かに夜空の話を聞いていた。

 

すると時雨は夜空に微笑みを向ける。

 

「提督は優しいんだね」

「そんなことはない」

「そんな謙虚することないのに」

「お前にも同じこと言ってやる」

 

そんな風に軽口を言い合う夜空と時雨、すると時雨は偶然執務室の机の上に置いてあった怪獣のソフビ人形の存在に気がついた。

 

それを見た時、時雨は世界中で発見されているという謎のオーパーツ、スパークドールズであることにすぐに気付き、なぜ夜空がそれを持っているのか首を傾げた。

 

すると時雨の視線に夜空は気付き、夜空はそのスパークドールズを手に取って時雨にそれを見せる。

 

「そう言えば、時雨にまともに見せるのは初めてか。 こいつの名前は『古代怪獣 ゴモラ』。 俺の、まぁ友達・・・・・・かな?」

「友達?」

「あぁ」

 

なんでも夜空が言うには今までここで働く1人の研究員に研究のため長らくずっと預けていたらしいのだが一通り研究が済んだため返してきてくれたのだという。

 

「そう言えば、怪獣の出現も最近はないよね」

「怪獣の出現率は低いからな。 去年なんて1体も出現しなかったし」

 

5年前、太陽の爆発「ウルトラフレア」により、スパークドールズは「宇宙怪獣ベムラー」を始めとして怪獣に実体化し、深海棲艦すら超える脅威となった。

 

と言っても怪獣の出現率は極めて低く、艦娘や自衛隊……さらには地球人に友好的な一部の「宇宙人」が協力し、彼等の活躍により今まで出現した怪獣はなんとか倒してきていたのだ。

 

「ゴモラは俺の父さんが残して行ってくれたものなんだよ……」

「残して行ったって、どういうこと? まさか提督のお父さんは……」

「いや、分からない。 5年前、ウルトラフレアが起こった時、俺の父さんはある研究所に残っていた母さんを助けるために俺を外に研究所に入って行ったんだ。 でもその直後、父さんと母さんは研究所ごと突然消えた」

「消えた……?」

 

夜空は無言で頷き、ゴモラをじっと見つめる。

 

「建物と一緒に、粒子みたいになって……空に消えたんだ……」

「……」

 

時雨はこれは聞かない方が良かったかなと不安になり、気まずそうにするが……そんな時雨の様子に気づいたのか夜空は時雨の頭部に軽めのチョップを叩き込んだ。

 

「話を振ったのは俺なんだし、お前が気にすることなんてないよ。 父さんや母さんも絶対生きてるって信じてるし」

 

そう言いながら笑顔を見せる夜空に対し、時雨も自然と彼に微笑み返したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、鎮守府の隅っこにある1つの建物、研究室としても使っているその場所では……。

 

「やあ、プロフェッサー。 私が頼んでいた物は完成してるかな?」

「おぉ、響ちゃん待っていたよ! 勿論、君が頼んでいたものはちゃんと完成しているとも!」

 

そこにいたのはこの鎮守府の戦力不足を補う為にここで働くことになったという「戦国 リョーガ」という科学者であり、彼の元にやってきたのは「暁型2番艦 駆逐艦 響」と響と同じく「暁型1番艦 駆逐艦 暁」である。

 

「響、リョーガさんに一体なに作って貰ったの?」

「あぁ、リョーガさんに頼んで新装備の開発をね」

 

それを聞いて暁は「えっ? 開発なら妖精さんに頼めば作ってくれるんじゃないの……?」と首を傾げたが……なんでも今回できた新装備は妖精さんでは恐らく作れないだろうということから彼に開発を頼んだというのだ。

 

「見て驚くといいよ、姉さん。 その新装備というのが……これだ!!」

 

響は自信満々に艦娘が戦闘態勢に入る為の装備……「艤装」と呼ばれるものを瞬時に装着し、さらにリョーガから投げ渡された新装備を響は早速装備する。

 

「どうだい姉さん? 似合ってる?」

「いや……似合ってるって言うか……」

 

響が装備した新装備……それは……。

 

「どう見ても鍋じゃないのそれぇ!?」

 

そう、響が装着した新装備、それはどう見ても「鍋」であり響は鍋を頭に被ってさらには鍋の蓋を右手に持ち、キリッとした表情を暁に見せていた。

 

「姉さん、鍋の力を侮っちゃ行けないよ。 鍋の蓋は時に盾となり、投げれば武器にもなる。 頭に被ってる鍋も頭を守れる上に予備にもなるし」

「言ってる意味が分かんないんだけど!? っていうか鍋が武器になる訳ないでしょ!?」

「いや、それが実際なるんだよこれが。 材料としてボーキサイトとアダマンチウ……特殊な金属の隕石ぶち込んだからね」

 

