ウルトラマンX  これくしょん   作:ベンジャー

16 / 24
サイバーゴモラを夜空以外で初めて起動させるのは時雨ではないです。
彼女はもっと重要な場面で起動させます。
多分次の次くらいになりますかね。


うろこ怪獣 メモール
凶悪宇宙人 ドルズ星人ドミス
エリ巻き恐竜 シン・ジラース
登場。


第2部
第15話 『人間怪獣侵略作戦』


「はぁ~、やっと終わったぁ~」

「お疲れ様、珍しく書類の提出日ギリギリだったね?」

 

ガーゴルゴンとネイルとの死闘から数日が経過し、夜空は前回の事件の書類を丁度今片付けたところであり、ぐったりとした様子で夜空が机に突っ伏していると時雨が後ろから抱きついて来たのだ。

 

「……なにしてんだ?」

「えへへ、疲れた提督へのご褒美だよ♪」

 

時雨は嬉しそうに夜空の背中に頬ずりしており、また抱きつかれている夜空も満更でも無さそうな顔を浮かべていた。

 

「ところで時雨……なんでまた提督呼びに戻ってるんだ?」

「えっ? いや、その……それはちょっと……本名で呼ぶのはまだ少し慣れなくて……」

 

とは言うもののあの時、執務室で口づけして以降夜空と時雨の仲もグッと縮まっており、遂には夜空は時雨がケッコン可能なレベルになったために指輪を彼女に送ってケッコンカッコカリも済ませたのだ。

 

そして彼女の左手の薬指にはケッコンカッコカリをした証でもある指輪がはめられていた。

 

その時、「ぐぅ~」という音が鳴り、それを聞いた時雨はその音がすぐに夜空のお腹の音であることを理解し、お腹の音を聞かれた夜空は恥ずかしそうにしていた。

 

夜空のそんな姿を見た時雨はクスクスと思わず笑ってしまう。

 

「笑うなよ……!」

「ごめんごめん」

 

時雨は夜空のお腹が鳴ったのを笑ったことを謝罪するのだが、その直後自分のお腹からも「ぐぅ~」という音が聞こえ、彼女は思わず自分のお腹を押さえて顔を赤らめる。

 

そんな様子の時雨を見た夜空は先ほどの時雨と同じように思わずクスクスと笑うのだった。

 

「も、もう! 提督こそ笑わないでよ!」

「悪い、もうお昼頃だし……そろそろ食堂にでも行くか?」

 

夜空がそう尋ねると時雨は「ちょっと待って!」と慌てた様子で引き止め、自分が使っている机の引き出しを開ける。

 

するとそこから1つの包みを取り出し、見た感じでは包みの中には何かが入っているようだった。

 

「そ、その……!」

 

時雨は頬を赤くしつつ何かを言おうとし、夜空はそんな時雨に首を傾げる。

 

「えっと、あの……ねっ。 提督に……お弁当、作ってきたんだ? 良かったら……食べて、くれない……かな?」

 

耳まで真っ赤にした時雨は上目遣いでそう夜空に尋ねると夜空も時雨と同じくらい……口元を押さえ耳まで真っ赤にし、彼は「こくん」と頷いて時雨は嬉しそうに笑みを見せる。

 

「でも、ここ書類ばっかで散らかってるから……食べる場所は食堂にすべき……かな?」

「う、うん、そうだね……!」

 

ということで夜空は時雨と一緒に食堂で彼女の作った手作り弁当を食べることとなり、執務室を2人は出ることになったのだが……執務室から出るや否や、時雨はそっと夜空の手を握りしめ……突然のことに夜空は驚く。

 

「手、繋いじゃ……ダメ……?」

「い、いや……ダメじゃ、ない……」

 

夜空がそう答えると時雨はまた嬉しそうな顔を浮かべ、握る手を強めて2人は食堂へと向かうのだった。

 

さて……食堂へと到着し、時雨の作って来てくれた手作り弁当を食べ始めたまでは良かったのだが……。

 

先ほどからどうも周りから視線を感じていた。

 

「さっきからみんなで何見てるんだよ?」

 

特に如月や荒潮などの2人はニヤニヤした笑みを浮かべており、夜空は少し不満そうに如月や荒潮に問いかけると荒潮は「別に~?」とニヤついた笑みを崩さずそう返し、如月はそっと時雨に近づくとこっそりと彼女に耳打ちする。

 

「それで時雨ちゃんは提督と『C』まで行ったの~?」

「なっ……!? きききき、如月なにを!? そそそそ、そんなことしてる訳ないじゃないか!」

 

如月の言葉に顔を真っ赤にして首を横にブンブンと振って否定する時雨に如月はクスクスと笑みを浮かべる。

 

「あらあら、初々しくて良いわね~」

 

荒潮はからかうように時雨と夜空にそう言うと2人は顔を真っ赤にしてしまう。

 

ちなみにそんな風に弄られて顔を真っ赤にしている時雨の様子を奈々はこっそりとスマホのカメラでパシャパシャ撮影したりしていた。

 

「恥ずかしがってる時雨さん可愛すぎ! これは永久保存確定!!」

「アンタの場合何時も永久保存だろ」

 

そう奈々に冷ややかにツッコミを入れるのは菊月である。

 

「あれ? 副司令の奇行止めないの菊月ちゃん?」

「まぁ、これくらいなら特に問題はないだろう……。 っていうか奇行云々はアンタも言えた義理じゃないだろ」

「失敬な!! 私のどこが奇行だと言うんだね!?」

 

菊月のツッコミにプンプンとした様子で怒るのはこの鎮守府でも1、2位を争うほどの変人「戦国 リョーガ」である。

 

今現在彼はなぜかサッカーボールくらいの大きさのチョコを2つ制作しており、エプロンと帽子を着用したリョーガはチョコ2つを「コトン」っと置くと「ふぅー」と一仕事終えたように額の汗を拭った。

 

「よーし、後はここの間に棒を立ててっと……」

 

それを聞いた瞬間菊月は艤装を展開して演習弾でリョーガの作ったチョコを粉砕した。

 

「ああああああ!!!!? コンテストに出そうと思ってたチョコがぁ!!? 私の力作がああああ!!!!?」

「どこが力作だああああああ!!!!? っていうかアンタは食堂でなに卑猥なもの作ろうとしてんだああああああ!!!!?」

 

菊月のツッコミを受け、リョーガは「卑猥なもの?」となんのことがイマイチ分かっていないようで首を傾げる。

 

「何を想像したか知らないけど……これはアレだよほら、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲だよ。 これであのチョコの彫刻的なコンテストで優勝狙うんだよ」

「狙えるかあああああ!!!? 即刻ビリだろこんなの!! しかもアームストロング2回言ったぞ!?」

 

