大ダコ怪獣 タガール
アンフィビアタイプビースト フログロス
闇の巨人 ダークメフィストドライ
登場。
「キュエエエエエエ!!!!!」
どこかの森でナメクジのような姿をした異形の怪物……「ブロブタイプビースト・ペドレオン・クライン」は両腕の触手を使い、3人の少女……「暁」「雷」「電」を拘束し今にもその巨大な口を開き……彼女たちを捕食しようとしていた。
「いやあああああああ!!!!」
「助けてぇ!!」
「助けて……助けて響いいいいいい!!!!」
3人は必死に泣き叫び、暁は妹である響の名を必死に叫び……響もまた彼女たちを助けようと必死に手を伸ばしていた。
「姉さん!! 雷!! 電ぁ!!」
だが……その伸ばした手は突然現れた遺跡のようなものに触れ、響がその遺跡に触れると彼女はその遺跡から発する眩い光へと包まれた……。
その光は巨大な柱となり、その中から1人の銀色の巨人……「ウルトラマンネクサス・アンファンス」が現れたのだ。
戦闘BGM「ネクサス - Heroic-」
『シュア!!』
ネクサスは右手から出す光の帯「セービングシュート」を使いペドレオンに拘束された暁、雷、電を奪い取ると3人を安全な地上へと降ろし、ネクサスはペドレオンに向かって駆け出しペドレオンの腹部にエネルギーを拳に込めて放つ「アンファンスパンチ」を叩き込み、ペドレオンを殴り飛ばした。
「キュエエエエエ!!!!」
だが殴り飛ばされたペドレオンはすぐさま起き上がり、右腕の触手を伸ばして接近して来たネクサスの首に巻きつけて電撃をネクサスの身体に流し込む。
『ウアッ!?』
「キュエエエエエエ!!!!」
さらに左手の触手を使ってネクサスを叩きつけ、ネクサスにダメージを与えるが……ネクサスは右腕の「アームドネクサス」の刃を輝かせてペドレオンの触手を切り裂き、続けざまに拳をペドレオンの胸部に叩き込んでいく。
追撃とばかりにネクサスは拳をペドレオンの顔面に叩き込もうとしたが……ペドレオンは強力な衝撃波を放ってネクサスを吹き飛ばしてしまう。
吹き飛ばされたネクサスは地面を転がりつつも体制をどうにか立て直して立ち上がるがペドレオンは飛行形態「フリーゲン」となってネクサスに向かって空中から体当たりを喰らわせて突き飛ばす。
『ヘアッ!?』
突き飛ばされたネクサスは地面に倒れこみ、ペドレオンはグロースへと戻って残った左腕の触手でネクサスの首を拘束し電撃を流し込む。
『グオォ……!?』
もう1度アームドネクサスで切り裂いてやろうと思ったネクサスだったがペドレオンはそれよりも前に拘束を解いて衝撃波を放ちネクサスを吹き飛ばすとすぐさまフリーゲンとなって空中を吹き飛ばされているネクサスに向かって素早く体当たりし、ネクサスは地面へと背中から激突する。
『ジュア!?』
そしてペドレオンは再びグロースへと戻り、ネクサスを嘲笑うかのように鳴き声をあげる。
『ハァ……ハァ……』
息を切らし、膝を突くネクサス……しかしネクサスは自分を心配そうに見守る暁達の姿を見て再び立ち上がる。
『シュア!!』
気合を入れ直したネクサスはペドレオンに向かって駆け出し、ペドレオンは左腕の触手をネクサスに伸ばすがネクサスはその触手を避けて掴みあげるとそのままフルスイングを繰り出してペドレオンを投げ飛ばす。
「キュエエエ!?」
倒れこむペドレオンだが、ペドレオンはまたすぐに立ち上がる……だが立ち上がった直後、ネクサスの強烈な跳び蹴りが頭部に直撃し、ペドレオンは火花を散らしてダメージを受ける。
『ヘアッ!!』
ペドレオンは触手を振るってネクサスを攻撃するがネクサスはアームドネクサスで振るってきた触手を切り裂き、両手にエネルギーを溜めた後、両腕を十字に組んで放つ光線「クロスレイ・シュトローム」を発射。
『ハアアアアア……デヤァ!!』
クロスレイ・シュトロームはペドレオンに直撃し、ペドレオンは火花を散らして倒れ、爆発しネクサスはペドレオンは撃破したのだった。
『キュエエエ……!?』
ペドレオンを撃破し、ネクサスは暁達の方を見るとネクサスの勝利に喜んでくれる彼女たちの姿が目に入り、ネクサスはほっと安堵したのだが……その直後、辺り一帯が光へと包まれ……ネクサスは何が起こったのか分からず困惑していると……。
*
「響いいいいいいいいい!!!!」
「うわぁ!!?」
暁に響が叩き起こされるのだった。
気が付けば自分がいるのは自分たち第六駆逐隊が使ってる鎮守府の部屋の1つ。
暁に叩き起こされた響は暁や、その後ろにいる雷や電の姿を見てキョトンっとした表情を浮かべ……先程までのは夢だったのかと思い、安堵のため息を彼女は吐いた。
「なんだ、またあの夢か……」
「えっ?」
「いや、なんでもないよ姉さん。 それよりどうしたんだい?」