それを聞いた暁は「はぁ!?」と驚きの声をあげる。

 

「今アダマン○ウムって言いかけた!? っていうかボーキサイト使ったって2人ともちゃんと司令官に許可取ったの!?」

「無論……取ってない!!」

「なんでアンタそんな誇らしげなの!? っていうかアダマン○ウムどこから持ってきたのよ!?」

「そもそもボーキサイトなんて若干余り気味だったんだ。 ちょっとくらい使ってもバレやしないさ♪」

 

リョーガが余裕満々でそんな態度を取っていると彼の背後から「ほう?」という声が聞こえ、その声を聞いた瞬間リョーガは「ビクゥ!」と震えダラダラと冷や汗を流し始める。

 

リョーガは恐る恐る後ろを振り返るとそこには……。

 

「提督に黙って勝手にボーキサイトを使うとは……」

「お前、ちゃんと覚悟はできているんだろうな?」

 

そこにはこの鎮守府の憲兵をしている青年「昌義(まさよし) タカト」と「睦月型9番艦 駆逐艦 菊月」が鬼の形相でリョーガを睨みつけており、リョーガはタカトと菊月の姿を見るや否や全力疾走で逃げ出した。

 

「「逃がすかぁ!!」」

 

が……すぐにタカトと菊月に取っ捕まり、タカトがリョーガを羽交い締めにし、そこにすかさず菊月のドロップキックがリョーガの腹部に叩き込まれたのだ。

 

「ぐばああああ!!!!?」

「貴様ぁ!! 毎度毎度資材を下らん研究に使いおってぇ!!」

「ちゃんと研究しているのなら俺は文句は言わん!! だが、お前の場合いらない物を作り過ぎてるのが問題なんだ!!」

「この前のなんて酷かったぞ!! なんだあの『スカート捲りマシーン』は!?」

「いやちょっと待って! あれは偶然そうなっただけの失敗作な上にあれを動かしたのは私ではなっ!?」

 

しかし、リョーガの言い分を菊月もタカトもさらさら聞く気はなく、2人は「問答無用!!」とリョーガに制裁を加えるのだった。

 

「えっ? このあいだのスカート捲りマシーンってリョーガさんがコントロールしてたんじゃないの? じゃあ誰が……」

「姉さん、この鎮守府にあんなことする人って言ったらあの人しかいないんじゃないかな?」

 

暁と響がそんな会話をしていると丁度背後から誰かが現れ、その人物は響と暁の姿を確認すると2人に向かって勢い良く突撃、そのことに丁度暁が気付き、彼女は「きゃあ!?」と悲鳴をあげるが……。

 

「ふごおお!!?」

 

響が投げた鍋の蓋がその人物に直撃し、その人物は地面へと倒れこみ、鍋の蓋は響の手元に戻ってきて彼女はそれを見事にキャッチ。

 

ちなみに響は一切後ろを振り向いてすらいないという抜群のコントロール力を見せた。

 

「ひ、響! 今の凄かったわね! ま、まあ別に助けて貰わなくてもレディの私なら1人でもなんとかできたけど……」

「そうかい、それは余計なことをしたね」

「でも、響、今のなんかアレっぽかった! あの〜なんとかアメリカっていう……そう! カー○ル・アメリカみたい!!」

「姉さん、それ洒落にならない奴。 キャプ○ン・アメリカね」

 

暁は「ま、まあちょっと間違えちゃっただけよ」と名前を間違えてしまったことに少し恥ずかしそうにそっぽを向く。

 

「でもちょっとカッコ良かったわ」

「これから私のことは『キャプテン・ヴェールヌイ』とでも呼んでくれ」

「いや呼ばないし。 そもそもアンタまだヴェールヌイじゃないし」

 

するとリョーガの制裁を完了したタカトと菊月が先ほどの人物の元へと向かい、タカトは気を失っている先ほどの人物の頬を叩いてなんとか起き上がらせる。

 

「うーん? あれ? 私はなにを?」

「何時もの癖が出ただけだ。 撃沈感謝する、キャプテン・ヴェールヌイ」

「リョーガと違ってこいつは逃げ足が速いからな。 礼を言うぞ、キャプテン・ヴェールヌイ」

「いや2人ともキャプテン・ヴェールヌイって呼ぶの!? ノリ良いわね!」

 

菊月とタカトは先ほどの人物の両腕をガッチリと掴み上げてそのままどこかへと引きずって行き、タカトと菊月はその人物に引きずりながらガミガミと説教をするのだった。

 

