ウルトラマンX  これくしょん   作:ベンジャー

20 / 24
第19話 『虚無』

鎮守府のとある建物の屋上にて。

 

そこでは宇宙からの電波などを広う為の装置・・・・・・。

 

夜空の母が開発した「宇宙電波受信機」と呼ばれるものを設置し、木製のリクライニングチェアを置いてそこに座り込もうとした時。

 

『今日もまた、宇宙の声を聞くのか?』

 

エックスがそんなことを尋ね、夜空は苦笑しながら彼の問いかけに「あぁ」と答える。

 

「俺の父さんと母さんは、宇宙に吸い込まれるように消えていったように見えた。 だから2人は、宇宙のどこかにいるんじゃないかって思ってさ。 これを使えば・・・・・・もしかしたら2人の声を拾うことができるかもしれない。 まっ、まだ一度も成功したことはないんだけどさ!」

『・・・・・・今日は、拾えると良いな。 君のご両親の声を』

 

夜空は一瞬悲しげな顔を浮かべながら「そうだな」と頷き、チェアに寝そべって星をジッと眺める。

 

そんな時、突然夜空の顔に何かが覆い被さり、彼は「うぶっ!?」と小さな悲鳴をあげて慌てて覆い被さった何かを引き剥がすとそれは毛布だった。

 

不思議に思った夜空は後ろを振り返るとそこにはこちらに笑みを浮かべた時雨が立っており、夜空は「時雨?」と首を傾げる。

 

「こんなところで寝てると、最近は暖かいとはいえ風邪引いちゃうよ?」

「すまん、ありがとう」

 

すると突然、時雨は強引に夜空の隣に座り込み、それに夜空は戸惑いを見せる。

 

「お、おい時雨!?」

「僕も、宇宙の声って言うの聞きたいんだ。 ダメ・・・・・・かな?」

 

不安げな表情でそう尋ねる時雨に、夜空は「ダメだ」なんて断れる筈もないし、断る理由もないので「分かった」と頷き、一緒にチェアの上に寝そべる。

 

むしろ夜空自身、彼女が傍にいてくれるなら嬉しいので全く問題ない。

 

(あっ、これは私は邪魔なパターンだな? データの奥の方に行っていよう)

 

エックスはなんとなく空気を呼んでエクスデバイザーの画面から消え去り、それを見た時雨は即座にエックスが空気を呼んで退散してくれたのだと理解し、思わず笑ってしまう。

 

「どうかしたか時雨?」

「ううん、なんでもない」

 

時雨は毛布を自分と夜空にかけ、彼女は夜空に抱きつきながら星空を見上げる。

 

「なぁ、時雨」

「なぁに提督?」

 

不意に、夜空は時雨の名を呼び、彼女は首を傾げる。

 

「何時も、ありがとな。 俺の傍にいてくれて・・・・・・」

「どうしたの急に?」

「いや、なんだか急に言いたくなってな」

「なにそれ、変な提督だなぁ・・・・・・フフ」

 

そんな会話をする夜空と時雨はお互いに笑い合い、夜空は時雨の肩に手を回し、ギュッと抱き寄せた。

 

「父さんと母さんに、お前のこと紹介したいよ」

「僕も会いたい。 夜空のお父さんとお母さんに」

 

夜空はジッと時雨は見つめ、それに彼女は顔を赤く染める。

 

そのまま夜空は時雨の額に自分の唇を押し当て、それをされた時雨はさらに顔を真っ赤に染める。

 

「時雨、愛してる」

「僕もだよ、夜空を愛してる」

 

そのまま2人は一緒に星を眺め・・・・・・いつの間にか、2人は深い眠りに入るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、早朝。

 

『夜空・・・・・・オイ夜空!! 起きろ!!』

 

突然エックスの声に起こされた夜空と時雨は慌ててチェアから起き上がって立ち上がり、夜空は「怪獣!? 宇宙人か!?」と慌て、時雨もまた慌てて艤装を展開し主砲を構える。

 

「現場は!? すぐに急行を!!」

「よし、今回の出撃メンバーを・・・・・・!」

『おい2人とも落ち着け!! そうじゃない、宇宙電波受信機が何かの反応をキャッチしたんだ』

 

エックスに言われ、夜空は宇宙電波受信機のダイヤルを操作し、音量を大きくして受信機がキャッチしたと思われる電波を聞く。

 

「えっ? これただのノイズじゃないの?」

「いや、これはただのノイズじゃないし、普通の宇宙電波でもない」

『解析してみたらどうだ?』

 

エックスの言葉に夜空は「そうだな」と頷いてエクスデバイザーをしまい、受信機を持って時雨と共に研究所へと向かい、そこで受信機がキャッチした電波の解析をする為、受信機を解析装置に繋げる。

 

「解析にはしばらく時間がかかりそうだ」

 

するとその時、突然鎮守府内の警報が鳴り響き、館内放送でダークサンダーエナジーを浴びた怪獣が実体化し、出現したことが報告される。

 

「こんな時に! よし、行くぞ時雨!!」

「うん!!」

 

夜空は鎮守府中にいる艦娘に出撃命令を出し、タカトはスカイマスケッティで出撃、艦娘達もそれぞれ艤装を展開して現場へと急行、夜空も現場で指揮を執ることになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「グルアアアアア!!!!」

 