するとそこへ「リョーガさ~ん、あたしのできたよ~」という何時もの脳トロボイスでリョーガの名前を呼びながらとてとて可愛らしく歩いてくるのは菊月の姉でもある文月なのだが……。

 

その両手にはチョコレートで出来た細長い棒のようなものを持っており……それを見た瞬間菊月は閃光の如く速さでリョーガに腹パンを叩きこむ。

 

「ごふううう!!!!?」

「アンタはウチの姉に……しかもピュアな文月姉さんに何作らせてんだァ!!?」

「あいたたた……。 だからこれアレだって、これネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲だって……。 多分菊月ちゃんが想像してるのとは違うから」

 

リョーガはフラフラっとしながらもなんとか立ち上がって文月からチョコを受け取ると予備として作っていたボール状のチョコ2つを取り出し、それを左右に置いて中央に棒状のチョコを立てようとする。

 

「オイだからやめ……」

「なんだ? 騒々しい」

 

そこに丁度タカトが現れ、菊月がタカトが現れたことに内心ホッとし、タカトも何かリョーガに言って欲しいと思うのだが……。

 

「なんだ、ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃないか、完成度高ーなオイ」

「ええええええ!!!? あるのか!? タカトさんが知ってるってことはホントにあるの!?」

「江戸城の天守閣を吹き飛ばし、江戸を開国させたと言われる決戦兵器だ。 艦娘ならみんなこういう兵器知ってると思ったんだが?」

 

タカトの言葉に菊月は「知るかあああああ!!!?」と怒鳴り、そんな菊月の様子を見た如月が「まぁまぁ、落ち着いて? あんまり怒りすぎると血圧あがるわよ?」と彼女を落ち着かせる。

 

とそこでリョーガの作ったチョコに如月も気づきく。

 

「あら、これってネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃない。 完成度高ーなオイ」

「いや如月姉さんも知ってるのか!? しかもなんで後半ちょっと口調変わったんだ!?」

 

菊月は「はぁ……」と頭を抱えながら溜め息を吐きく。

 

「っていうか、リョーガさん、アンタはグルマン博士とあの黒い稲妻のエネルギーについて調べてたんじゃ無いのか?」

 

菊月がそう問いかけるとそれに対し、リョーガは「ふぅ……」と首を横に振りながら小さく溜め息を吐く。

 

「それが全くよく分からないんだよねぇ……」

「分からない?」

「あぁ」

 

リョーガ曰く、あの黒いエネルギーは「ダークサンダーエナジー」と名付けられ、そのエネルギーがより強い生命力を持つ者に降り注ぐこと、それを受けた怪獣などは恐らくではあるが強力な力を得て凶暴化すること……。

 

そしてそれが宇宙から飛来してくるエネルギーであることしか現状では判明できておらず、ダークサンダーエナジーの実態は未だに掴めないでいたのだ。

 

「一体宇宙のどこから来るのか、何時どんなタイミングで来るのか全く分からない……八方塞がりって訳さ。 だから気分転換にこんなことしてるって訳だよ」

「気分転換でおかしなもの作るな……」

「お菓子なだけに?」

「やかましい!!」

 

とそこへ騒ぎを聞きつけたグルマンがまたリョーガが何かやらかしたのかと呆れた様子で見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後……久しぶりにリョーガは夜空から3日間休暇を貰うこととなり、今は街を歩きながらなにか面白いことでもないかと考えながら歩いているところであった。

 

(うーん、休暇って言っても特にやること無いんだよねぇ。 私って仕事が趣味みたいな人間だから……)

 

ただ作るものは普段はおかしなものばかりなのでそれでちゃんと仕事していると言えるのかどうかは微妙なところである。

 

その時のことだ、リョーガが歩いているとフッと1人の少女を抱えて歩いている男性が目に止まり、その少女の履いていた赤い靴が地面に落ちたのを目撃。

 

リョーガは慌ててそれを拾って少女に返そうとしたのだが……既にそこには誰もいなかった。

 

「あれ? おっかしいなぁ~?」

 

リョーガは確かにそこにいた筈なのにも関わらず、辺り一面を見渡してもやはり先ほどの少女の姿は見当たらなかった。

 

彼はジッと赤い靴を見つめると靴の中に「マリ」と書かれており、それを見てリョーガは昔のことを思い出していた。

 

それはリョーガが科学者になるよりもずっと前……まだ小さかった頃、一緒によく遊んでいた友人の「マリ」という少女がいた。

 

その少女は何時も赤い靴を履いており、リョーガはそのマリという少女ととても仲が良かったのだが……。

 

ある日、マリはある男性に抱きかかえられてどこかへと行ってしまい、リョーガはそれ以来マリとはもう何年も会っていなかったのだ。

 

今思えばその男性はとても怪しく思えたのだが……マリが何も騒がず大人しく連れて行かれたことやリョーガ自身連れて行かれるマリを助けようとした記憶もないため、記憶が少し曖昧になっているだけできっと身内の人が連れて行ったのだろうと考える。

 

(いや、だけどそれでもやはり何かがおかしい気がする……。 あれは本当にマリちゃんの身内だったのか? だがそうじゃないとしたらなぜ私は止めなかった? 子供だからよく分かっていなかった? そんなことは……)

 

昔のことを思い出し、色々と考えを巡らせるリョーガ。

 

その時、少しだけ立ちくらんでしまい、リョーガは少し疲れているのかもしれない思った彼は今日のところは帰ることにして今住んでいるアパートへと帰宅するのだった。

 

ちなみに、リョーガはアパートから鎮守府通っていたりする。

 

そしてその日は特に何かをする訳でもなく、普通に夜に食事をして風呂に入って寝て一日を終わるという普通の生活を送ることになったリョーガだったが……。

 

早朝、突然誰かがインターホンが鳴り響き、リョーガは「ふぁ~!」と欠伸をしながら玄関を開けるとそこには綺麗な顔立ちをした美人の部類の女性が立っていたのだ。

 

「えーっと、どちら様かな?」

「リョーガくん! 私! 覚えてない?」

 

女性にそう言われてリョーガは目をゴシゴシっと擦って再び女性の顔を見てみるとその顔にはどこが見覚えがあり、ジッと見つめているとそれが自分の幼馴染みであるマリであることに気づいたのだ。

 

「まさか……マリちゃん? ホントに!? 今までどこにいたんだい!? 急にいなくなるからビックリしたじゃないか!!」

「ごめんなさい、海外に行ってたもんだから中々連絡できなくて……。 積もる話もあるし、外で話さない?」

 

マリにそう言われてリョーガは頷く。

 

「すぐに着替えてくるから待ってて!」

 

リョーガはそう言ってすぐに私服へと着替えて出ると彼はマリと一緒に談笑しながら外を歩くこととなった。

 