「全く、『海原副司令』、アンタはここの副指令……提督代理でもあるんだからちゃんと仕事しろ!!」

「仕事なら終わらせてますよ!! だから暁ちゃんと響ちゃんに抱きついてスキンシップを……」

「いきなり抱きつこうとするな。 それよりこの前のスカート捲りマシーン使ったの副司令だったのか? 同じ女のスカートの中など見てなにが楽しいんだか……」

「はっ? スカートの中身なんざどーでもいいんですよぉ! 私は単にスカート捲られて恥ずかしがる艦娘たちの顔がみたかっただけなんで!! 菊月ちゃんも可愛かったですよ、ごちそうさまです」

 

「よし、一発殴るかこいつ」と菊月は額に青筋を浮かび上がらせて握り拳を見せるがここの鎮守府の副司令……「海原(うみはら) 奈々(なな)」はするりと両腕の拘束を抜け出して駆け出し、颯爽と彼女はタカトと菊月から逃げ出したのだ。

 

「幾ら菊月ちゃんでも殴られるのはちょっと勘弁ですね!!」

「おいコラ逃げるなぁ!!」

 

とまあ、こんな感じで菊月と奈々の鬼ごっこが開始された訳だが……タカトは奈々の追跡は菊月に任せ、自分は提督の夜空にリョーガがまた資材を勝手に使ったことを報告するため携帯端末「ジオデバイザー」を取り出し夜空に報告。

 

連絡を受けた夜空は即座にリョーガの元に訪れることになったのだが……。

 

「資材を使うのはいいんだけど、できれば報告してくれよリョーガさん」

 

とこんな感じで特に怒ることはなく、次からちゃんと資材を使う時はちゃんと報告してくれと頼むのだった。

 

「いやぁ、すまないねぇ。 使う場合は色々と書類に書かないといけないから少し面倒で」

「それでも勝手に使われるのは困るよ」

 

夜空と時雨に言われて「分かったよ……」とリョーガは次からはちゃんと許可を取ると約束し、そんな3人の様子を見ていたタカトは「もう少し怒ってくれても良かったんだぞ2人とも?」と言うが……。

 

「いや、俺も時雨もリョーガさんの発明品って面白いものが多いからあんまり怒れなくて」

「彼の性格のおかげでここの鎮守府結構賑やかになってる訳だしね?」

 

それを聞いて「全く……」と頭を抱えるが、提督と秘書艦である夜空と時雨がそう言うのであれば今回はこれで今回の件は勘弁してやろうとタカトは思うのだった。

 

「それよりもリョーガさん、頼んでおいた『サイバー怪獣計画』の方はどうなってますか?」

 

「サイバー怪獣計画」、それは時折出現する怪獣、又は深海棲艦に対抗するため……スパークドールズを解析しデータ化することで人工怪獣……「サイバー怪獣」を生み出すプロジェクト。

 

ちなみにこの計画の発案者はリョーガであり、軍の研究施設や一部の鎮守府で様々な科学者がサイバー怪獣の実験を行っているのだが……未だにサイバー怪獣の実体化は成功した試しはない。

 

そしてこの鎮守府もまたサイバー怪獣計画が進められており、夜空が持っていたゴモラのスパークドールズもこの研究のためにリョーガに預けていたのだ。

 

「まあ、やはりサイバー怪獣の実体化は非常に難しいね。 まっ、私的にはその方がかなり燃える訳だが」

「そうか……なるべく、早く完成してくれるといいんだけど……」

 

深海棲艦はもう殆ど生き残ってはいない、しかし……数が減っていると言っても強い敵が生き残っていない訳ではないのだ。

 

さらに、いずれは自分達が……いや、自分の部下の艦娘たちが怪獣と戦わなければいけない日が来るかもしれない、そう考えると夜空は不安で不安で仕方がなかった。

 

そんな夜空の様子に気づいたのか、時雨がポンっと夜空の肩に手を乗せる。

 

「大丈夫だよ、提督。 今までだってずっと僕たちは生き残って来れたんだ。 だから、例え怪獣と戦うことになったとしても、絶対に誰も欠けずにここに帰ってくる」

「時雨……」

「うん、だから僕たちを信じて? 僕たちも提督を信じてるからさ」

 

夜空は一度安堵するようにため息を吐くと時雨に「ありがとう」とお礼を言い、時雨に対して「どう致しまして」と頷いたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある海域にて……そこでは6人の艦娘……「暁型3番艦 駆逐艦 雷」と「暁型4番艦 駆逐艦 電」、「睦月型1番艦 駆逐艦 睦月」、「朝潮型1番艦 駆逐艦 朝潮」と「朝潮型1番艦 駆逐艦 荒潮」、「白露型4番艦 駆逐艦 夕立改二」がある調査のため海の上を走っていた。

 

ちなみに彼女達が夜空のところの鎮守府の所属である。

 

「さて、この辺りですね」

 

旗艦である朝潮が全員に一時停止するように指示し、他のメンバーは言われた通りその場に立ち止まる。

 

