ウルトラマンX  これくしょん   作:ベンジャー

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ガーゴルゴン・メカレーター
宇宙商人 スネーク星人ネイル
スクラップ幽霊船 バラックシップ
電脳怪獣 サイバーゴモラ
電脳ウルトラマン サイバーベリアル
登場。



第14話 『新たな力』

その後、ガーゴルゴンが撤退し森で倒れていた夜空と光を時雨達は発見、光はボロボロの状態で発見され、口からは血を流しており、夜空は大きな怪我こそ無かったものの気を失っていて今は2人とも医務室で寝かされていた。

 

「光ぃ・・・・・・なんでお前あんなところにいたんだよ! このバカ!!」

「心配かけてごめん、兄さん・・・・・・」

 

龍夜は目尻に涙を浮かべながら勝手にあんなところに行った光に説教をしており、時雨達もまた夜空を心配して彼の眠るベッドの周りに集まっていた。

 

『どうやら戦いに巻き込まれたのを提督はエックスに助けられたらしいな・・・・・・』

「うぅ、死なないでくださいしれいかーん!!」

「くっ、司令官の仇は必ず取ってやる・・・・・・!!」

 

そんなことを言いながらわんわん泣く朝潮とヴェールヌイだったが「勝手に殺すな!!」と満潮に怒られ、リョーガからも「命に別状もないから先ず死ぬことはないしね」と苦笑しながらそう言っていると突然、ドタドタと誰かが走ってくる音が聞こえ・・・・・・「た、大変よー!!」と叫びながら夕張が医務室のドアを蹴破って破壊しながら入ってくる。

 

尚、破壊されたドアは光に向かって一直線に飛んでいき、ドアは光に見事直撃し吹き飛ばされた光は床に倒れ込んで気を失ってしまった。

 

「ぎゃあああああ!!!? 光いいいいいい!!!!?」

『医務室のドアを壊すな夕張いいいいいい!!!!』

「夕張ぃ!! お前よくも光をおおおおおお!!!!」

「す、すいませーん!! 師匠に提督ー!? で、でも今は兎に角テレビ! テレビ付けてください!」

 

取りあえず気を失った光はリョーガとグルマンに任せるとして夕張に言われた通り医務室のテレビをつけるとそこにはガーゴルゴンと戦い、倒されてしまうメビウスとエックスの姿が映っており、エックスが倒されたシーンがテレビで流された後、場面が変わり今度は自分の宇宙船に乗っていると思われるネイルの姿がそこに映し出されたのだ。

 

『地球の諸君よ、ご覧になって頂けたかな? ウルトラマンを圧倒し、倒した我が最強兵器ガーゴルゴン・メカレーターの力を。 しかし勘違いしないでくれたまえよ。 君たち地球人に先ほどの映像を見せたが・・・・・・私はガーゴルゴンを使って地球侵略をしたいという訳では無い。 ただ君たちに色々とお願いしたいことがあるだけだ』

 

テレビの中に映るネイルが言うには「私は怪獣や深海棲艦を機械兵士にするための実験材料として持ち出す許可と全ての艦娘と艦娘を生み出すためのシステムが欲しい」と言い出したのだ。

 

『この話は君たち人類にとって悪くはない話だ。 何せ私が深海棲艦と怪獣を全て地球から持ち出してやろうと言うんだからね。 人類の脅威を私が完全に消し去ってやろうと言うのだよ、そうなれば艦娘がいる必要もなくなるし、存在する意義もないだろう。 だが私ならばそんな君たちも有効活用させてあげられる』

 

その放送を時雨達は「なにが有効活用だ」とネイルの言葉に怒りを感じるが・・・・・・そんな彼女達の心情などお構いなしにネイルは延々と喋り続ける。

 

『今から24時間地球からの返事を待とう。 しかし忘れないでくれたまえ、もし私の望む回答が来なかった場合、海で待機させている私の兵器達が一斉に攻撃を仕掛けることになるだろう。 ちなみに、あのガーゴルゴン・メカレーターは宇宙で何者かと戦いボロボロになっていたのを回収、強化した個体なのだが・・・・・・改造する前にも奴は幾つかの星を滅ぼしている。 そして改造された後も実用実験として1つの惑星を滅ぼし、そこから私の兵器開発のための開発資金を調達している』

 

後半部分は少しどことなく自慢げに喋るネイルだが、ネイルもそれに気づいたのか「すまない、少し自慢話のようになってしまったね。 全く、私の才能は恐ろしい」と謝罪(?)し、話を戻す。

 

『忘れないでくれたまえ、私にはそんなガーゴルゴンがついていることをね。 だが、君たちからの返答が私が望むものだった場合、お礼としてそれ相応のものを支払えば私の兵器を君たちに地球防衛の兵器として提供しよう。 サイバー怪獣などよりもよっぽど実用的だぞ? では、いい返事を待っている』

 

ネイルはそれだけを言い残すとテレビ画面が映り変わり、普通の番組が放送され始めた。

 

『これは随分とマズいことになってしまったようだな・・・・・・』

「バイスの時とは違い、艦娘も全員渡せと言ってきたからな」

 

「随分と規模がデカくなったものだ」とタカトは悪態をつくように言い放ち、村雨が「私達、どうなっちゃうんでしょう・・・・・・」と不安げな表情を浮かべ、菊月は提督である夜空が目を覚まさない今、自分達はどうすれば良いのか分からず、取りあえずは副司令である奈々に意見を聞いてみようと彼女の方を見てみると・・・・・・奈々の表情を見た菊月は思わず固まってしまう。

 

「怪獣も、深海棲艦も、艦娘を全て渡せ・・・・・・? ふざけたこと抜かしますね、例え上層部がそれを命令してこようと私達は・・・・・・少なくとも私は絶対に誰1人としてあんな爬虫類野郎には渡しはしませんよ。 命を冒涜する・・・・・・あんな奴に・・・・・・!!」

 

今の彼女は・・・・・・普段のあの艦娘にセクハラまがいのことしてはふざけた態度からは想像ができないほど怒りに満ちた表情を浮かべており、それは菊月が思わずビビってしまうほどのものであり、菊月はネイルの行う悪行に彼女がどれだけの怒りを浮かべているのかを感じ取った。

 

「副司令、苛立つのは分かるが・・・・・・」

「あぁ、そうだな。 先ずはこれからのことについてみんなで話し合おう」

 

菊月と龍夜の提案で一同はこれからのことについて話し合うために作戦会議室へと向かうこととなり、光もなにか役に立てることがあるかもしれないと行こうとしたが龍夜や他のメンバーに無理矢理寝かしつけられてしまう。

 

「お前は今は安静にしてジッとしてろ! でないと手足を縛り上げてでも寝かしつけるからな!」

「・・・・・・はーい」

 

龍夜のその言葉で光は大人しくなり、時雨もまた自分も会議室へと向かおうとしたのだがそれを扶桑と山城に止められる。

 

「扶桑、山城・・・・・・」

「時雨、あなたは今はあなたの提督の側にいてあげて?」

「でも・・・・・・!」

「あなたの顔を見れば分かるわ。 提督の側にいたいって顔してるわ」

 

扶桑と山城にそう言われ、彼女達に続くように満潮も「提督が目を覚ました時、時雨が目の前にいたらきっと提督は安心してくれる筈よ」と言われるが、それに対し時雨はどこか自信なさげな様子で「そ、そうかな・・・・・・?」と首を傾げる。

 

「兎に角、あなたはここで待機してなさい。 用があれば呼ぶから」

 

山城のその言葉を受けて時雨は戸惑いつつも頷き、みんなが医務室から出て行くのを確認した後、時雨は夜空の眠るベッドの近くにある椅子に座る。

 