「おや? おやおやぁ~?」

「あらあらぁ~?」

「お前等なにやってるんだ……? んっ? アレは……リョーガさんと……誰だ?」

 

するとそこへ丁度外へ出かけていた荒潮と村雨、菊月がたまたま偶然通りかかって男女仲良く話し込んでいるリョーガを発見。

 

それを見た荒潮と村雨はニヤニヤした笑みを浮かべる。

 

「お前達、なにか良からぬことを考えているな……?」

 

そんな荒潮と村雨の2人に呆れた視線を送りつつ菊月は頭を抱えた。

 

「提督と時雨の仲が一気に縮まったと思ったらまさかリョーガさんまで春が来てたなんてね~?」

「いや、まだそういう仲だと決めつけるのは早いだろう、村雨?」

「ここはあの2人の関係を確かめるためにも尾行すべきよ!!」

 

そんな意見を荒潮が出し、それに村雨も異議無しと言うことで、リョーガ達を尾行することになったのだが菊月は「2人で勝手にやってくれ」と先に鎮守府へと帰ろうとする。

 

しかし村雨と荒潮に肩をガッチリと掴まれて引き止められる。

 

「おいコラ離せ!!」

 

ジタバタ暴れる菊月だが村雨と荒潮は決して逃がそうとはしなかった。

 

「ダメよ~? 菊月ちゃんも一緒じゃないと?」

「そうよ! 楽しく尾行しましょう! それに私達2人だと何やらかすか分からないからストッパーも必要だし!!」

「それ自分で言うのか!?」

 

しかし、村雨の言う通りこんな調子の2人を放っておいては何をやらかすか分からないのも事実、不安なので結局一緒について行くことになっったのだった。

 

(菊月ちゃん達をストーキンg……見守っていたらまさかこんな面白い場面に出くわすとは……仕事サボって正解でしたね!)

 

ちなみに何時も通り奈々も菊月達にこっそりついて来たりしていた。

 

そして場面はリョーガとマリに戻り……。

 

「それにしても聞いたわ、あのリョーガくんが政府に所属する科学者だなんて……。 今ではあの艦娘っていう人達がいる鎮守府で働いてるんでしょ?」

「まぁ、科学者になるのは昔からの夢だったからね。 それにウチの上司の提督は怪獣や深海棲艦とも出来れば仲良くなろうなんて面白い人だしね」

 

それを聞いたマリはそんなこと可能なのだろうかと尋ねるがリョーガは自分自身は怪獣や深海棲艦との共存自体にはあんまり興味はないからと答える。

 

「だが実現できれば面白いと思うよ。 私は面白いことが大好きだからね!」

「フフ、そういうところは変わってないのね」

 

一方リョーガとマリの様子を電信柱に隠れながら伺っていた村雨達はというと……。

 

「うーん、流石にこの距離じゃ何言ってるか分からないわねぇ……」

「任させて村雨ちゃん、私が読唇術であの2人が何を話しているか当てて見るわ」

 

荒潮がそんなことを言い出して菊月はそんなことできるのかと疑問に思うが荒潮は自信満々に自分の胸を叩き、しばらく2人の様子を伺う。

 

「それでなんて言ってるの!?」

 

村雨がワクワクした様子で荒潮に尋ねると……。

 

「リョーガさんは『ぐへへ、お嬢さん今日何色のパンツ履いてるの?』って言ってるわ!」

「嘘吐け!! リョーガさんは変人だけどそんな変態じゃないぞ! 後ろでストーキングしてる奴はやりかねんが!!」

 

視点をリョーガのマリに戻し、2人はとある公園の中に入りることになり、今はその公園の湖の側を歩いている。

 

「みんな変わってしまったわね」

 

突然、不意にマリがそんなことを呟き、それを聞いたリョーガは首を傾げた。

 

「おかしなマリちゃんだね、さっきは私のことを変わらないって言った癖に」

「変わったのは私の方かもしれないわね」

 

どこか儚げな様子でそんなことを言うマリにリョーガはそんなことはないと首を横に振り、彼女の右の肩を優しく掴んで笑みを浮かべる。

 

「君だって何も変わっちゃいないさ。 まっ、君が美人になったって意味では変わったことになるのかもしれないけど……。 でも、久しぶりに会っても中身は私の知ってる君のままだよ」

「ふふ、ありがとう……リョーガくん」

 

そこでリョーガは何時まで日本にいられるのか尋ねると彼女はなんでもそんなに長く日本に滞在するつもりはないようで5日後にはまた海外に行かなければならないらしく、それを聞いたリョーガは「そうだ!」と何かを思いついたように彼女にあることを提案した。

 

「マリちゃん、良ければ明後日私が働いてるところを見にこないかい? 少し興味があるみたいだったし、どうかな?」

「えっ……でも……」

 

リョーガの突然の提案にマリは戸惑うが……。

 

「君には私が働いてるところを見て欲しいんだよ! 凄いものいっぱい作ってるんだよ!!」

 

リョーガはまるで子供のようにそう語り、そんなリョーガを見てマリはクスリと笑みを浮かべる。

 

「それじゃお願いしようかしら」

 

そしてマリもリョーガの提案を承諾したのだ。

 

「良かった……。 私も休日は明日までだからね。 少しでも君と……その、長く……いたいからさ……」

 

頬を少しだけ赤くして照れ臭そうにするリョーガにマリも釣られたようにほんのりと頬を赤くして笑顔を見せ、そんな風に赤くなった2人は互いの顔を見て思わず笑ってしまう。

 

それから2人は街中を周ってデートを楽しみ、夕暮れに彼女をタクシーまで送って別れた後、リョーガはそのままどこかウキウキした様子で自宅のアパートに帰るのだった。

 

また2人の様子を一日中を見ていた菊月達は……。

 

「あんなリョーガさん始めてみたわ」

「初々しいっていうのかしら? 良いわねぇ~」

 

村雨と荒潮がキャーキャー騒いでおり、その横で「やれやれ」と村雨と荒潮の2人の様子を見て呆れた表情の菊月がいた。

 

(しかし、リョーガさんと一緒にいるあの女性……。 何か、違和感というか、なぜか嫌な予感がする。 最近あんなことがあったばっかりだ、外れてくれれば良いが……)

 

菊月はマリの姿を見ながらそう思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後……タクシーから降りたマリは人気のない場所へと行き、周りに人がいないことを確認すると手鏡のようなものを持っていた鞄から取り出す。

 

「ただいま計画の第2段階を終了いたしました。 応答願います」

 

鏡に向かって話しかけるとその鏡に脳髄が肥大化したような不気味な頭部を持った宇宙人……「凶悪宇宙人 ドルズ星人ドミス」が映り出したのだ。

 