街に現れたのは以前出現したデマーガの別個体なのだが、ダークサンダーエナジーを浴びた影響で凶暴そうな面構えになっており、両肩からは長大な刃の様なものが伸び、両腕にも鋭利な刃物のような部位が追加された「熔鉄怪獣 ツルギデマーガ」が暴れていたのだ。

 

早速駆けつけたスカイマスケッティから放たれる光弾を放って攻撃。

 

「ファントン光子砲、発射!!」

「グアアアアアア!!!!」

 

しかし、ツルギデマーガには全く効いておらず、口から「熔鉄光線」をスカイマスケッティへと放つ。

 

「うわっ!?」

 

なんとかスカイマスケッティ。

 

そこへ艦娘達も駆けつけ、ツルギデマーガへと攻撃を開始する。

 

『サイバーザラガス、ロードします』

『サイバーガルラ、ロードします』

『サイバーサラマンドラ、ロードします』

 

暁、睦月、如月はそれぞれのサイバーカードを使ってモンスフュージョンとなり、睦月は暁と如月を後ろに下がらせてツルギデマーガがこちらに向かって放って来た光線を睦月がガルラの力の宿ったバリアを張り巡らせて防ぐ。

 

「ぐうううううう!!!?」

 

なんとかツルギデマーガの攻撃を耐えきる睦月。

 

「今だよ2人とも!!」

 

攻撃を受け止め切った睦月の言葉を受けて暁と如月は頷き、如月はサラマンドラの顔を模した主砲を構えて炎を纏った砲弾を、暁はザラガスのエネルギーの宿った光弾をそれぞれツルギデマーガの顔に撃ち込む。

 

「ガアアアアアア!!!!?」

 

流石に顔に撃ち込まれればそれなりのダメージが入ったのか、ツルギデマーガはフラついて膝を突くのだが・・・・・・。

 

「グルアアアアアア!!!!」

 

ツルギデマーガはそれに怒り、暁達に襲いかかる。

 

「あら、怒らせちゃったかしら?」

「どう見てもそうでしょ!?」

 

暁と如月は慌てて光弾を放つのだが、ツルギデマーガは両腕の刃で受け止め、それをかき消し彼女等に向かって走ってくる。

 

『エックス、ユナイテッド!』

 

だが、それを突如として出現した「ウルトラマンエックス」の跳び蹴りをツルギデマーガは受けて吹き飛ばされる。

 

「エックス!!」

『シュア!!』

 

戦闘BGM「熱い戦い」

 

エックスはツルギデマーガへと向かって駈け出し、それにツルギデマーガは口から光線を吐き出すが・・・・・・エックスは即座に「ゼットンアーマー」を装着し、瞬間移動。

 

背後に回り込んだエックスは「ゼットン火炎弾」という火球をツルギデマーガに放つのだが、ツルギデマーガは振り返りざまに腕の刃で火球を切り裂いて防ぐ。

 

「ガアアアア!!!!」

 

そのままツルギデマーガはエックスに向かって刃を振りかざし、エックスは再び瞬間移動してツルギデマーガの背後に回り込むのだが・・・・・・。

 

ツルギデマーガはそれを先読みし、エックスが出現すると同時に後ろに振り返って光線を発射し、エックスに直撃させる。

 

『グアアアア!!!?』

 

地面に落下し、ゼットンアーマーが解除されたエックスに向かってツルギデマーガは素早く蹴りを叩き込んで蹴り飛ばし、エックスは地面を転がる。

 

「グアアアアア!!!」

「みんな!! あのデマーガの顔に砲撃を集中させて!! エックスを助けるの!!」

 

村雨の指示に従い、艦娘達は一斉に主砲を構えてツルギデマーガの顔に向けて砲弾による集中砲火を浴びせ、それにツルギデマーガが怯んだ隙にエックスは立ち上がって空中へと浮かび上がる。

 

「グウウウ!!!?」

『「今だ!! アタッカー・・・・・・X!!」』

 

両腕、両足をX字に開いて全身から放つX字の火炎「アタッカーX」とエックスはツルギデマーガに放つのだが、ツルギデマーガは腕の刃でアタッカーXを弾き飛ばし、口から放った光線でエックスを撃ち落としてしまう。

 

『ウウウウ!!!?』

 

そこで落下して来たエックスに向かってツルギデマーガはすかさず光線を吐き出すのだが・・・・・・。

 

『「エクシード!! エーックス!!!!」』

 

戦闘BGM「エクシードXのテーマ」

 

エックスは「エクシードX」へと強化変身し、短剣「エクスラッガー」を構えてツルギデマーガの光線を真っ二つに切り裂きながらツルギデマーガの方へと真っ直ぐ向かって駈け出す。

 

『シェア!!』

 

そのままエックスはすれ違いざまにエクスラッガーでツルギデマーガを切り裂き、よろめく。

 

だが、ツルギデマーガはすぐに反撃しようと腕の刃で攻撃を繰り出すのだが、エックスはエクスラッガーでツルギデマーガの繰り出す攻撃を全て弾き飛ばし、逆にツルギデマーガの胸部に何発も拳を叩き込む。

 

「グルウウウウ!!!!?」

『シュア!!』

 

最後に膝蹴りを叩きこんだ後、夜空はエクスラッガーのスライドタッチを3回行い、ブーストスイッチを押しエクスラッガーを構えたエックスがそのまま敵の前後を往復しながら繰り出してダークサンダーエナジーの力を無効化して城下する突進斬り……「エクシードエクスラッシュ」をツルギデマーガへと炸裂させる。