それを聞いて暁はムスっとした表情を浮かべており、どうにもなにか起こっている様子を見せており、響はなにか暁を怒らせてしまうことをしてしまったのだろうかと不安になり「どうして怒ってるの?」と恐る恐る聞くと……。
「もぉー! 遠征帰りの報告書出さないといけないでしょ! なのに響ったら途中でぐっすり寝ちゃうんだもん、中々起きなくて大変だったんだからね!」
「よく言うわね、自分も半分寝てた癖に」
ニシシっと笑いながら暁にそう言う雷、それを言われて暁は「あ、暁は別に眠くなんてならないんだからね!」と反論したが雷には「はいはい」と適当にあしらわれてしまった。
「響お姉ちゃんがお仕事中に居眠りとは珍しいのです、しかもあんなにぐっすり眠ってるなんて何か良い夢でも見てたのですか?」
電が不思議そうに首を傾げて響に問いかけると響は先ほどの暁や雷、電がペドレオンに捕食されそうになり泣き叫ぶ彼女たちの姿を思い出し、響は帽子で顔を隠すように「いや」と電に答えるのだった。
「どちらかと言えば……悪夢だよ」
それから報告書を終わらせて提督である夜空に提出した後、既に外はもう真夜中となっていたため暁たちはもうさっさと寝てしまおうと布団を敷くのだが……響はなんでも「この後皐月と副司令官と約束があるから」と言って暁たちは不思議そうに思いつつも一同は「行ってらっしゃい」と出て行く彼女を見送るのだった。
そして夜の薄暗い食堂で……そこでは奈々と皐月がそれぞれランタンを持って響を丁度待っており、同じくランタンを持った響は2人に「お待たせ」と言って3人はそれぞれ食堂の席に座るのだった。
ちなみに響が持ってるランタンはどう見ても「グリーンラ〇タン」が使ってるランタンだったりする。
「ねーねー副司令!! ちゃんと持って来たんだよね!」
「えぇ、問題ありませんよ、ほら!」
そう言って取り出したのは……1冊のアルバムであり、奈々はテーブルの上に置いてそれを開くとそこには第六駆逐隊が4人で気持ち良さそうに昼寝をしている姿やホラー映画を見て如月に抱きついてる睦月や文月、ラブ〇イブの僕ら〇今の中でのコスプレしてそれを発見されて顔を真っ赤にして菊月の姿などが映っている写真だった。
「はぁ……もうみんな可愛すぎですぅ!! 頬を撫でられて喜んでくれてる夕立ちゃんや提督に頭撫でられて嬉しそうにしてる時雨ちゃん、ホログラム相手に殺る気満々でゾクッと来ちゃったけどそれはそれで良い荒潮ちゃん!! あぁもう、みんな可愛すぎて可愛すぎて死にそうです!! ふへへへへへ……!」
「最後の笑いが凄く変態っぽいね副司令、憲兵さんこっちです」
「もぉー!! 僕が言ったのと全然違うじゃんかー!! っていうかこれ何時撮ったの!? 僕が映ってる写真あるけどこんなの知らないよ!?」
そんな皐月に対し奈々はサムズアップして「無論盗撮です」とキリっとした表情で言い放ち、皐月は「鎮守府の人間がなに盗撮なんてしてんの!?」とツッコミを入れるが奈々は特に気にした様子もなく……。
「いや気にしようよ!?」
「フフ、まぁ、冗談はここまでにして……」
「冗談じゃないよね!? だって明らかに撮られた覚えのない写真あるもん!! 流石に入浴中とか着替え中とかないけどさ!」
「そりゃ別に私お色気シーンなんて興味ありませんもん、恥ずかしがる顔とかみんな可愛いので好きですけど」
奈々の言葉を聞き、皐月と響は互いに顔を見合わせた後……奈々の顔を見つめると2人同時に「えっ?」と首を不思議そうに傾げた。
「てっきり私たちは奈々さんは同性愛者の変態かと思ってたよ。 いや、同性愛者が変態という意味ではなく奈々さんが女の子に対して見境なしという意味で」
「ふむ、響ちゃんも皐月ちゃんも1つ勘違いしてるようなので1つ教えますが私は同じ女性を『絶対』に恋愛対象とかにしませんから。 可愛い娘を愛でるのは……私の趣味です!!」
すると今度は「ドヤァ」とした顔でなぜか誇らしげに言い放つ奈々だが、響も皐月もあんまり興味無さそうだった。
「それよりも『アレ』持って来てないの副司令官!!」
「あははは、大丈夫ですよ、今までのはほんの冗談……ちゃんと持って来てますよ『ウォッカ」
奈々はどこからか取り出したウォッカの瓶をテーブルの上に置き、皐月と響は目を輝かせて「おぉー!」という感心の声をあげた。
「ハラショー!」
「全く、提督も菊月ちゃんもこの辺厳しいんですから。 艦娘は駆逐艦でもお酒飲めるんですから飲ませれば良いのに」
「だよね~、2人とも『見た目がアウトだから』っていう理由で飲んじゃダメだってちょっと厳し過ぎるよね~」
響が持ってきたグラス3つにウォッカを注ぐ奈々、3人はそれぞれグラスを持つと「かんぱーい!」と言ってそれぞれウォッカを飲み始める。