『よくやった! 明明後日の15時、貴様は自動的に怪獣へと変身する! その前にあの男のいる鎮守府をあの男と艦娘、さらにウルトラマンエックス、そして奴等のサイバー怪獣の技術を抹消し、そして奴等を爆弾で爆破し、粉々にするのだ!』

「分かりました、ドルズ帝国のため必ず使命を遂行してみせます」

『任せたぞ。 これ以上地球の防衛力を強化させる訳にはいかん! 少なくともサイバー怪獣の技術だけでも必ず破壊するのだ!!』

 

ドミスの目的……それは別の宇宙で同族が地球上にドルズ帝国を築こうとしたようにこの地球でドルズ帝国を築き上あげること。

 

なのだがそれはあくまでドルズ全体の目的であり、ドミスの任務は「サイバー怪獣」技術の破壊であり、サイバー怪獣の実体化が本格的に始動すれば地球の防衛力は強化され、ドルズ帝国建築の妨げになるのは間違いないと思い、そのためにドミスはサイバー怪獣の技術を破壊を目的として地球に訪れたのである。

 

幸い、ドミスに取ってはまだサイバー怪獣が実体化する技術は未だに成功例がサイバーゴモラしかおらず、他の鎮守府にも提供されていないため、サイバー怪獣のデータはあの鎮守府しか今はまだ持っていない。

 

なので今の内にデータを抹消し、さらにリョーガ……運が良ければエックスや艦娘ごと爆弾で吹き飛ばして始末すれば自分達ドルズ星人に刃向かう脅威はほぼ取り除かれたも同然なのだ。

 

『それでは任せたぞ!』

「ハッ、お任せください……」

 

それからドミスとの通信を切ったマリだったが……その表情はどこか申し訳無さそうな、辛そうな、悲しそうな表情を浮かべていた。

 

「ごめんなさい……! リョーガくん……! 命令に背けば、私は……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから翌日はリョーガとマリは一緒に遊びに出かけ、また次の日にはリョーガは約束通り自分の働いているところを見て貰おうとマリを鎮守府へと連れて行くこととなったのだが……。

 

それには先ず、念のために身体を検査する必要があった為、リョーガは彼女を検査して異常無しと判断し、夜空やタカトからも許可を貰って鎮守府へと案内することになったのだった。

 

『フフ、かつての同族のようなヘマは踏まんよ。 奴も私と同じように人間の女を怪獣に改造したが身体を機械にしたせいで電波が発せられ、怪しまれたが……この女の場合は違う。 この女は改造ではなく怪獣と同化させているが……肉体の構造自体は変化がないように見せかけているからな』

 

尚、ドミスはマリの目を通して宇宙船で彼女の様子を伺っており、ドミスは身体検査という関門をクリアしたことで勝利を確信。

 

マリに「後はサイバー怪獣のデータが保存されている場所を見つけ、コンピューターウィルスを植え付けて爆弾をセットしろ」と指示を出す。

 

マリは「了解」と小声で返事をするとその時丁度、トイレに行っていたリョーガは「ごめんごめん!」と謝りながら戻って来てマリは笑みを浮かべて「良いのよ」と返し、早速リョーガに鎮守府内を案内して貰うことになるのだった。

 

「ねえ、リョーガくん。 私、あのサイバー怪獣っていうやつに興味があるんだけど……それの研究とか見せて貰っても良いかしら?」

「勿論大歓迎さ! ここでの私のメインの仕事はそれだからね! 紹介しないなんてとんでもない!!」

 

リョーガは嬉しそうにマリの手を引いて自分の研究室へと向かい……そんな彼の様子を見ていたタカトと夜空は2人を微笑ましく見守っていた。

 

「あんな嬉しそうなリョーガ、初めてみたかもな」

「やっぱり好きなんですかね? あの女性の人」

 

夜空の問いかけにタカトは「さぁな」と首を傾げた後、夜空の肩にポンっとタカトは手を乗せる。

 

「そもそも誰かを好きになる気持ちは提督の方が詳しいんじゃないか? 俺はまだ恋愛もしたことないからな」

 

そして自分の研究室へとマリを連れてきたリョーガは自分のノートパソコンを起動させて早速自分のサイバー怪獣達のデータをマリに見せ始めるのだった。

 

「これがサイバーベムスター、宇宙大怪獣ベムスターのデータを使ったサイバー怪獣でこれが宇宙怪獣エレキングのデータを使ったサイバーエレキング。 ちなみにサイバーエレキングは不完全とはいえ実体化できるんだ」

「そうなの?」

「あぁ、今呼ぶよ。 リム!! いるかい?」

 

リョーガがそう呼びかけるとどこからともなく実体化した小さなエレキング……「サイバーリムエレキング」が2人の目の前に現れる。

 

「可愛い!」

 

マリはそう言ってサイバーリムを抱きかかえ、サイバーリム「キュイキュイ」は鳴き声をあげる。

 

尚、その様子を又もや村雨や荒潮さらに雷とヴェールヌイ、そして4人に半ば無理矢理連れられた菊月がこっそりとドアを開いて様子を伺っていたのだった。

 

「成程、荒潮達が話していた通り、リョーガさんと中々いい雰囲気みたいね?」

「私も彼氏頑張って作ってみようかな……」

 

リョーガとマリの様子を見たせいか突然そんなことを言い出すヴェールヌイに雷は驚いた視線を向ける。

 

「響からそんな言葉が出るとは思わなかったわ」

「できればス〇ィーブ・ロジャースみたいな人が良いけど……そんな人中々いないか……」

「その辺は何時もの響っぽくて安心したわ」

 

するとマリは扉から覗いている艦娘達にも気づかれないようにマリはそっと指先から小さな電撃のようなものをリョーガのパソコンに放つ。

 

それによって彼女はコンピューターウィルスを植え付けることに成功し……セキュリティを突破さえすればサイバー怪獣のデータも消せるはずであり、爆弾も鎮守府のそこら中に仕掛けることに成功。

 

後は時間が来るのを待てば良いだけだと判断したのだが……。

 

彼女は気づかれていないと思ったようだがその様子をバッチリとヴェールヌイと菊月は目撃しており、彼女等2人は勢いよく扉を開けて部屋に入る。

 

「アンタ、今なにをしたんだ?」

 

それを見てリョーガはマリを後ろへと下がらせて「一体どうしたんだい?」と少し驚きの声をあげる。

 

「今、その人の手から電気のようなものがパソコンに向かって放たれたんだ。 今のは一体なんだ? そのパソコンになにかしたのか?」

「静電気って訳ではないだろう? リョーガさん、念のためにそのパソコンを調べてみてくれないかな?」

 

するとマリはノートパソコンを素早く奪い取ってリョーガや菊月達を押し退かし、彼女はリョーガの「マリちゃん!!」と呼びかける声にも反応せず研究室の外へと脱出して逃げ出す。