そんな彼女の様子を見てかグルマンとリョーガも「何かあったら呼んでくれ」とだけ言い残して部屋を出て行き、光も空気を呼んだのか「ジュースを買いに行くくらいなら良いよね?」とグルマンとリョーガの許可を貰い3人も部屋から出て行くのだった。

 

「全く、みんななんでそんな気を使ったような・・・・・・。 でも、提督・・・・・・本当に、無事で良かった・・・・・・」

 

時雨はベッドで眠る夜空の手を両手でギュッと握りしめながら安堵の溜め息を吐く。

 

「それにしても、あの時見た夢の光景・・・・・・」

 

エックスがガーゴルゴンに倒されてしまい、結局、あの夢は正夢となってしまったのかと時雨は思ったが・・・・・・あの時の違いと大きな点が1つあったのだ。

 

それは「夜空が無事」だということ。

 

あの時見た夢はエックスがガーゴルゴンに倒された後、その直後に「エックスが夜空の姿になったような」形で血まみれで大怪我をした夜空が自分の前に現れるという内容だったのだが・・・・・・エックスが助けてくれたおかげなのか、夢とは違いそこまで大きな怪我をしていなかった。

 

そして時雨は昨日見た夢の「エックスが夜空の姿になったような」光景を思い出したのを機に、彼女は今までの夜空とエックスの行動を思い返してみると「もしかして夜空がエックスなのではないのだろうか?」という予想が思い浮かぶのだが・・・・・・彼女はすぐにその考えをかき消した。

 

(例え、そうだとしても提督は提督だ……。 僕たちのことを自分の持てる力全てで守ろうとしてくれる……)

 

夜空は・・・・・・昔、幼い頃に両親と一緒にピクニックへ行ったときの夢を見ていた。

 

その時、空には大きな虹がかかっており、両親に「ねえ、知ってる? 虹って高いところから見ると丸く見えるんだ!」と嬉しそうに話し、両親から「夜空は勉強熱心で偉いね」と頭を撫でられながら褒められるといった・・・・・・幸せそうな光景。

 

『じゃあこれは知ってる夜空? 虹の根っこには幸せなものや大切なものが埋まってると言われてるの!』

 

母がそう言い、夜空は母に「大切なものって?」と興味津々な様子で母に尋ねると……両親は「それはね……」と答える前に両親は夜空の目の前から消えてしまったのだ。

 

その時、薄らと今まで眠っていた夜空の目がゆっくりと開き、目を覚ました夜空は辺りを見回した後、自分の手を握りしめている時雨に気づき、夜空は「時雨?」と彼女の名を呟く。

 

「良かった、目を覚ましたんだね提督・・・・・・」

 

時雨はホッとした表情を浮かべ、夜空は時雨が自分の手を握りしめていることに気づき、時雨も夜空の視線からそのことに気づき、2人は顔を赤くしてパッと手を思わず離してしまう。

 

「それにしても、さっきの夢……」

「夢……?」

 

小さく呟いたつもりだったのだが、時雨の耳には夜空の呟きが聞こえたらしく、彼女は小首を傾げる。

 

「あぁ、昔……俺が両親と一緒にピクニックに行った時の夢だよ。 その時、綺麗な虹が出てて……母さんがその虹の根っこには大切なものが埋まってるって……そんな話」

「ふーん、なんだか……楽しそうだね……」

「うん、ホントに……楽しかった……。 ってそうだ! エックス!! 時雨!! 今すぐグルマン博士かリョーガさんをここに呼んで俺とデバイザーを繋げるんだ!」

 

とそこで夜空はエックスが自分からユナイトを解除した時のことを思い出し、突然の出来事に時雨は「えっ? えっ? なに? どういうこと!?」と慌てふためく。

 

「エックスは多分、電脳世界にいると思うんだ。 早くエックスのデータを回収しないと……!」

「と、兎に角分かったよ! グルマン博士とリョーガさんを呼んでくる!!」

 

それから時雨はグルマンとリョーガの2人を連れて来ると夜空は2人に一通りの説明を行い、説明を受けたグルマンとリョーガは彼の説明を理解して夜空は部屋を移動しサイバー怪獣を実体化させる際にも私用した「デバイザー」を頭に装着し、デバイザーの転送システムを使い電脳世界へと入り、丁度今、エックスのデータを探しに行こうとしていたのだ。

 

しかし電脳世界を行き来するのは非常に危険な行為であり、下手をすれば二度と戻ってこれない可能性も……。

 

「提督、それなら僕が……!」

「ありがとう、時雨……。 でも、お前はみんなと一緒に残っておいてくれ。 いざという時、少しでも戦力が多い方が良いからな」

 

夜空は時雨にここで待ってるよう指示するが……やはり時雨は不安でたまらなく、夜空はそんな彼女の頭をそっと撫でようとしたのだが……その手を弾くようにどこからかゴモラのスパークドールズが「ぴょんっ」と飛び出して夜空の手を弾いたのだ。

 

「痛っ!? ゴモラ……?」

 

ゴモラは夜空の手に収まると小刻みにカタカタと震え、夜空は今まで心を閉ざしていたと思われたゴモラが自分に何かを言おうとしているのだと思い、ジオデバイザーを取り出してゴモラの感情を解析する。

 

『ゴモラ、解析中……解析完了』

 

ゴモラの感情を解析した結果、ジオデバイザーの画面に「恐怖、不安」といったものが表示され、夜空はゴモラも自分のことを心配しているんだということを理解した。

 

「ゴモラも、心配してくれてるのか……。 でも、大丈夫。 俺は絶対に戻ってくるよ。 ゴモラ、時雨……お前達と約束する」

 

それでも時雨は心配そうな表情を浮かべ、ゴモラは心配そうに小さな鳴き声をあげるが……夜空は笑みを浮かべ、右手で時雨の頭を撫で……左手でゴモラの小さな手を握る。

 

「時雨、俺……お前の頭を撫でるの好きだからさ……。 だから、大丈夫……。 また撫でに来るよ。 ゴモラも、俺はまだお前とちゃんと会えてない。 だから、お前にまた会いに来る」

「うん、分かったよ……提督」

 

先ほどの不安そうな顔と違い、今は彼女は笑みを浮かべ……「戻ってきてね?」と夜空と約束し、夜空は頷くとゴモラを時雨に渡した後、ベッドに寝てグルマンとリョーガに「やってください」と彼は2人に頼み込み……それに頷いたリョーガとグルマンはスイッチを押して夜空を電脳世界へと飛ばしたのだった。

 

(もう誰も消えさせない! 仲間は失わせない、絶対にエックスを助けて戻って来る!)

 

その想いを夜空は胸に、彼は自分の意識を電脳世界へと飛ばすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ネイルの所持している宇宙船では……そこには何らかの方法で縮小されたメカレーター怪獣や改造艦娘、深海棲艦などがカプセルに入れられて大量に棚に置かれており、その内のガーゴルゴンの入ったカプセルをネイルは興味深そうに見つめる。

 

『ふむ、あの降り注いだエネルギーが何なのかは分からないが実に興味深い。 私に取っては嬉しい誤算だった』

 

一時はあの黒いエネルギーで強化されたガーゴルゴンは自分の指示を受けるかどうか不安だったが、特に不審な点は見受けられず、逆にガーゴルゴンが浴びたこのエネルギーを解析して自分の造り出した兵器達に運用できそうだとしてどこか嬉しそうにしていた。

 

するとそこでネイルは自分を睨み付けるガーゴルゴンの視線に気づき、「なんだその目は?」と苛立ったようにガーゴルゴンにそう問いかける。

 