 

『「エクシード!! エクスラッシュ!!」』

「グルルル!?」

 

それによってツルギデマーガはデマーガへと戻り、そしてエックスは通常形態へと戻って両腕を左側へゆっくりと振りかぶり両腕を胸の前でX字にクロスさせて放つ必殺光線……「ザナディウム光線」を発射。

 

『「ザナディウム光線!!」』

「グルアアアアアア!!!!?」

 

最後にザナディウム光線を受けたデマーガは倒れ爆発し、スパークドールズへと変化して地面に落下するのだった。

 

「やったわ!!」

「今回も、エックスに助けられたわね」

 

エックスが勝利し、喜んでいる村雨の肩をポンッと手を置く満潮。

 

「それじゃ、取りあえずスパークドールズを回収して帰投しよう」

 

そして時雨の指示を受け、一同は撤収作業を行うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鎮守府へと夜空達が戻ると突然、グルマンとリョーガが何やら慌てた様子で夜空の元へと「ぜえ、ぜえ!」と息を切らしながら駆け寄って来たのだ。

 

「ちょっと、2人とも落ち着け! 何かあったのか?」

「はぁ、はぁ・・・・・・提督!! 提督が出撃前にやっていた宇宙電波の解析完了してるよ!!」

『急いで来てくれ!! 私達が口で説明するより直接聞いて貰った方が良いだろう!! 提督に取ってはかなり衝撃のある出来事だから、心しておけよ!』

 

リョーガとグルマンにそう言われて夜空は2人に力強く引っ張られ、研究所へと向かうのだった。

 

「一体なにがあったんでしょう?」

「実は昨日・・・・・・」

 

朝潮がグルマンとリョーガの様子を見て首を傾げ、それに答えるように時雨は昨夜、夜空が宇宙電波受信機を使っていたこと、今朝受信機に謎の電波が届いたことを話し、グルマンとリョーガの台詞から恐らく電波の解析が完了したのだろうと時雨は一同に説明する。

 

「・・・・・・んっ? 時雨は昨日から今朝にかけて司令官と一緒にいたのかい?」

「えっ? うん、そうだけど・・・・・・」

「ほぉ~」

 

なぜか時雨の言葉を聞いてニヤニヤし始めるヴェールヌイ。

 

そんなヴェールヌイに時雨は思わず困惑し「な、なに?」と尋ねるとヴェールヌイはニヤニヤした顔のまま彼女の肩に手を置き・・・・・・。

 

「夕べはお楽しみでしたね」

「なっ!?」

 

不意打ち気味にヴェールヌイからそんなことを言われ、顔を真っ赤にする時雨。

 

それを聞いて時雨ほどではないが顔を赤くするメンバーがチラホラ現れ、暁、睦月、文月、夕立などはなんのことか分からず逆にヴェールヌイの言葉に首を傾げていた。

 

「ちょっ、響!!? 僕達まだそことまで行ってないから・・・・・・!!」

「そうなのかい? てっきり君たちの場合ヤることヤッってるのかと思って・・・・・・」

「おい誰かこのバカ止めろ!!」

 

どんどん爆発発言して行くヴェールヌイにいても経ってもいられず、菊月が彼女の口を塞ぎ、菊月に呼ばれた皐月と一緒にヴェールヌイはズルズルとその場から引き離されるのだった。

 

「っ~!? もう響ってばなんてこと言うんだよぉ!!」

 

茹でタコのように赤くなった顔を覆い隠し、うずくまる時雨。

 

そんな彼女の頭を村雨と夕立が「よしよし」と優しく撫でる。

 

最も夕立はこの状況をよく分かっていないようだが。

 

「最近響姉のフリーダムっぷりが強くなってる気がするわ」

「勘弁してくれ。 奈々さんやリョーガさんと比べればまだマシだったのに、ヴェールヌイまで同レベルになったら手がつけらん」

 

雷のそんな呟きをいつの間にか戻って来ていた菊月が聞いており、彼女は頭を抱えて大きな溜息を吐くのだった。

 

「えーっ? でもきくりんフリーダムズの躾係なんだから今更1人くらい・・・・・・」

 

するとその時、そんなことを言い出す皐月の胸倉を菊月は強く掴みあげ、物凄い形相をしながら皐月を睨み付ける。

 

「誰が躾係だ。 あときくりん言うなゴラ・・・・・・!!」

「ちょっ、怖い怖い!! 鬼の形相みたいになってるから!!? 分かったよごめんって!!?」

 

皐月の必死の謝罪を受け、菊月は「分かれば良い」と言って皐月を離す。

 

「我が妹ながら恐ろしい娘だよ、菊月・・・・・・はは」

 

一方、研究所。

 

そこでグルマンとリョーガが聞かせたかったもの・・・・・・それは・・・・・・。

 

『・・・・・・ザザ・・・・・・夜空・・・・・・ザザ・・・・・・夜空・・・・・・お母さんの声が聞こえますか?』

「母さん!!?」

 

受信機がキャッチした電波の正体・・・・・・それは夜空の母親から送られて来たメッセージだったのだ。

 

「母さん!!? 母さん聞こえる!!?」

『落ち着け提督! これは数分前に録音した音声だ。 今もこちらの声が届くように色々と試しているが・・・・・・まだ・・・・・・』

 

グルマンからの説明を受け、夜空は深呼吸して落ち着きを取り戻す。

 