「それじゃ任務の確認です。 提督からのお話ではこの辺りを通る船などが突然爆発するなどという事件が立て続けに起こっています。 なぜ爆発などが起こるのか原因は不明、調査によると船は何者かの攻撃を受けた可能性があります」

「深海棲艦の仕業でしょうか……?」

「分かりませんが生存者の話によれば深海棲艦ではなく、巨大な『角』のようなものを見たという話がありますね」

 

電の疑問に朝潮がそう答えるが……「巨大な角のようなもの」だけでは相手が何者なのかが全く分からない。

 

「まぁ、なんでもいいっぽい! 深海棲艦が相手なら久しぶりに大暴れできるっぽい!」

「そうね〜、最近身体が鈍って仕方がないからここいらで艤装がぶっ壊れるくらいまで暴れたいわね〜」

 

うずうずした様子の夕立と微笑んでいるが言ってることは物騒な荒潮だが、朝潮が「コラ!」と夕立と荒潮を怒鳴る。

 

「提督はもしも敵がいた場合、一時撤退するように命令されています! 今回は調査が主な任務なんですから!」

 

実はこの夕立、夜空の鎮守府に所属する艦娘の中でも特に戦闘狂であり、戦闘力もあの鎮守府の艦娘の中でも特に高いのである。

 

そのため雷は「どうしても戦闘になったら頼りにするわね!」なんてことを言っていたり。

 

「んっ……?」

 

すると睦月がなにかを感じたのか、彼女は自分の足下をじっと見つめる。

 

「どうかしたの睦月?」

「なんか……熱くなぁい?」

「えっ……?」

 

朝潮たちは睦月の同じように自分の足下を見てみるとだんだん海から湯気が上がり、やがて「ぶくぶく」と泡を立て始める。

 

「なんで海の中で湯気が出てるにゃー?」

「温泉でも出たんじゃないかしら〜?」

「そんな訳ないでしょ!? ねえ朝潮!! すぐにここから離れた方がいいじゃないかしら!?」

「そうですね、嫌な予感がします!」

 

朝潮は雷たちを引き連れてその場から一度離れようと海の上を走り出し……やがて泡が立っていない場所まで来ると先程自分達がいた場所の辺りを振り返ってジッと見つめる。

 

「ここからでも確認できますね、まだ泡が……」

 

すると次の瞬間、海の中から巨大な火球のようなものが飛び出し、やがてそれは重力に従って下へと落下、少し巨大な波を巻き起こした。

 

「い、今のにゃしぃ!?」

「睦月ちゃんもしかして『今のなに?』って言いたいのですか?」

「もしかして今のあれが船にぶつかって……確かに今までの船には炎上した形跡がありましたね。 しかも丸焦げ。 ほぼあれが原因で間違いないでしょう」

 

「でもあれは一体なんなのです?」と電が不安そうな表情を見せながら朝潮に問いかけるが、当然、現状ではあれが何なのか全く分からない。

 

兎に角、朝潮は一度夜空に報告するため通信を行おうとしたが……その時。

 

「朝潮ちゃん見るのです!!」

 

電の声を聞いて朝潮が電の指差し方向を見ると先ほどとは比べ物にならないくらいの泡が吹き出し、そして……海から恐竜にも似た巨大怪獣「熔鉄怪獣 デマーガ」が出現した。

 

「グアアアアアアアアアアア!!!!!」

「か、怪獣!?」

「遂に、怪獣が……私たちのところに……」

 

怪獣の出現に朝潮を始め、他のメンバーもかなりの驚きの様子を見せ、あの戦闘狂である夕立や荒潮も初めてみた怪獣の出現に驚く……。

 

「凄いかっこいいっぽい!!」

「あら〜。 なんかワイルドで素敵ね〜」

 

と思ったら2人とも目をキラキラさせてデマーガを見つめていた。

 

「まさか怪獣の仕業だったなんて……兎に角、提督に連絡を!! みんなすぐに鎮守府に戻りますよ!!」

「それは分かったんだけど……ねぇ、朝潮、あいつあのまま真っすぐ進んだら……私たちの鎮守府の近くにある街に辿り着かない?」

「えっ!? 確かに……でもあの速度なら私たちの方が先に鎮守府に到着します!! みんな急いで戻りましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鎮守府、デマーガの出現の報告を受けた夜空はすぐに艦娘たちをかき集め、外にある広場へと全員を集め、怪獣出現の報告を艦娘達に夜空は伝える。

 

「先ほど、朝潮達から怪獣が出現、この鎮守府の近くにある街に向かって来ているという報告を受けた」

 

それを聞いた艦娘達は怪獣が出現したという言葉を聞いてざわめき始める。

 