『貴様……私をこのような侮辱を味わせてタダで住むと思うなよ……?』

『フン、偉そうに……。 誰が君の命を救ってやったと思ってるんだ? それだけじゃない! 君は他の怪獣では為し得なかったメカレーター化が100%適合し、より強力な存在へと進化したんだ! しかも他の怪獣と違うのはそれだけではない! 君は他の怪獣達とは逆に、メカレーター化してより強い生命体へと進化したんだ! 私には感謝して欲しいくらいだね!』

『確かに、以前よりも強い肉体を私は得た。 しかし、代わりに私はこの機械に埋め込まれた装置のせいで貴様の操り人形となった! 貧弱な宇宙人が……! 覚えていろ、いずれ貴様にこの私を弄んだ報いを受けさせてやる!!』

 

怒りに満ちた視線をガーゴルゴンはネイルに浴びせながらそう強く、憎しみの籠もった声で言い放つが……bネイルはそれを鼻で笑い、「せいぜい頑張りたまえ」と一蹴した後、ネイルは怪獣兵器などが置いてあるこの部屋から出て行こうとしたその時……。

 

『そうだ、1つ言い忘れていたが……あの光の巨人、エックスと言ったか? 奴はまだ死んでいないぞ?』

『なに……?』

『最も、完全に消えるのも時間の問題だが……』

 

ガーゴルゴンのその言葉を聞いてネイルは「そうか、奴は電脳世界に……」と夜空と同様、今エックスがいるであろう場所に気づき、夜空達がエックスを助け出すかもしれないと考える。

 

『それならば私自ら電脳世界へと向かい、エックスにトドメを刺したいところだが……流石に電脳世界に行くのはリスクが高すぎる……。 兎に角、今は私は軍法会議に行かなければならない。 それにエックスのデータは散り散りとなっている筈だ。 エックスを助けようとして電脳世界に閉じ込められるのがオチだ。 いざとなれば修復を完了させ次第またお前に行かせよう。 他の怪獣共は商品だから傷つけられたくないからな』

 

そしてネイルはそれだけを言い残し、部屋を出ると同時にその姿を変え……「阿久野」という地球人の姿となったのだ。

 

「だが、エックスが復活する可能性を徹底的に叩きつぶし、あの鎮守府の奴等に絶望を味合わせてやるのも面白いかもな……。 そうすれば抵抗もなくなるだろうしな……」

 

そう言うと阿久野はジオデバイザーに酷似したデバイスを取り出し、それに1枚のサイバーカードを装填させた後、阿久野は地球へと戻るのだった。

 

地球へと戻った阿久野は軍法会議に出席し、当然会議の内容はネイルの出した要求についてである。

 

中には「艦娘だって生きている! あんな奴に渡せる筈が無い!!」という者や「だが深海棲艦や怪獣といった地球上の脅威を完全に取り除いてくれていると言っているんだ」と意見を出すものとそれぞれ意見が別れるが……圧倒的に意見が多かったのはやはり地球のことを考え、「艦娘、深海棲艦、怪獣を全てネイルに引き渡す」というものだった。

 

勿論、阿久野は「そもそも艦娘は我々人類のために戦う存在、ならばその身を捧げて貰っても構わないでしょう」と意見し、ネイルへの要求に応えるように促したりしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また電脳世界へと意識を飛ばされた夜空はエックスのデータを探し、彷徨っていた。

 

「データが膨大で見つからない……! エックス! いるなら返事してくれ!!」

 

しかし、右を見ても左を見てもどこを見てもエックスのデータと思われるものは全く見つからない。

 

さらにその時、夜空の右手がデータの塊のような状態となってしまい、それを見た夜空はもう時間がないことに焦りを感じる。

 

(いや、ダメだ焦るな……! 落ち着いてもっとよく探すんだ……!)

 

夜空は自分に言い聞かせ、気を取り直して再びエックスのデータを探し始めるが……。

 

その時、丁度夜空の目の前に突然1つの虹が現れたのだ。

 

「なんだ!? どうしてこんなところに虹が……!?」

 

電脳世界でなぜ虹のようなものが出現したのか理解できなかった夜空だが……彼は先ほど見た夢の内容、母が言った「虹の根っこには大切なものが埋まってる」という言葉を思い出し、彼は「もしかして……」と思い虹の根っこを目指して進み出す。

 

だが……それを妨害するかのように夜空の目の前に1人の黒いウルトラマンが立ちはだかったのだ。

 

『フッハハハハ!!』

「なんだ!? 黒い……ウルトラマン!?」

 

その黒いウルトラマンの名は……光の国で唯一悪の道へと走った最凶最悪のウルトラマン、「ウルトラマンベリアル」

 

ただし、その見た目はメカニカルな外見をしており、このベリアルはベリアルでもサイバーカードで造られた「サイバーウルトラマンベリアル」である。

 

実は先ほどネイルがジオデバイザーに酷似したデバイスに装填したカードはネイルがベリアルのデータと地球のサイバーカードの技術を元に造られたこのサイバーウルトラマンベリアルであり、ネイルはこのサイバーベリアルを使ってエックスの復活を妨害しようとしていたのだ。

 

尚、サイバー怪獣がまだ実体化していないのにここでこのように実体化するのはおかしいのではないかと思うかもしれないがよく考えてほしい。

 

そもそもサイバー怪獣の異名は「電脳怪獣」……電脳世界で実体化できない方がむしろおかしいと言えるため、「電脳ウルトラマン」とも言えるサイバーベリアルがこの世界で実体化できても不思議ではないのだ。

 

そしてサイバーベリアルは鋭く伸ばした両手の爪を夜空に向かって振りかざし、夜空はどうにか避けることに成功したがサイバーベリアルは攻撃の手を緩めようとせず、すぐさま左手を振るって夜空をはたき落とそうとする。

 

『ウルトラマンの力を、チャージします』

 

咄嗟に「ウルトライザー」を取り出した夜空はウルトライザーによる光線をサイバーベリアルの左手に放ってサイバーベリアルの手を弾き、どうにか虹の根っこまで辿り着こうとする。

 

しかし当然ながらそれをサイバーベリアルは妨害し、夜空はサイバーベリアルを睨み付け「邪魔だ!!」と怒鳴りあげた。

 

一方で現実世界でも電脳世界と同様に夜空の身体が徐々にデータの塊へと変換させられており、時雨は「提督!」と心配そうに声をあげた。

 

「ダメだ! このままじゃ……!」

 

時雨が夜空の手を強く握りしめ、彼女は必死に夜空が帰って来てくれることを願うが……その願いとは裏腹に夜空の身体はどんどんデータへと化していき、時雨は目尻に涙を溜める。

 

「うぅ……くぅ、嫌だ……。 早く戻って来てよ、提督……。 夜空!!」

 

時雨が悲痛な声でそう叫んだその時……。

 

『私が、力を貸そう』

 

そんな声が聞こえ、時雨、リョーガ、グルマンの3人は一斉に声のした方へと振り返るとそこには等身大となっている1人のウルトラマンが立っており、リョーガがジオブラスターを思わず構えてしまったが……グルマンに「銃を下ろせ!」とすぐに止められた。

 

『リョーガ、彼は敵ではない』

「確かに、ウルトラマンみたいだけど……」

『あなたは……』

 

グルマンはどうやらそのウルトラマンのことを知っているらしく、そのウルトラマンはグルマンに対して頷くと彼は自分の名を名乗る。

 

『私は宇宙警備隊隊長、『ゾフィー』』

 

君たちのことは大隊長……ウルトラの父から伺っている。 今、彼のいる電脳世界では何者かが彼の行く手を阻んでいる。 だから私の力で君を電脳世界へと送ろう。 私も一応はついては行くが、私も電脳世界で活動できるのにも限度がある。 なので私は彼を阻んでいる敵を食い止め、その間に君は彼と共にエックスを救うんだ』

「分かりました。 お願いします!」

 