「どうやら、提督の考えていたことはあながち間違いじゃないのかもしれない」

「・・・・・・もう1度、母さん、もしくは父さんと連絡が取れるよう試せることは全部試そう」

 

夜空の言葉にリョーガとグルマンは力強く頷き、そこから夜空達はもう1度夜空の両親と連絡を取り合うべく、様々な方法を試すことになるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、一週間が経過し・・・・・・。

 

夜空と時雨はジオボルトスでかつて夜空の両親と研究所が消え去った場所を訪れており、夜空はもしかしたらここでなら両親の声を拾うことができるのではないかと最近は様々な装置を持って訪れていたのだ。

 

「お母さんの声、本当にここから発信されたの?」

「恐らく、ここは時空の特異点なんだと思う。 だからウルトラフレアの時も、ここだけ別の時空に飛ばされた」

「時空の、特異点・・・・・・?」

 

時雨の言葉に夜空は頷く。

 

「そうだ。 母さんは、ずっと宇宙の電波の中には未来から飛んで来た『物』があるって研究してたんだ」

「それって・・・・・・未来予知・・・・・・みたいな?」

「まぁ、似たようなものだな。 化石の発掘のように、断片を見つけてはそれを解析してらしい。 それに父さんはこの場所で何か大昔の遺物を発見しその場所に宇宙電波の研究所を建てた。 俺はその遺物と、未来からの電波には何か関係があるんじゃないかと思ってる」

 

夜空の解説を受け、時雨は「成程」と頷き、夜空はエクスデバイザーを装置に繋げてもう1度両親との会話を試みる。

 

「母さん、父さん、俺だよ。 聞こえる?」

「提督、あんまり無茶しないで・・・・・・。 最近ロクに寝てないでしょ?」

 

時雨は心配そうに夜空の肩に手を置き、少し休憩すべきだと提案するのだが・・・・・・夜空はそれを聞かず両親への呼びかけを続ける。

 

「もう!! 提督!! 提督である君があんまり無茶して倒れたりでもしたらどうするの!? 君の両親もそんなことを望んでない筈だよ!? 僕達のリーダーなんだから健康管理もしっかりして!!」

 

ムスっと頬を膨らませた時雨に怒られ、夜空は目を丸くし、そんな夜空を見てエックスは「フフッ・・・・・・」と思わず笑ってしまった。

 

「そう、だな・・・・・・。 すまん。 少し寝るよ」

 

夜空は時雨に謝罪しながらジオボルトスへと戻り、少しの間眠ることにするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダークサンダーエナジーがだんだん地球に近づいて来ている?」

「あぁ、未だに発生源は特定できてはいないが・・・・・・18日前は彗星、3日前は金星周辺にダークサンダーエナジーらしきエネルギーを感知した」

 

その頃、リョーガとタカトは「空間エネルギー測定器」と呼ばれる最新装置を搭載した新たに開発されたスペースマスケッティに変形しているジオマスケッティ3号機に乗って宇宙に出ており、彼等はダークサンダーエナジーの発生源を突き止める為の調査に出かけていたのだった。

 

尚、この空間エネルギー測定器というのはこれを使えば空間エネルギー量の変化を測定することでダークサンダーエナジーの発生源を見つけることができる装置なのだ。

 

そして彼等はエネルギーの発生源を突き止める為、今現在最後にエネルギーが確認された金星周辺に向かって飛行していた。

 

やがて金星周辺に辿り着くとエネルギー量の数値のチェックを開始し、念のためにスペースマスケッティに搭載されたカメラを使い、自分達の見ているものを鎮守府にも映像として届ける。

 

そしてその映像は鎮守府の会議室に届けられ、そこでは奈々、グルマンを始めとした殆どの艦娘メンバー達が集まっていた。

 

「意外と殆どの娘達が集まりましたね」

「そりゃ、僕達もダークサンダーエナジーの正体は気になるからね。 興味はあるよ」

 

奈々の呟きに皐月がそう答え・・・・・・そして今、タカトが丁度測定器を起動させ空間エネルギー量を計る。

 

「空間エネルギー量は3だな」

「フフン、タカト。 冗談よしてくれたまえ。 空間エネルギー量は絶対に5以下にはならないんだよ?」

 

リョーガからの返答にタカトは首を傾げ、もう1度エネルギー量を確認する。

 

「おい、エネルギー量が2になったぞ?」

「だからそんな筈は・・・・・・なってる・・・・・・!?」

 

リョーガもエネルギー量を確認すると確かに測定器には「2」と書かれており、リョーガは自分の目を疑った。

 

やがて測定器の数値は「0」となり、流石のリョーガも焦りを隠せず冷や汗を流す。

 

「ちょっと、これは嫌な予感がするねぇ・・・・・・」

 

すると彼等の目の前に突如紫色に輝く球体が出現し、タカトは急いで鎮守府に連絡を入れる。

 

「こちらスペースマスケッティ!! 正体不明の発光体を発見した!!」

「空間エネルギー量が0なんて・・・・・・ありえn」

 

リョーガがそこまで言いかけた時、スペースマスケッティからの映像が途切れ通信が強制終了された。

 

そしてそれをモニターから見ていた奈々はすぐさまリョーガ達に連絡を取ろうと呼びかけるのだが・・・・・・彼等からの応答はない。

 

