ウルトラマンX  これくしょん   作:ベンジャー

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剛力怪獣 シルバゴン
凶暴竜 ロックイーター
アースロポッドタイプビースト バンピーラ
吸血植物 スフラン
変貌怪獣 キングバモス
バリヤー怪獣 ガギ
地底怪獣 マグラー
友好珍獣 ピグモン
両棲怪獣 サラマドン
飛膜怪獣 パラグラー
火山怪鳥 バードン
どくろ怪獣 レッドキング
変異昆虫 シルドロン
有翼怪獣 チャンドラー
登場。


第16話 『艦娘、遭難!? 前編』

(皆さんこんにちわ。 睦月型5番艦の皐月です。 えー、今現在僕と荒潮、朝潮と妹の菊月と一緒なんですが……僕たち今……、無人島に遭難してます)

 

なぜこんなことになったのか……それは数日前のことである。

 

皐月、朝潮、荒潮、菊月の4人は提督である夜空から久しぶりに資材を調達するための遠征任務を任せられることとなり、無事任務を完了させて帰投しようと海の上を走っていた時だった。

 

「いやぁ、最近は怪獣や侵略者の宇宙人とばっか戦ってたから、なんか久しぶりだよね、こういう任務」

「怪獣や宇宙人との戦いを比べると、確かに今となってはかなり楽ね」

 

皐月と荒潮がそんな会話をするのだが、旗艦を任され、先陣を切って走っていた朝潮はそんな2人の会話に対して「ダメよ」と注意する。

 

「どんな些細で簡単な任務でも、心がけてやらないといけないわ。 司令官は私達のことを信じて命令してくださってるんだから、どんな任務も軽い気持ちでなんて考えたらいけないわよ」

 

そんな風に朝潮は荒潮と皐月に注意し、荒潮は「あらあら、朝潮ちゃんは真面目ね~」なんて言いながら笑みを浮かべ、皐月もムスっとしながらも「分かってるよ~」と膨れっ面を浮かべながらも朝潮の言葉に頷くのだった。

 

「相変わらず真面目だな、朝潮は」

「あら、菊月さんだってそうじゃない? 何時も副司令やリョーガさんの相手ご苦労様!」

 

朝潮のその言葉に菊月は苦笑する。

 

「そう思うのならあの2人の相手今度からお前が引き受けてくれても良いんだぞ?」

「遠慮するわ。 それは菊月さんの特権だもの」

「誰がいるかこんな特権!」

 

朝潮の言葉に菊月はツッコミを入れるのだが……その時。

 

突如として先陣を切って走っていた朝潮の背中に装着された艤装が火花を散らし、それと同調するかのように菊月、皐月、荒潮の艤装が火花を上げ始めたのだ。

 

「な、なに!?」

「艤装が急に壊れたぞ!?」

 

さらに続くように今度は彼女達の足部に装着された艤装もバチバチと火花を上げ始め、故障し始めてしまい、彼女達は慌てふためく。

 

「ちゃんとメンテナンスはした筈なのに……!!」

「朝潮!! 菊月!! どこかに上陸出来そうな島とかないの!?」

 

近くに島か何かあれば艤装が壊れて「溺れる」という自体だけは避けられるかもしれないと考えた皐月は朝潮と菊月にそう尋ねるのだが、この辺りに島らしきものなんて一切無いらしく、このまま艤装が壊れてしまえば大変なことになることは間違いない。

 

「どうすれば……!!」

「っ! 朝潮ちゃん、アレを見て!!」

 

その時、荒潮が何かに気づいたのかある方向を指差し、他のメンバーも荒潮の指の差す方向を見るとそこには巨大な霧のようなものが発生しており、その霧はすぐに晴れるのだが……霧が晴れるとなんとその中から1つ巨大な島が出現したのだ。

 

「島……!?」

「そんな! この辺りに島なんて無いはずなのに……!」

「そんなのどうでも良いよ!! 急いであの島に行こう! 急いで行けば海水浴しなくて済みそうだ!!」

 

皐月の言う通り、今は兎に角あの島に行くしか方法が無いため、一同は艤装が完全に壊れてしまう前にその島へと向かうことに。

 

……したのだが、後もう少しで陸というところで艤装が完全に壊れてしまい、4人は仲良く海の中に「バシャン!」っと沈んでしまうのだった。

 

幸い、陸近くだったので「溺れる……」なんてことはなく、4人は壊れた艤装を引っ張って無事に島に上陸することが出来たのだった。

 

「はぁ、全く……とんだ災難だったね……」

「取りあえず、ジオデバイザーで鎮守府に連絡入れてどうにか迎えに来て貰いましょう~。 防水仕様で助かったわ、これ」

 

荒潮はそう言いながらジオデバイザーを取り出して鎮守府に連絡を入れようとするのだが……画面にはただノイズしか走らず、鎮守府と通信を行うことができなかったのだ。

 

それから荒潮は数回ほど通信を試みたものの鎮守府からの返事もなく、他のメンバー達もそれぞれジオデバイザーを使って通信を試みてみたのだが、やはり全員画面にノイズが走るだけで何も起こることは無かった。

 

「もう!! なんで通信できないの!?」

「……これは恐らく予想なんだけど、もしかしたらこの島から特殊な電波が発せられてて……それでジオデバイザーが使えないんじゃないかしら?」

 

朝潮は何となくではあるが、そんな予想を立て……それを聞いて菊月も「それは一理あるかもしれないな」と呟く。

 

「実際、艤装が壊れ始めたのと、この島が現れたのはほぼ同時。 その可能性は大きいだろう」

「いや、でも今重要なのはそんなことじゃないよ!! これからどうするのさ、僕たち? 艤装やジオデバイザーがその電磁波のせいで使えないんじゃ、救難信号も送れない!!」