時雨は迷うことなくすぐにそう決断し、リョーガやグルマンは「大丈夫か?」と心配したが彼女に迷いはない。

 

だが、その時時雨が持っていたゴモラのスパークドールズがカタカタと動き、彼女はゴモラも夜空を助けに行きたがっているのを察し、ゾフィーにゴモラもついていって貰えるかと尋ねるとゾフィーは「ならば電脳世界でサイバーゴモラのカードをロードさせればサイバー怪獣として実体化可能な筈だ」と説明され、時雨は「行くよゴモラ」とゴモラに声をかけた後、ゾフィーに「やってください」と頼むのだった。

 

『うむ、では行くぞ!』

 

次の瞬間、ゾフィーと時雨はその場から消え去り、その場にはリョーガとグルマンだけが取り残されるのだった。

 

そして再び電脳世界……夜空はウルトライザーから光線を放ってどうにかサイバーベリアルと応戦していたがウルトライザーのエネルギーも底がついてしまい、それを見たサイバーベリアルがチャンスだと言わんばかりに腕を夜空に向かって強く振りかざすのだが……。

 

『シュア!!』

 

そこにゾフィーが跳び蹴りをサイバーベリアルに繰り出すと同時に現れ、一度夜空の姿を確認した後、ゾフィーはサイバーベリアルに向かって駈け出して行く。

 

挿入歌「ウルトラマンゾフィー」

 

『サイバーゴモラ、ロードします』

 

さらに電脳世界で実体化することに成功した「電脳怪獣 サイバーゴモラ」が出現し、サイバーゴモラはサイバーベリアルにタックルを繰り出し、続けざまにゾフィーがサイバーベリアルを殴りつけた後、回し蹴りを喰らわせる。

 

「ゴモラ……!? それに、新しい……ウルトラマン?」

「提督!」

 

サイバーゴモラとゾフィーの出現に夜空が驚いていると後ろから聞き覚えのある声が聞こえ、振り返るとそこには思った通り時雨が姿があり、夜空は「時雨!? なんでここに!?」とまたまた驚きの声をあげる。

 

「提督を、助けにきたに決まってるじゃないか! それよりもエックスのデータを!!」

「あ、あぁ、そうだな! あの虹の根っこにもしかしたら……」

 

夜空が電脳世界で現れた虹の先を指差し、時雨はそれに頷いて2人は手を繋いで虹の根っこへと進みだし、サイバーベリアルはそれを遮ろうとするが当然、ゾフィーとサイバーゴモラがそれを阻む。

 

サイバーベリアルは「邪魔だ」と言わんばかりに腕から三日月状の斬撃を衝撃波のように放つ「サイバーベリアルリッパー」をゾフィーとサイバーゴモラへと放ち、サイバーゴモラは両手から発生させるバリアで攻撃を防ぎ、ゾフィーは高くジャンプしてサイバーベリアルに拳を叩き込もうとするがサイバーベリアルは両手を交差して攻撃を防ぐ。

 

サイバーベリアルはそのままゾフィーを押し返すとゾフィーの腹部に蹴りを叩き込むが……直後にサイバーゴモラの振るった尻尾による打撃を受けて軽く吹き飛ばされ、そこを狙いゾフィーは両手の先を合わせて発射する稲妻状の光線「Z光線」をサイバーベリアルに放つがサイバーベリアルはそれを爪を振るってかき消し、同時に爪から斬撃をゾフィーとサイバーゴモラに飛ばす。

 

『シュア!!?』

『グアアアアア!!!!?』

 

ゾフィーとサイバーゴモラはそれらの直撃を受けてダメージを負うがゾフィーとサイバーゴモラは負けじとサイバーベリアルに向かって行く。

 

『まさかデータとはいえ相手がベリアルとは……だが、命ある者は常に前に進む。 サイバーゴモラと違い、ただのデータの塊でしかないベリアルの昨日までのデータなど!!』

 

また一方で時雨が1つだけ主砲を展開し、後ろの方向へと向けて砲弾を発射して一気に加速して進み、一気に虹の根っこの元へと辿り着くことに成功……そして夜空がその手を伸ばすと……夜空はその手に「なにか」を掴み取ったのだ。

 

そして……虹の根っこから1つの虹色の短剣……「エクスラッガー」が出現し、それと同時にバラバラとなっていたエックスのデータが次々と夜空のジオデバイザーに集まり始める。

 

「エックス……!」

 

エックスのデータが全て集まり、ジオデバイザーが「エクスデバイザー」へと変わり、エクスデバイザーから眩い光が放たれるとその光はサイバーベリアルを吹き飛ばし、ゾフィーも「やったようだな!」と頷き、一同はその光に導かれるように現実の世界へと戻ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!! エックス!!」

 

現実の世界へと戻って来た夜空はガバッと起き上がってデバイザーを見てみるとジオデバイザーは再びエクスデバイザーへと戻っており、その中にはちゃんと復活したエックスも存在していた。

 

『夜空……どうやら今度は君に助けられたようだな……』

「全く心配したんだぞ……。 ってあ……」

 

エックスが無事に助かったようで夜空はホッと一安心したのだが……。

 

「えっ? えっ? ちょっと待ってくれたまえ……。 なんで提督のデバイスの中にエックスがいるんだ!?」

『そうか、そういうことか! エックス、君はずっと提督のデバイスの中にいたんだな!』

 

夜空はすっかり周りにリョーガやグルマン、時雨がいたことを忘れており、リョーガはエクスデバイザーの中にエックスがいることに驚いていたが対照的にグルマンは色々と察したらしく、グルマンは夜空が今までずっとエックスに変身して時雨達と共に戦って来たのだと時雨やリョーガに説明したのだが……時雨の耳には全くグルマンの話が入って来ていなかった。

 

代わりに彼女は目尻に涙を溜め……夜空へと抱きついたのだ。

 

「提督!」

「うぉ……! し、時雨……」

「良かった。 ちゃんと帰って来れて……本当に……」

 

そんな彼女に対し夜空も時雨を抱きしめ返し……右手で彼女の頭を優しく撫でた。

 

「僕、薄々分かってたんだ……。 提督がエックスじゃないかって……。 いつも、僕たちを助けてくれてたんだね……」

「俺やエックスだって何回もお前達に助けられたよ……。 今回だって……」

『恋人が戻ってきて嬉しい気持ちは分かるが……そろそろいいかな?』

 

とそこで同じく現実世界へと戻って来たゾフィーが夜空と時雨に声をかけ、2人はゾフィーの言葉に「恋人?」と首を傾げると時雨と夜空はお互いに抱きしめ合っていることに気づき、2人は顔を赤くして慌てて離れる。

 

『先ずは私は君たちには謝らなければならないことがある』

「謝らないといけないこと……?」

『そうだ。 あのガーゴルゴンという怪獣は数々の星を滅ぼしてきた恐ろしい怪物だ。 私は任務でそのガーゴルゴンを追いこの世界の宇宙へと辿り着いた……。 しかし……』

 

この宇宙でガーゴルゴンを見つけ、ガーゴルゴンと戦闘に突入するまでは良かったのだが……その中で互いの光線がぶつかり合い爆発し、その爆発によって双方に多大なダメージが入り、ゾフィーはしばらくの間行動不能となり、ガーゴルゴンも同様に行動不能状態へとなったのだが……。

 

そんな状態のガーゴルゴンをネイルが宇宙で偶然発見し、メカレーターへと改造手術を行ったのだというのだ。

 

『私があの時、しっかりとガーゴルゴンを倒していれば……! これは私の落ち度だ。 そのせいで君たちには多大な迷惑をかけてしまい、本当に申し訳ない……』

 

そう言いながらゾフィーは頭を下げて夜空達に謝罪するが夜空は慌てて「頭をあげてください!」とゾフィーに言葉を返す。

 

