ウルトラマンX  これくしょん   作:ベンジャー

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闇の巨人 ダークメフィストドライ
宇宙大昆虫ダイオリウス(SB)
円盤生物シルバーブルーメ(SB)
フィンディッシュタイプビースト ノスフェル
ビーストヒューマン
登場。


第10話 『絶望-ディスペアー-』

響が石川に連れて行かれて数時間後……一向にリョーガからの連絡はなく、夜空と時雨はグルマンの研究室で響は無事だろうか、リョーガは上手くやっているだろうかと心配していた。

 

「でも、リョーガさんなら強引に響を連れ戻せるかもしれないけどあの石川って人は上層部の命令だって言ってたよね? 強引に連れ戻すだけじゃなんの解決には……」

 

時雨の言う通り、幾らあの変人フリーダムでもそのくらいの重大さは分かっている筈、それに対して夜空は「きっと何か考えがあるんだろう」とリョーガが響を連れて戻ってくるのを信じ、待つことにするのだった。

 

「あの石川って奴には何かと黒い噂も耐えないからな。 リョーガさんなら案外弱み握ってくれるかもしれない」

「でも上層部の命令って言ってたよ? 石川1人押さえても……」

「まぁ、上層部って言っても人は色々いるからな。 今回石川にそんな命令を下して来たのもその『黒い噂』の関係者だろうな」

 

時雨は深刻そうな表情を浮かべながらなにか自分たちにもできることはないのかと思い悩んでいるとそこに「あのぉ、すいませーん」という声が聞こえ、研究室の扉の方を夜空と時雨が顔を向けるとそこには1人の少女……「夕張型1番艦 軽巡洋艦 夕張」がひょっこりと扉から顔を出していたのだ。

 

「あれ!? お前……俺のとこにいた夕張かもしかして!?」

「えっ!? ホントに!?」

「あっ、はい! お久しぶりです提督! 時雨ちゃん! あっ、今は前提督ですね私から見たら」

 

夜空の言う通りこの夕張という少女は夜空が以前勤めていた鎮守府に所属している艦娘の1人であり、夜空と時雨は久しぶりに夕張に会えたことを喜んだのだが……すぐに響のことを思い出してしまい暗い表情となってしまい、そんな2人を見て首を傾げて夕張は「どうかしたの?」と尋ねると夜空と時雨は顔を見合わせる。

 

なにせまだ響が石川に連れて行かれたことを知っているのは夜空と時雨、グルマン、そしてリョーガと執務室にいた4人だけ、この事をみんなに言えば誰かが感情の赴くままに行動してしまう者がいるかもしれない、特に彼女の姉妹である暁、雷、電は。

 

そのためまだこの事はみんなには知らせておらず、一応響は任務だとはみんなに伝えている。

 

「もしかして……響ちゃんのことですか?」

「えっ!? お前、なんでそのこと……!」

「先ほどリョーガって人から連絡があったんですよ。 ここの人ですよね? だから概ねの事情は理解しています。 それで前提督にこのデータを渡すようにと」

 

そう言いながら夕張はポケットから1つのUSBメモリを取り出しそれを夜空に渡すが……当然夜空は一体なんのデータが入ったUSBメモリなのか分からず「なんのデータが入ってるんだ?」と尋ねると夕張は口元で笑みを浮かべる。

 

「今回、石川に響ちゃんを拘束するよう命令を出した人物です」

「なに……!?」

「どうやらどこかのデータにハッキングしてその人のデータを色々と調べて見てくれたみたいですよ。 それと、私が来たここに来た理由はもう2つ程あります」

 

それを聞き夜空は「もう2つ?」と問いかけると夕張は頷き、するとそこに丁度グルマンが部屋に戻って来て夕張の姿を見るとグルマンは「おぉ、来たな夕張!」と嬉しそうに手を振って挨拶をする。

 

「はい、グルマン師匠!」

 

ちなみに響がリョーガの弟子なら夕張はグルマンの弟子だったりする。

 

それで夜空は一体どういうことかとグルマンと夕張に聞くとグルマン曰く「元々夕張は今日この鎮守府に来る予定であり、新しい艦娘アーマーを制作するつもりでそのデータを作るために彼女を呼んだ」のだというのだ。

 

「ってことは、『夕張アーマー』を作るってこと?」

「なんか自分の名前つけられるのって恥ずかしいな……」

 

グルマンはその通りだと頷くが……響があんなことになってしまってはグルマン自身今日はあまり乗り気な感じではなかった。

 

それを察してか夕張は「別の日にした方がいいかもね」と呟き、夜空は先ほど夕張から貰ったUSBメモリのことをグルマンに話すとグルマンは「なに!?」と声をあげてそれを受け取ると早速パソコンに差し込んでそのデータを入力するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、響を乗せた船はというと……。

 

「別に逃げたりしないというのに……。 艤装も取りあげといてこの扱いはないんじゃないかな?」

「念のためだ」

 

ある部屋で響は艤装とエボルトラスターを取りあげられ、さらには両手両足を縛られて拘束されており、全く身動きが取れない状態だった。

 

目の前には銃を持った兵士が2人、見張りとして立っており、響は恐らく部屋の外にも兵士が何名か待ち構えているだろうと予想する。

 