 

それをヴェールヌイと菊月、そして荒潮と村雨、雷もすぐさま彼女を追いかける。

 

「響! 本当にあの人がリョーガさんのパソコンに何かしたの!?」

「恐らく、何をしたかは分からないけどパソコンを奪い去るってことはあのパソコンに何かを植え付けたのかもしれない」

 

雷の質問にヴェールヌイはそう答える。

 

「植え付けたってなにを?」

 

村雨が疑問に思ったことを問いかけるとそれには菊月はが答えた。

 

「あのパソコンにはサイバー怪獣のデータが入ってる……。 彼女の目的はそれかもしれない、データを奪い去るか消去するか……。 あまりそう思いたくはないが」

「それなら何がなんでもとっ捕まえないといけないわね」

「問題ない、手はある」

 

そう言いながらヴェールヌイはいつの間にか展開していた背中の艤装についている盾のようなものを取り外す。

 

そしてそれの上に乗るとなんとその盾から車輪が出てきて彼女はそれをスケボーのように乗りこなし、スケボーは自動的に走って一気に自分達の前を逃げるマリへと追いついていく。

 

「コ〇ンだ!! なんかこれコ〇ンで見たことある!!」

 

それを見て「またおかしな発明したのか」と雷が呆れるのだが……ヴェールヌイはすぐさまマリに追いつき……はしたのだがそのままマリの横を通り過ぎてしまい勢い余って彼女は「ドガアアアアアン!!!!」という大きな音を立てて壁に激突してしまうのだ。

 

「「「ひ、響イイイイイイイ!!!!!?」」」

「あら、大変……!」

 

だが……彼女が壁に激突した際に艤装の一部がマリの方へと吹っ飛んできてそれは彼女の額に激突し、マリは「フギャ!?」と悲鳴をあげてその場に倒れ込んだのだ。

 

「ふ、フフ……上手く行った。 計算通りだ」

 

とそこでドヤっとした顔をしたヴェールヌイがサムズアップするのだが……。

 

「嘘つけ、鼻血出てるぞ」

 

見事にヴェールヌイはボロボロで菊月からポケットティッシュを貸して貰って鼻血を拭くのだった。

 

そこへ騒ぎを聞きつけた夜空、時雨、タカト、グルマンが駆けつけ……さらに遅れてリョーガもやってくるのだが……リョーガは倒れているマリを見て慌てて彼女の元へと駆け寄る。

 

「マリちゃん!? 大丈夫かい!? みんな酷いじゃないか! よってたかってマリちゃんを追いかけ回すなんて……!」

 

リョーガはマリを追いかけたヴェールヌイ達4人を睨み付けるが……先ほど駆けつけてきた夜空達はイマイチ状況が理解できず、夜空は菊月に説明を求め、彼女は先ほどあった出来事を夜空に説明した。

 

「何かの見間違えってことは?」

 

夜空が尋ねるがそれに対し菊月は「見間違えならパソコンを持って逃げる必要はない」と返し、ヴェールヌイは奪い返したパソコンを開いてグルマンと一緒に確認する。

 

『どうやら菊月達の言ってることは本当らしいな! サイバー怪獣のデータが消されようとしている!』

 

グルマンはすぐさまサイバー怪獣のデータを消そうとしているコンピューターウィルスをどうにかしようとし、それを知った夜空は「止むを得ないな」と時雨達に指示を出してマリを拘束しようとするが……それをリョーガが庇う。

 

「違う、彼女がこんなことをする筈がない!」

「リョーガくん……!」

 

既に彼女がパソコンを持って逃げたこと自体がウィルスを仕掛けた張本人である証拠だというのに……それにも関わらずリョーガは彼女を庇うように立ち、それにマリは驚いたような表情を見せる。

 

「私は彼女を信じる!」

「ならなぜパソコンを持って逃げたんだ?」

 

タカトの疑問に対しリョーガは一瞬口ごもってしまうが……。

 

「きっとなにか事情があるんだ! それに菊月ちゃん達が見たのだって何かの見間違えじゃないのか!?」

 

そうリョーガは反論するもののヴェールヌイと菊月はそれを首を横に振って否定する。

 

「いや、確かに見た」

「すまないがリョーガさん……私もだ。 少なくとももう1度彼女を検査する必要はある筈だ」

「そんな筈無い!! 彼女は何の問題も無かった! だから、これは何かの間違いだ!!」

 

そんなリョーガの肩にタカトを手を乗せて落ち着かせようとする。

 

「取りあえず落ち着け。 冷静になれ」

「私は冷静だよ、タカト!!」

 

しかしリョーガはそんなタカトの手を払いのけてしまう。

 

「いや、冷静じゃ無い。 リョーガ、何時ものお前らしくないぞ!」

「大切な幼馴染みを信じて何が悪いんだ!」

 

そんな口論をする2人の間に夜空が割って入り、「2人とも落ち着いてください!」とタカトとリョーガの2人を止め、夜空はリョーガと向き合う。

 

「リョーガさん、俺も彼女は信じない。 菊月達の言うことが嘘だとは思わないし、彼女達を信じたいからだ」

 

夜空のその発言にリョーガは彼を睨み付けるのだが……。

 

「でも俺は、彼女を信じるリョーガさんも信じる。 だから拘束はしないことにした。 ただ、もう1度念のために検査は受けてもらうけどな」

 

リョーガの肩を軽く叩く。

 

「何も無ければ残った時間でデートでも楽しめば良い」

 

そう夜空は笑みを浮かべ、それを聞いたリョーガは「提督……!」と嬉しそうな表情を浮かべ、「ありがとう……」と頭を下げるのだった。

 

「正し、もう1度検査して何か異常があった場合、申し訳ないが拘束はさせて貰う」

「分かった。 マリちゃんも、それで良いかな? きっとどうせ何もありゃしないさ。 例え何かあったとしても私が絶対になんとかする、私が君を守るよ」

 

リョーガは力強くマリに対してそう言い放ち、それに対しマリは今にも泣き出しそうな顔を浮かべる。

 

「どうしてそこまでしてくれるの? どうしてそこまで私を信じてくれるの?」

 

マリがリョーガに尋ねると彼は照れ臭そうな顔を見せ、ボソっと彼女の耳元に何かを呟いた。

 

「好きな人を信じよう、守ろうとするのは当然だろう?」

「リョーガくん……!」

 

それに対しマリはとうとうその場で泣き崩れてしまい、いきなり泣き出すリョーガは戸惑う。

 

「ご、ごめん! 何か悪いことしちゃったかな!?」

 

リョーガ慌てて謝罪するが……マリを首を横に振り、「ごめんなさい! ごめんなさい!」とただただ謝罪の言葉を述べた。

 