「最も確実ではないがこの街に来る可能性は高い。 そこでお前達には2チームに分かれて貰い民間人を避難させるチーム、怪獣の足止めを行うチームに分ける。 避難を完了させたら怪獣の足止めをしているチームと合流しろ。 ただし全員無理はするな、不味いと思った時はすぐに撤退しろ!」

「つ、遂に怪獣が……」

 

不安そうな表情を浮かべる暁、そんな暁の様子に気づいた響が彼女を後ろから抱きしめる。

 

「きゃっ! 響……?」

「安心しなよ、姉さん。 姉さんも、雷も、電も……鎮守府のみんなも私がまとめて守ってあげるからさ」

「で、でも……ここにいるのはみんな駆逐艦で艦娘の中でも特に弱……」

「知ったことじゃないね、そんなこと。 守るものは守る。 襲いかかってくるものがなんであろうが。 私は自分の姉妹を、仲間を守り抜くよ必ず。 だから……安心して?」

 

そんな風に自信満々に言い切る響に、暁は呆れたようにため息を吐き出す。

 

「ありがとう響。 全く、その自信はどこから来るのかしら……」

「この鍋からさ」

「なんか台無し!?」

 

という風に親指で頭に被ってる鍋を指差し「ドヤァ!」という効果音が聞こえてきそうなくらいにドヤ顔を決める響だった。

 

尚、朝潮たちは戻ってきたところで夜空は艦娘たちのチーム分けを行い民間人を避難させるチームは睦月、如月、文月、皐月、電、雷、村雨となり、怪獣の足止めを行うチームは朝潮、荒潮、満潮、時雨、夕立、暁、響、菊月となった。

 

「お前から怪獣の相手を志願した訳だが……暁、大丈夫か? さっき結構怖がってたろ」

「フン! 怪獣なんて怖くないわよ! それに響が……響が私たちを絶対に守るって言うのなら私が響を守ってあげるんだから!」

「おっ? なんか今の暁レディっぽかったぞ?」

「なっ、私は何時だってレディよ!」

 

ぷんすかと怒る暁の頭を夜空は撫でるのだが……暁は「撫でるなー!」と頬を膨らませて夜空の腕を振り払いそそくさと「出撃の準備してくるわ!」と言いながら逃げるようにその場を去るのだった。

 

「さて、それじゃ俺も出撃の用意するかな……」

「えっ? 提督、出撃って……」

「時雨、今回は何時もの相手と違うんだ。 俺も現場に行って怪獣の動きを見てお前達に指示を送る必要がある」

「で、でも危険だよそんなの危険だよ提督!!」

「危険なのはお前達も一緒だ! いや、俺よりも危険な場所に……ずっとそうだ……俺は、安全なところから何時も指示しか出してやれない。 できることなら、俺もお前達と戦いたいのに……」

 

夜空は顔を俯かせてその拳を強く握りしめ、そんな夜空の手をそっと時雨は握りしめる。

 

「その気持ちだけで十分だよ、提督が僕たちのことを凄く大切にしてくれて……それだけで僕たちは戦い抜ける」

 

夜空は時雨の方を見ると彼女は夜空を安心させるように笑顔を自分へと向けていてくれていた。

 

「よっし、艦隊……『Xio』!! 出撃する!!」

 

 

 

 

 

 

数十分後……怪獣、デマーガが予想した通りの場所に上陸、デマーガが街に上陸した直後……攻撃隊である朝潮たちはすぐさま戦闘態勢へと入る。

 

「あら〜、やっぱり大きいわねぇ」

「フン、あんなのデカい的よ!!」

 

荒潮とそんな会話を行うのは「朝潮型3番艦 駆逐艦 満潮」である。

 

「総員!! 怪獣……デマーガに攻撃開始!!」

「なるべく離れた位置で奴の足元、又は目を狙え!!」

 

時雨と菊月の指示に従い、艦娘達は装着された主砲を構えて一斉に砲弾をデマーガの足下と目を主に狙って攻撃を開始。

 

満潮の言うとおり、相手が巨大なため撃ち漏らしも特になくデマーガはただただ相手の攻撃を受けるだけだったのだが……デマーガは幾ら攻撃を受けても平然としており、デマーガは立ち止まることなく真っすぐと進行する。

 

「奴め、私たちを無視するか!」

 

菊月は全く自分達のことなど意に返さないデマーガに少し苛立ったが……そのときデマーガの身体の所々が赤く発光をし始め、デマーガの身体から幾つもの火炎弾が飛び出してきたのだ。

 

火炎弾は街のあちこちへと降り注いでビルなどを破壊し、火炎弾は朝潮達の元に降り注いできたのだ。

 

『きゃあああ!!!?』

『時雨! みんな……大丈夫か!?』

 