「それにしてもこうしてるとアレだね。 なんか今から私薄い本的な展開になるんじゃないかとさっきから不安で仕方ないよ」

「まぁ、石川博士の研究室についたら案外そういう実験もあるかもよ?」

「成程、石川博士はロリコンなのか。 自分がそういうのしたいのか見たいのか分からないけど。 もしも近くに小学校があるなら今度会った時に誘拐しないように注意しないと。 しかし、アレだね、私を研究ってもしかして目からビーム出したり手から刀を出したり嵐を操れるようにしてくれるのかな?」

 

不安を隠したいのかどうか分からないが、先ほどから響はこんな風にペラペラとお喋りを続け、流石にそれが鬱陶しくなったのか兵士の2人は顔を見合わせるとその内の1人がロープを持って来て響の口を塞ぐが……それでも響は「ふごふごふご」と言いながらも喋り続けようとしており、兵士の1人は頭を抱えて口元の拘束を止む無く外し「なんだ!?」と怒鳴りあげる。

 

「あなた前歯の間になんか挟まってるよ? さっきからそれが気になって気になって……」

 

そう言われた兵士は近くにあった鏡を見て確認するが、特に何かが挟まっているようなものはなく、響はクスクスと笑みを浮かべる。

 

「冗談だよ! デ〇ドプールの映画と今の状況似てたからちょっと言ってみただけ」

「このガキ……! 人をおちょくりやがって……!」

 

兵士は銃で響の顔を殴りつけ、彼女が口が切れて少しだけ血が出るがすぐにもう1人の兵士が響を殴った兵士を引き止め、「博士の大事な研究材料なんだ。 手荒な真似はするな」と注意し、響を殴った兵士は「分かったよ」と言いながら響から離れるのだった。

 

「さて……そろそろ良いかな?」

「はっ? なにが?」

「うーん、なんて言うか……いい加減私を解放しないと君達2人は痛い目に合うよ?」

「「はっ?」」

 

兵士2人は響の言っている意味が分からず、顔を見合わせて首を傾げ、次の瞬間大笑いする。

 

「はははは! なに言ってんだ! そんな状態でお前が俺達を痛めつけられると?」

「仮に出来たとしてもこれは本部の命令だ! もしもそんなことが出来たとして命令違反としてお前は処罰される! あの鎮守府にいる奴等もだ!」

「そんな古典的な悪役みたいな台詞を良いんだよ、それで? 私を解放するのかYESかNOで答えてくれるかい?」

 

響の質問に対し兵士は「YESな訳ないだろバカたれ」と言い放ち、響は「そうか」とだけ言うと「今から5つ数える。 その間に銃を捨てて私を解放し、自分を椅子に縛りつければ見逃してあげよう」などと言いだしてきたのだ。

 

当然兵士2人は「はぁ?」と首を傾げる。

 

「5、4、3、どしたぁ!? 2!」

「なに言ってんだこいつ訳分かんねえ」

「先ほども言ったが君達に逃げるチャンスをあげよう。 痛い目に合いたくなければ。 後2秒! 4……どかん!」

 

響の言葉に兵士2人は「おぉ、怖い怖い」と呆れたような表情を浮かべながらそう言い、響は未だに「今度こそ本気で行くぞ」となどとまだそんなことを言っている。

 

「3、4……」

「黙れクソガキ! やっぱり口を……」

「54321……! アイア〇マン3って映画見た? これネタバレ」

 

響がそう言った次の瞬間、部屋の窓を突き破って響の腕に装着の1つが装着されるとそれを砲弾を撃って拘束具を破壊し続けて砲弾を兵士2人に撃ち込んだ。

 

ちなみにちゃんと実弾ではなく演習弾にしているので幸いあの兵士2人が死ぬことはないだろう、滅茶苦茶痛いのは間違いないが。

 

そのまま響は砲弾で完全に拘束具を上手く破壊して手足を自由にした後、続けて錨が飛んできて響をそれを掴み取ると騒ぎを聞きつけた兵士たちが部屋に入ってくるが響はすぐさま錨をブーメランのように投げつけて数人を吹き飛ばす。

 

「いやぁ、こんなこともあろうかとマーク42みたいに艤装を改造して正解だったね」

 

そう言いながら響はすぐに残りの艤装も来るだろうと思ったのだが……一向に来ない。

 

「……あれ? 残りは?」

 

というのも響の艤装が置いてあった部屋の前にも何人かの見張りの兵士が立っており、先ほど最初に扉を突き破って艤装の2つが飛んで行った際に扉の前にいた2人の兵士を吹き飛ばし、兵士たちは一瞬何が起きたのか分からなかったが瞬時に他の兵士たちは扉を押さえつけて他の艤装が飛んで行かないように防いでいたのだ。

 

「こんな! ところまで! 再現しなくて……いい!!」

 

一方で響は騒ぎを聞きつけた兵士たちの鬱銃弾を避けながら「アイア〇マン3」と殆ど同じ状況であることに愚痴を零しながら演習弾で反撃を行っていた。

 

艤装が完全に装着された状態ならば深海凄艦と同様に通常兵器は死にかけでもない限りは特殊な見えないシールドによって守られ、艦娘には通用しない。

 

しかし不完全な状態で装着された状態又は艤装が破損した場合は通常兵器でも最初こそ艦娘には攻撃は通用しないもののすぐにシールドの効力が切れてしまい通常兵器でも艦娘は傷つけることができる。

 

そのため響はなるべくシールドの効力を失わないように立ちまわりながら応戦しており、響は錨をブーメランのように投げてなるべく複数の敵を薙ぎ払いつつ、そのまま錨

で倒せない相手は演習弾で撃ち抜き、艤装を不完全に装備と言えどもやはり艦娘に普通の人間が勝つのは難しかったらしくあっという間に兵士たちは響1人によってことごとく倒されていき、最後の1人は……。