「それに、どっちにしてもガーゴルゴンはいずれはこの地球に来ていたかもしれないんです。 どの道そんな奴を放っておく訳にもいかない……」

『あぁ、そうだな。 せめてもの償いとして私も全力で君たちに力を貸そう。 それともう1つ。 エックス、夜空、君たちには色々と教えなければならないことがある……。 君たちは阿久野という人物を知っているな?』

「知ってるもなにも……上層部の人ですよね? 今回のバラックシップの件を教えてくれたのも……」

『その阿久野という人物こそ、今回の事件の主犯であるスネーク星人 ネイルなのだ』

 

それをゾフィーから聞いた時、夜空と時雨は顔を見合わせて信じられないといった表情を浮かべており、たった数回しか会ったことはないが彼がそんな悪い人間には2人には見えなかった。

 

だが逆にリョーガやグルマンは「成程……」とどこか納得した様子を見せており、というのもリョーガもグルマンも阿久野が裏で色々と怪しいことをしているという噂話を多少なりとも聞いたことがあるからである。

 

「もしかして……石川に命令を出してた奴のデータは船と一緒に沈んで文字通り水の泡になったが……。 響ちゃんを連れてくるように言ってたのはそいつかもしれないね。 ゾフィーの言っていることが正しければ辻褄もあいそうだ」

 

リョーガが以前、響が石川に連れて行かれそうになったのを思いだし、グルマンは「普段は愛想よくして周りからもそれなりに慕われているから……てっきりそんな彼を嫌う誰かが流した噂だろうとは思っていたが……」と語る。

 

『しかし、例え彼が本当にそのネイルという宇宙人だったとしても証拠がないぞ?』

 

 

とそこで鎮守府の警報が再び大きく鳴り響き、そこへ朝潮と菊月が慌てた様子で医務室へと入って来た。

 

「た、大変です司令官!!」

「ってなんかウルトラマンみたいなのがいるんだが!?」

「今はそんなことどうでも良いんです!! というか司令官目を覚ましたんですね良かった!」

 

そんな朝潮の言葉に菊月は「いやよくないだろ!?」とツッコムが朝潮は気にせず夜空の元へと駆け寄り、再びガーゴルゴンが空からこの鎮守府に向かってこの鎮守府に向かって接近していることを報告した。

 

「司令官! どうかご命令を……!」

「……分かった! 艦娘全員鎮守府の外に待機し、空から来るガーゴルゴンを迎撃し、なんとしてでもこの鎮守府を守るんだ!! 早くみんなに伝えて来てくれ!」

「「「了解!!」」」

 

朝潮、菊月、時雨は夜空の指示に敬礼して言われた通り指示に従いみんなの元へと向かい、夜空も起き上がってみんなの元へと行こうとするのだが……。

 

「っ!?」

 

突然、不意に頭痛を感じた夜空は思わず頭を押さえてしまい、グルマンとリョーガが「どうした!?」と心配そうに声をかけるが、それをゾフィーが止める。

 

『これは恐らく……』

 

すると突然夜空の頭の中で様々なイメージが沸き、夜空はその頭の中で浮かんだイメージの中には目の前で両親が自分にゴモラを託し、いなくなってしまう光景や……初めてウルトラマンエックスへと変身した時の光景、時雨がバグバズンに捕まり助けに行き、戦闘に突入して3対1という不利な状況となりピンチに陥ってしまった時の光景など……そんなイメージ映像が突然夜空の頭の中で流れ……映像が途切れると夜空の頭痛は治り彼はゴモラのスパークドールズを取り出す。

 

「今のは……お前が見せたのか? ゴモラ……?」

 

今のイメージ映像……これを夜空は恐らく先ほど電脳世界でゴモラがサイバーゴモラとして実体化した際にゴモラはその影響で自分の脳になんらかの信号を送り、自分に何かを伝えようとしているのだと思った夜空は「もしかして……」と思いゴモラに話しかけた。

 

「今のはゴモラ、お前の記憶……なんだな? お前が俺と繋がるのを拒んでいたのは、俺を心配したから……」

 

またゴモラはイメージ映像として見せてはいなかったが時雨に力を貸さなかったのも彼女達艦娘が彼を危険な戦場へと立たせることに繋がるからであり、夜空もそのことについては先ほどの映像を見てそのことを察し夜空はゴモラに笑みを向けて語りかける。

 

「ありがとう、ゴモラ。 でも、俺がやらなくちゃもっと大勢の命が失われてしまう。 俺がここにいるのも俺の意思だ。 それに俺は仲間だって守りたい。 俺は絶対に大丈夫だから、だから頼む……俺にも彼女達にも力を貸してくれ……!」

 

頭を下げてそう懇願する夜空の姿を見たゴモラは夜空の言葉に返事をするように鳴き声をあげ、夜空はエクスデバイザーを使わずともそのゴモラの声の意味を理解し、「ありがとう」とゴモラにお礼を述べるのだった。

 

「よし、行こう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時雨、朝潮、夕立、村雨、満潮、睦月、如月、皐月、山城、扶桑、暁、ヴェールヌイ、雷、電、荒潮、村雨、文月、菊月、春雨、夕張、吹雪、大鳳はガーゴルゴンの迎撃をするため一度鎮守府の外に出てガーゴルゴンの迎撃準備をする。

 

また夜空達は念のために鎮守府から出て少し離れた場所で彼女達の戦いを見守ることとなり、夜空も現場で指揮を執ろうとしたのだが……龍夜に「さっきまで寝込んでたんだから俺に任せて大人しくしてろ」と言われたため、指揮を外されてしまったが……むしろ夜空的にはエックスに変身するためには好都合だった。

 

またゾフィーはバラックシップと改造艦娘、改造深海棲艦を止めてくるということで別行動を取り、やがて先ほどと同じようにガーゴルゴンが鎮守府に向かって落下してくるのが見えると一同は龍夜の指示を受けて主砲を構える。

 

「まだ全員サイバー怪獣の力は使うな! なんとしてでも鎮守府から軌道を逸らすんだ!! 総員……攻撃開始ぃ!!」

 

龍夜の指示を受け、艦娘達は一斉に主砲から砲弾を発射して攻撃を開始した。

 

しかし時雨達は幾ら砲弾を撃ってもガーゴルゴンの勢いは止まらず、龍夜は夕張と大鳳にサイバー怪獣のカードを使うように指示し、夕張は「サイバーキングジョー」、大鳳は「サイバーバードン」のカードをそれぞれジオデバイザーに装填させる。

 

『サイバーキングジョー、ロードします』

『サイバーバードン、ロードします』

 

夕張は主砲にサイバーキングジョーのエネルギーを集約し、一気にそれを放出させるビーム砲「キングジョーデストロイ砲」を、大鳳はサイバーバードンの力をその身に宿しボウガンを構えてそこから巨大な火の鳥を模した炎が放たれる「バードン・フェニックス・アタック」を2人は繰り出し、それらがガーゴルゴンに直撃すると見事に軌道が逸れて鎮守府とは別方向へと落下したのだが……ガーゴルゴンはすぐに起き上がり、鎮守府を襲撃しようとする。

 

「させないわよ! 大鳳! もう1度行くわよ!!」

「はい!!」

 

夕張と大鳳は再び「キングジョーデストロイ砲」と「バードン・フェニックス・アタック」をガーゴルゴンに放つがガーゴルゴンは前方にバリアを張り巡らせて攻撃を防いでしまう。

 

そしてガーゴルゴンは狙いを艦娘達へと定め、両肩の触手の口から電撃光線を彼女達に向かって放つがガルラフュージョンとなった睦月が周囲にバリアを張り巡らせて攻撃を防ぐのだが……あまりの強い衝撃に睦月は吹き飛ばされてしまいそれを如月が慌てて受け止める。