時雨たちのいる場所から離れたビルの屋上でデマーガの様子を伺っていた夜空が時雨たちの悲鳴を聞いて慌てて通信を入れ、夜空の通信に対し時雨は「なんとか全員無事だよ」という報告を行う。

 

『そうか、良かった。 ジオデバイザーでデマーガのことを解析したが奴の弱点はあの頭部にある黄色い角だ! そこを狙え!!』

「了解!! みんな! 聞いたね? デマーガの角を狙うよ!!」

 

時雨の言葉に全員が頷き、主砲を構えて一斉にデマーガの角に目掛けて攻撃を開始、しかし角に攻撃を受けてもデマーガを止めることは出来ず、むしろ逆に弱点を攻撃されたためかデマーガは艦娘たちの方へと振り返り、彼女達を睨みつける。

 

「グルルルルル……」

「まずい……みんな逃げて!!」

 

デマーガは時雨たちに口から赤色の熔鉄光線を発射、直撃こそ受けなかったものの爆発に巻き込まれて何名かは吹き飛ばされてしまう。

 

「くっ……なんて破壊力だ……」

「これが……怪獣……」

 

先ほどの攻撃で背中を強く打ち付けた菊月と朝潮、2人は背中を抑えながらもなんとか立ち上がるが……そこに時雨が駆けつける。

 

「2人とも大丈夫!?」

「あぁ、まだやれるさ」

「えぇ……って時雨!? あなた腕……!」

 

朝潮は時雨の右腕から大量の血が流れていることに気付き、朝潮はすぐに夜空に連絡を入れて時雨を撤退させようとするが……時雨が慌ててそれを止める。

 

「僕は平気だよ、まだ戦える! だから提督に連絡しないで……っぅ……」

「なにを言っているそんな傷で! 痛がってるじゃないか! これ以上戦うのは危険だ!」

 

菊月と朝潮は時雨に構わず夜空に連絡を入れ、連絡を受けた夜空はすぐに時雨に撤退するように命令し、時雨は渋々撤退することになったのだった。

 

「さて……どうする朝潮?」

「兎に角、あの角に集中攻撃しましょう!」

 

一方……夜空と……副司令である奈々がいるビルの上では彼はまだ応援がまだ来ないのかと焦り始めていた。

 

「クソ、応援はまだ来ないのか?」

「それなんですがね、司令官……どうやら現在世界各地で複数の怪獣たちが出現しているそうなんです」

「はぁ!? なんだそれ!? どういうことだ!?」

「その原因は不明ですが今現在確認されている怪獣はアボラス、バニラ、ペギラ、ペスター、マグラーといった怪獣たち……」

 

つまり、応援が来ないのは他の場所に現れた怪獣たちを相手にしているため、ここに来る余裕がないということである。

 

その時だ、耳のインカムから突然「うわああああ!!?」という時雨の声が聞こえ、夜空は慌てて時雨に通信を行う。

 

「時雨! おい時雨!!? 奈々、時雨を俺は迎えに行ってくる。 そのあいだ指揮を任せる!!」

「了解! お気をつけて!!」

 

夜空は急いで時雨を探すためにその場を飛び出し……一方の時雨はというと……。

 

「いたた〜……くっ、ちょっとしくじっちゃったかな?」

 

崩れた建物の瓦礫の一部が時雨の足を挟み込んで彼女を動けなくしており、そんな彼女の元に1人の少女が駆け寄る。

 

実はこの少女……先ほど建物の崩壊に巻き込まれそうになったところを時雨に助け出されたのだ。

 

その際に時雨は足を挟んでしまい、今のこの現状に至るという訳である。

 

「お、お姉ちゃん大丈夫……?」

「うん、僕は大丈夫だよ。 それより君は早く逃げて!」

「で、でも……」

「心配しないで、僕は艦娘だからこれくらい平気さ」

 

時雨は少女の頭を優しく撫でた後、時雨はデマーガがこちらに向かって来ていることに気づくとすぐに強めの口調で「早く逃げて!!」と言い放ち、少女は言われた通りすぐにそこから逃げ出した。

 

少女が逃げてくれたのを確認すると時雨は足の瓦礫をどうにか退かし、足を瓦礫の下から抜け出すことに成功したのだが……今度は挟まっていた左足から大量の血を流し、彼女は痛みのあまりその場に倒れ込んでしまう。

 

「うっ……これじゃ、上手く歩けない……」

「グアアアアアアアアアアア!!!!!!」

「っ!?」

 

デマーガの雄叫びを聞いて時雨はなんとか立ち上がり、左足を引きずりながらもどうにか逃げようとするが彼女は足を躓き、その場に倒れようとした……その瞬間。

 

「おっと」

 

倒れそうになった時雨を夜空が受け止めたのだ。

 

「てい……とく……?」

「こりゃ傷が酷いな、すぐにここから離れるぞ。 先ずは艤装を外せ」

 