 

「俺、本当はこんな仕事したくなかったんだ! あの石川って奴もなんか変だし」

 

そう言って響に恐れをなし、銃を捨てて部屋から出て行くのだった。

 

「いい判断だ、悪くないよ」

 

それから響は部屋を出ると丁度残りの艤装が飛んできて彼女に装着され、背中の艤装の突起部分が「パカッ」と割れるとそこから鍋が飛び出して頭に被り、蓋を盾のようにして持つ。

 

「うん、やっぱり鍋を被ると落ち着く」

 

そう呟くと実はこっそりと耳につけていたインカムを響はつけており、彼女はそれを使ってある人物に連絡を取る。

 

「よくやったねドアダム。 石川博士についての情報はどのくらい収集できたんだい?」

『久しぶりの出番で嬉しいでごぜーやす! へい! お母さん、ハッキングしてあらかたのデータは取りだせやした! 睨んだ通り、黒ですぜ』

 

このように響が逃げ出しても妙に余裕だったのはあらかじめドアダムに指示して石川に関係するデータなどをハッキングして、相手の弱みを握ったためである。

 

それから響はハッキングしたデータにはどんなものがあるのかをドアダムに説明を求め、ドアダムの話では『艦娘や捕らえた深海凄艦などを使って極秘に人体実験とも呼べる研究などしてやがりやしたぜ! しかし、残念ながら既に彼女等はもう過酷な実験のせいで……』とどこか暗そうな声で話し、響は「そうか」と彼女も悲しそうな表情を浮かべたのだった。

 

それはもちろん、同じ艦娘の仲間が苦しみながら死んでしまったというのもある。

 

しかし響が悲しんでいるのはそれだけではない、自分の鎮守府の司令官でもある夜空、彼の理想は「深海凄艦や怪獣、宇宙人との共存」「艦娘達も深海凄艦達も戦わなくていい世界にしたい」というものもある。

 

彼が自分たちの鎮守府に着任し、その理想を聞いた時、その殆どの者は前提督であった光の行動もあって「なにをバカなことを」と思ったものだ、響自身も少しだけそう思っていたのだ。

 

しかし共に過ごす内に夜空がどれだけ真剣で必死に自分たちや怪獣、深海凄艦などのことを考えていたのかを彼女達はやがて理解し、それを光も同じだったことを彼女達は思い出したのだ。

 

そもそも夜空曰くそうなったのは「光さんの受け売りも大きい」らしい。

 

そして響自身も今となっては問題を起こしてしまったとはいえ前司令官である光も、今の司令官である夜空も信頼しているし、自分も2人が抱いた理想に共感する者の1人だ。

 

だからこそ、響は彼等の理想が遠のくような行いをする石川の行為が許せなかった。

 

(さて、そろそろ脱出するかな。 光さんとデッ〇プールの字幕版見に行く約束してるし。 吹き替え版はもう見たけど)

R指定の映画をその成りでどうやって見たんだと思うかもしれないが「私は艦娘だよ? 実際は80歳以上だよ? 合法ロリだよ? なにか問題あるのかな? あ、ロリババアって言った人は路地裏ね」とごり押しで見たらしい。

 

それよりも話を戻すが脱出するにしてもエボルトラスターがない。

 

置いて行く訳には行かないため、恐らくは石川が持っているのだろうと考え、彼の元に向かおうとするのだが……。

 

「お探し物はこれかな?」

 

後ろから声をかけられて響が振り返るとそこにはエボルトラスターをこれ見よがしに手に持ったリョーガの姿があるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分前、船に乗り込むことに成功したリョーガはなるべく兵士たちに見つからぬようにこっそりと隠れながら移動し、薄暗く人に見つかりにくそうな場所を発見するとすぐさまそこに身を隠してメガネのようなものを取り出し、それを装着。

 

そしてメガネにつけられた赤いボタンのようなものをカチっと押すと船の中がスキャンされ、船の中で誰がどこにいるかを把握し、それによって響が現在絶賛大暴れ中であることを確認すると響が恐らく石川の弱みを握ったのだろうと判断した。

 

「それじゃ私はこの船のパソコンを使って石川に今回の命令を下した奴のデータでも調べようかな♪」

 

そう言いながらリョーガは再びこそこそと移動しながらパソコンの置いてある部屋に辿り着き、あらかたのデータを集めた後、遠回りではあるがその方が絶対に邪魔されず自分の所属する鎮守府に渡せるように今日来る予定である夕張にこのデータを送るのだった。

 

しかし、幾らなんでもセキュリティ弱すぎないかと思うかもしれないが……リョーガや彼に技術力を習った響からすればあっさりと突破することなど容易なのである。

 

そもそも上層部のデータのセキュリティなどは一部リョーガも携わっていたので当然と言えば当然でもある。

 

それが終わった後、リョーガは見張りを潜り抜けて石川のいる部屋に辿り着き、部屋の前には兵士2人が見張りとして立っていたがリョーガの投げた小型爆弾で軽く吹き飛ばされ、リョーガは部屋の扉を蹴っ飛ばして石川のいる部屋に乱入したのだ。

 

当然、部屋の中にも兵士は3人ほどおり、石川を含めてその部屋にいた4人はいきなり部屋に乱入してきたリョーガに驚きを隠せないでいた。

 