「彼女達の言っていることは本当なの! 私が連れて行かれたのは外国じゃないの! ドルズ星だったのよ! ドルズ星人の命令で私はサイバー怪獣のデータの破壊、そしてこの鎮守府を爆弾で吹き飛ばすよう命令してきたのよ! 爆弾を仕掛けた場所はこの紙に書かれているわ、早く爆弾を……!」

 

マリはあらかじめドミスから受け取っていた爆弾設置ポイントが書かれた紙をポケットから取り出して夜空に渡し、夜空は彼女の言っていることが本当なのかどうかまだ完全には分からないが時雨達に爆弾を探すように指示を出す。

 

「一体なにを言ってるんだいマリちゃん!?」

「本当のことなの……! 私はドルズ星人の地球攻撃用兵器にされてしまったの! 時間が来れば私は怪獣へと変身して自分の意思ではどうにも止められなくなってしまう……だからお願い! その前に私を殺して!!」

「い、嫌だ……そんなの嘘だ!! 君を殺せる筈がないじゃないか!」

 

しかしそんなリョーガの叫びも空しく、彼女は服の腕の部分を破るとそこには鱗のようなものがあり、それを見たリョーガや夜空は驚きの表情を浮かべ、リョーガは膝を突いて頭を抱える。

 

「嘘だ……! 嘘だ!!」

「お願い、リョーガくん……今の内に、私を……!! リョーガくんが出来ないのなら、提督さんが……!」

 

マリにそう懇願され、戸惑いつつもジオブラスターを取り出して構える夜空だが……その引き金を彼はどうしても引くことができなかったのだ。

 

「すみません、でも! きっとリョーガさんがあなたを治してくれる筈です!」

「そんな時間無いわ!! うぅ……!」

 

とうとう鱗は彼女の顔にも表れ始め、それは間も無く彼女が怪獣に変身してしまうことを意味しており、マリはここでの被害を押さえるために逃げるようにその場から走り出し、夜空とリョーガはすぐに彼女の後を追いかける。

 

鎮守府を出てなるべく人のいない場所へと行こうとするマリだったが……。

 

彼女の身体にはどんどん鱗が生え始め、彼女は苦しそうな呻き声をあげていき……やがて倒れ込んで身体が完全に鱗に包まれると彼女は赤い靴を履いた「うろこ怪獣 メモール」へと変身し、巨大化して遂には暴れ始めてしまう。

 

「ギシャアアアアア!!!!」

 

そしてマリを追いかけ、メモールへと変身するところを目撃したリョーガと夜空は唖然とし、リョーガは「そんな……」とその場に膝を突き、「クソォ!!」と拳を地面へと叩きつける。

 

「っ……! エックス、ユナイトだ!!」

『あぁ、やむを得ない……!』

 

夜空はエックスデバイザーを取り出し、部のボタンを押し側面のパーツをX字に展開したXモードに変形させるとエックスのスパークドールズが出現し、リードさせた後、夜空はエックスデバイザーを掲げる。

 

『ウルトラマンエックスと、ユナイトします』

「エックスーーーーーーー!!!!!」

『エックス、ユナイテッド!』

『イィィッサァァァァ―――ッ!!』

 

そして夜空の身体がX字の光へと包まれ、そこから夜空が変身した「ウルトラマンエックス」が飛び出し、大地に降りたってメモールの目の前に現れる。

 

戦闘BGM「Xの戦い」

 

『シュア!!』

 

エックスはメモールに向かって駈け出し、メモールは向かってきたエックスに右腕を振るって攻撃するがエックスはしゃがみ込んで回避し、拳をメモールの腹部に2発叩き込む。

 

それによって後退するメモールにエックスはさらに追撃しようと跳び蹴りを繰り出す。

 

しかしメモールはその長い尻尾を振るって空中に飛んだエックスをはたき落とし、倒れ込んだエックスに向かって何度も尻尾を振るって叩きつける。

 

『グッ……!! デヤァ!!』

 

しかしエックスは一瞬の隙を突いてメモールの尻尾を両手で掴み取り、立ち上がるとそのままフルスイングして投げ飛ばす。

 

倒れ込んだメモールに背中から馬乗りとなってエックスはチョップやパンチをメモールの背中に喰らわせるが……メモールは尻尾でエックスの首を締め上げてエックスを投げ飛ばす。

 

立ち上がったメモールは口から火炎を放ち、それがエックスに直撃してエックスは身体から火花を散らす。

 

『ウアッ!?』

「グルアアアアア!!!!」

 

エックスが火炎によってダメージを受けたところにメモールは素早く体当たりを繰り出し、エックスを突き飛ばす。

 

だがエックスは突き飛ばされながらも光エネルギーを矢じり型にして放つ「Xスラッシュ」をメモールに向かって放ち、Xスラッシュはメモールの口に直撃する。

 

「キジャアア!!?」

 

そしてエックスはどうにか地面に着地すると地面を拳で叩いて勢いをつけてメモールに向かって駈け出すのだが……。

 

その時、突然空が曇り……空からあの黒いエネルギー……「ダークサンダーエナジー」がメモールに降り注ごうとしていたのだ。

 

「ダークサンダーエナジー!?」

『こんな時に……!?』

 

だが危険を即座に察知したメモールはどうにかそれを回避、しかし……。

 

ダークサンダーエナジーは地面へと直撃……すると地中に眠っていたスパークドールズ……「エリ巻恐竜 ジラース」がダークサンダーエナジーを浴びたことにより強化され、目が赤くなった状態で実体化し、地面を突き破って出現したのだ。

 

「ゴアアアアアア!!!!」

 

ジラースの登場にメモールとエックスは驚く様子を見せるがジラースはエックスの姿を見るや否やいきなりエックスに向かって駈け出し、体当たりを繰り出して来るのだが……エックスはそれをどうにか両手で掴んで受け止める。

 

しかしジラースは全身から放つ衝撃波状による攻撃を繰り出してエックスを吹き飛ばし、ジラースはさらに背ビレを青白く光らせてから口から強化された熱線を空中に吹き飛ばされたエックスに放つ。

 

夜空は即座に熱線を防ごうと「サイバーベムスター」のカードをエクスデバイザーに装填させ、エックスは「ベムスターアーマー」を身に纏う。

 

『ベムスターアーマー、アクティブ!』

 

エックスはベムスターの盾でジラースの攻撃を吸収しようとするのだが……盾はエネルギーを吸収しきれずあっさりと破壊されてエックスに直撃し、エックスは火花を散らしながら地面へと倒れ込んだ。

 

『シュア!!?』

 

ベムスターアーマーは強制解除され、そこに倒れ込んだエックスに向かってメモールは口から火炎を発射して攻撃。

 