 

皐月の言う通り、荒潮も確認して見たが、艤装はジオデバイザーを始めとした電子機器は全て使用不可能となっており、鎮守府に向けて救難信号も送ることが出来なかったのだ。

 

それに皐月はどうするかと考えるのだが……。

 

「グオオオオオオン!!!!」

 

突如、大きな獸のような声が聞こえ、朝潮達は急いで近くにあった岩場に隠れる。

 

するとそこへ「ドスンドスン!!」と大きな足音を立てながら銀色の身体の怪獣、「剛力怪獣 シルバゴン」が出現し、それと同時に恐竜に酷似した怪獣「凶暴竜 ロックイーター」が出現した。

 

「アレは……シルバゴンとロックイーター!?」

 

そして2体は互いに視線が合うや否やいきなり戦いを始める。

 

「グルアアアアア!!!!」

 

ロックイーターは飛び上がってジャンプキックを繰り出すのだが、シルバゴンは両手でロックイーターの両足を掴みあげて地面に叩きつける。

 

「グルア!!?」

 

シルバゴンはそのまま倒れ込んだロックイーターを蹴り上げ、ロックイーターは吹き飛ばされて地面に倒れ込むのだが、すぐに起き上がり、反撃しようとシルバゴンに向かって駈け出す。

 

そのままロックイーターは勢いをつけてシルバゴンに体当たりを繰り出し、シルバゴンはそれを喰らって後退する。

 

さらにロックイーターは続けざまにシルバゴンに体当たりを繰り出そうとするのだが、シルバゴンに両手で受け止められ、がっしりと捕まえられてしまうのだが……。

 

ロックイーターは暴れてどうにかシルバゴンの両手を振り払い、シルバゴンの右肩にその巨大な口を開けてガブリと噛みつく。

 

「ギシャアアア!!!!?」

 

悲鳴をあげるシルバゴンだが、シルバゴンはロックイーターの腹部に何度も膝蹴りを叩きこんで引き離す。

 

引き離したロックイーターに対してシルバゴンはすぐさま拳で顔を殴りつけ、さらにもう1発拳を振るうがロックイーターはそれを避けて尻尾を振るい、シルバゴンの顔に叩きつけて反撃。

 

それによって多少よろめくシルバゴンだったが、大したダメージは無くシルバゴンはロックイーターをまた殴りつけようとするのだが……。

 

その時、シルバゴンを振るおうとした拳に蜘蛛の糸のようなものが絡みつき、後ろに引っ張られた為、シルバゴンは後方に倒れ込んでしまう。

 

「見て! 朝潮ちゃん!! また新しい怪獣……! アレは、バンピーラ!!」

「ピギュア!! ピギュア~!!」

 

荒潮の言う通り、そこに現れた新たな怪獣は「アースロポッドタイプビースト バンピーラ」であり、バンピーラは口から吐いた糸でシルバゴンの腕を拘束していたのだ。

 

「ピギュア~!!」

 

バンピーラは口から糸を切り離して再び口から糸を吐いてシルバゴンを繭にしてやろうとするのだが、すぐに起き上がったシルバゴンはバンピーラの糸を振り払いながら接近し、勢いをつけてタックルを喰らわせる。

 

「ピギュア!!?」

 

するとその隙を狙ってロックイーターが背後からシルバゴンに噛みつこうとするのだが、シルバゴンはそれに気づいて振り返りざまに拳をロックイーターの鼻っぱしに叩きこむ。

 

「グルウ!?」

 

再びシルバゴンはバンピーラに攻撃を加えようとバンピーラの方向を向くのだが、それと同時にシルバゴンの目に糸が貼り付き、シルバゴンは視界を封じられてしまう。

 

元々シルバゴンは視力悪いので視界を封じるというのもおかしい気はするが、バンピーラがそんなことを知ってる筈もなく。

 

そしてバンピーラは腕を振るってシルバゴンを殴り飛ばし、ロックイーターに掴みかかるのだが、ロックイーターはバンピーラの腕を振り払って左腕に噛みつき、「メキメキメキ!!」と嫌な音を立てる。

 

「ピギャアアア!!!?」

 

バンピーラは必死にロックイーターを引き離そうと右腕を伸ばしてロックイーターの頭を殴りつけるが、ロックイーターは構わずそのままバンピーラの腕を「ブチィ!!」っと千切り取ったのだ。

 

「ピギュアアアア!!!!?」

 

とそこへバンピーラの糸を目元から取り外したシルバゴンが再び参戦し、こうしてシルバゴン、ロックイーター、バンピーラの三つ巴の戦いはさらに激しさを増していく。

 

「流石にそろそろ危ない気がして来たぞ」

「菊月さんの言う通りね。 みんな、怪獣達に気づかれないようにそっとこの場を離れましょう。 艤装は仕方がないから置いて行くしかないわ。 ただ見たところ、主砲だけはまだ使えそうだからそれだけ持って行きましょう。 それと艤装の中に入れておいた貴重品も」

 

朝潮の提案に一同は頷き、朝潮、菊月、荒潮、皐月の4人はシルバゴン達に気づかれないようにそっとその場を離れるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、朝潮達は怪獣達からなるべく離れる為に歩き続け……途中、1つの洞窟のような場所を発見。

 

朝潮はそこで救助が来るまでここを拠点としようとみんなに提案し、特に反対する理由も無く、雨風も凌げるだろうということや洞窟の中もそれなりに広かったので一同もそれに賛同。

 

「きっと司令官達が私達を見つけてくれる筈よ! それまでどうにかここでしばらくは暮らすしかないわ。 どうにかみんなでしっかりと生き残って帰りましょう!」

「そうだね、取りあえず先ずは……食料の問題かな?」

「そうね、それぞれ役割分担しましょうか。 ただみんな、怪獣達にだけは気をつけてね?」

 