「やぁ、石川博士! いやぁ、はっはっは! なんだかスパイ映画みたいで楽しかったよ!」

「貴様、どうやってこの船に入った!?」

「そんなことはどうでもいいじゃないか! 響ちゃんのエボルトラスター、君が持っているんだろう? 私に渡したまえ」

 

当然、石川はそれを拒み「ふざけるな! これは研究のための道具だ!」と怒鳴りあげるがリョーガは「はぁ」と溜め息を吐いてやれやれといった様子で首を横に振る。

 

「艦娘も、ウルトラマンも研究のための道具だと本気で思っているのかい? 実に哀れな」

「哀れなのはどっちだ! これも全て世界を守るため、世のためだというのに艦娘もウルトラマンもそのための兵器に利用して何が悪い!」

「世界を守るため? 世のため? 艦娘もウルトラマンも命ある者だ。 それを道具のように扱う君がなにを守れると言うんだい? どうやら君とは話すだけ無駄のようだ。 さっさと響ちゃんの物を返せ」

 

リョーガを手を差し出してエボルトラスターを返すように要求するが石川はリョーガの睨み付けて「奴の手足を撃て」と兵士たちに命令し、兵士たちは銃を構えるが……。

 

「おっとぉ? いいのかな? 私に手を出すと君の悪事が全て世間に晒されることになるよ? 君に命令を下した誰かさんもね?」

 

嫌らしい笑みを浮かべてそう宣言するリョーガ、要するに脅しである、もはやどっちが悪物か分からない。

 

認めたくはないが石川自身、リョーガが自分よりも優秀なことは理解している。

 

こんなこともあろうかと彼にハッキングなどされないように対策は取っていたのだがやはりリョーガの態度からあっさりとセキュリティは突破されたことを石川は理解し、彼は悔しそうな表情を浮かべながらもリョーガの要求通り、ポケットにしまってあったエボルトラスターを取り出し、それをリョーガに投げ渡したのだった。

 

「毎度あり♪」

 

リョーガはそれだけ言うと響のいる場所に向かって走り去るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今、響はリョーガから返されたエボルトラスターを手に取り、彼女は笑みを浮かべて「ありがとう」と述べるのだった。

 

「いやはや、しかし私の計算通りに動いてくれたとはいえ幾ら石川のような奴でもヒーローが脅迫染みたことをやるとはねぇ」

「バ〇トマンに比べたら優しい方だよ・・・・・・」

 

それよりもこんなところから早いところをさっさと逃げようとリョーガに言われ、響は頷いて船の上に出てこのままリョーガを抱えて船から飛び降りようと思ったのだがその時、響のエボルトラスターが一瞬「ドクン」という音を立て、次の瞬間、突然船に何かが激突したかのような衝撃が起き、リョーガは一体なにがあったのかと思い先ほどと同じように船の中をスキャンする。

 

「船の上が炎上してる・・・・・・」

「なにか・・・・・・いるのか!?」

 

響は窓から外の様子を伺うとそこには1人の黒い巨人・・・・・・紫色の目をした「闇の巨人 ダークメフィストドライ」が腕を組みながら空中に浮かんでおり、ドライは右手を掲げて黒い球体のようなものを作りだし、それを見た響は瞬時にそれをこの船に撃ち込もうとしているのを理解し、エボルトラスターを鞘から引き抜いた。

 

『シュア!!』

 

響は「ウルトラマンネクサス アンファンス」へと変身し、船から飛び出すように現れるとそのまま両手を突き出してドライに向かって突進するように突き進み、ドライを殴り飛ばす。

 

『グゥ・・・・・・。 フン、待っていたぞ』

『黒いウルトラマン・・・・・・? こんな奴がいたのか? お前、ウルトラマンの癖に船の中にいる人達を殺す気だったのか!?』

『だったらどうした?』

 

ドライはそう言い放つと同時にネクサスに向かって拳を振るうがネクサスは両腕を交差してガードし、足を振り上げてドライに攻撃するがドライは後ろに後退して攻撃を回避した。

 

するとネクサスは船の方に視線を向け、こちらを見守っているリョーガに「他の人達を助けに」という仕草を見せるとすぐさまリョーガは頷いてその場から走り去り、再びネクサスはドライに顔を向けるがその瞬間ドライの跳び蹴りを喰らい海に向かって落下するがすぐに体制を立て直す。

 

『悪のウルトラマンがいるとはね。 ブラック〇ダムみたいなもんか』

 

ネクサスは腕を振り、光粒子エネルギーの刃を敵に向かって放つ「パーティクル・フェザー」をドライに向かって繰り出すがドライは右に向かって回避、しかしネクサスは両腕を交差して高速で動く「マッハムーブ」を使ってすぐさまドライに向かって接近するのだがドライはそれに即座に反応して両腕に生やした「ダブルメフィストクロー」を使いネクサスを斬りつけた。

 

『ウアッ!?』

『シュア!!』

 

そのままドライはすれ違いざまに2つのメフィストクローでネクサスを斬りつけ、ネクサスは身体から火花を散らす。

 

『ぐっ!』

 

どうにか反撃しようとするネクサスだったがドライはなんと3体に分身した「ダークイリュージョン」を使用し、3体のドライは高速で様々な方向からネクサスを攻撃し、ネクサスは為す術なくダメージを喰らってしまう。

 

『ウアアアアッ!?』

 

ドライは元の1人に戻ると両腕のメフィストクローを鞭状に変化させた「メフィストウィップ」を使いネクサスの首と腹部に巻き付け、そのまま電撃をネクサスへとドライは流し込む。

