ウルトラマンX  これくしょん   作:ベンジャー

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最終話 『未来へのユナイト』

メビウス・バーニングブレイブ、サイバーゴモラ・時雨アーマーを完封して倒し、エクシードXをも圧倒し、エックスの全てを懸けて放たれた渾身のエクシードエクスラッシュすらも相殺し分解、吸収してしまうが、 同時に体内からのエックスの攻撃を受け、エックス諸共グリーザは爆発四散した。

 

その際、爆発によって吹き飛ばされたエックスのカラータイマーが時雨の目の前に落下し、それが地面に突き刺さる。

 

それを見た時雨は目尻に涙を浮かべ・・・・・・夜空の名前を叫んだ。

 

「夜空ああああああああ!!!!」

 

時雨はすぐにエックスのカラータイマーの元へと駆け寄り、彼女の叫びを近くで聞いていた朝潮、満潮は驚愕した顔を浮かべていた。

 

「提督が・・・・・・ウルトラマンエックス?」

「そんな、嘘・・・・・・」

 

満潮も朝潮も信じられないといった顔を浮かべており、エックスのカラータイマーの元へと駆け寄って来た時雨は恐る恐るカラータイマーに触れる。

 

「夜空・・・・・・」

 

すると、カラータイマーから心臓の音のようなものが聞こえ、時雨は必死に夜空の名前を呼んで訴えかける。

 

「心臓の・・・・・・音? 夜空!! 生きてるの!? 僕の声が聞こえる!!? ねえ、夜空!!」

 

時雨は必死に夜空の名前を呼ぶのだが、カラータイマーからは心臓の心拍音以外なにも聞こえてこず、そんな彼女を朝潮と満潮が落ち着かせるように声をかける。

 

「時雨さん! 落ち着いてください!」

「そうよ! 先ずどういうことなのか説明して! 提督が・・・・・・エックスだったの?」

 

真剣な表情を浮かべてそう尋ねる満潮に、時雨は一度息を大きく吸った後、一気に息を吐き出し・・・・・・満潮の質問に静かに頷く。

 

「この際だから、みんなに話すよ。 もう誤魔化しきれないだろうし・・・・・・」

 

時雨はジオデバイザーを取り出して全員に通信をかけ、全員が彼女の通信に出ると時雨はもう1度深呼吸して一同に夜空がエックスであったことを説明する。

 

「司令官さんが・・・・・・エックスさん?」

「響、アンタは知ってたの? 同じウルトラマンだった訳だし」

 

少しの間とはいえ、一度ウルトラマンになったことのあるヴェールヌイに暁は夜空がエックスだったのを知っていたのかと尋ねるとヴェールヌイは「いや」と首を横に振り否定する。

 

「だが、以前から知っている人物のような感覚はあった。 あの時感じた感覚はそういうことだったのか」

「だけど、司令官はもう・・・・・・」

 

雷はエックスがもう死んでしまったと思ったらしく、彼女は顔を俯かせるのだが・・・・・・即座にジオデバイザーから「夜空はまだ死んでない!!」と時雨の声が入り、時雨はジオデバイザーをカラータイマーの前にかざし、そこから聞こえて来る心拍音を聞かせる。

 

「エックスも、夜空もまだ生きてる!!」

 

それを同じく、通信を聞いていたグルマンが「ふむ」と顎を手に乗せて以前夜空を電脳空間に送り込んだ時のことを思い出し、その時のシステム応用なら・・・・・・と彼は時雨に提案する。

 

『あの時の装置を使い、誰かをエックスの中に送り込めば夜空を救い出せるかもしれん!! だが、理論上はかなり危険な行為だ。 リスクは高い』

「・・・・・・グルマン博士、僕が行きます!!」

 

グルマンの話を聞き、時雨は即座に決断するのだが・・・・・・それを「ちょっと待って!」と満潮が引き止める。

 

心配そうな顔を浮かべる満潮に時雨は笑みを浮かべ、「大丈夫!」と言い放つ。

 

「僕は経験者だ。 きっと今回も上手く行く」

「でも・・・・・・! もっと良い方法が・・・・・・」

「ありがとう、満潮、心配してくれて。 でも時間がないかもしれないし、僕がやらないといけないんだ。 僕がやりたいんだ。 約束する、必ず夜空とエックスを連れて帰るから」

 

時雨のその言葉を聞いても未だに納得できないといった様子の満潮だったが・・・・・・時雨のこういうところは本当に頑固だということは承知しているので彼女は時雨を引き止めるのをやめ、満潮は時雨の背中を軽く叩く。

 

「帰って来なかったら承知しないわよ」

「お気をつけて時雨さん!」

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、時雨は研究所にて。

 