「しかし、よく考えたらあれだね、奈々さんがこっそり撮った写真、何気に思い出のアルバムって感じがして良いかもしれないね」
「あー、確かにね~。 あっ、この時雨のやつとかどんな時の写真なの?」
皐月が奈々の持っていたアルバムの写真の1つを指差し、奈々がそれを覗き込むとそれを見て彼女は見て「あぁ」と少しニヤついた笑みを浮かべた。
その写真というのが時雨が夜空が使っている提督の帽子を被っている姿であり、奈々が言うにはこの時、時雨はキョロキョロと辺りに人がいないかを確認した後、こっそり提督の帽子を被っていたらしい。
「それで執務室にある鏡の前に立って『えへへへ……提督と同じだ』と凄く嬉しそうな顔してましたね。 これはクソ可愛いですわ」
「それは確かに可愛い」
「それなのにあの2人がまだケッコンカッコカリすらしないのか謎だね」
皐月はウォッカを飲みながらあれだけ仲が良いのにも関わらず時雨と夜空が未だにもどかしい関係が続くことに不満を口にし、すると奈々が何かを思い出したかのような表情を浮かべると1つの小さなケースを取り出す。
それを見た皐月が「なにそれ?」と問いかけると奈々は少し困ったような表情を浮かべつつそのケースを開くとそこには「ケッコンカッコカリ」するための指輪が入っていた。
「そう言えば、私にもこれ支給されたんですよねぇ……。 ぶっちゃけ女の子が女の子にカッコカリとは言えケッコン指輪を渡すのは私はちょっと……」
「割と違和感ないんだからしちゃえばいいじゃん、菊月なんかどう? 最近一緒にいること多いし」
「一緒にいるって言うより菊月に副司令が追いかけられてるだけだよね」
と皐月はケッコン相手に菊月を進めてくるが奈々はやはり同じ女性に指輪を渡すのは抵抗があるらしく、夜空にでもあげようかなと思ったその時だった。
「まぁ、女は追うより追われる方が好きと言うしな。 今日もそういうことなんだろう? ふ・く・し・れ・い?」
いつの間にか腕組みをして額に青筋を浮かべた菊月が滅茶苦茶良い笑顔で立っており、菊月の存在に気づいた奈々と皐月と響は大量の冷や汗を流し始める。
「あ、あははは……やぁ、菊月。 一緒に飲む……?」
「お前達……全員表に出ろおおおおおおお!!!!」
「「に、逃げろおおおおおお!!!!」」
皐月と奈々が同時に叫ぶと3人は一斉に逃げ始め、「あっ、コラ!!」と菊月も同時に追いかけ始める。
ちなみに響はちゃっかりウォッカを瓶ごと持って走っており、しかもそのまま瓶ごとグビグビ飲んでいたりしたが。
「ちょっと何飲んでんの響!? 僕らの分残しておいてよ!?」
「というよりも走りながら飲むのは危ないですよ響ちゃん!?」
その後、結局3人とも菊月にとっ捕まった後、頭を殴られて3人はタンコブを作り、翌朝には廊下で正座させられている3人の姿があったとか……。
*
「でっ? なにこれ?」
それから数時間後のこと、街で下水道が詰まり水が溢れ出てしまっており、その原因というのが……「大ダコ怪獣 タガール」が下水道に詰まってしまったからというものだったのだ。
それらの通報を鎮守府が受け、第六駆逐隊と時雨、荒潮、夜空、奈々が現場に急行し、夜空は呆れたように下水道に詰まったタガールを見つめていた。
「どうやらこのタガール、本来のタガールよりも小型らしく体長は役15メートルほどですね」
「いや、そういうこと聞いてるんじゃなくてなんでこいつ下水道なんかに詰まったんだよ?」
するとそこに暁は「私、知ってるんだからね!」と胸を張ってビシっとタガールを指差すと……暁は自慢げにタガールが下水道に詰まった理由を言い放った。
「タコって狭い所入るの好きだからよ!!」
「実際は海辺に出現したザニガという怪獣に投げ飛ばされて偶然下水道にすっぽり嵌っちゃったらしいわ司令官」
「……」
暁がそう言い放った直後に雷が暁に呆れた視線を向けつつ夜空にタガールが本当に下水道にハマった理由を説明し、また電はなにかタガールの様子がおかしい事に気づき、夜空の服の袖をクイクイと引っ張る。
「どうした電?」
「あの、気のせいでしょうか……タガールさんなんだか苦しそうに見えるのですが……」
そう言われて夜空はタガールの表情を伺うと確かにタガールは「クオォ……」とどこか弱弱しく苦しそうに鳴き声をあげており、それに気づいた夜空はこれは早くタガールを出してやらないといけないかもしれないと思い、全員でタガールの足を引っ張るように指示し、タガールを下水道から出そうとみんなで必死に引っ張る。
「それにこのままタガールが嵌ったままだと下水道の水が詰まれば大洪水が起きる可能性があるし、早くなんとかしないとね!」
「あぁ、時雨の言う通り!!」