「リョーガさん!!? タカトさん!! 返事をしてください!! 2人とも!!」

「ど、どうすれば・・・・・・」

 

この自体に一体どうすれば良いのか分からず困惑する一同。

 

「落ち着いてください!! 先ずは提督に誰か連絡をして呼び戻してください!! グルマン博士! 先ほどの発光体が何か分かりますか?」

 

奈々は艦娘達に指示を飛ばし、グルマンに先ほどの発光体について何か分かることがあるかどうかを尋ねると「ふむ」と呟き、彼女の問いに答える。

 

『恐らく我々が探していたものはあの発光体で間違いないだろう。 先ほどリョーガは空間エネルギー量が0だと言っていた。 つまり、ダークサンダーエナジーの発生源は存在しないものだったんだ』

「存在しないものって・・・・・・リョーガさん達の目の前にあった発光体は・・・・・・?」

 

グルマンの言葉に首を傾げ、荒潮がどういうことなのか尋ねるとグルマン曰く、空間エネルギー量が0ということはスペースマスケッティの前には何も存在していなく、あの発光体は言うなれば「虚無」とも言えるもの。

 

情報のないものを無理に視覚化したのがあの発光体なのだ。

 

「なんて不可思議な存在・・・・・・。 いや、存在しないんでしたっけ」

 

グルマンの話を聞き、奈々は静かにそう呟く。

 

「兎に角、あの発光体とスペースマスケッティの行方を最優先で追わなければ!! 各国の軍にも連絡して協力の要請を!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、奈々が一同に指示を出している間にあの発光体は既に地球へと侵入しており、発光体はアメリカ、ネバダにあるスパークドールズ研究所の上に落下してきた。

 

『フェッフェッフェッフェ・・・・・・!』

 

不気味な笑いのような声をあげながら、発光体が研究所に激突するとその衝撃で半径1キロが消し飛び、発光体はそこにあったスパークドールズを全て吸収し、人型の姿「虚空怪獣 グリーザ第二形態」へと変貌した。

 

『フェッフェッフェ・・・・・・!』

 

グリーザはゆらゆらと不気味に揺れながら空中へと飛び上がり、飛行してその場を立ち去るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

そのことはすぐに鎮守府やジオボルトスで帰還中の夜空達のところにも映像が送られ、時雨はその姿に不気味さを感じずにはいられなかった。

 

「なんか、凄く不気味・・・・・・」

『あれは・・・・・・グリーザだ!!』

 

またそれを見たエックスはその怪獣、グリーザの名を口にし、夜空は「何か知ってるのか?」とエックスに問いかける。

 

『あぁ、よく知っている。 このことは私が直接鎮守府の全員に話す!!』

「えっ、そんなことできるのか!?」

『デバイザーに宿ってるんだからできるさ』

 

そしてエックスは宣言通り、鎮守府の全員のジオデバイザーに通信を開始し、一同はすぐさまジオデバイザーを取り出してエックスからの連絡を受ける。

 

「エックス!?」

 

まさかのエックスからの直電に菊月をはじめ驚きを隠せない一同。

 

『私はウルトラマンエックス。 みんな、艦隊のみんな、聞いてくれ。 先ほどネバダの研究所を襲ったのは・・・・・・グリーザだ。 グリーザは星の生態エネルギーを狙い全てを無へと変換する。 つまり、生き物を消し去るんだ。 奴は今までも3つの生命豊かな星を滅ぼした』

 

そしてエックスはそんなグリーザを追いかけてこの太陽系にまで追いかけて来たのだというのだ。

 

地球を狙うグリーザをエックスは太陽に突き落とすことでようやく倒すことが出来たらし。

 

それが丁度5年前・・・・・・ウルトラフレアの起きた日である。

 

『成程、それがウルトラフレアの原因か』

『奴は生体エネルギーが強い者から消して行く。 地球の場合は・・・・・・怪獣』

 

エックスの言葉を聞き、なぜグリーザがネバダの研究所を狙ったのか奈々はすぐに理解した。

 

それはネバダは世界最大のスパークドールズが保管されてある場所であり、2番目はスパークドールズの研究なども主な活動している・・・・・・この鎮守府である。

 

「そして最後は・・・・・・全ての命を吸い取るってことね・・・・・・」

 

村雨もまたそのことを理解し、エックス曰くグリーザは今までの怪獣達とは格が違うとのこと。

 

『恐らく、この地球で1番の強敵だったガーゴルゴン・メカレーターですらあっさりと上回るほどに』

 

それを聞き、あれほど苦労したガーゴルゴン・メカレーターすら上回るという言葉にグリーザに一同に緊張の色が走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「他の鎮守府にも応援を頼もう。 付近の住民への避難を促せ!! 鎮守府内の非戦闘員は全員待避!! グルマン博士はエナジーシールドを最大出力で鎮守府を防御!!」

 

エクスデバイザーから夜空は即座に指示を一同へと飛ばし、艦娘達も出撃してグリーザへの迎撃を迎えるように言い放つ。

 

『了解!!』

「それと、これは最重要命令だ。 全員、死ぬな・・・・・・!! 俺もすぐに戻る!!」

 

デバイザーから夜空は艦娘達にそう指示を出し、それを受け、彼女達は「了解!!」と頷き、敬礼。

 

『最大出力じゃ足りん!! エナジーシールドを強化させる!!』

『私も、スカイマスケッティで出撃します!!』

 