 

「睦月ちゃん!? 大丈夫!?」

「う、うん、ありがとう如月ちゃん……」

「暁ちゃん、睦月ちゃん、如月ちゃん、夕張さん、大鳳さんは前方からガーゴルゴンを攻撃して奴の注意を引きつけて! 残りのメンバーはガーゴルゴンのバリアを張れない背後を狙うわよ!」

 

扶桑の指示に従い、暁と如月は「ザラガスフュージョン」と「サラマンドラフュージョン」となり、強化された砲弾をガーゴルゴンに発射し、夕張と大鳳はキングジョーデストロイ砲とバードン・フェニックス・アタックでガーゴルゴンを攻撃しなるべくガーゴルゴンの注意を引きつける。

 

そして満潮はサイバーグビラのカードをジオデバイザーにロードさせると主砲がドリルへと変わり、それを前に突き出すとドリル状のビームがガーゴルゴンへと放たれ、続いて山城と扶桑も主砲から砲弾を発射してガーゴルゴンの背中を攻撃し……ガーゴルゴンはたじろく。

 

「グアアアアアアア!!!!」

 

するとガーゴルゴンは雄叫びをあげて満潮達に電撃光線を放ち、満潮、山城、扶桑は大きく吹き飛ばされてしまう。

 

「「「きゃあああああ!!!!?」」」

「あっ……! エックス、ユナイトだ!! みんなを助けるぞ!!」

『よし、今度こそ奴を倒すぞ!!』

 

既に人気のない場所へと行き、その光景を見た夜空はエクスデバイザーを取り出し、そこからエックスのスパークドールズが出現してそれを掴み取ってエクスデバイザーにリードさせた後、夜空はエクスデバイザーを掲げる。

 

『ウルトラマンエックスと、ユナイトします』

「エックスーーーーーー!!!!」

『エックス、ユナイテッド!』

『イィィッサァァァァ―――ッ!!』

 

すると夜空は「ウルトラマンエックス」へと変身し、エックスは吹き飛ばされた扶桑、山城、満潮を両手で受け止めゆっくりと地上に降ろした後、エックスはファイティングポーズを取ってガーゴルゴンと対峙する。

 

『夜空……この感じ……』

「あぁ、今までのユナイトと何か違う……。 前よりもエックスを近くに感じる……!」

『どうやら、君が私を救ってくれたおかげらしいな……』

「いや、俺だけじゃ無いよ……。 ゾフィーや、時雨やゴモラがいたからこそエックスを救うことが出来たんだ……」

 

夜空はエックスにそう言った後、サイバーゴモラのサイバーカードを取り出し、エクスデバイザーにそれを装填する。

 

『サイバーゴモラ、ロードします』

「ゴモラ……一緒に戦うぞ!」

 

サイバーゴモラのスパークドールズがエクスデバイザーから出現し、夜空はそれを掴み取るとエクスデバイザーにリードさせる。

 

『リアライズ!』

 

そしてエックスの隣に青い姿に巨大な爪を持った怪獣……「電脳怪獣 サイバーゴモラ」が実体化して出現し、夜空はサイバーゴモラと繋がることに成功したのだ。

 

「時雨! お前も力を貸してくれ!」

 

さらに夜空は時雨のサイバーカードをエクスデバイザーに装填させるとエックスは「時雨アーマー」を装着し、エックスとサイバーゴモラは2体でガーゴルゴンに同時に挑みかかり、また時雨達はサイバーゴモラが実体化したことに驚いていた。

 

「サイバーゴモラの実体化に成功したの……!?」

「司令官さんがどこかで実体化させたのでしょうか……?」

 

雷と電がそれぞれ疑問に思ったことを口にしたが時雨に「今はそれを気にしてる場合じゃないよ!!」と言われたため、時雨からエックスとサイバーゴモラを援護するように指示され、2人は一斉にガーゴルゴンへと攻撃を開始した。

 

戦闘BGM「Xの戦い」

 

『シュア!!』

 

エックスは主砲から砲弾を発射しながらガーゴルゴンへと駆け出し、ガーゴルゴンは前方にバリアを張り巡らせて攻撃を防いだ後、即座に胸部を開いて大量のミサイルをエックスに向かって放つがそれをサイバーゴモラが両手から発生させるバリアで防ぐ。

 

するとエックスはサイバーゴモラの背中を駆け上がって高くジャンプして主砲を逆手に持ち、ガーゴルゴンへと一気に接近してガーゴルゴンを殴りつけ、ガーゴルゴンは負けじと左手の剣を振るうがエックスは即座に後ろへと後退して避け、それと入れ替わるようにサイバーゴモラの振るった尻尾が頭部に直撃し、ガーゴルゴンはフラつく。

 

「今だ!! ゴモラ、僕にも力を貸してくれ!」

 

時雨はゴモラのサイバーカードにそう頼んだ後、ジオデバイザーにカードを装填させると『サイバーゴモラ、ロードします』という音声が鳴り響き、彼女は再びゴモラの力を使用できるようになり、同時に雷と電がサイバーネロンガとサイバーエレキングのカードを使い強化された砲弾を発射してそれが見事にガーゴルゴンの左手の剣に直撃し粉々に砕け散ったのだ。

 

「やったのです!!」

「ふふーん! 雷様の力を見たかしら♪」

「いっけー!! エックスーーーー!!!! ゴモラーーーー!!!!」

 

時雨の言葉にエックスは頷き、サイバーゴモラはガッツポーズをすると一気に勝負を決めようと攻撃を仕掛けるのだが……その時、突如として1つの宇宙船が現れガーゴルゴンを援護するようにエックスとサイバーゴモラに向かって光線を放って来たのだ。

 

さらにその宇宙船から飛び出すように巨大化した「スネーク星人 ネイル」が出現し、ネイルは怒り狂ったように叫び声をあげる。

 

『貴様等ァ……!! まさか本当にエックスを復活させるとは……! どうやら私の詰めが甘かったらしい……! やはり徹底的に潰さないといけないらしいなァ!!』

 

ネイルはそう叫びながらガーゴルゴンと共にエックスとサイバーゴモラへと挑みかかろうとしたその時のことである。

 

「ドスッ!」という鈍い音が聞こえ、ネイルが自身の腹部を見るとそこには背中からガーゴルゴンの剣が貫通しており、ネイルは口から血を吐き出しガーゴルゴンを睨み付ける。

 

そしてその光景にエックスや時雨達も驚きの様子を見せていた。

 

『き、貴様ァ……!? なぜぇ……!?』

『どうやら、あのエネルギーは私に植え付けた貴様の作った制御装置を破壊してくれたらしい。 しかし、またあの制御装置を植え付けられたら厄介だったからな。 隙をずっと伺っていたのさ。 よくもミジンコのような生物がこの私を弄んでくれたな。 今度は貴様が私の飼い犬となる番だ……!』

 

ガーゴルゴンがそう言い放つとガーゴルゴンは剣からあの黒いエネルギーをネイルへと注ぎ込み、それにネイルは悲痛な声をあげる。

 

『ぐあああああああああ!!!!!?』

 

そしてガーゴルゴンが剣を引き抜くとネイルの腹部の傷は回復し、あの黒いエネルギーを流し込まれたネイルは目は赤くなり、身体も筋肉質なものへと変化し全体的に黒くなった「ダークネイル」へと変貌したのだ。

 

『グルアアアアアア!!!!!』

『これで今度は貴様が飼い犬だ……! やれ!!』

 

ネイルはガーゴルゴンの言葉に頷き、サイバーゴモラへと向かっていき、ガーゴルゴンは右手の爪を変形させてドリルにしてエックスに攻撃し、エックスは主砲を交差して防ぐもののそのドリルによって2つの主砲は破壊されてしまう。

 