しかしみんなで幾ら必死に引っ張ろうともビクともせず、むしろ逆にこちらの体力が削れるばかりだった。
その為夜空は何かしらの理由を付けてここからいなくなり、エックスにユナイトしてタガールを引っ張りだそうかとも考えたが……その時響が何かを閃いたような表情を浮かべる。
「こうなったら奥の手だ!」
「奥の手……?」
それから数分後……響が呼んだと思われる鉢巻を頭に巻いた中年の男性が「フッフッフ……」と笑みを浮かべながら左手の親指を立てタガールの前に現れたのだ。
「俺に獲れねぇタコはねぇ!」
「誰だよ!!」
「タコ獲り名人のスティーブさんだよ」
「だから誰だよ!!」
夜空の疑問に響が紹介する形で説明し、それに暁が「なんでそんな人呼んだの!?」とツッコミを入れ、そんな暁に響きは「タコ獲り名人なら下水道に嵌ったタコも取れるかと思って」と答える。
「フッフッフ、こいつぁ食いがいがありそうなタコだなぁ……」
「おい響!!? この人タガール食べようとしてんだけど!?」
そしてスティーブはどこから取り出したのか巨大な鉄板焼きと巨大な串を取り出し、スティーブは今にもタガールに文字通り食い掛かりそうな勢いだった。
「これで焼いて~! これで返してぇ~!!」
「焼くな返すな!! みんなあの人止めろおおおおおお!!!!」
夜空の掛け声で一同は必死にスティーブを押さえつけ、スティーブは「ええい離せぇ!!」と暴れまわり、夜空が「今日はキャンセルです!!」と必死に訴えるがスティーブは「狙った獲物は逃がさねえってのがハンターだ!!」と言って一向に聞き入れようとはしなかった。
「えい♪」
「ぐほお!!?」
が、一歩前に出てきた荒潮が拳をスティーブの腹部に叩き込み無理やり気絶させ、荒潮は頬に右手を当てて「あらあら~」と呑気そうに笑みを浮かべた。
「あんまりおいたが過ぎると『めッ!』よ~」
「……怖……」
「今の荒潮ちゃんの『めッ!』が可愛い……。 えへへへへ」
そんな荒潮にそれぞれの感想を述べる雷と奈々だったが……その時、いつの間にかここから離れてユナイトし、下水道の中のサイズに合わせた「ウルトラマンエックス」へと変身した夜空が現れ、エックスは奈々の姿を見ると奈々はエックスが何を言いたいのかを理解し、奈々は一同を下水道から一旦外に出るように指示をして全員を外に出す。
『よーっし、少し我慢してくれよタガール!』
エックスはタガールの頭と足一本を掴むとそのまま力いっぱいに引っ張り、徐々にだがタガールが確実に引っ張り出せていた。
「んっ……? あれ? ちょっと待てエックス、なんか酸っぱい匂いが……」
『酸っぱい匂い……? 言われてみれば確かに……んっ?』
するとエックスが足元を見るとそこには巨大な瓶に入った酢をジャバジャバとかけてるスティーブの姿があり、エックスと夜空は「なにしてるのこの人!?」と同時に驚きの声をあげた。
「へへへ、酢ダコも悪かねぇな……」
「あの人まだ食べる気だったのかよ!!」
未だにタガールを食べる気満々のスティーブだったが、タガールが足の一本をスティーブの前に出すとタガールはデコピンを放つように足を振るってスティーブを弾き飛ばし、弾き飛ばされたスティーブはそのまま海へと「ドボン」っと落ちたのだった。
「あれ死んで……ないよな?」
『私が見た限りでは……手加減していたから恐らく……』
それから数分後、エックスは無事タガールを下水道から引っ張り出すことに成功し、海へと戻ることができたタガールは器用にもエックスに足を振ってお礼を言うように海へと返って行くのだった。
そしてユナイトを解除した夜空はみんなと合流し、「いつの間に消えてたの?」とみんなから質問されたがその辺は奈々が上手くフォローを入れてくれたためになんとか誤魔化すことに成功した。
ただ……時雨から疑いの視線を向けられていたが。
「よーっし、じゃあ折角出しタコ焼きでも買って帰るか!」
と夜空が言い出したが無論他のメンバーからの意見は当然『タコはもう良い!!』というものだった。
それに対し夜空も苦笑いしつつ「だよな」と言ってみんなで鎮守府に帰ろうとしたその時のことである、一同が持つジオデバイザーに怪獣や宇宙人の出現を知らせるアラームが鳴り響いたのは……。
「おいおい、またかよ!」
「この近くの……建物の地下駐車場だね! みんな行くよ!」
時雨の掛け声に全員が頷くが……「できればお風呂入りたかった……」と暁だけが不満を漏らしていたりしたが……。
「姉さん我慢しなよ、それにあんまり下水道にいたからって匂わないよ?」
「勿論任務を放棄する気はさらさらないけど……レディーとしては気になるの!」
「何時まで話してんだ、行くぞ! それと奈々! 念のため一般人をその駐車場に近付けないように警察に連絡!」