という訳で、朝潮は皐月と荒潮には焚き火を起こす為に使えそうな木などを集めて貰うこと、又は果物などがあればそれを取ってくるように指示。

 

さらに朝潮は菊月と一緒に海の中で魚を捕ってくると皐月達に伝え、彼女達は怪獣達との遭遇に気をつけてそれぞれ二手に別れて行動することとなったのだった。

 

「とはいえ……。 魚を捕るにしても竿や槍も無いしな、どうする? それにこのまま海の中に入るのも……」

 

そして魚を捕る為に海岸まで来た朝潮と菊月だったが、菊月はどうやって魚を捕まえようかと腕を組んで悩んでいると隣に立つ朝潮は「こういう時は……!」と呟いて辺りを見渡す。

 

すると彼女は何かを発見してそれをヒョイっと拾いあげるのだが……それは先端が尖った太めの木の枝であり、それを見て菊月は「まさかそれで魚を捕まえる気か?」とジトッとした視線を朝潮に向ける。

 

「そうよ、これでも魚を捕まえることはできるわ」

「そう簡単に行けるとは思えな……」

 

だが、菊月が言葉を言い終わる前になんと朝潮はその場で服を脱ぎ捨て下着姿となり、菊月はそれを見て驚き、顔を真っ赤にする。

 

「ちょっ、お前!? なにしてるんだ!!?」

「海に入らないといけないんだから服は脱ぐでしょ? 菊月さんは待ってて貰っても良いから」

「そ、それはそうだが……!」

 

それから朝潮は溺れないように準備運動をした後にすかさず彼女は海の中へと飛び込んで行くのだった。

 

「……本当に大丈夫なのか? っていうか私は何をすれば良いんだ……」

 

菊月は自分も朝潮と同じように手頃な先が尖った木の枝でも見つけて一緒に行くべきかと思い、辺りを見渡そうとするのだが……次の瞬間、なんと数秒前に海に潜った朝潮がもう出てきたのだ。

 

しかも木の枝には魚が一気に3匹も貫かれており、それを見た菊月は唖然としていた。

 

「うおっ!? 早いな……。 ってこの短時間で3匹も仕留めたのか!?」

「えぇ、そうよ? それじゃ菊月さん私もう1回行ってくるから待ってて!」

 

朝潮はそれだけ言うと魚を菊月に渡してからもう1度海の中へと潜って行くのだった。

 

「やったわ!! タコ捕ったわ!!」

「はぁ!?」

 

しかも今度は海に潜って10秒もしない内にタコを木で突き刺して捕まえ、菊月はその朝潮の高いサバイバル技術にただただ驚くしかなかった。

 

「朝潮、なんだお前のその高いサバイバル技術は……?」

「フフ、実は響さんと一緒によくこういうところ来るのよ。 流石に怪獣はいなかったけど」

「はっ?」

 

なんでも朝潮が言うにはヴェールヌイは休日などで夜空に許可を取ってこういった(流石に怪獣はいないが)無人島に来てはよくサバイバル生活をしているらしく、それを聞いた朝潮も自分もやってみたいと思い、よくヴェールヌイと一緒に無人島生活をしているのだという。

 

「成程、休日中はあんまりお前達2人を見かけない理由が分かったよ。 でもなんでヴェールヌイは休日中にそんなところに来てるんだ?」

「とある海外ドラマの影響だそうで……」

「何となく理解した。 アイツは色々と影響しやすい性格だからな……」

 

だが、そのおかげで今こうして朝潮はそこで身につけた技術を生かしている訳なので菊月は「響に感謝だな……」と小さく呟くのだった。

 

「取りあえず、私だけ何もしない訳にはいかないな? 朝潮、私にもやり方教えてくれ」

「分かったわ! ここはそんなに寒くもないし、菊月さんにもやりやすでしょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、木の枝などをかき集めていた皐月と荒潮はというと……。

 

「それじゃ先ずは木の枝を集めましょう……! っとその前に、この辺松ぼっくり落ちてるからそれを先に拾いましょう。 傘が開いているのをなるべく多めに」

「えっ、なんで松ぼっくり?」

 

荒潮の言葉に皐月が首を傾げると荒潮はどこか「フフン」と胸を張って自慢げにその理由を話し始める。

 

「松ぼっくりはマッチ1本で火がつくのよ。 傘が開いているものは乾燥していてよく燃えるらしいわ」

 

そんな彼女の説明に皐月は「ほうほう」と興味深そうに頷くのだが……「マッチ1本で火がつく」と言ってもその肝心のマッチが無いのでは意味がないのではないだろうかと考えるのだが……。

 

「そこは問題ないわよ~。 怪獣達から逃げる途中、こんなこともあろうかと艤装に収納しておいたマッチも持って来てたから♪ どうにか濡れてはいなかったしね♪」

 

ニコニコとした笑顔で荒潮はポケットから皐月に見せつけるようにマッチを取り出し、それに対して皐月は「おぉ~」と感心の声をあげた。

 

「木の枝なんかも乾燥しているのが良いわね~」

「なんで荒潮そんなに焚き火に関して詳しいの? どこでやり方を習った?」

「ゆ〇キャンを読んだのよ。 菊月ちゃんに勧められて。 アニメも観たわ」

 

という訳で荒潮と皐月は早速松ぼっくりを探すところから始めようとするのだが……。

 

その時のことである。

 

突如として木の上に大きなワカメのようにぶら下がっていた植物……「吸血植物 スフラン」が枝を集めていた荒潮と皐月の身体に背後から纏わり付いて拘束してきたのだ。

 