するとメモールの存在に気づいたジラースはメモールにまで敵意を向け、ジラースはメモールに向かって強化熱線を発射し、直撃を受けてしまう。

 

「キジャアアア!!!!?」

 

そのままジラースは怯んだメモールの顔に向かって尻尾を振るって叩きつけ、うつ伏せになったメモールを蹴り上げる。

 

「グルアアアアア!!!!」

 

するとメモールは右手から赤い霧を発射しジラースの視界を奪い、霧が晴れた頃にはメモールはジラースの目の前から消えており、ジラースは辺り一面を見回して警戒する。

 

そしてメモールはこっそりとジラースの背後にこっそり近づいて後ろから攻撃を仕掛けようとするのだが……。

 

ジラースの背中から無数の紫色の細長い光線が発射され、その光線はメモールとエックスに直撃。

 

さらにジラースは光線を一度止めると振り返ってメモールに向かって口から放つ熱線と尻尾の先から放つ光線を同時に発射し、メモールはそれらを喰らって膝を突いてしまう。

 

「グルアアアアア!!!!?」

「グガアアアアアア!!!!」

 

膝を突くメモールにジラースは近づき、その両腕でジラースはメモールの首を締め上げる。

 

「ガア……グガ……!?」

「っ、やめろ!!」

 

そこで立ち上がったエックスがジラースに向かって行くのだが……ジラースは尻尾をエックスに向かって光線を発射し、エックスはなんとか飛び退いて攻撃を回避する。

 

「こうなったらエックス! エクスラッガーを……!!」

 

エクスラッガーを使用し、エクシードXとなって一気に決着をつけようと考える夜空だったが……。

 

その時、突然呼び出してもいないにも関わらず「電脳怪獣 サイバーゴモラ」が出現してサイバーゴモラがジラースを殴りつけてメモールから引き離すとサイバーゴモラはまるでメモールを庇うように立ち、ジラースと対峙したのだ。

 

『グルルルル……!』

『一体誰がサイバーゴモラを……!』

「まさか!」

 

夜空が別の場所に視線を映すとそこにはリョーガがジオデバイザーを手に持って立っており、それを見てすぐさまエックスと夜空は彼がサイバーゴモラを起動させたことを理解した。

 

そしてメモールもそれに気づいたのかジッと彼の姿をメモールは見つめる。

 

「言っただろ? マリちゃん。 例え何かあったとしても私が絶対になんとかする、私が君を守るよって……。 だから、頼む!! 元のマリちゃんに戻ってくれ!! 自分の意思を!! 自分自身の意思を取り戻してくれ!! お願いだ!!」

「グウウウ……」

 

リョーガは自分の心からの叫びをメモール……否、マリに向かって言い放ち……そんな彼の言葉を聞いたメモールは突如としてなぜか大人しくなったのだ。

 

「私が必ず守る、私とみんなで作った……サイバーゴモラと一緒に! 君を!!」

 

するとそこへ爆弾を全て見つけ、爆弾を解除することに成功した時雨達が駆けつけてリョーガと合流。

 

菊月はすぐさまあのパソコンに仕掛けていたデータも何もせずともあらかじめパソコンに入っていたリョーガとグルマンが開発したウィルスワクチンがウィルスを消し去ってくれたおかげでデータも失われずに済んだことを報告し、それを聞いてリョーガはホッと一安心する。

 

「安心してる場合じゃないよ!! 早く怪獣をどうにかしないと!!」

 

皐月がそう菊月に言い、菊月は頷いて怪獣達に攻撃を仕掛けようとするのだが……それにリョーガが待ったをかける。

 

「待ってくれ!! あの赤い靴を履いた怪獣はマリちゃんが変身した怪獣なんだ!! だけど……彼女は僕の声を聞いて大人しくなった。 もしかしたら自分の意思を今、取り戻そうとしてるのかもしれない……」

 

それを聞いて菊月はメモールを見ると……確かに先ほどから大人しく……、ただジッとリョーガを見つめているだけだった。

 

「分かった。 攻撃はしない。 だがまた暴れ出せば攻撃を開始する」

「ありがとう……菊月ちゃん」

「私は彼女を信じる訳じゃない、ただ仲間の言うことを信じるだけだ」

 

そう不敵な笑みを浮かべ、菊月が言い放った後、彼女は全員にジラースにのみ攻撃をするように指示し、リョーガもサイバーゴモラを動かし、立ち上がったエックスと共にジラースに向かって行く。

 

挿入歌「ウルトラマンX」

 

ジラースはサイバーゴモラとエックスを近づけさせまいと全身から放つ衝撃波状を繰り出すが……。

 

サイバーゴモラは両腕からバリアを発生させてエックスを後ろに下がらせて衝撃波状から守り、攻撃が止んだ直後にエックスはサイバーゴモラの頭上を飛び越えてジラースの顔面に拳を叩き込む。

 

『イー!! シェア!!』

 

ジラースはエックスを睨み付けて尻尾を振るうがエックスはしゃがみ込んで攻撃を回避し、そこにサイバーゴモラのパンチがジラースに炸裂し、続けてざまにエックスの跳び蹴りが繰り出される。

 

『ギシャアアア!!』

 

ジラースが怯んだところにサイバーゴモラは身体を前に回転させて尻尾浴びせ攻撃をジラースに喰らわせ、怯むジラースだが……ジラースは負けじと背ビレを発光させ、熱線を放とうとするが……。

 

「みんな!! ジラースの口、又は背ビレを二手に別れて攻撃するんだ!!」

『了解!!』

 

リョーガの指示を受け、朝潮、荒潮、満潮、文月、睦月はサイバー怪獣エネルギーをチャージした光線を主砲から発射してジラースの背中に直撃。

 

それと同時に時雨、村雨、夕立、如月、菊月、皐月もサイバー怪獣のエネルギーをチャージした光線を発射してジラースの口の中に直撃させることに成功。

 

攻撃を受けたジラースは悲鳴をあげ、そこで睦月と如月はモンスフュージョンしてサイバーガルラフュージョンとサラマンドラフュージョンとなり、菊月は2人に自分を持ち上げて投げ飛ばしてくれるよう頼む。

 

「よーっし! いっきますよー!!」

「行ってきなさい菊月ちゃん!!」

「あぁ!!」

 

睦月と如月は菊月に言われた通り彼女を持ち上げて投げ飛ばし……「サイバーアントラー」の力を使い、菊月の主砲が巨大なハサミの形となり、ジラースと目線が合うところまで行くとそのままそのハサミでジラースを殴りつける。

 

「選別だ、持って行け」

「グギャアア!!?」

 

そして夜空が目の前にエクシードXのスパークドールズを出現させるとそれを掴み取ってエクスデバイザーにリードさせると「エクスラッガー」が出現し、夜空はそれを手に取る。

 