『グゥ……!?』

 

一方でネイルは回し蹴りでサイバーゴモラの蹴りつけ、俊敏な動きでサイバーゴモラを翻弄し様々な方向から打撃による攻撃を加えた後、刀のような武器を取り出してサイバーゴモラの背中を斬りつける。

 

『ギシャアアア!!!?』

 

サイバーゴモラは負けじと腕を振るうがネイルはそれを回避し、腕から光弾を放ち、それがサイバーゴモラに直撃してサイバーゴモラはエックスの方まで思わず後退してしまい、エックスとサイバーゴモラが一カ所に集まったところを狙いガーゴルゴンの電撃光線とネイルの連射して放つ光弾がエックスとサイバーゴモラを襲う。

 

『サイバーテレスドン、ロードします』

「溶岩熱線、発射ぁ!!」

 

だがそこに「サイバーテレスドン」のカードをロードさせたタカトの乗ったスカイマスケッティが現れ、強力な熱戦をネイルとガーゴルゴンに発射し、ガーゴルゴンは寸前のところでバリアは張れたもののネイルには直撃してしまい、ネイルは大きく吹き飛ばされてしまう。

 

『ぐあああああ!!!!?』

 

ガーゴルゴンはバリアを解除した後、再びエックスとサイバーゴモラを睨み付けると中央の口を開いてその不気味な目を出現させるが……エックスは光エネルギーを矢じり型にして放つ「Xスラッシュ」をガーゴルゴンの目に直撃させ……ガーゴルゴンは苦痛に満ちた声をあげるのだが……攻撃された目はすぐさま再生してしまいあのエックスを石化させた光線を放とうとする。

 

『まずい! あの黒いエネルギーの影響か……再生能力が早まってる……!』

「さっきやった時はそんなこと無かったのに……!」

『あのエネルギーのせいで奴の力も徐々に上がってきているんだろう……!」

 

エックスの説明に夜空は納得したが……「でも、新しい力を得たのはお前だけじゃ無い!!」と言い放ち、突如夜空の目の前に1つのスパークドールズが現れ、それをエクスデバイザーにリードさせると電脳世界で手に入れたあの「エクスラッガー」が今度は出現する。

 

『ウルトラマンエックス、パワーアップ!』

 

夜空はそれをエクスラッガーを掴み取ると側面にある虹色のスライドパネルをなぞってトリガーを引き、夜空はX字に斬るような動作を行う。

 

『「行くぞ!! エクシード!! エーックス!!!!」』

 

するとエックスは銀色のボディには虹色のラインが走った姿「ウルトラマンエクシードX」へと強化変身し、ガーゴルゴンはあのエックスを消滅させた黒いエネルギーを含めた石化光線をエックスに向かって放つがエックスは右手にエクスラッガーでそれを真っ二つに切り裂いてしまったのだ。

 

『シュアアアア!!!!』

「グウゥ!?」

 

戦闘BGM「エクシードXのテーマ」

 

ガーゴルゴンはエックスが自分の光線を切り裂いたことに驚くがエックスは構わずガーゴルゴンに向かって駈け出して行き、ガーゴルゴンはあの黒いエネルギーを込めたミサイルや電撃光線を放つ。

 

だがエックスはそれらを全てエクスラッガーで切り裂き、一気にガーゴルゴンに近づき攻撃されると思ったガーゴルゴンはバリアを張り巡らせるがエックスは素早くガーゴルゴンの背後に回り込んで横一線にエクスラッガーを振るって斬りつける。

 

「ギシャアアアア!!!!?」

 

さらにエックスは手を緩めずにエクスラッガーで何度も連続でガーゴルゴンの背中を斬りつけた後、後ろ回し蹴りを繰り出してガーゴルゴンを蹴り飛ばす。

 

『デヤアアア!!!!』

「グルウウウウ!!!!?」

 

ガーゴルゴンは反撃しようと振り返って右手のドリルを回転させてエックスを攻撃しようとするが左手を振るってガーゴルゴンの右手を弾き、エックスは今度は縦一線にガーゴルゴンを切り裂き、ガーゴルゴンは身体から火花を散らす。

 

『凄いな……。 ただ力がパワーアップしただけじゃない、夜空……君は剣道でもやってたのか?』

「んっ? あぁ……。 何時か剣を使うアーマーが来るんじゃ無いかと思って時雨や夕立に特訓付き合って貰ってたんだ。 天龍とか木曾っていう艦娘刀持ってるからさ……」

『あぁ、そう言えば確かやっていたな、忘れていた』

 

一方でサイバーゴモラはネイルと戦闘を繰り広げており、ネイルは相変わらず俊敏な動きでサイバーゴモラを翻弄するが……ネイルがサイバーゴモラの背後に回り込んだ瞬間、扶桑、山城がサイバーカードをジオデバイザーに装填させネイルに攻撃を行う。

 

「扶桑!! 山城!! 今だ!!」

「「了解!!」」

『サイバーレッドギラス、ロードします』

『サイバーブラックギラス、ロードします』

 

龍夜の指示を受け、「双子怪獣 レッドギラス」と「ブラックギラス」の力を扶桑と山城はその身に宿し、主砲を構えて同時に発射すると強烈な竜巻が発生して敵を竜巻の中に拘束する『ギラススピントルネード』を繰り出し、ネイルは竜巻の中へと拘束される。

 

『グアアアアア!?』

「吹雪!!」

「はい!!」

『サイバースノーゴン、ロードします』

 

山城の声に応えるように今度は吹雪がジオデバイザーにカードを装填し、「雪女怪獣 スノーゴン」の力をその身に宿した吹雪は主砲を構え、そこから強力な冷気を放つ「スノーゴンブリザード」を発射しネイルを凍り付かせる。

 

『グウウウ……!!』

「ギシャアアアアア!!!!」

 

凍り付いたネイルをサイバーゴモラを腕を振るって力いっぱいに殴りつけ、その際にネイルの動きを止めていた氷も砕けはしたもののかなりのダメージを与えることに成功した。

 

ネイルはそれでも尚立ち上がろうとするが直後にサイバーゴモラに殴りつけられ、さらに連続で尻尾攻撃を2回連続で頭部に受けた後、その巨大な爪でネイルは身体を斬りつけられる。

 

『ぐあああああ!!!!? ぐっ……!』

 

ネイルは脱皮して今まで喰らったダメージを無くし、一気に体力を回復して逆転を狙おうとするが村雨、菊月、文月、皐月の放った砲弾が足下に直撃してバランスを崩し、膝を突いてしまう。

 

『っ……!!?』

「今だゴモラ!! サイバー超振動波だ!!」

「グアアアアア!!!!」

 

夜空の指示を受けてサイバーゴモラはエネルギーを両腕のクローと角に集め、敵に高速で接近し、ゼロ距離で振動波を浴びせる「サイバー超振動波」をネイルへと繰り出し……ネイルは身体中から火花を散らした後、サイバーゴモラに空中へと投げ飛ばされ……最後の最後に一瞬だけ自我を取り戻したネイルは断末魔をあげながら脱皮する間も無く爆発四散したのだった。

 

『この私が……こんな結末をおおおおおおお!!!!?』

 

またエックスはガーゴルゴン胸部に連続で拳を叩き込んでミサイル発射口を叩きつぶした後、エクスラッガーで何度も斬りつける。

 

「ゴモラ!! ガーゴルゴンにサイバー超振動波だ!!」

「ギシャアアア!!!!」

 

再び夜空の指示を受けたサイバーゴモラは両腕のクローと角に再びエネルギーを集めてガーゴルゴンへと突っ込み「サイバー超振動波」を浴びせてガーゴルゴンを吹き飛ばし、続けて時雨がゴモラの力を使った光線……「ゴモラ振動波」をガーゴルゴンに撃ち込む。