「うわわ!? なんだこれ!!?」

「くっ……! これって、まさか吸血植物って言われてるスフラン!?」

 

スフランは「吸血植物」の異名の通り獲物を締め潰して漏れてきた血を吸う植物であり、荒潮と皐月の身体を締め上げ、2人は必死にどうにかスフランから逃れようともがくのだが……スフランの力は強く、中々振りほどくことができなかったのだ。

 

「うああああ!!!!? だ、ダメだ……!! 振りほどけない!!」

「このままじゃ……身体が、つぶ……され……!!?」

 

身体を強く締め付けられて苦痛に満ちた表情を浮かべる荒潮と皐月。

 

そんな時だ。

 

「バモォー!!」

 

林の中から飛び出すように等身大の怪獣……「変貌怪獣 キングバモス」が出現し、荒潮と皐月は「こんな時に怪獣が……!!」とこれ以上ない災難を痛感するが……。

 

キングバモスは2人の予想に反してなんと荒潮を拘束していたスフランを両手で掴むとそれを思いっきり真っ二つに引き裂き、同じように皐月を拘束していたスフランを引き裂いて助け出したのだ。

 

さらにキングバモス再び荒潮と皐月を襲おうと迫ってきた別のスフラン達も腕を振るって弾き飛ばし、キングバモスは2人を担いで急いでその場から走り去るのだった。

 

「この子……私達を助けてくれたの?」

「みたい……だね……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、鎮守府はというと……。

 

「電ちゃん、ちょっと壁の方に来て貰います?」

「はい? なんですか副司令さん?」

 

執務室で奈々が電を呼び出しており、彼女を壁側に立たせるとそのまま壁をドンっと叩き、奈々は電に対していわゆる「壁ドン」というやつをなぜか行っていた。

 

尚、奈々が壁を叩いた際に電はそれに思わず「ビクッ!」と肩を震わし、彼女は自分が何か奈々に対してやらかしてしまったのかと不安になり、ビクビクっと震えながら目尻に涙を浮かべる。

 

「あ、あの……副司令さん、わ、私は何か副司令さんに何かしてしまったのでしょうか……?」

(やべぇ、涙目の電ちゃん超クソ可愛い……! でも今して欲しい反応はこういうのじゃないんですよね)

 

奈々は思わずニヤつきそうになるのを堪えて彼女は「ごめんね♪」と笑顔で謝って電から離れる。

 

「電ちゃんもしかして壁ドンって知らないんですかね? こういうことされて顔を真っ赤にして慌てふためく電ちゃんが見たかったんですけど……」

「思ってることが思いっきり口に出てるぞ? あと、それをワザワザ執務室でやる必要があるのか?」

 

執務室には当然、夜空と時雨もおり、夜空は呆れたように、時雨は苦笑しながらその一部始終を見ており、夜空は電に謝罪してから彼女にもう執務室を出て行って良いと言うと電は戸惑いながらも「は、はい!」と返事をして部屋を出て行くのだった。

 

「それとそんなことしてる暇があるなら仕事しろ奈々」

「……前から思っていたんですが、私の方が部下とはいえ光と比べるとなんで私にはため口な上に呼び捨てなんですかね提督? いえ、別に気にしてはいませんが……」

「「普段の行いのせいだと思う」」

 

奈々の疑問に対して夜空と時雨がそう同時に答え、それに奈々は「アッハッハッハ!!」と笑って誤魔化す。

 

するとそこへ執務室にリョーガとグルマンが慌てた様子で入って来た。

 

『大変だ提督!! 遠征に出ていた菊月ちゃん達と連絡を取ることができない!』

「なに? 通信の故障ってことは?」

「全員の通信機にかい? 先ずはそれはない、ちゃんと彼女達が出かける前にしっかりとメンテナンスは私とグルマンで行っている」

 

そして何よりも艦娘達の艤装には彼女達がどこにいても分かるようにGPSに近い機能などもついているので海の上にどの辺りにいるかも分かるようになっているのだが……その反応すら無くなっているそうで最速彼女達は何かのトラブルに巻き込まれている可能性が高いとリョーガとグルマンは語る。

 

「でも、その確証はあるの?」

『あぁ、ここに来る前に衛生カメラで菊月ちゃん達の反応が消えた辺りの場所を見てみたのだが……これを見てくれ』

 

そう言ってグルマンが取り出したのは衛生カメラで撮られた2枚の写真なのだが……。

 

1枚目は何もない海だけが広がる写真、そして2枚目は巨大な島のようなものが映った写真であり、夜空、時雨、奈々の3人はそれをジッと見つめる。

 

「これってもしかして両方同じ場所の写真?」

『その通りだ時雨! 1枚目は昨日までの写真で2枚目は今日の写真……つまり、この場所に突如としてこの巨大な島が今日いきなり現れたということだ!』

 

グルマンのその話を聞いて夜空は「そんなバカな……!」と当然ながら驚く。

 

『だが、恐らく菊月ちゃん達が消えたのはこの辺りで間違いないだろう』

「それに提督、驚くのも無理はないが……私も噂に聞いたことがある。 50年に一度、海のどこかで現れるという伝説の島……『サブジェクト・ファントム』、又の名を……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「多々良島?」

「えぇ、さっき思い出したんだけど……確か50年に一度出現していると言われている伝説の島、そこには複数の巨大な獣などが生息していると言われていてこの島の特徴と一致するわ」

 

そして場所はサブジェクト・ファントム……菊月達のいる多々良島へと戻り、魚を一通り集めた菊月と朝潮は怪獣達から逃げる際に艤装から取り出しておいた服に着替えて洞窟の方へと戻りながらそんな会話をしていた。

 