時雨は言われた通り、艤装を外すと夜空は時雨の身体を抱きかかえ、いきなり抱きかかえられた時雨は「うわぁ!?」と顔を赤くして驚くが……夜空は「照れてる場合じゃないぞ」と言ってすぐにそこから走り出す。

 

「あっ! ちょっと待って提督!」

「どうした?」

 

時雨は突然夜空に止まってくれるように頼み、彼女は夜空の腕から降りるとなぜか来た道を足を引きずりながらも引き返し始める。

 

「おい時雨!?」

 

夜空は慌てて時雨の後を追いかけようとするが……その時、持っていたジオデバイザーから突然振動音が鳴り、何事かと思い夜空は慌ててジオデバイザーを取り出す。

 

『ユナイト……ユナイト……』

「はぁ!? ってそんなことより時雨!!」

 

夜空は時雨の名前を叫ぶが……その直後、時雨に向かってデマーガの光線が彼女に向かって放たれ……夜空は必死にその手を伸ばす。

 

「時雨ええええええええええええ!!!!」

「えっ……なっ!?」

 

その瞬間、夜空の持っていたジオデバイザーの色が金色へと変化し、そこから強い光が放たれ、光は夜空の身体を包み込む。

 

そして時雨は……自分に迫り来る光線を見てギュッと目を瞑り、やがて爆発する音が自分の耳に入った。

 

だが、特になにかが自分に降り注いだような感覚はなく、彼女はそっとその目を開けると目に飛び込んで来たのは巨大な光だった。

 

やがて光が収まるとそこに立っていたのは巨人……赤と銀色の、メカニカルな外見をした1人の巨人だったのだ。

 

巨人……「ウルトラマンエックス」は立ち上がるとデマーガへと振り返る。

 

『夜空! 君と私はユナイトした! 心を1つに合わs「テメぇ!!」えっ?』

 

エックスの中にいる夜空は話しかけられた声には気づかず、時雨を攻撃してきたことに対してデマーガに怒りをぶつける。

 

「よくも時雨を!!」

『ちょっ、待っ……! 話を聞け……』

 

しかし、夜空は全く話を聞かず、エックスはファイティングポーズを取りながらデマーガに向かって駆け出し、ジャンプして勢いをつけデマーガの顔面を殴りつける。

 

「光の……巨人……?」

 

時雨はエックスの姿を見てそう呟き、エックスの姿を見た他の艦娘たちは突如現れた巨人に戸惑い、朝潮や菊月に巨人も攻撃するべきかどうかを尋ねていた。

 

「怪獣と、戦ってる……」

「まだ敵なのか味方なのか分かりませんね……少し様子を見ましょう」

 

エックスはデマーガの腹部に蹴りを叩き込むがデマーガも負けじと頭突きをエックスの胸部に喰らわせ、怯んだところにデマーガは光線をエックスに撃ち込み、直撃を受けたエックスはビルを巻き込んで地面へと倒れ込む。

 

『ウア!?』

 

デマーガはさらに追い打ちとばかりに光線をエックスに撃ち込もうとするがデマーガの頭が突然爆発、誰かがデマーガを攻撃したのだ。

 

「時雨……! あいつ、無茶しやがって!」

 

それは時雨であり、先ほど取り外した艤装の主砲を両手に持って砲弾をデマーガに撃ち込んだのだ。

 

「朝潮、菊月、彼は味方だ。 僕を守ってくれたんだ!」

『確かなのか?』

「うん」

『分かった! 総員、あの巨人を援護しろ!!』

 

菊月の言葉に従い、艦娘たちは一斉にエックスを援護するため、デマーガに攻撃を繰り出し始める。

 

『デアッ!!』

 

立ち上がったエックスはデマーガに向かって腹部に蹴りを叩き込み、両肩を掴んだ後さらに膝蹴りを叩き込んだ。

 

しかしデマーガは暴れてエックスを振り払い、光線をエックスへと放ち、エックスは両腕を交差してなんとかデマーガの光線を耐え切る。

 

だがその直後にデマーガの強烈な体当たりが繰り出されてエックスは吹き飛ばされ、倒れ込んでしまう。

 

『みんな聞こえますか? 全員、怪獣の立っている地面を攻撃してください』

「はっ? そんなところ攻撃したってあいつにダメージなんて……」

 

奈々からの突然の指示に暁が不満げに言うが……そんな暁に対し菊月が「兎に角言われた通りにしよう」と彼女に対して言ったため、暁は頷き、艦娘たちは奈々の指示通りデマーガが立っている地面に向かって砲弾を何発も撃ち込んで行く。

 

「グル……?」

 