夜空の呼びかけで一同は反応のあった駐車場へと向かい、夜空は自分、時雨、奈々のチームを1階と雷、電、荒潮のチームを2階、そして暁と響のチームを地下1階にそれぞれ分かれて反応のある地下1階、1階、2階を探索するように指示を出し、一同はそれぞれの持ち場へと向かう。
「この反応……以前出現したバグバズンやガルべロスの反応に酷似していますね」
「ってことはスペースビーストか……」
夜空達のチームは1階の駐車場を捜索しており、奈々がジオデバイザーが受信した反応を確認するとそれがスペースビーストの物であることが判明し、相手がスペースビーストだと聞いた時雨は少し嫌そうな表情を浮かべていた。
「大丈夫か時雨? あいつ等には酷い目に合わされたもんな、無理するな」
「うん、大丈夫だよ提督。 むしろあの時仕返しをしてやるつもりだよ!」
時雨の答えに夜空は笑みを浮かべて「その意気だ!」と軽く彼女の腕を叩き、その時奈々が等身大くらいのカエルのようなスペースビースト……「アンフィビアタイプビースト フログロス」が3体ほど出現し、フログロス達は外へと出ようとしていた。
「奴等を外へと出すな! スペースビーストは容赦しなくていい! 掃討しろ!!」
「「了解!!」」
戦闘BGM「ナイトレイダー -Attack-」
艤装を展開し、主砲を構えた時雨とジオブラスターを構えた奈々と夜空はフログロスの目の前へと現れ、夜空と奈々はジオブラスターから光弾を発射し、光弾は1体のフログロスに集中的に浴びせられそのフログロスは悲鳴をあげながら破裂するように爆発した。
すると残ったフログロス2体が口から火球を吐き出そうとするがそれよりも早く時雨の放った主砲による砲弾がフログロス2体の顔面に直撃し、時雨は主砲を逆手に持つとそのまま駆け出してフログロスの1体を殴りつけ……そのまま近距離から砲弾を発射してフログロスは爆発し消滅した。
「この前のお返しだよ……!」
「グルマン博士から貰ったこれ、試すか!」
すると夜空がグルマンから貰ったというウルトラマンに酷似したアイテムを取り出し、それをジオブラスターに装着し、ジオブラスターを「ウルトライザー・モード」へと合体させ……ウルトラマンの力をチャージして放つ光線をウルトライザーからフログロスに向かって発射。
『ウルトラマンの力を、チャージします』
「ウルトライザー!! 発射ぁ!!」
それと同時にフログロスも火球を放つが火球はウルトライザーによる光線にあっさりかき消され、光線はフログロスに直撃しフログロスは火花を散らして爆発した。
「おっとっと……流石グルマン博士だな、凄い威力だ……」
一方で電、雷、荒潮もフログロスと交戦をしており、雷と荒潮がフログロス達を一か所の場所に集め、そこを狙って電がサイバーエレキングのカードをジオデバイザーに装填し、主砲から放つ電撃光線「エレキング電撃破」で纏めて撃破。
それと同時に暁と響も順調にフログロスを撃破しており、暁は「これなら余裕で倒せそうね!」と少しばかり余裕な態度を見せ始めた時だった。
身長10メートルほどのフログロスが響と暁の前に2体現れ、先ほどまでいたフログロスよりも巨大な敵に暁は目を丸くして唖然とした。
「ほら、姉さん余計なこと言うから……」
「なっ、私のせいだって言うの!?」
兎に角、響と暁は主砲をフログロスに撃ちまくるが……先ほどまでのフログロス達とは違いこの巨大なフログロス2体は幾ら撃っても一向に怯む様子すら見せず、響はサイバーカードを使おうとしたがそれを阻止するかのようにフログロスの1体が火球を響に向かって放ってきたのだ。
「響!」
「姉さん!」
だが、暁が響を突き飛ばし、直撃こそしなかったものの火球は暁の足元に爆発し彼女は軽く吹き飛ばされて柱に背中を強く打ち付けてしまう。
「きゃあ!?」
「姉さん!!」
背中を強く打ち付けた暁は気を失ってしまい、響は暁の元へと駆け出そうとするがフログロスの1体が響の前に立ちはだかり、さらにもう1体のフログロスが口から出した触手を使い、暁を拘束して自身の口の中へと運ぼうとしていたのだ。
響はサイバーカードを今度こそ使おうとしたが……いつの間にかジオデバイザーが無くなっており、気づけば響のジオデバイザーは自分の前に立ちはだかるフログロスの後ろの方へと落ちていることに気付き、響は急いで取りに行こうとしたがフログロスが火球を吐いて響を吹き飛ばしてしまう。
「うわあ!?」
倒れこむ響だが、なんとか立ち上がり主砲を構え……自分の前に立つフログロスを押し退かそうと砲弾を撃ち込むがフログロスはビクともしない。
こうしている間にも暁がもう1体のフログロスに捕食されそうになっているというのに……。
(私は……また……、大切なものを失ってしまうのか……。 嫌だ……そんなの……!)