時雨は頭に夜空が以前電脳空間に行く時に使用した「デバイザー」を頭に装着し、ベッドに寝かしてグルマンとその手伝いで来たヴェールヌイ、電が全ての準備を整え・・・・・・何時でも時雨をエックスのカラータイマーの中へ転送する準備が整った。

 

『このアルファX波が限界値を超えたら命の危機だ。 もしそうなりそうになったら私が強制解除を行う。 良いな?』

 

グルマンの説明を受け、時雨はゆっくりと首を縦に振って頷く。

 

「司令官さんとエックスさんを、どうか助けてあげてください、時雨さん」

「うん、任せて」

 

電はギュッと時雨の手を握りしめて彼女と、夜空、エックスの無事を祈り、またヴェールヌイも時雨の肩に手を置いて「頼んだよ」と声をかける。

 

「君たちがケッコンカッコガチして、子供を授かって、家庭を持つまでの過程を私は見たいんでね」

「ちょっ、前回から響はなにとんでもないこと言ってるのさ!? 恥ずかしいよ・・・・・・」

「最近気づいたが君は弄りがいがあるね」

 

顔を赤くする時雨に対し、ニヤニヤとした笑みを浮かべるヴェールヌイ、そんな2人を見て電は思わず苦笑してしまう。

 

「じゃっ、そろそろ行くね?」

『よし! では転送開始!!』

 

そしてグルマンは装置を起動させ、時雨の意識をエックスのカラータイマーの中へと転送し・・・・・・。

 

気づけば彼女は、エックスとユナイトした時に、いつも夜空がいた空間へと飛ばされたのだった。

 

「ここが、エックスの中・・・・・・? 夜空!! 夜空どこ!? いたら返事して!! 夜空ー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、夜空は薄暗い空間にただ1人立っており、彼はエクスデバイザーを取り出してエックスに呼びかけようとするのだが・・・・・・エクスデバイザーは元のジオデバイザーに戻っており、それでも夜空は何度もエックスに呼びかける。

 

「エックス? おい、エックス!!」

 

しかし、エックスからの返事はなく・・・・・・。

 

「っ!?」

 

その時、彼は不意に後ろから誰かの気配を感じ振り返るといつの間にか、辺りはどこかの研究室のような場所に変わっていたのだ。

 

夜空はその光景に戸惑い、訳が分からず困惑してしまう。

 

「今度はなんだよ?」

 

すると、今度は夜空の目の前に自分の母親が現れ、母はビデオカメラを設置して研究の記録を録画しているようだった。

 

「母さん!!? なんで・・・・・・ねえ、母さん!!」

 

夜空は母に声をかけるのだが、聞こえていないのか母は自分の存在に気づいておらず、夜空は母の肩に触れようと手を伸ばすのだが・・・・・・その手はすり抜けてしまう。

 

「私の研究では5年後の地球には生命が発する電波が無かった。 全ての生き物が消滅しているとしか思えませんでした! しかし、これを手に入れて以来微かに、未来の音を受信できたんです!!」

 

そう言いながら母が取り出したのはエクスラッガーに非常に酷似した虹色に光る石像であり、それを見て夜空は目を見開き驚きの声をあげた。

 

「あれは、エクスラッガー!? それに、もしかしてここはあの日の・・・・・・夜?」

 

そこで夜空は状況から察するに、ここにいる母親は本当にそこにいる訳では無く、過去に撮った映像を再生するように・・・・・・両親が消えた光景が今、リアルに再生されているだけなのだと理解した。

 

「やはりこれは、未来に影響しています。 そして・・・・・・」

「何してるんだ!?」

「父さん!?」

 

そこへ丁度、あの時・・・・・・母を助けに行った父親が今この場所へと現れ、父は今すぐ母に外に出て逃げるように言うのだが・・・・・・。

 

「これを見て!! 今日になって光り出したの! 未来の音が、今までで1番ハッキリと聞こえた!!」

 

興奮した様子でそう語る母に父は「一体なにが聞こえたんだ?」と尋ねると母は父の顔を見て笑いかけながら答える。

 

「あれはきっと、夜空の声・・・・・・!」

「父さん!! 母さん!!」

「父さあああん!! 母さあああん!!!」

 

その時、外から5年前の夜空の両親を呼ぶ声が聞こえ、やがて2人はあの日の夜のように・・・・・・光に包まれ徐々に身体が粒子のようになっていく。

 

「この光が、希望・・・・・・」

「父さん、母さん!!」

 

夜空は過去の映像だと分かっていても、思わずその手を必死に伸ばし、2人を行かすまいとするが・・・・・・やはり手は2人をすり抜けてしまい、両親はその場から消え去ってしまうのだった。

 

「・・・・・・っ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、現実の世界では・・・・・・。

 

『フェッフェッフェ!!』

 

エックスと相打ちになってようやく倒されたと思われていたグリーザ第2形態が突如として再生を始め、復活。

 