グルマンと奈々がそう返事を返し、夜空は「任せた」と言って通信を終了し、急いで夜空と時雨は鎮守府へと戻るのだった。

 

「・・・・・・副司令ってパイロットの免許あったんだ」

「あったんだよ、実は」

 

 

 

 

 

 

それから数分後。

 

『副司令、準備が整った!! エナジーシールドを起動させる!!』

「了解、みんな・・・・・・そろそろお客さんが来ますよ」

 

全ての準備を完了し、強化型の「ハイパーエナジーシールド」を鎮守府全体に張り巡らせ、艦娘達はグリーザの出現場所を予測し囲めるようにして待機。

 

「・・・・・・」

「電、大丈夫?」

 

待機中、雷が一緒にペアを組んでいる電が僅かに振るえてるのに気づき、彼女はそっと電の手を握りしめる。

 

「だ、大丈夫なのです雷お姉ちゃん! 怖いですけど・・・・・・でも、今までだって勝ってこれたのです!! だから今回も・・・・・・」

「そうね。 エックスも力を貸してくれる。 止めるわよ、あのグリーザって怪獣を」

「はい!」

 

するとそこへ・・・・・・。

 

『フェッフェッフェ・・・・・・!』

 

グリーザが遂に鎮守府へと姿を現し、グリーザは空からそのまま一直線に鎮守府に降り立とうとしていた。

 

そこに丁度夜空達も帰還し、ジオボルトスを一度停車させて夜空は車から降りる。

 

「時雨!! お前はサイバーゴモラを呼び出して他の奴等と一緒にグリーザの迎撃に当たってくれ!! 俺はエックスとユナイトして奴と戦う!」

「分かった!! 提督・・・・・・無事に帰ってきてね?」

 

心配そうな顔を浮かべる時雨に、夜空は笑みを浮かべながら、彼女の頭をそっと撫でる。

 

「・・・・・・あぁ!」

 

そして夜空は鎮守府の方へと向かって駈け出し、エクスデバイザーを取り出してXモードに変形させる。

 

「行くぞエックス!! ユナイトだ!!」

『あぁ!!』

「エックスーーーーー!!!!」

 

夜空は「ウルトラマンエックス」へと変身し、エックスはグリーザに向かって飛行。

 

さらにそこへ・・・・・・。

 

「メビウース!!」

 

光が変身した「ウルトラマンメビウス」も現れ、エックスの隣を並んで飛行する。

 

「光さん!! メビウス!! 来てくれたんですか!」

『エックスの通信はこっちにも届いてたからね。 あいつを倒すよ!!』

「はい!!」

 

そのままエックスは「エクシードX」、メビウスは「バーニングブレイブ」へと強化変身し、エックスとメビウスは空中でグリーザの激しく激突する。

 

メビウスはグリーザの後ろに回り込んで蹴りを喰らわせ、そこにエックスが掴みかかり、グリーザを投げ飛ばして地上へと叩き落とそうとする。

 

しかし、グリーザはがっつりとエックスの身体を掴みあげ、離さず、やがて2体纏めて地上へと落下。

 

それによってエックスはグリーザから引き離され、倒れ込んでいるグリーザに向かってメビウスがきりもみ回転しながら炎を纏ったキック、「バーニングメビウスピンキック」を放つのだが・・・・・・グリーザはすぐに立ち上がり、目から放つ「グリーザビーム」をメビウスに喰らわせて撃墜する。

 

『シェア!!?』

「光さん!!」

 

地上に落下し、膝を突くメビウスの元へと駆け寄るエックス。

 

「ゴモラ、僕達も行くよ!!」

 

また時雨も艤装を展開し、ジオデバイザーにサイバーゴモラのスパークドールズをリードさせ、「電脳怪獣 サイバーゴモラ」を実体化させる。

 

『リアライズ!』

 

さらに時雨がリードした為、サイバーゴモラに時雨アーマーが装着され、エックス、メビウスの隣にサイバーゴモラが並び立ち、上空に奈々の乗ったスカイマスケッティが現れる。

 

『サイバーガルラ』

『サイバーサラマンドラ』

『サイバーザラガス』

『『『ロードします』』』

 

また暁、睦月、如月はそれぞれモンスフュージョンを使い自身の能力を強化させる。

 

『「「「行くぞおおおおおお!!!!!」」」』

 

光、夜空、奈々、時雨がそう叫ぶのを合図にエックス達による一斉攻撃がグリーザに開始される。

 

『フェッフェッフェ! アッハッハッハ!!』

 

先ず最初に艦娘達とスカイマスケッティによる一斉射撃がグリーザに放たれるのだが、弾丸は全て弾かれ、次にエックスが殴りかかるがグリーザはそれをゆらりと躱し、回し蹴りを喰らわせる。

 

『グウ!?』

『セア!!』

 

続いてメビウスが拳をグリーザに叩き込んだがグリーザは全く怯む様子を見せず、ならばと思いメビウスはグリーザに掴みかかって動きを封じる。

 

そこで背後に回り込んだサイバーゴモラが爪を振りかざし、グリーザの背中を攻撃をしようとしたがいつの間にかグリーザはその場から消えており、爪はメビウスを斬りつけてしまう。

 

『グウウ!?』

 

するとグリーザはサイバーゴモラの目の前に突然現れて腕を振るいサイバーゴモラを叩きつける。

 

「グルウウウ!?」

 