 

「ゴモラ振動波!!」

 

サイバーゴモラと時雨の攻撃を受けてガーゴルゴンは身体中から火花をあげ、最後に夜空がエクスラッガーを額にかざしてスライドパネルを上から下になぞり、エックスも彼のスライドタッチに合わせて額をなぞってから強力な光線を放つ「エクスラッガーショット」を放つ。

 

『「エクスラッガーショット!!!!」』

 

ガーゴルゴンはエクスラッガーショットを防ごうとバリアを張り巡らせるがエクスラッガーショットはガーゴルゴンのバリアを瞬く間に砕き、ガーゴルゴンに直撃すると遂にガーゴルゴンは倒れ爆発するのだった。

 

「グルアアアアアアアア!!!!?」

 

ガーゴルゴンとネイルが倒されたことで一同は「やったあああああああ!!!!」と歓声をあげ……また一方エックス達がガーゴルゴンとネイルと戦っている頃、ゾフィーはというと……。

 

ゾフィーは「ウルトラコンバーター」というアイテムを使いエネルギーを回復させた後、「ウルトラセパレーション」という技を使って5人に分身しバラックシップや改造艦娘、改造深海棲艦のいる場所へと向かった。

 

『ふむ、どうやらあのバラックシップから特殊な電波を発せられ、改造艦娘や改造深海棲艦達を操っているようだな……。 正直、有り難い。 改造され、既に亡くなっているとはいえ、彼女達を攻撃するのはやはり……』

 

そこまで言いかけるとゾフィーは右手を前方に伸ばして発射する必殺光線「M87光線」をバラックシップや改造艦娘、改造深海棲艦の攻撃を避けながら発射し、ゾフィーの光線がバラックシップを貫くとバラックシップは爆発し……同時に改造艦娘や改造深海棲艦の機能も停止し……彼女達は海の上で次々と倒れて行くのだった。

 

『せめて……安らかに眠ってくれ……』

 

同じように分身したゾフィーも同様にバラックシップを順調に倒し、再び1人に戻った後、エックス達の元へと戻りバラックシップを倒して改造艦娘や改造深海棲艦が機能を停止したことを報告した。

 

『安心しろ、バラックシップは倒した』

『ありがとうございます、力を貸して頂き』

『いや、ガーゴルゴンを逃がしたのは私のミスだ。 むしろ君たちにガーゴルゴンを任せる形となってしまった……。 本来ならば私が相手をするべきだったのだが……』

 

そんなゾフィーに対し夜空は「気にしないでください」と語りかける。

 

「病み上がりの状態ではあのガーゴルゴンを相手にするのはキツかったでしょうし……。 むしろバラックシップ達を止めてくれたこと、感謝してます。 これで彼女達もゆっくりと眠れるでしょう……」

『うむ。 それと阿久野のことだが……ネイルが倒された今、調べれば奴が裏でなにをしていたか、ネイルに繋がる証拠も出てくるだろう。 では、また私の助けが必要な時は呼んでくれ。 いつでも力を貸そう』

 

ゾフィーのその言葉にエックス頷き、ゾフィーはそれだけを言い残すと空を飛んで去って行き、姿が見えなくなるとエックスも空中へと飛び立って姿を消し……夜空の姿へと戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、ゾフィーの助言通りリョーガやグルマンが阿久野を調べるとゾフィーの言う通り次々と阿久野がネイルと繋がる証拠が見つかり、裏で非合法な実験などを行っていたことも判明、阿久野の姿もネイルが倒されて以降行方不明となったことからも彼の正体がネイルであったことは確実だった。

 

また一方で鎮守府では今回の事件に大きく関わった者として夜空は大量の書類仕事をすることとなっており、その量は基本的に仕事の早いと言われる夜空ですら嘆くレベルだった。

 

「はぁ、なんでこんなに書類仕事が……」

「あはは……。 僕も手伝うから頑張って?」

 

時雨にそう言われて夜空は「お願いします……」と頭を下げて頼み、2人はせっせと書類仕事を行うのだが……そこで夜空は1つ気になったことを時雨に尋ねた。

 

「なあ、時雨」

「んっ? なんだい提督?」

「俺がエックスとユナイトして戦ってたことについて……なにも言わないんだな……」

 

その夜空の言葉を受けて時雨はなにか思い出したように「あっ……」と呟き、どうやら彼女はそのことをスッカリ忘れていたらしい。

 

「あの時は、提督が無事に帰って来てくれたことがあまりにも嬉しかったから……。 でも、そうだね。 提督がエックスだっていうことを隠してたのは……僕たちのためなんでしょ?」

「お見通しか……」

「これでもそこそこ長い付き合いだしね?」

 

時雨のその言葉に夜空は「確かに毎日一緒にいればそうか」と苦笑し、それに釣られて時雨も思わず笑ってしまう。

 

「提督が隠してたのは……エックスである自分を他の宇宙人が狙って来るかもしれないから……なんでしょ? もしも提督が僕たちに最初から自分がエックスだってみんなに明かしていたらそのせいでみんなにも被害が及ぶかもしれない。 だから、隠してたんだよね……?」

「ホント、お見通しか……。 あぁ、一応グルマン博士やリョーガさんにも黙っておくように釘刺しといたけど……時雨も……みんなには黙っておいてくれるか?」

「うん、提督の気持ちも……分からなくはないから。 提督がみんなを守りたい気持ちは分かってるつもりだからね、僕は……」

 

夜空は「ありがとう」と時雨にお礼を言った後、少し休憩しようと言い、時雨もそれを承諾し休憩するために置かれたソファに座り込む。

 

それから夜空は紅茶を2人分淹れてテーブルの上に置いた後、時雨の隣に座って2人で紅茶を飲み始める。

 

一通り紅茶を飲み終えると時雨はそっと夜空の方へと寄り添い、いきなり時雨が自分の手を握りしめて突然のことに夜空は戸惑ったが彼は特に抵抗することなく、受け入れた。

 

「どうしたんだ……?」

「心配……したんだよ? ゾフィーが来なかったら……提督は……!」

「……ごめんな、約束したのに……結局お前等に助けられて……約束を破りそうになって……。 情けない……」

 

夜空は申し訳なさそうに時雨に謝り、時雨は夜空と顔を見合わせると……彼女の瞳からジワァっと涙が溢れ出し夜空に抱きつく。

 

「提督が電脳世界に閉じ込められそうになったとき、本当に怖かったんだよ!? 僕の前から提督が消えるんじゃないかって……! だから……だから提督、お願いだよ、僕の前から絶対に消えたりしないで!! 提督が……夜空がいなくなったら僕は……」

「っ……。 泣くなよ……」

 

泣き出してしまう時雨を見て夜空は暗い表情を浮かべ、時雨の涙を指で拭う。

 

「約束するよ。 今度こそ、絶対に……。 だから、泣くな……」

「うん、約束……だよ……」

 

夜空はそっと時雨の頬に優しく触れ、時雨は夜空は互いに真っ直ぐ見つめ合い……2人はそっと互いの顔を近づかせ……唇を重ね合わせるのだった……。

 

「っ……。 えへへ、思わず……キス、しちゃったね……?」

 

恥ずかしそうに……けれども嬉しそうにする時雨、それに対し夜空も恥ずかしそうにしつつも思わず口元に笑みを浮かべそうになるがそれを時雨に見せないように彼は慌てて手で口元を隠す。

 

「そう、だな……」

「フフッ……。 アハハハハ!」

「っ、ハハハ!」

 

時雨はそんな夜空を見て思わず笑ってしまい、夜空もそれに釣られるように笑ってしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『2人とも、私がいること忘れてるだろ……』

 

そしてエクスデバイザーから「誰かコーヒーくれ!!」と嘆くエックスであった。

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