デマーガも彼女達がなにをやっているのか分からず首を傾げるが……その直後、地面が崩れてデマーガの膝から下が地面に埋まり、それによってデマーガはバランスを崩して倒れ込んでしまう。

 

実はデマーガが立っていた場所の下は地下のある空洞であり、そこにデマーガの体重と艦娘たちによる攻撃によって地面が崩れ、見事に地面に穴が開きデマーガがバランスを崩して倒れさせるというのが奈々の狙いだったのだ。

 

『今です!! 響、荒潮、夕立!!』

 

挿入歌「ウルトラマンX」

 

奈々の声に従い、響、夕立、荒潮がデマーガに向かって駆け出し、空高くジャンプして飛び立つ。

 

「さあ、レッツパーリィー♪」

 

荒潮がそう言うと同時に夕立は両手と口に加えている魚雷を纏めて、荒潮は腕に装着された主砲で砲撃を、響は持っていた鍋の蓋をデマーガの角に目掛けて一斉に放つ。

 

「っぽいいいいいいいいい!!!!」

「あらぁ〜!!」

「ウラァー!!!!」

 

夕立、荒潮の攻撃が角に直撃し、2人の攻撃によって角にヒビが入り、そこに響の放った鍋の蓋がヒビの入った角を切り裂いてデマーガの角が完全に破壊され、角を破壊されたデマーガは悲鳴をあげる。

 

「ギシャアアアアアア!!!!!?」

『オイ、なんだあの3人の掛け声……っていうか鍋凄いな!?』

「今だ!!」

『少しは会話してくれないか!?』

 

デマーガはなんとか崩れた穴から抜け出し、激情して響達に攻撃しようとするがエックスは駆け出してデマーガに掴み掛かり、膝蹴りを2発叩き込んだ後、デマーガの頭部にチョップを叩き込む。

 

「グアアアアア!!!!」

『シュア!!』

 

デマーガは尻尾を振るってエックスを攻撃するがエックスは尻尾を受け止め、引っ張ってそのまま投げ飛ばし、デマーガは背中から地面に激突した。

 

『オイ!! いい加減私の話を聞け!!』

「うおっ!? アンタ誰だ!? ってアレ? よく見たら俺でかくなってる!?」

『今更気づいたのか!? まあ、詳しい話は後にして……。 君と私はユナイトした。 共にあの怪獣を止めるぞ!』

「はぁ!? でもそんなのどうやって……」

『私たちの心を合わせるんだ!』

 

エックスのその説明に夜空は「息をあわせろってことか? 取り敢えず分かった! やってみよう」と頷き、するとエックスの胸にあるX字の青いクリスタル……「カラータイマー」が黄色く輝き……両腕を胸の前でX字にクロスさせて発射する必殺光線「ザナディウム光線」がデマーガに向けて発射された。

 

『「ザナディウム光線!!」』

「グギャアアアアアアアアアア!!!!!!!?」

 

ザナディウム光線は見事デマーガに直撃し、デマーガは火花を散らしながら倒れ爆発を起こした。

 

エックスは怪獣を倒したことを確認するとエックスは空に向かって飛び立ち、空に消えて行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「提督……どこに、いるの……?」

 

エックスが飛び去った後、時雨は自分の傷など顧みず必死に夜空の姿を探していた。

 

もし、彼にもしものことがあったら……それは自分のせいなのかもしれない、自分があの時夜空の言葉を聞かなかったから……。

 

「提督……」

 

今にも彼女は泣き出してしまいそうだったが……。

 

「呼んだ?」

「っ! 提督!!」

 

後ろから聞こえてきた声に時雨は慌てて振り返るとそこには夜空の無事な姿があり、彼女は必死に駆け寄ろうとするが足の痛みのせいで転んでしまいそうになり、それを夜空が慌てて受け止める。

 

「はぁ、またか」

「……ごめんね、提督……。 無事でよかった」

「それは俺の台詞だよ。 全く」

 

夜空は時雨を抱きかかえて歩き始めるが……抱きかかえられた時雨は「はい」と言ってある物を夜空に渡した。

 

それは、夜空が「友達」だと言っていたゴモラのスパークドールズであり、時雨は先ほどこれを取りに行ったのだと夜空は気づいた。

 

「大事な友達なんでしょ? ダメじゃないか、ちゃんと持ってないと」

「……ごめん、あと……ありがとうな。 時雨」

「うん」

 

それから時雨と夜空はエックスのことについて話すこととなり、時雨は「なんだったんだろうねあの巨人?」と夜空に話しかけると彼は「分からない」と答えるしかなかった。

 

「あの巨人のデータは一切なし、ただ分かるのはあの巨人は怪獣をスパークドールズにする力を持ってるらしい。 さっきデマーガのスパークドールズを回収した。 全く未知の超人だよ。 つまり、彼の名は……『ウルトラマンエックス』」

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