 

『デヤアアアアアア!!!!?』

 

そのまま自分の方へと引き寄せてドロップキックをネクサスに浴びせるとネクサスはそのまま海の中へと落下してしまう。

 

『フン、呆気ない。 これで終わりか?』

 

だが次の瞬間、海の中から勢いよくネクサスは飛び出し真っ直ぐドライに向かって行くがドライはそれを難なく回避する。

 

『そうで無ければ面白くはないな、ウルトラマン』

『黙れ!!』

『だが、こうすればもっと面白いと思わないかね?』

 

するとドライはなんと右手をリョーガ達の乗っている船に向けるとそのまま光弾は船に向かって発射され、それを見たネクサスは慌てて船を守るように身を挺して庇い、ドライの放った光弾が直撃する。

 

『これで終わりだ!!』

 

ドライは両腕に装着されたアームドメフィストを組みあわせて発射する強力な破壊光線「ダークレイ・シュトローム」をネクサスに向かって放ち、対するネクサスも両腕を十時に組んで「クロスレイ・シュトローム」を発射し、2人の光線はぶつかり合うのだが・・・・・・ネクサスの光線はあっさりとかき消されてしまい、ネクサスはドライの技が直撃。

 

『ウアアアアアアアアッ!?』

 

ネクサスは身体中から火花を散らして海の中へと落下し、それ以降ネクサスは姿を見せなくなってしまったのだった。

 

「響ちゃん・・・・・・!」

 

既に船に乗っていた人達と一緒に救命ポッドに入って脱出し、それなりに遠い場所まで避難していたリョーガはネクサスが海に沈んでいくのを見て悲痛な声をあげるのだった。

 

「あぁ・・・・・・貴重な研究材料が・・・・・・!」

 

一緒に乗っていた石川がそんなことを呟くとリョーガは石川を睨み付け、彼を力いっぱいに殴りつけたのだ。

 

「ぐはぁ!?」

「今度そんな下らないことを言ってみたまえ! 口を縫い合わせて一生喋れなくしてやる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある海岸で・・・・・・響はそこで倒れ込んで気を失っており、そこに丁度響よりも幼い1人の少女が響の元へと駆け寄ってきたのだ。

 

「おねえちゃーん! ここに誰か倒れてる!」

 

その少女が自分の姉を呼ぶとすぐさま彼女の姉も響の元へと駆けつけ、姉は急いで「大丈夫ですか!?」と響を抱き起こすと響はゆっくりとだが目を覚まし、辺りを見回した。

 

「ここは・・・・・・?」

「大丈夫ですか!?」

「あ、あぁ、平気だよ」

 

響はその場からフラつきながらもゆっくりと立ち上がり、海の方へと視線を向ける。

 

(朝日が出てるってことは・・・・・・あれから1日は経つのか。 クソ、船の人達は無事だろうか・・・・・・)

 

響はそう推測した後、彼女はジオデバイザーがなく、艤装も壊れてしまっていることに気がつき、響は2人の姉妹の少女達の方へと振り返り「電話貸してもらえるかな? 後、ついでに服も」と尋ね、2人の姉妹は顔を見合わせた後、笑顔で「うん!」と頷くのだった。

 

「はぁ、ほんとにびしょ濡れだよ・・・・・・。 下着にまで土ついてるし。 全く、かしこいかわいい響さんが台無しだよこれじゃ」

 

なんて冗談を言いながら響は姉妹に連れられて彼女たちの家へと向かい、その近くまで来るとここは海辺にある田舎であることを彼女は理解した。

 

それから家にたどり着いた響は自分は艦娘なので受け入れられないかもしれないと不安になりつつもウルトラマンのことは伏せて一通りの事情を説明すると両親は快く受け入れてもらい、響は家にあがらせて貰うことができた。

 

そして服を着替え終えた響は早速電話を借りて鎮守府に連絡し、迎えに来て貰おうと思ったのだがなんと先ほどから電話が通じないらしく、しかもそれはこの家のみならず他の家でも同様のことが起こっているそうで携帯も通じないらしい。

 

「うむ、困ったなぁ」

「まぁ、電話が直るまでここにいればいいじゃないか! いいよな別に?」

「えぇ、困った時はお互い様ですもの」

 

あの姉妹の両親にそう言って貰い、響は頭を下げて「スパシーバ」とお礼を述べるのだった。

 

その後、父親の方は「栄介(えいすけ)」、母親の方は「心希(ここね)」という名前であることを教えてもらった響はなにか助けて貰ったお礼がしたいと言い、栄介と心希は顔を見合わせた後、「じゃあ子供達の相手をお願い」と頼み、響は言われた通りにあの姉妹の遊び相手をすることになった。

 

「そういえば、君達の名前をまだ聞いていなかったね」

「うん! あたしの名前は『アカツキ』って言うんだ! 妹の名前は『リコ』だよ!」

「っ」

 

まさか自分の姉と同じ名前だとは思わず少し驚いたような表情を浮かべ、そんな響を見てアカツキは「どうしたの?」と首を傾げて問いかけると響は少し微笑んでアカツキの頭を撫でる。

 

「いやなに。 私にもお姉ちゃんがいてね。 そのお姉ちゃんも君と同じ『暁』って名前なんだよ?」

 

アカツキとリコは「へー」と感心したような声をあげ、アカツキは「どんなお姉ちゃんなの?」と問いかけると響は……。

 