「しかも多々良島はほんの数日経つと消えてしまうらしくて……。 この島を目指してやってきた科学者や探検家なんかも何人か行方不明になっているなんて話も聞くわ。 多分、島が消えてしまうせいね」

「っていうことは、私達もこの島に取り残される可能性が……?」

「そうね、だからなるべく急いでこの島を脱出すべきかもしれないわ」

 

夜空達が助けに来てくれる可能性はあるが、もしものことを考えて自分達も脱出する方法を考えておくべきだろうと朝潮は考え、食事を済ませたらすぐにみんなで筏などを作って島から脱出しなければならないと彼女は思い、その為にも2人は急いで皐月と荒潮に戻ろうとするのだが……。

 

その時、朝潮と菊月はなにか「見えない壁」のようなものにぶつかってしまい、その際に2人は鼻を打ってしまったのか、2人とも鼻を押さえて「痛っ!?」と声をあげて尻餅をついてしまう。

 

「な、なんだ!? これ!?」

 

菊月はなんとか立ち上がって先ほどと同じ場所に恐る恐る手を伸ばすと確かにそこには何か「見えない壁」のようなものが張り巡らされていたのだ。

 

「止むを得ないわ、主砲で壁を破壊しましょう」

 

朝潮の言葉に菊月は頷いて主砲を構え、2人で同時に砲弾を見えない壁に撃ち込むのだが……壁はビクともしておらず、2人はそれを見て驚きの表情を浮かべる。

 

「そんな……! 傷1つつかないなんて!」

 

さらにそこへ、軽い地響きが起こると2人の背後から巨大な「ミミズ」のようなものが出現し、ミミズは素早い動きで菊月の身体を拘束すると地中に引きずり込もうと引っ張っていく。

 

「おわあ!!?」

「菊月さん!!」

 

朝潮は慌てて引きずり込まれそうになる菊月の腕を掴み、彼女が引きずり込まれないように必死に抵抗するのだがミミズの力は強く、このままでは2人とも地中へと飲み込まれてしまう。

 

「離せ朝潮!! このままじゃお前まで……!!」

「そんなド定番な台詞入りませんよ菊月さん!! それに、みんなで無事に帰ると約束しました!! だから!!」

 

朝潮は主砲を構えてどうにか巨大ミミズに狙いを定め、引き金を引くと見事巨大ミミズに直撃。

 

巨大ミミズはその攻撃によって菊月の拘束を解き、痛がった様子で地中の中へと戻って行った。

 

それを見て朝潮はホッと安堵し、すぐさま倒れ込んだ菊月に手を差し伸べる。

 

「あぁ、すまない……。 助かったよ朝潮……」

 

菊月は朝潮のその手を掴んで立ち上がるのだが……直後、先ほどよりも巨大な地響きが起こり……2人から少し離れた位置。

 

そこから1本角に二股に分かれた巨大な爪の間からムチのような触手が生えている両腕が特徴的な怪獣……「バリヤー怪獣 ガギ」が出現し、朝潮と菊月はガギの手から生えている触手を見てそれが先ほどの巨大ミミズの正体であるとすぐに理解した。

 

「ギシャアアア!!!!」

 

ガギは朝潮と菊月に狙いを定め、右腕を触手を振るって2人に攻撃する。

 

「うおっ……!? ぐあっ!?」

「くっ……!?」

 

どうにかガギの攻撃を避けた2人だったが……菊月は先ほどの攻撃で振るわれた触手が足に掠り、その際に彼女は足に怪我を負ってしまう。

 

「菊月さん!!」

 

朝潮はすぐに菊月の元に駆け寄り、朝潮は主砲をガギに向かって構える。

 

「朝潮……お前だけでも……!!」

 

菊月は足を怪我してしまった自分がいては足手纏いにしかならないとでも思ったのか、朝潮だけでも逃げるように言おうとするのだが……当然、そんなことを朝潮がする筈も無かった。

 

「あんまりテンプレ台詞ばかり言ってると無言の腹パン叩き込みますよ!?」

 

だが、そうこうしている内にガギはより正確に朝潮と菊月に狙いを定めようとして2人に近づいており、それを見た朝潮は菊月を両腕で抱きかかえて持ち上げてその場から逃げようとする。

 

「お、おい!?」

 

それに少し顔を赤くする菊月だが、朝潮は兎に角今はガギから逃れようと走り出す。

 

そしてそれを見てガギも2人を追いかけようとするのだが、その時……「グニィ」っと何か柔らかいものを踏んでしまい、ガギは首を傾げつつ自分の足下を見てみると……。

 

そこには地中に身体を半分埋まらせていた「地底怪獣 マグラー」が眠っていたのだったのだ。

 

しかし、マグラーはガギに踏みつけられたことで目を覚まし、それに激怒したマグラーは未だに自分を踏んづけているガギを起き上がって押し退かす。

 

「グルアアアア!!!!」

「ギシャアアア!!!!」

 

起き上がったマグラーはガギに向かって突進し、ガギはそれを正面から受け止める。

 

「グルルル!!」

 

そのままガギはその巨大な手を振るって自分に掴みかかっているマグラーの背中を叩きつけ、少し蹲ったところにガギはマグラーに膝蹴りを叩きこむ。

 

「グアア!!?」

 

倒れ込むマグラーだったが、マグラーはすぐに起き上がり、再びガギに向かって突進攻撃を行う。

 

しかし、ガギは両手の触手を素早く振るってマグラーの顔を叩きつけ、それによってフラついたマグラーに向かってガギは角から光線を発射してマグラーに直撃させる。

 

「グワオオオオオ!!!?」

 

マグラーは吹き飛ばされ、身体から火花を散らして仰向けに倒れ込む。

 

バタバタと手足を動かしてどうにか体勢を整えようとするマグラーだったが、ガギはそうなる前にトドメを刺そうと一気にマグラーに接近。

 