響はフログロスを睨み付け、大声で叫ぶ。
「絶対嫌だあああああああああああ!!!!!!」
その瞬間……。
『諦めるな……』
響の目の前に短剣のようなもの……「エボルトラスター」が出現すると響は迷わずそれを掴み取り……鞘を引き抜いた。
「うおおおおおおお!!!!」
その瞬間、響は眩い光へと包まれ……「銀色の光」がフログロスの真横を通りすぎるとその光はもう1体のフログロスの元へと向かい、触手で拘束した暁を奪い返し彼女を地面へと降ろした。
そしてその光が消えると……その光の中から現れたのは響が夢の中でみたウルトラマン……、「ウルトラマンネクサス・アンファンス」がそこに現れたのだ。
『シェア!!』
「「グボォ!!」」
フログロスの2体はネクサスを見るや否やすぐさま戦闘態勢に入り、火球をネクサスに撃ち込むがネクサスはそれを両腕のアームドネクサスで弾いて切り裂き、ネクサスはフログロス2体に向かって駆け出して行く。
そこに丁度夜空も現れ、夜空はネクサスの姿を見て驚きの表情を見せる。
「あのウルトラマンは……?」
『夜空! それより私達も!』
「あぁ、ユナイトだ!」
『よし行くぞ!!』
エックスの言葉に、夜空は静かに頷くエクスデバイザーをXモードに変形させエックスのスパークドールズが出現し、それをリードさせる。
『ウルトラマンエックスと、ユナイトします』
そして夜空はエクスデバイザーを高く掲げる。
「エックスーーーーーーー!!!!!」
『イイイィ!! シャアーーーー!!!!』
『エックス、ユナイテッド』
エックスはネクサスに加勢する形で2体目のフログロスに向かってタックルを喰らわせて突き飛ばし、フログロスのX字を描くようにチョップを繰り出し、チョップされた跡に残った光の跡から追加攻撃でX字の衝撃波を叩き込む「Xクロスチョップ」を炸裂させる。
『Xクロスチョップ!!』
「グルゥ!!?」
挿入BGM「ネクサス-ENCOUNTER-ウルトラマンX Ver.」
その時、暁がうっすらとだが彼女は目を覚まし……起き上がると目の前でエックスと見たこともない自分の知らないウルトラマンがフログロスと戦っていることに気付き、暁は目を丸くして驚きを隠せないでいた。
「ふ、ふえええ!? い、一体なにがどうなってるの……?」
するとフログロスの一体が目を覚ました暁に気づき、彼女を人質にでもしようと思ったのかフログロスは口から触手を伸ばして暁を拘束しようとするがその触手をネクサスが全て掴みあげて引っこ抜くとネクサスはフログロスの腹部に蹴りを叩き込む。
『デヤァ!!』
「あのウルトラマン……なんだろう。 初めて見るウルトラマンなのに、何時も……一緒にいるような……」
暁はネクサスを見て何かを感じたのか、彼女はジッとネクサスとフログロスの戦いを見つめており……するとネクサスもその視線に気づいたのかネクサスはフログロスを殴り飛ばした後、暁の方へと顔を向ける。
「……ひび……き……?」
直感からではあったがネクサスが響であることを言い当てた暁、そんな暁に対しネクサスはゆっくりと頷くと……暁は笑みを浮かべてネクサスに頷き返し、ネクサスは再びフログロスへと向かって行った。
『ヘアッ!!』
*
エックスとネクサスはフログロスを無事撃破することに成功した後、一同は鎮守府へと戻ったのだが……響はみんなに隠すことなく自分がウルトラマンへと変身したことを食堂にみんなを集めて打ち明け、当然響は鎮守府中から注目の的となっていた。
「響すご~い! ねえねえ! どうやって変身するの!?」
皐月が興味津々な様子で響に尋ねると響は戸惑いつつもエボルトラスターを取り出し、鞘を引き抜いて掲げて変身するということを説明すると皐月は「ちょっと貸して!」と言って響の手から素早くエボルトラスターを取ると鞘を引き抜こうとする。
「あ、あれ? 引き抜けないよ響!?」
「それは多分……私にしか扱えない、からだと……思う」
響は皐月からエボルトラスターを返して貰うと今度はグルマンが興味深そうに響の持つエボルトラスターを見つめた。
『確かに、ウルトラマンに変身する地球人はウルトラマンに選ばれた者でしか変身することができないからな』
「そうなのですか? ということはまさかエックスも……」
グルマンのその話を聞き、ならばエックスももしかしたら地球人の誰かが変身して自分たちと一緒に戦ってくれてるのではないかと朝潮は予想し、それを聞いた夜空は内心ギクリとしたがなんとかポーカーフェイスを作りだしてみんなが察することがないようにするのだが……夜空は気づかなかなかったが時雨から疑いにも似た視線を向けられていた。
『まぁ、ウルトラマンが地球人に擬態する場合もあるからそれはなんとも言えんがな』
「でも良かったじゃないか響ちゃん! これで君もヒーローだ! 君が好きなものと同じだね!」