「そうだね。 背伸びしたがりで大人ぶっててその癖本人は否定しているけど私の下にも妹が2人いて4姉妹なんだけどね、私たち4姉妹の中では1番子供っぽくてチョロいんだ」

「結構ボロクソだね……」

 

思いの外響が姉のことをボロクソに言うものなのでもしかして響は姉のことが嫌いなのかとアカツキとリコは思ったが……。

 

「だけど……そんなダメダメな部分が多い姉だけど、私たち姉妹は姉さんのことを『信頼』しているんだ。 姉さんは何時だって私たち姉妹の味方でいてくれる。 本当は……凄く頼りになる姉なんだよ?」

 

雷と電が深海凄艦を匿っていた時もそうだった、暁は誰よりも真っ先にあの2人の味方でいてくれていたた。

 

そしてどことなく嬉しそうにそう話す響を見てアカツキとリコは顔を見合わせ「響さんお姉ちゃんが大好きなんだね!」と声を合わせて同時に言い放つと響は頬を赤くして顔を背ける。

 

「な、なにを言ってるんだい! 別に嫌いじゃないけど……。 そ、それより遊ぶんだろう!? なにするんだい!?」

「話を反らした!」

「反らした!」

「う、うるさいなぁもう!」

 

その頃、あの田舎の近くの山でざっと6人くらいの男女が山道を楽しそうに談笑しながら歩いていた。

 

するとその時、6人の背後から腕をぶらーんとさせた青白い肌をした1人の男性が現れ、その男性に6人の内の1人が気づくと他のメンバーも男性の存在に気づき、全員が男性の方へと顔を向ける。

 

見たところ、青白い肌をした男性は見るからに顔色が悪そうで6人の中の1人が「大丈夫ですか?」と声をかけ、その男性に近づいて声をかけたその瞬間。

 

「グルアアァァーーーーーーーー!!!!!!」

 

雄叫びをあげて青白い肌の男性は6人の男女全員に襲いかかった・・・・・・。

 

『ドクン・・・・・・』

「んっ?」

 

そして響は一瞬だがエボルトラスターが反応した気がしたのでエボルトラスターを取り出すが、それ以降特に反応はなく、気のせいかと思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後、夕暮れ時アカツキとリコの両親は買い物のため響はアカツキとリコと留守番中・・・・・・なのだが突如響の持つエボルトラスターが赤い鼓動を今度は確かに、確実に放ち響は目を見開いてカーテンから外の様子を伺う。

 

「響さんどうしたの?」

 

リコがそう問いかけると響は険しい顔つきでアカツキとリコの肩をそっと掴み、「すぐに戻るからここにいてくれ」と言うと響は家を飛び出し艦じとった気配の方へと向かい駆け出す。

 

そして響は森の中へと辿り着くのだが・・・・・・特に何かがいるかのような気配は感じない。

 

だが次の瞬間、何者かが背後から響に向かって飛びかかり、響はすかさず攻撃を避けて瞬時に主砲を右腕に装着し自分に攻撃してきた男性に向かって演習弾を撃ち込み、その男性は軽く吹き飛ばされて倒れ込み、そのまま動かなくなってしまった。

 

「主砲だけ修理を完了させておいて正解だったね。 全く何なんだ?」

 

響は自分が吹き飛ばした男性の元へと駈け寄るとどうもなにか様子がおかしいことに気づき、男性の手を触ってみると男性の手は氷のように冷たく、既に脈がなく生命活動を停止しており、響は目を見開いて驚いた。

 

「私が撃った演習弾が原因じゃないよね・・・・・・? まさか、既に最初から死んでいたのか?」

『その通りだ』

 

突然後ろから聞こえてきた声に響は慌てて振り返って主砲を構えるとそこにはあの・・・・・・等身大になった「ダークメフィストドライ」が立っており、気づけば周りに生気のない人間達が響を囲むように包囲していた。

 

「お前は・・・・・・あの時の黒いウルトラマン」

『それでは呼びにくいだろう? 俺の名はダークメフィストドライ。 気軽にドライと呼んでくれ』

「そんなことはどうでもいい! この人達に何をした!?」

 

響はドライを睨み付けながら自分を囲んでいる人間達に一体なにをしたのかと問いかけるとドライは「フフ」と小さく笑う。

 

『こいつ等に、スペースビーストの細胞を埋め込んだだけさ。 こいつ等はもう既に人間じゃない、スペースビースト・・・・・・『ビーストヒューマン』だ。 ブルードの細胞を一部使ってるとはいえいやぁ、苦労したぜ? お前に気づかれないようコソコソするのは』

「なっ、じゃあ・・・・・・」

 

あの時一瞬エボルトラスターが反応したのは気のせいなのではなかったのかと響は思い、彼女は「ちゃんと自分が気づいていれば・・・・・・!」と唇を噛み締め、響は「この人達を元に戻せ!!」と言い放つが・・・・・・。

 

『それは不可能だ。 こいつ等は既に死んでいる、ビースト細胞を取り除いたとしてもこいつ等はただの死体になるだけさ』

「お、お前ぇ!!」

 

ドライの言葉を聞いて響は怒りながらエボルトラスターを取り出すが・・・・・・。

 

『おっと、良いのかい? こうしている間に生き残っている村の奴等はどんどんビーストヒューマンの餌食にされて行くぜ? 言い忘れたが、ビーストヒューマンに殺された人間はそのままビーストヒューマンとなるんだぜ? 勿論、お前が世話になった家にもな・・・・・・』