触手をしまい、両手を爪だけにするとガギはその爪をマグラーの身体に突き刺し、マグラーは身体は大きく身体を震わせた後、大量の血を流して大きな叫び声をあげたあと、目を閉じて絶命したのだった。

 

「グギャアアアアア!!!!」

 

勝利の雄叫びをあげるガギだが……。

 

ガギはすぐに本来の目的を思い出し、辺りを見回して朝潮と菊月の2人を探し始める。

 

「オイ、あいつ……私達を探してるぞ……?」

 

そして菊月と朝潮はというと草むらの中に隠れてガギに見つからないように身を潜めており、ガギの様子をそこからこっそりと伺っていた。

 

「……あの壁さえ潜り抜ける方法があれば……」

 

とそこへ……。

 

「んっ? おい、朝潮……なんだあれ?」

「へっ?」

 

菊月が何かに気づいたらしく、ある方向を指差すとそこには等身大の赤い怪獣がこちらに向かって歩いて来ており、2人は互いに顔を見合わせて首を傾げる。

 

「「……怪獣?」」

「ピィ……! ピピィ……!」

 

その怪獣は「友好珍獣 ピグモン」と呼ばれる怪獣で壁の外側にいるピグモンは菊月と朝潮の方を目指して歩いて来ていたのだが……ガギの張ったバリアに「ゴン!」っとぶつかってしまい、倒れ込んでしまう。

 

「あぁ!? 倒れちゃいました……!」

「あの怪獣……なにをしようと?」

 

だが、その時ガギがピグモンの存在に気づき、ガギはピグモンを不思議そうに見つめながら徐々に接近してくる。

 

「はっ!? あの怪獣にこのままでは気づかれてしまいます!」

「だが、今下手に動けば……!」

 

すると又もや巨大な地響きが鳴り、菊月は呆れたような表情を浮かべながら「お次はなんだ……?」と呟くと地中からサンショウウオに酷似した怪獣……「両棲怪獣 サラマドン」が出現し、サラマドンはガギの前に立ち塞がる。

 

さらにサラマドンが出現した穴からムササビのような皮膜状の翼を持った怪獣……「飛膜怪獣 パラグラー」が出現し、サラマドンの隣に降り立った。

 

「グルアアアアア!!!!」

 

ガギはそんな2体を見るや否や角から光線を放ち、パラグラーは翼を広げて飛行して回避し、サラマドンも素早く光線を避ける。

 

そしてパラグラーはそのまま飛行しながらガギに体当たりを繰り出し、ガギは倒れ込む。

 

そこに追い打ちをかけようとサラマドンがガギに向かって突進してくるが、ガギはすぐに起き上がってこちらに向かって来るサラマドンを蹴り飛ばす。

 

「グギャアア!!!?」

「キシャアアア!!!!」

 

しかし今度は空中からパラグラーが急降下キックをガギに叩き込み、それに怯んだところを狙って起き上がったサラマドンが背中の棘を飛ばして攻撃。

 

それに対してガギは触手を振るって振り払おうとするが全て弾くことはできず、いくつかは身体に棘が刺さり、ガギは悲鳴をあげる。

 

「アギャアアアア!!!?」

 

さらにサラマドンは勢いをつけてガギに向かって飛び込むようにジャンプし、ガギの胸部に頭突きを喰らわせ、それに続いてサラマドンもガギの頭部に向かって空中からのドロップキックを叩きこみ、2体の攻撃を受けたガギは地面に倒れて目を閉じ、気絶するのだった。

 

「ギシャアアアア……!?」

 

そして菊月と朝潮もまたピグモンの誘導でサラマドン達が来た穴を通ってガギのバリアの外へと抜け出すことに成功。

 

それを確認したパラグラーとサラマドンも同じようにその穴を通ってガギのバリアから脱出するのだった。

 

「ピピィ!」

「ありがとう、私達を助けてくれたのね?」

 

朝潮は笑みを浮かべながらピグモンの手を握ってお礼を述べ、それに対してピグモンも嬉しそうに鳴き声をあげる。

 

「そう……。 あなた、ピグモンって言うのね!」

「んっ? 朝潮、そいつの言葉……分かるのか?」

 

菊月の疑問に対し、朝潮は「えぇ」と答える。

 

なんでも彼女が言うにはピグモンの手を握るとピグモンの考えていることが分かるらしく、菊月も試しに握ってみたら本当にピグモンの考えていることが分かり、意思疎通を行うことができたのだ。

 

「この子達もあなたのお友達なのね?」

 

朝潮は上を見上げるとそこにはこちらを見下ろすサラマドンとパラグラーがおり、菊月はそれに冷や汗を流しつつ「凄い光景だな……」と呟くのだった。

 

「ピィ!!」

 

ピグモンはサラマドンとパラグラーに手を振るってお礼を言うような仕草を見せた後、サラマドンとパラグラーは頷いてどこかへと去って行き、ピグモンは朝潮と菊月の腕を掴んで2人をどこかに連れて行こうとする。

 

「おわっ!? ぴ、ピグモン……!?」

「おい急にどうしたんだ!? 私達に、なにか見せたいものがあるのか!?」

 

服の上から腕を掴まれている為、ピグモンが何を考えているかは分からないが取りあえず2人は既にピグモンに敵意がないことは分かっているので一旦菊月の傷の手当てを済ませて2人はピグモンについて行くことにするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お~い、一体僕たちをどこに連れて行くんだよ~!」

 

同じ頃、皐月と荒潮は未だにキングバモスに抱えられており、皐月は未だに降ろしてくれないキングバモスに不満を口にするがキングバモスは「あともう少しだから」とでも言うように「バモバモ!」と鳴く。