響が好きなもの……それは「アメコミヒーロー」であるのだが……どうも響はあまり嬉しそうではなく、どちらかと言うとなにか……「不安」がっているような、そんな表情を浮かべていたのだ。
「響……? どうしたの?」
そんな響の様子に気づいてか心配した暁が響に声をかけるのだが……響は「なんでもないよ、少し風に当たってくる」と言って彼女は食堂から出て行き、雷はそんな響を見て不思議そうに首を傾げた。
「響姉のことだから……『やった! スパイ〇ーマンやス〇パーマンみたいなヒーローになれた!! ハラショー!』とか言いそうだと思ったんだけど……」
「いえ、むしろ響ちゃんみたいな娘だからこそ……突然力を持った時、戸惑うのかもしれません」
奈々が雷に対してそう言った後、彼女はチラリと夜空に視線を送ると夜空はその視線に気づき、彼は「響が少し心配だ」と言って響の後を追いかけようとするが、暁が「私も行くわ!」と声をあげたため、夜空は連れて行くべきか少し悩んだが……。
「私も響が心配なの……」
「だったらあたしも行くわ!」
「私も行くのです!」
暁に続けて雷と電も声をあげ、彼女たちの真剣な眼差しを受けて夜空は「分かった」と頷き、みんなで響の後を追いかけるのだった。
そしてその外へと出て行った響はというと……人気のいない場所で右手にエボルトラスターを握りしめながらそれをジッと見つめており、どこか思いつめたような表情を浮かべていた。
「どうして……君は私を選んだんだい?」
「響」
その時、後ろから夜空が響へと声をかけ、声をかけられた響は夜空の方へと振り返り、そこには勿論、暁や雷に電もおり、夜空は響に「どうしたんだ? みんなお前の様子がおかしいって心配してたぞ」と問いかけると響は「ごめん、余計な心配させちゃったみたいで」と苦笑しながら心配をかけたことをみんなに謝罪した。
「響、なにか悩んでるのなら相談してよ、私達姉妹なんだから」
「そうよもっとあたし達を頼ってくれて良いのよ!」
暁と雷がそれぞれ響にそう声をかけ、響は笑みを浮かべて「ありがと」と言った後、自分がなにに悩んでいるのか打ち明けるべきか少し悩んだが……やはりみんなに余計な心配をさせたくなかったため、自分がなにを悩んでいるのか、その理由を暁達に響は話し始めた。
「大いなる力には……大いなる責任が伴う」
「……えっ?」
「ウルトラマンの力はとても強大だ。 実際に変身してみて私はそれがよく分かった。 だけど、だからこそ……私は不安なんだ。 私はその伴った責任が果たせるのか、それが分からない。 どれだけ強大な力を持ってるからと言っても……必ず全てを守れる訳じゃない。 もしこれだけの力を持っていて誰かを、大切な人を守ることが出来なかったら……そう考えると怖くてたまらないんだ」
響はそう胸に秘めた不安を暁達に打ち明け……暁達は不安そうな顔を見せる響を心配そうに見つめていたが……すると暁が一歩前へと出て響の頭にポンっと手を乗せて彼女の頭を撫で始め、それに響は驚いたような表情を浮かべる。
「もう! デマーガの時のあの自信はどこ行ったの響! あなたは1人で戦ってるんじゃないでしょ! 私達がいる、不安なら……私達を頼れば良い! 響が他のみんなを守るって言うなら私達があなたを守る。 それが私達でしょ?」
笑顔を見せながら暁は響にそう言い放つとそれに続いて雷と電も頷く。
「そうそう、なにも響姉1人が抱え込むことないわ!」
「そうなのです、特に私達は姉妹なのですから」
「……みんな……スパシーバ」
響は照れ臭そうに帽子で自分の表情を隠すと暁は「他のみんなも心配してたわ」と言い、それを聞いて響は「それじゃみんなの元に戻ろう」と言いだし、一同はみんなのいる食堂へと戻って行き、夜空は響が元気を取り戻してくれたことに安心し、彼女たちが去って行くのを見送るのだった。
『君は……どうなんだ? 夜空?』
「んっ?」
『君を戦いに駆り立てたのは私だ。 私という力を持った君は響と同じように不安など感じていないのか?』
「確かに……エックスっていう力を持ったこと、響と同じようにもし大切な人を守れなかったらって思うと怖いかもしれない。 だけど、お前のおかげで怪獣との共存って夢と向き合えてるし……彼女たちと一緒に戦うことができてる。 ずっと……あいつ等と一緒に戦いたい、守りたいって思ってたから」
夜空は「だからエックスにその不安以上に、戦場で彼女たちの傍にいられることを感謝してる」とエックスにお礼を述べるが……エックスは「だが彼女たちは君が私となって一緒に戦ってくれていることを知らないんだぞ」と言うが……夜空にとってそんなことはどうでも良かった。
「俺はあいつ等に称賛されたくて戦ってるじゃない。 あいつ等を守りたいから戦ってるんだ。 だから俺がエックスになって戦ってることをあいつ等が知らなくても良いんだ……」
『そうか……』
*