後退するサイバーゴモラだが、サイバーゴモラは両肩の主砲をグリーザに向かって発射し、それと同時にサイバーブラックキング、サイバーモモザゴンのカードを使った朝潮とヴェールヌイがそれぞれ炎を纏った弾丸と超音波光線を連続でグリーザに向かって発射。

 

『サイバーブラックキング、ロードします』

『サイバーモモザゴン、ロードします』

「喰らえ!!」

 

しかし、グリーザはサイバーゴモラの砲撃、彼女等の弾丸と超音波光線の直撃を受けて尚何事も無かったかのようにエックス達と戦闘を続行しており、その様子はまるで彼女等の攻撃を受けてることすら気づいていないようだった。

 

「なんて奴なんですか・・・・・・! 私達の攻撃がまるで効いてない!!」

 

それに朝潮は驚き、ならば集中砲火ならばどうかと夕立、荒潮、モンスフュージョンした暁が一斉に攻撃を行う。

 

先ず、夕立と荒潮はそれぞれサイバーガルベロス、サイバーレイキュバスのカードを使いその力を宿した火炎光線、冷凍ガスを主砲から同時に発射し、暁はザラガスの角を模したエネルギー弾をグリーザに向かって発射する。

 

しかし、3人の攻撃はグリーザが一瞬姿を消した為に躱され、その先にいたエックスに直撃し、エックスは大きく吹き飛ばされて地面に倒れ込む。

 

『ウアアアアアア!!!!?』

「バーストサイバー超振動波!!」

 

両手にエネルギーを溜めてサイバーゴモラはグリーザに接近し、両肩の主砲と同時にゼロ距離で放つ光線「バーストサイバー超振動波」を炸裂させる。

 

「グルアアアアアア!!!!」

『ヒッハッハッハ!!』

 

だがやはりグリーザには如何なる攻撃も通じず、膝蹴りを喰らわせてサイバーゴモラを引き離し、サイバーゴモラの背中を踏み台にしてジャンプ。

 

そこへ同じくジャンプして拳を放って来たメビウスには胸部から放つ「グリーザダークライトニング」を炸裂させ、メビウスは身体中から火花を散らし大ダメージを受ける。

 

『セアアアアアア!!!!?』

 

それによってメビウスは倒れ込み、グリーザは倒れたメビウスに追撃を行おうとするがそうはさせまいとエックスが割り込み、グリーザに何発も拳を叩きこむのだが・・・・・・グリーザは両手を突き出してその爪でエックスを攻撃し、目から放つ「グリーザビーム」でエックスを引き離す。

 

『グアアアアアア!!!!?』

 

さらにグリーザはグリーザビームを様々な方向から放ってエックスのみならず周囲にいたメビウス、サイバーゴモラ、艦娘達、スカイマスケッティを次々に攻撃する。

 

「グルアアアアア!!!!?」

『わあああああああ!!!!?』

『『ウアアアアア!!!!?』』

 

スカイマスケッティはなんとか回避したもののそれにより、サイバーゴモラはかなりのダメージを受け、艦娘達の殆どが中破してしまった。

 

さらにグリーザは鐘の音色に似た怪音波「グリーザアクオン」を放ち、周囲にいる者達に激しい頭痛を起こさせる。

 

「うあああ!? なにこれ頭が痛い・・・・・・!!?」

 

皐月は必死に頭を抑えて悶え苦しみ、菊月などはなんとか反撃をしようと主砲を構えるのだが・・・・・・艤装自体がグリーザの音色に耐えられなくなり、完全に破壊され・・・・・・他の者達もまた次々に艤装が完全に破壊されていく。

 

「クソ!! 艤装が・・・・・・」

 

グリーザは再びグリーザビームを辺り一帯に撒き散らすように放ち、それらの光線が中破状態の文月、夕立、村雨に降り注ごうとする。

 

「まずいわ!!」

「グルアアアア!!!!」

 

だが、それをサイバーゴモラが庇うように立ち塞がったことで光線は彼女達に直撃はせず・・・・・・けれどもサイバーゴモラはその攻撃で遂に実体化を保つことができず、消滅。

 

「ゴモラ・・・・・・!!」

「ありがとう、ゴモラ」

 

村雨はサイバーゴモラに感謝し、自分達も艤装が中破している為、なんとか体勢を整えようと先ずはどこかに隠れようとする。

 

一方、菊月は「こうなれば直接魚雷でも投げてやる!!」と言い出して艤装から取り出し、手に持った魚雷をグリーザに向かって投げつける。

 

「いや魚雷って普通そういう使い方しないから!?」

 

とツッコミつつも皐月ももうそれくらいしか攻撃方法がない為彼女もまた魚雷をグリーザに投げつけるのだが・・・・・・グリーザの放つ光線にかき消され、その光線は真っ直ぐに彼女達に迫る。

 

「ヤバッ・・・・・・!」

「菊月ちゃん!! 皐月ちゃん!!」

 

だがそれをスカイマスケッティが庇い、彼女等の代わりにスカイマスケッティが光線を受け止めたのだ。

 

「「副司令・・・・・・!!?」」

 

無論、スカイマスケッティはグリーザの光線に耐えられる筈もなく・・・・・・空中で爆発。

 

奈々が脱出した様子はなく・・・・・・それを見た菊月と皐月は顔を青くし、彼女等は・・・・・・膝を突くのだった。

 

「そんな・・・・・・副司令嘘でしょ・・・・・・?」

「お、おい・・・・・・副司令・・・・・・応答しろ。 副司令・・・・・・!!」

 