「っ!」

 

それを聞いた瞬間、響はあの姉妹が脳裏に浮かび上がり、急いで彼女たちの元に戻ろうとするがそれをビーストヒューマン達が阻む。

 

「邪魔だあああああああああ!!!!!」

 

響はエボルトラスターを鞘から引き抜いて等身大の「ウルトラマンネクサス アンファンス」へと変身し、ビーストヒューマン達を殴り飛ばし急いで家に戻ろうとするのだがネクサスの右腕にメフィストウィップが巻き付きドライはネクサスをウィップを使って引き寄せるとそのまま空いている左腕でネクサスの腹部に拳を叩き込む。

 

『ウアッ!?』

 

殴り飛ばされたネクサスは地面を転がり倒れ込む。

 

そしてドライは両腕を広げるとドライの身体から黒いオーラが溢れだしドライはそのまま巨大化、ネクサスを踏み潰そうとするがネクサスはすぐさま立ち上がってどうにか回避し、ネクサスも身体中から光を溢れ出させて巨大化する。

 

戦闘BGM「魔人降誕」

 

『ビーストヒューマン共、お前等は村の連中を襲え』

 

ドライがビーストヒューマン達に命令を下すとビーストヒューマン達は頷いて村の方へと向かおうとし、ネクサスはそれを止めようとするがドライの跳び蹴りを喰らい、ネクサスは吹き飛ばされてしまう。

 

『グゥ!?』

『おいおい俺を無視するなよ。 さぁ、楽しいデスゲームを始めようぜ?』

『そんなクソゲー、やってたまるか!』

 

ドライは左腕にもメフィストクローを出現させ、2つのメフィストクローを使いネクサスへと斬りかかるがネクサスはしゃがみ込んでそれを回避し、アッパーカットをドライに繰り出すがドライは後ろに後退して回避し右腕から放射する、火炎状の光弾「ダークフレイム」をネクサスに撃ち込む。

 

だがネクサスはそれを両腕の「アームドネクサス」で切り裂きジャンプして跳び蹴りをドライに繰り出すがドライはネクサスの足を掴んでそのままフルスイングして投げ飛ばす。

 

投げ飛ばされたネクサスは空中でどうにか体制を立て直し、倒れることなく地面に着地したがその直後にドライは両腕のメフィストクローから放つより強力な光弾「ダブルハイパーメフィストショット」をネクサスに撃ち込み、ネクサスは身体中から火花を散らす。

 

『グゥ!?』

 

ネクサスは膝を突き、その隙を逃さずドライは飛び上がって勢いをつけて右腕のメフィストクローを突きだし、ネクサスに攻撃を仕掛けるがネクサスはメフィストクローを両手で掴み、どうにか押し返して拳を2発連続でドライの腹部に叩き込んだ。

 

『ヌグッ!?』

『シェア!』

 

ドライが怯んだ瞬間を狙い、ネクサスは回し蹴りをドライに喰らわせる。

 

『お前なんかに構ってる暇はないんだ! そこを退け!!』

 

一方、村の方では・・・・・・既にビーストヒューマン達によって村人の半分がビーストヒューマンと化しており、その様子はさながらゾンビ映画のようだった。

 

「うわぁ!!」

 

ある者はビーストヒューマンに腕を捕まれ、その腕を力強く引っ張ると『ベキベキベキ!!』という音を立て、最後は『ブチィ!!』という大きな音と共に腕を引き千切られ……。

 

「やめて……お願いやめて!」

 

またある者は愛する者をビーストヒューマンに変えられ、それでも尚そのビーストヒューマンを信じた結果、喉を異様に伸びた鋭い爪で掻っ切られ自身もまたビーストヒューマンと化す。

 

その光景はさながら地獄絵図と呼ぶに相応しい惨状だった……。

 

『やめろ……やめろぉ!!』

 

その惨状を常人以上の視力で確認したネクサスはドライにやめろと言いながら殴り掛かるがドライをそれをあっさりと避ける。

 

『さらにゲームを盛り上げてやるよ』

『なに……!?』

 

ドライが右手をあげると大地が大きく揺れ、地面が割れるとそこからクラゲに似た生物……「円盤生物 シルバーブルーメ」「宇宙大昆虫 ダイオリウス」が出現するのだが……その姿はまさに「醜悪」と呼ぶに相応しいものになっていた。

 

なぜならばシルバーブルーメの触手の1つ1つに口のようなものがつき、触手以外の場所は所々にドロドロに溶けた跡のような穴が数か所存在してシルバーブルーメの内部が若干見え、ダイオリウスもまるで虫の死体のような見た目になっており、ネクサスはそんな2体の怪獣の姿を見て驚きを隠せないでいた。

 

『あれは確か……シルバーブルーメとダイオリウス!? なんであんな姿に……』

『答えは簡単だ。 ビーストヒューマンと同じようにあいつ等にもビースト細胞を埋め込んだのさ』

『なっ……!?』

 

するとシルバーブルーメとダイオリウスは空中へと飛行し、ダイオリウスはその鋭く尖った足で起用に人間を串刺しにするとそのまま串刺しにした人間を口の中へと放り込んでムシャムシャと食べ始め……。

 

シルバーブルーメはその口のついた触手を使って逃げ惑う人々を次々捕らえて捕食する。

 

『やめろ、やめろぉ!!』

 

ネクサスはシルバーブルーメとダイオリウスに向かって行こうとするが……ドライは右手をネクサスに向かって突き出すとそこから小さな黒い球体のようなものを出現させる。

 