 

その時、皐月達の頭上を突如巨大な鳥の怪獣……「火山怪鳥 バードン」が空を羽ばたいて通り過ぎ、その際にバードンが起こした少し強烈なソニックムーブによってキングバモス、皐月、荒潮は軽く吹き飛ばされてしまう。

 

「バモォ~!!?」

「うわあ!? なになに!?」

「アレは……バードンね。 でも何か様子がおかしいわ……?」

 

すると今度は皐月達の頭上を巨大な岩石が通過し、その岩石は空を飛んでいるバードンに激突。

 

それによってバードンは墜落してしまうのだった。

 

「今度は岩が飛んで来たんだけど!?」

「ギャオオオオオオオ!!!!」

 

そこへ今度はバードンとはまた別の怪獣の鳴き声が聞こえ、声のした方を見るとそこには黄色い身体の怪獣……「どくろ怪獣 レッドキング」が現れ、レッドキングは足下にあった岩石を拾いあげるとそれをバードンへと投げつける。

 

対するバードンは身体を蹲らせるのだが、結局岩石はバードンに激突し、バードンを吹き飛ばしたのだ。

 

「キュエエエ!!!!?」

 

攻撃を受け、フラつきながらもどうにか空へと飛び立とうとするバードンだが、レッドキングは逃がすまいと素早くバードンの翼を掴みあげてこちらへと振り向かせると顔面を殴りつける。

 

さらにレッドキングは口から幾つもの小さな岩石を吐きだし、バードンに攻撃を加え、バードンは悲痛に満ちた鳴き声をあげる。

 

「地球最強怪獣って言われてるバードンがあんなに押されてるなんて……!」

「というより、バードンはどうして反撃しないのかしら……?」

 

だが、バードンに取っての最悪の事態はまだ終わらなかった。

 

なんとそこに新たに虫のような怪獣……「変異昆虫 シルドロン」が歩いてやってきたのだ。

 

「ギシャアアアア!!!!」

 

シルドロンは見るからにバードンに対してなぜか敵意を剥き出しにしており、身の危険を感じたバードンは即座に口から炎を吐いて先手攻撃を繰り出すが……。

 

シルドロンは額の緑の水晶体を点滅させることで敵の攻撃を予知して硬度の高い鋏状の両腕でそれを防いでしまう。

 

「ギシャアアア!!!!」

 

そのままシルドロンはバードンに近づき、腕を振るってバードンを殴りつける。

 

「キュエエ!!?」

 

さらにそれに続くようにレッドキングもバードンの膝に蹴りを叩き込み、レッドキングとシルドロンはバードンを袋叩きにするのだった。

 

「アイツ等……!! よってたかって……!!」

 

バードンを袋叩きにするレッドキングとシルドロンを見て皐月は怒り、彼女はキングバモスの腕を強引に振り払って主砲を構えてレッドキング達の方へと駆け出して行く。

 

「皐月ちゃん!! もう、困った娘ね!」

「バモォ~!」

 

それを見て荒潮はキングバモスの腕を退かして皐月を追いかけようとするが……。

 

その際、荒潮はキングバモスも皐月を心配そうにしているのに気づき、彼女はキングバモスを頭を撫でながら笑みを浮かべて「大丈夫よ」と呟く。

 

「危ないからあなたはここにいてね?」

 

荒潮はキングバモスにそれだけを言って彼女は主砲を構えて皐月を追いかけて行き、荒潮はすぐにレッドキングとシルドロンに向かって主砲から砲弾を放っている皐月の姿を発見する。

 

「皐月ちゃん!!」

「荒潮!」

「もう! 勝手にどこかに行かれたら心配するじゃない!!」

 

荒潮はそう言って皐月を注意し、それに対して皐月は申し訳無さそうに「ご、ごめん」と謝るのだった。

 

「でも気持ちは分かるわ。 あの2体の怪獣を私達の方に誘導してバードンから引き離しましょう?」

 

荒潮の言葉に皐月は「うん!!」と力強く頷き、2人は主砲を構えて砲弾をレッドキングの頭目がけて集中砲火を行う。

 

するとレッドキングは先ほどまではそれほど気にしていなかったが、人数が増えた為か彼女達の攻撃が少しばかり鬱陶しく思い、レッドキングは雄叫びを上げて皐月と荒潮の方へと歩いて来る。

 

「よし!! レッドキングは反応した!!」

「あっちの虫は私が誘導するわ!!」

 

そう言ってレッドキングは皐月に任せ、荒潮はシルドロンの方へと向かい、彼女はレッドキングと同じようにシルドロンの頭に集中砲火を行う。

 

それに対してシルドロンも同じように荒潮を鬱陶しく思ったのか、シルドロンは腕を振り下ろして荒潮に攻撃を仕掛ける。

 

それを彼女はどうにか躱したのだが、シルドロンは攻撃の手を緩めず、素早くまた腕を振り下ろして来る。

 

「きゃあ!?」

 

さらにそれと同時にレッドキングも皐月に口から岩石を放とうとし、皐月も荒潮もこれで一貫の終わりかと思ったその時……!