菊月はジオデバイザーで奈々に通信を試みるが・・・・・・当然、彼女からの返事はなく。

 

「副司令、おい!! いつものおふざけだろ? 返事をしてくれ!! いつもみたいに、ウザい絡み方してくれよ副司令!!!!」

 

ポロポロと、涙を流しながら必死に奈々への通信を行う菊月だが・・・・・・やはり彼女からの応答はなく、菊月は力が抜けたようにその場に膝を突いたのだった。

 

「副司令・・・・・・ぐぅ、うぅ・・・・・・。 私は、私は・・・・・・あなたがいないと・・・・・・う、うぅ・・・・・・」

 

そしてその光景を見ていたエックス、メビウスもまた絶句し・・・・・・特にメビウスは・・・・・・光は頭に血が上り、彼は立ち上がって奈々の名を叫ぶ。

 

『奈々・・・・・・奈々あああああああああ!!!!!』

 

メビウスは拳を強く握りしめ、全身を炎をに包まれ、グリーザに向かって突進する。

 

だが、グリーザはそれをあっさりと流れるように躱し、メビウスの背後に回り込むが・・・・・・即座にメビウスも振り返りざまにグリーザの腕を掴みあげる。

 

『捕まえた!! お前だけは・・・・・・許さなあああああああい!!!!』

 

さらにメビウスはグリーザにしがみつき、相手と一緒に自爆する「バーニングメビュームダイナマイト」を炸裂させ・・・・・・メビウスはグリーザ共々爆発。

 

「光さん!!」

 

その後メビウスはメビウスブレスの力により身体を再生させる。

 

最も、この技はメビウス自身にもかなりの負担を与えるため、メビウスは膝を突き・・・・・・既に立つことすらできないでいた。

 

『はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・。 やった・・・・・・のか?』

 

辺りを見回しても、グリーザの姿は見えず・・・・・・遂にグリーザを倒すことが出来たのかとメビウスがそう思った瞬間・・・・・・!

 

『アッハッハ!! フェッフェッフェ!!』

 

まるで、死んでしまった奈々や・・・・・・その死に怒ったメビウス、悲しんだ菊月達を嘲笑うかのように・・・・・・グリーザが突然メビウスの目の前に現れたのだ。

 

『ぐぅ・・・・・・ごめん、奈々・・・・・・』

 

グリーザは胸部から放つ「グリーザダークライトニング」を近距離でメビウスに撃ち込み、直撃を受けたメビウスは大きく吹き飛ばされ・・・・・・姿を消し、光の姿に戻るのだった。

 

「ぐぅ、がはぁ・・・・・・!」

 

元の姿に戻った光が血を吐きながら地面に倒れ込み、もうまともに戦えるのはエックスのみとなってしまった。

 

既にカラータイマーも激しく点滅しており、活動限界も迫っていた。

 

『夜空、君と一緒に戦えて良かった』

「これが最後みたいに言うな。 今できること、やるべきことがある!! それに集中すれば良いんだ!! 時雨との約束を破る訳にもいかないしな。 それに何より・・・・・・仲間の仇を討つんだ!!」

『そうだな。 君は本当に強いな・・・・・・』

「エックスのおかげさ。 行くぞ!! 弔い合戦だ!!」

 

夜空のその言葉にエックスは「あぁ!!」と力強く答え、エクスラッガーを取り出しグリーザに向かって駈け出す。

 

『「エクスラッガー!!」』

 

夜空はエクスラッガーのスライドタッチ3回とブーストスイッチを押し、エクスラッガーを構えたエックスが、そのまま敵にすれ違いざまに繰り出す「エクシードエクスラッシュ」をグリーザに炸裂させる。

 

だが、グリーザはそれすら前方にバリアのようなものを張り巡らせて防ぎ、「分解吸収光線グリーザアブソープション」という技でエックスすらグリーザを取り込もうとする。

 

「うおおおおおおお!!!!!」

 

やがて、エックスはグリーザに取り込まれ・・・・・・それを見た時雨は、目を見開き・・・・・・夜空の名を叫ぶ。

 

「っ、まさかそんな・・・・・・夜空あああああああああ!!!!」

 

また、時雨のすぐ傍には満潮、朝潮が立っており、時雨の叫びを聞き、彼女等は驚きの表情を浮かべる。

 

「まさか司令官が・・・・・・エックス?」

「時雨、アンタ・・・・・・」

『フェッフェッフェ、アッハッハッハ・・・・・・!』

 

エックスを取り込んだグリーザ。

 

しかし、次の瞬間・・・・・・グリーザの様子が一変し、突如身体から火花が散る。

 

「えっ!? なに!? なにが起こってるの!?」

 

その光景に暁は困惑し、グリーザは突然爆発・・・・・・。

 

それはエックスが内部からグリーザを攻撃した為に起こった出来事であり、ここに来てようやくグリーザを倒すことが出来たのだ。

 

そしてその衝撃により・・・・・・飛んで来たエックスのカラータイマーが地面へと突き刺さったのだ。

 

「夜空・・・・・・? 嘘・・・・・・だよね? 夜空ぁ! 夜空ああああああああ!!!!!」

 

悲痛な顔を浮かべながら、時雨はエックスのカラータイマーの元へと駆け寄り、朝潮と満潮もまた彼女を追いかけて彼女を追いかけるのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。