『聞こえるか? この人間たちの悲鳴が……』

 

ドライがそう呟いた瞬間、ネクサスは確かに聞こえたのだ……捕食されていく人々の悲鳴が。

 

『うわああああ!!? 熱い熱いよぉ!? 溶けぎゃあああああああ!!!?』

『いだぁい!? うぎゃあああああああ!!!!?』

『だ、だずがあああああああああ!?』

 

その声は皆、シルバーブルーメやダイオリウスに食われた人々の声……ネクサスはそれを聞き、思わず耳を塞いでしまう。

 

『全部お前のせいなんだよ、お前がここに来たからこうなった』

 

ドライはそう言いながらハイパーメフィストショットをネクサスの背中に撃ち込み、直撃を受けたネクサスは吹き飛ばされて地面へと倒れこんでしまう。

 

『さぁ、いよいよクライマックスだぜ』

 

ドライがそう言うとさらに地面からネズミに似たスペースビースト、「フィンディッシュタイプビースト ノスフェル」が出現し、ノスフェルはネクサスに掴み掛って立ち上がらせるとノスフェルはその鋭い爪でネクサスの胸部を斬りつける。

 

『グッ!?』

 

攻撃を受けたネクサスはノスフェルに反撃しようとするが……。

 

『おっと! 攻撃はしない方がいいぜ? こいつの額をよーく見てみな』

『っ!?』

 

ネクサスがドライに言われた通り、ウルトラマンとしての透視能力を使ってノスフェルの額を確認するとそこには……リコとアカツキの姿が……。

 

「ママぁ!! パパぁ!! 助けてぇ!!」

「苦しいよ……! 苦しい、誰かぁ!!」

 

それを見てネクサスは拳を握りしめて震わせるが……人質を取られたのでは手が出せないため、ネクサスは攻撃することができなかった。

 

だが……。

 

『お前、こいつ等を人質と勘違いしてないか?』

『なに!?』

『こいつ等は人質なんかじゃない』

 

するとなんとノスフェルは捕らえている筈のアカツキとリコを解放……と言ってもアカツキとリコが放り出された場所はドライの手の平の上……。

 

『なにを……するつもりだ!?』

 

そんなネクサスの慌てようを見てドライは楽し気に笑う。

 

「お姉ちゃん!」

「大丈夫……大丈夫だよ! 絶対だいz『グチョ』」

 

ドライは……手の平の上の少女2人を……握りつぶしたのだ……。

 

虫を潰すように……。

 

その瞬間、ネクサスの……響は……かつて目の前で沈んでいった姉妹や仲間のことがフラッシュバックされ、響は悲鳴にも似た声を張り上げながらドライへと向かって行った。

 

『うわあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!』

 

しかし、ドライはすぐさまその姿を消し、この場をノスフェル、シルバーブルーメ、ダイオリウスだけを残して消え去るのだが……ネクサスは構わずノスフェルを殴り飛ばし、ノスフェルは反撃しようと爪を振るうがネクサスはその爪を掴みあげて力づくでヘシ降り、ノスフェルの顔面に何発も拳を叩き込む。

 

さらにネクサスはノスフェルを持ち上げて空中へと投げ飛ばすとそのままネクサスは両腕にエネルギーをチャージし、両腕を十字に組んで放つ「クロスレイ・シュトローム」をノスフェルに向かって発射し、高専を受けたノスフェルは爆発四散し、木っ端微塵に吹き飛ぶのだった。

 

『うおおおおおおおおお!!!!!』

 

続いてネクサスはシルバーブルーメとダイオリウスに向かって行こうとしたのだが……そこには既にシルバーブルーメやダイオリウスの姿はなく、ネクサスは……響は悔しさ、悲しみ、怒り……様々な感情が入り混じった雄たけびをあげ、拳を地面に叩き付けるのだった。

 

『うわああああああああああああああああああ!!!!! うわあああああああああああ!!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『Xクロスチョップ!!』

 

それから数分後、この村の騒ぎを聞きつけ……ネクサスの目撃情報もあったことから等身大の「ウルトラマンエックス」が村へと駆けつけ、ビーストヒューマンを一通り殲滅していた。

 

「すぐに応援が来る筈だ、それまで粘れるかエックス?」

『あぁ、しかし……ビーストと化しているとはいえ人間を倒すのは心が痛い』

「だけど、この人たちだって人を襲いたいなんて思ってない。 こうするしか方法はないんだ……」

 

エックスと夜空はそんな会話をしながらビーストヒューマン達を倒しており、その後、応援の艦娘達が駆けつけてビーストヒューマン達をエックスと共に殲滅した後、変身を解除した夜空は遅れてみんなと合流し、全員で響を探すことに。

 

「あっ! いたわ!」

 

そして暁が真っ先にフラフラとしながら歩く響を見つけ、暁は「響ー!!」と大きく手を振って呼びかけるが……。

 

「姉……さん……?」

 

その目は虚ろであり、それを見た暁は心配そうな表情を浮かべて「響、大丈夫?」と優しく声をかけると……響は眼尻に涙を溜めて暁に抱き着き泣いてしまう。

 

「う、うぅ……うわああああああ!!!! 私が……私が、ここに来たから! 私の、私のせいで……! うわあああああ!!!!」

 

暁は突然のことに戸惑いが隠せないでいたが……今は、彼女は落ち着くまでそっと抱きしめておこうと……そう思う暁だった……。

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