その翌日、「石川」と名乗る本部からの科学者が夜空の鎮守府に船で何人かの兵士を引き連れて訪れており、石川は夜空の執務室に行くとなんとその石川という人物は特に何の説明も無しに「響を引き渡せ」と言って来たのだ。
「響に何のご用が?」
「惚けても無駄だ。 おい」
石川は部下の兵士にタブレットのようなものを持って来させてある動画を再生させると……そこには響がエボルトラスターを引き抜き、ネクサスへと変身する姿が映っており、夜空はそれを見て目を見開いた。
「これは昨日、君達がフログロスを撃破した場所……駐車場にあった監視カメラが捉えた映像だ」
尚、夜空がエックスに変身するところは幸い、死角となる部分でエックスに変身したところは映ってはいなかった。
「響をどうするつもりですか?」
「そんなこと決まっているだろ、研究に使うのだよ」
「研究……?」
石川曰く、「ウルトラマンの力はとても強大だ。 しかもそれが艦娘の力となった、本部に連れて行き詳しく研究をした後、ウルトラマンの力を自分たち人間の新たな戦力とする」のだと語り、夜空は「バカバカしい」と言って当然断わろうとしたのだが……。
「これは本部からの命令だ。 もしも逆らえば君は反逆罪として罪に問われ、君のところに所属している艦娘を全て解体処分とする」
「なっ……!」
「相変わらず……やり口が汚いねぇ……」
そんな時、執務室の扉の前に腕を組んだリョーガとグルマンが現れ、石川はリョーガの顔を見るや否や「チッ」と忌々しそうに舌打ちした。
『お前なんぞに響を引き渡したらロクでもないことになりかねん』
「黙れ! 貴様等こそ、最高の研究材料がすぐ傍にあると言うのに……自分たちの研究に使うどころか庇おうとするなど……科学者としてどうかしている!」
「私達的には……君の方がよっぽどどうかしていると思うけどねぇ」
しかし石川はリョーガとグルマンの話を一切聞こうとせず、夜空に早く響を引き渡すように言うが……夜空は当然、響を研究材料なんてものに使わせるつもりは一切無い……だが、自分が犠牲になるのならまだしも艦娘達にまで被害が及ぶのはなんとしてでも食い止めたい。
どうすればいいのか夜空は必死に考え、そんな彼を心配そうに時雨が見つめる……。
「分かった、あなたについて行きます」
何時から話を聞いていたのか、なんと響が自ら名乗り出てきて石川について行くと言いだしたのだ。
「響!? 正気なの!?」
時雨が驚きの声をあげ、夜空も響を引き止めようとするが……。
「私のせいでみんなに迷惑をかける訳には行かない」
「だけど……!」
「選択は2つに1つだ……。 私1人のせいで司令官が反逆者扱いされて……みんなが解体処分なんて絶対に嫌だ……だから……。 姉さん達には心配かけないように司令官が上手く誤魔化しておいて?」
それを聞いて石川は「ニヤリ」と笑みを浮かべ、兵士に「本人の許可も得た、連れて行け」と命令すると兵士の1人が頷き、響をそのまま連れて行き、石川も自分が乗ってきた船に戻ろうとするが夜空に肩を掴まれる。
「響にもしものことがあったら……俺はアンタを許さない」
「フン、どうぞご勝手に」
石川は夜空を鼻で笑い、そのまま自分の船へと戻り……、その後出発の時間となると夜空や時雨、響が乗った船が出て行くのをグルマンはただそれを……見送ることしかできなかった。
一応みんなにも伝えようとは思ったのだが……もしもこの事を伝えてしまったら誰かが感情の赴くままに行動してしまう者がいる可能性があるため、この事を夜空は敢えて伝えはしなかった。
「ってあれ? リョーガさんは?」
「そう言えば……」
『お、おいアレ!!』
グルマンが指差す方向を見ると……そこにはカエルの手みたいな物を両手に装着して船に張り付いているリョーガの姿があった……。
「なにしてんだあの人!?」
「ドラ〇もんの道具みたいなのつけてる!?」
夜空は慌ててジオデバイザーでリョーガに通信を行ってみると船に張り付いているリョーガは自分のジオデバイザーから通信が入ったのに気づき、片手でどうにかジオデバイザーの通信へと出る。
「なにしてんのアンタ!? なんでそんなとこにいるの!?」
『はっはっは! 変人フリーダム舐めんなYO☆ってね?』
夜空は今すぐ戻って来いと言うが……リョーガは「無☆理」と夜空の方に凄いイイ笑顔を向けながら断わった。
『心配するな提督、響ちゃんは私の弟子だからねぇ。 師匠として彼女のことはしっかりと守るよ。 じゃあ通信終わり!』
「あっ、ちょっと……切れた……」
「でも、今回ばかりはリョーガさんの自由気ままな性格が頼もしいね……」
『だな……』
だがこの時……この場にいる夜空達も……船に乗った者達も気づきはしなかった……。
雲の上から響の乗った船の方向をジッと見つめる死神のような姿をした「紫色の目」をした黒い巨人がいたことに。
その名は……「闇の巨人 ダークメフィストドライ」……。