『ウルトラマンエックス、パワーアップ』

 

エクスラッガーを手に取った夜空は側面にある虹色のスライドパネルをなぞってトリガーを引き、X字に斬るような動作を行う。

 

『「行くぞ!! エクシード!! エーックス!!!!」』

 

するとエックスは銀色のボディには虹色のラインが走った姿「ウルトラマンエクシードX」へと強化変身を完了させる。

 

戦闘BGM「エクシードXのテーマ」

 

「グルアアアアア!!!!」

 

ジラースは今度は尻尾をエックスに向けて放つが……エックスはエクスラッガーを振るってそれを真っ二つに切り裂き、素早く接近するとすれ違いざまにエクスラッガーでジラースを斬りつける。

 

「グルアアア!!?」

 

ならばと思いジラースは今度は衝撃波状を繰り出すがエックスは空中へと飛んで攻撃を回避。

 

空中へと逃げたエックスを見てジラースは前屈みとなって背中から無数の光線を空中に向かって放つが……エックスはそれら全てをエクスラッガーで弾き、急降下キックをジラースに叩きこむ。

 

『シュア!!』

 

夜空はエクスラッガーのスライドタッチを3回行い、ブーストスイッチを押しエクスラッガーを構えたエックスが、そのまま敵の前後を往復しながら繰り出してダークサンダーエナジーの力を無効化して城下する突進斬り……「エクシードエクスラッシュ」をエックスはジラースへと炸裂させる。

 

『「エクシードエクスラッシュ!!」』

「グオオオオ!?」

 

そして通常形態へと戻ると同時に両腕を左側へゆっくりと振りかぶり両腕を胸の前でX字にクロスさせて放つ必殺光線……「ザナディウム光線」を発射。

 

『「ザナディウム光線!!」』

 

ザナディウム光線は見事ジラースへと直撃し……直撃を受けたジラースは倒れて爆発、スパークドールズへと戻るのだった。

 

一方で宇宙船から高見の見物を決め込んでいたドミスはというと……。

 

『ええい!! メモールは何をやっているのだ!! 命令に従わないのならば……!!』

 

場所を戻し……今まで大人しくしていたメモールの頭に突然電撃のようなものが走り、メモールは頭を抱えて苦しみだしたのだ。

 

「マリちゃん!?」

 

それを見てエックスはすぐさまメモールの元へと駆け寄るのだが……メモールは駆け寄ってきたエックスを突き飛ばし、また暴れ出してしまうのだ。

 

「ギシャアアアア!!!!」

「マリちゃん……! やめろ、やめてくれ!!」

 

エックスもメモールを必死に押さえつけるが……メモールが大人しくなる様子は無い。

 

『もう彼女を元に戻す方法は……!』

 

エックスもメモールを助ける方法はないのかと諦めかけたのだが……その時、夜空は1つだけ、彼女を救えるかもしれない方法を思いついたのだ。

 

「そうだ……! エクスラッガーなら……!!」

 

また宇宙船で戦いの様子を見ていたドミスは「何をしても無駄だ!!」と力強く言い放つのだが……その時、宇宙船が突然大きく揺れ始めたのだ。

 

『な、何事だ!!』

『大変です!! 敵襲です!!』

『何ィ!!?』

 

外のモニターを映すとそこには宇宙船を攻撃する「ジオアラミス」という車両とジオマスケッティが合体したタカトが操縦する「スペースマスケッティ」がドミスの宇宙船を攻撃していたのだ。

 

それを見てドミスは反撃しようと宇宙船から光線を発射するが……スペースマスケッティはそれらを回避する。

 

『もう諦めろ、ドルズ星人!!』

『むっ!? 貴様は……!?』

 

さらにそこへ「ウルトラマンメビウス」も現れ、メビウスは今すぐ地球侵略を諦めて自分達の星に帰るように訴えるのだが……。

 

『フン!! 誰が諦めるか!! こうなればメモールを自爆させ、エックス諸共消し去って……!』

『残念だが、それは無理だ。 エックスのおかげで……彼女もメモールも死ぬことはない!』

『なに!? どういうことだ!!?』

 

メビウスが言うにはエックスはエクスラッガーの力を使って怪獣とダークサンダーエナジーを分離させたようにメモールに使用することでメモールとマリを分離させることに成功。

 

さらにエックスのザナディウム光線によってメモールはスパークドールズへと変わり、自爆機能を作動させたとしてもスパークドールズになっている以上は恐らくは起動しないだろうというのだ。

 

それを聞いて最後の悪あがきすら通じず、頭に血が上るドミス。

 

『おのれぇ!! 今回は大人しく引き下がってやるが地球侵略はこれで諦めはしないぞ!! また地球の人間を怪獣にしてくれる!!』

 

負け惜しみを言って逃げようとするドミスだったが……そんなことを聞いてはメビウスもタカトも逃がす訳にはいかない。

 

『サイバーキングジョー、ロードします』

「リョーガと……アイツの大切な者を傷つけた報いを受けろ!! 行くぞ、メビウス!!」

 

タカトの言葉にメビウスは頷き、スペースマスケッティからはサイバーキングジョーのエネルギーを宿した光線「キングジョーデストロイ砲」を。

 

メビウスはメビウスブレスのエネルギーを開放し、両手を十字に組んで放つ必殺光線「メビュームシュート」を同時に発射し……逃げようとするドミスの宇宙船に直撃し……宇宙船は木っ端微塵に吹き飛んだのだった。

 

『ぐあああああああああ!!!!!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後……、メモールと無事に分離させることに成功したマリは意識を失い、病院に運ばれたものの命に別状はなく、医者によればしばらくすれば完全に体力を回復して退院できるだろうとのことだったのだ

 

「んっ……」

 

とある病院の病室、そこで今まで眠っているマリが目を覚ますと……丁度リョーガが花束を持って病室に現れたのだ。

 

「おはよう、具合はどうだい?」

「んっ……平気よ」

 

それを聞いてリョーガは安心し、花束を棚に置いて椅子に座るとリョーガは「ごめん……」と頭を下げて謝罪し……マリはその言葉の意味が理解できず「どうして謝るの?」と首を傾げる。

 

「僕がなんとかするって言ったのに……結局なんとかしたのはエックスだった。 私は……何もできなかった」

「ううん。 あの時のリョーガくんの言葉、私に届いてたよ。 あの時、私は人間の心を少し取り戻すことが出来たんだ。 だから、私は怪獣と分離することが出来たんだと思う。 助けてくれたのはエックスだけじゃない、リョーガくんや……リョーガくんの仲間達のおかげ。 私を助けてくれて、ありがとう……」

 

そう微笑みを向け、涙ぐみながらお礼を述べるマリに、リョーガも自然と笑みを浮かべるのだった。

 

「マリちゃん……」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。