 

「うわあ!?」

 

レッドキングとシルドロンの2体を1つの光の球体が激突して吹き飛ばしたのだ。

 

その光の中から飛び出すように「ウルトラマンメビウス」が現れたのだ。

 

戦闘BGM「メビウス!」

 

「「メビウス……!!」」

 

メビウスは皐月と荒潮に向かって頷くと2人はそれを見て嬉しそうに頷く。

 

『セアッ!!』

 

メビウスはファイティングポーズを取り、レッドキング、シルドロンと対峙する。

 

「ギシャアアアア!!!!」

 

レッドキングはドラミングをして雄叫びを上げ、メビウスに向かって駈け出して行くがメビウスはこちらに向かって来るレッドキングに巴投げを繰り出して投げ飛ばす。

 

そのままメビウスは素早く起き上がってジャンプし、跳び蹴りをシルドロンに繰り出すが……シルドロンはその攻撃も予め予知し、両腕でメビウスの蹴りを防ぐ。

 

『ハアアアア!!!!』

 

しかし、メビウスは身体をそのままきりもみ回転して炎を起こす「メビウスピンキック」を繰り出そうとするがシルドロンはそれも予知していたのか、きりもみ回転される前に腕を振るってメビウスを押し返す。

 

『クッ……!』

 

地面に着地するメビウスだが、そこを狙ってレッドキングが羽交い締めにし、レッドキングはシルドロンに攻撃するように指示を出す仕草を見せ、それにシルドロンは頷く。

 

「キュエエ!!!!」

 

シルドロンは身動きの取れないメビウスに腕のハサミを振るって斬りつけようとするが、メビウスは両足を振り上げて近づくシルドロンに両足蹴りを叩き込む。

 

さらにそのままメビウスはレッドキングの腕を振りほどき、逆にレッドキングの左腕を掴んで背負い投げを繰り出す。

 

「キシャアアア!!!?」

 

そしてメビウスはレッドキングやシルドロンから距離を取り、必殺の「メビュームシュート」を放とうとするのだが……。

 

起き上がったシルドロンは前に出て「どこからでも来い!!」と言うように自分の胸を叩いて挑発。

 

それを見てメビウスは先ほどシルドロンが攻撃を防いだことを思い出し、攻撃の手段を切り替えることに。

 

戦闘BGM「メビウスの勝利」

 

メビウスはメビウスブレスを輝かせると身体に炎の模様が描かれた強化形態「バーニングブレイブ」となり、メビウスブレスから発生した炎のエネルギーを胸の部分に集中させて、巨大な火球を敵に放つ「メビュームバースト」をシルドロンに向かって発射。

 

『ハアアア、シュア!!』

 

シルドロンは当然、両腕で攻撃を防ぐが……メビュームバーストは両腕の防御力を遙かに上回る威力であり、完全に防ぎきることはできず、身体全体に大ダメージを受けたシルドロンは火花を散らして倒れ、爆発したのだった。

 

「キシャアアアアアア!!!!!?」

 

倒されたシルドロンはスパークドールズとなって地面に落ち、シルドロンが倒されたことに動揺するレッドキングだったが……。

 

むしろそれを見て逆にやる気が出たのか、レッドキングは拳をポキポキ鳴らしながらメビウスに戦いを挑もうとするも……。

 

「グギャアアア!!!!」

 

だが、そこへ突如空中から「有翼怪獣 チャンドラー」という怪獣が現れ、背後からレッドキングにドロップキックを浴びせる。

 

「グルアア!!?」

 

地面に倒れ込むレッドキング、チャンドラーは大地に降り立ち、さらなる追撃を行おうとレッドキングに近づくのだが……。

 

チャンドラーの足下に蜘蛛の糸のようなものが巻き付き、両足を拘束されたチャンドラーはそのままバランスを崩して倒れこむ。

 

「キシャアアア!!!!?」

「ピギュア!! ピギュア!!」

「グルアアアアア!!!!」

 

そこに現れたのはバンピーラであり、さらにロックイーターまで出現、これだけの大量の怪獣が現れ、メビウスは困惑する。

 

「グルアアアア!!!!」

「ピギュア~!!」

「キシャアアアア!!!!」

『っ……! 一体この島にはどれだけの怪獣がいるんだ……!?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、鎮守府では……。

 

夜空は朝潮達の救助チームのメンバーを時雨、満潮、睦月、如月、夕立、暁を選択。

 

さらに彼女等の持つ6人のジオデバイザーはリョーガとグルマンが多々良島の電磁波の影響に受けないように改良し、それが完了次第、彼女達は朝潮達の救出作戦を行うことになったのだった。

 

そして夜空は現在、リョーガとグルマンの研究所に訪れており、夜空も自分のエクスデバイザーを電磁波を受けないように改良してくれと頼んでいるところだった。

 

「俺のデバイスもあの島の放つ電磁波の影響を受けるかもしれない。 そうなればいざという時にエックスに変身できないし、例え変身できたとしても全力を出せないかもしれない、だから俺のも改良をお願いします」

『ふむ、分かった! 私とリョーガでやっても全員のデバイスの改良は2時間はかかってしまうぞ?』

 

グルマンのその問いかけに、夜空は力強く答える。

 

「1時間でお願いします!」

 

そんな夜空の返答を聞いてリョーガとグルマンは顔を見合わせ、「アハハハ!!」と笑い出す。

 

「あぁ、私達に任せまえ! なんたって私達はてっんさい!! だからね!」

『うむ! 任せろ!!』

『人間が出術を受ける時の気持ちってこういうのなんだろうな……』

 

しかし、改良を加えられる本人(?)とも言えるエックスに取ってはある意味では身体を機械で弄くられるようなもので……その為、彼には少なからず不安があった。

 

『大丈夫だエックス! 私達を誰だと思っているんだ?』

「そうそう、大丈夫大丈夫! ちょっとチクリとするだけだから!」

『なんか逆に余計に不安になって来た……』

 

夜空はそんなエックスに対して「すまんな」と謝罪するが、朝潮達を助ける為なのでエックスも「彼女達を救うためには止を得ない」と答え、覚悟を決める。

 

『男は度胸と言うしな。 やってくれ! リョーガ博士、グルマン博士!!』

 

エックスのその言葉にリョーガとグルマンは力強く頷くのだった。

 




無人島……(怪獣がいないとは言っていない)
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