それを見ていた艦娘達はエックスと夜空が命を欠けてまで倒したと思われていたグリーザがあっさりと復活したことに驚愕し、絶望感にうちひしがれる。

 

「そんな・・・・・・嘘でしょ・・・・・・。 あれだけやって、まだ倒されていなかったっぽい?」

 

夕立ですらグリーザの復活に青ざめ、エックス、メビウス、サイバーゴモラが力を貸してくれても倒せなかった奴が自分達だけで倒せる筈がないと・・・・・・荒潮や菊月など殆どの者が半ば諦め状態で膝を突いており、もはや彼女等には戦う気力すら無かったのだ。

 

だが、そんな中・・・・・・僅かに、この絶望的な状況でも諦めない者がいた。

 

「諦めるな!! グルマン博士!! ハイパーエナジーシールドの起動をお願いします!! 艤装が壊れた者は予備を使え!! 入渠を完了させた者、艤装が壊れていない者は地下通路を使って外に出てきてすぐに戦闘用意!! グリーザの迎撃に当たるんだ!! もう1度言う、みんな・・・・・・諦めるな!! それをやるには、まだ早い!!」

 

そこで立ち上がったのはヴェールヌイだったのだ。

 

彼女は全員にそう呼びかけを行い、そんな彼女に同調するようにヴェールヌイの左右にそれぞれ暁、電、雷が集まる。

 

「中々カッコよく決めるじゃない、響? 凄くレディーっぽいわ!」

「別に・・・・・・。 姉さんが以前私にやってくれたことを私も真似ただけさ」

「せめて、司令官が戻って来るまで時間稼ぎくらいはしないとね!」

「はい! 第六駆逐隊、アッセンブル! ですよね? 響ちゃん?」

 

暁、ヴェールヌイ、雷、電の順でそれぞれがそう喋り、ヴェールヌイは電の言葉に「あぁ」と頷くと暁はザラガスフュージョンを使い、ヴェールヌイ達もそれぞれ艤装を構える。

 

またヴェールヌイの指示に従いグルマンはハイパーエナジーシールドを即座に起動させ、暁達は一斉に砲撃をグリーザに開始する。

 

「そうだな、響の言う通りだ!」

「まだ諦めるには全然早いにゃしぃ!!」

 

そして先ほどのヴェールヌイの言葉を受けて、菊月や睦月・・・・・・他の艦娘達も立ち上がり、再びグリーザと交戦を開始する。

 

『フェッフェッフェ!!』

 

彼女達の砲撃はグリーザに直撃するのだが、グリーザは相変わらず大したダメージを受けておらず、まるで意に返していないようだった。

 

しかし、そこで文月が「あれぇ?」と何かに気づき、首を傾げ・・・・・・それに皐月が「どうしたの?」と尋ねる。

 

「うんっとね~。 なんか、グリーザ・・・・・・攻撃が当たるようになってない~?」

「えっ? あっ!! ホントだ!!」

 

文月の言うように、グリーザは確かにダメージこそ大して受けてはいないのだが・・・・・・今まで弾かれたりすり抜けられていた自分達の攻撃が先ほどと違いちゃんと「直撃」しており、そのことに皐月は訳が分からず頭に疑問符を浮かべる。

 

それはあの時、エックスが繰り出したエクシードエクスラッシュをグリーザが受けた際、グリーザが「エクスラッガー」を吸収してしまったが故だったのだ。

 

エクスラッガーには「思いを形にする力」がある。

 

エクスラッガーのその力によってグリーザは「無」ではなくなり、「存在」するものとなり、攻撃がしっかりと「当たる」ようになったのだ。

 

「なんで攻撃が当たるようになったのか分かんないけど、チャンスだ!! みんな聞いて!!」

 

そして皐月は攻撃が当たるようになったのならばまだ勝ち目はあるかもしれないと思いジオデバイザーの通信機能を使ってそのことをみんなに話そうとするのだが・・・・・・。

 

グリーザは二重螺旋光線「グリーザダブルヘリックス」とい光線を鎮守府の研究所に向かって放ち、ハイパーエナジーシールドは1度目はなんとか耐え抜くのだが・・・・・・グリーザは続けざまに同じ光線をもう1度発射。

 

それにダークサンダーエナジーの力も込められていた為、その影響で研究所に保管してあったスパークドールズ達がカタカタと揺れ始める。

 

「こうなったら!! お願い、力を貸してゴモラ!!」

『サイバーゴモラ、ロードします』

 

そこで村雨がサイバーゴモラのカードをジオデバイザーに装填させるとジオデバイザーからサイバーゴモラのスパークドールズが出現し、彼女はサイバーゴモラをリードさせて実体化させる。

 

『リアライズ!』

 

そして村雨は「電脳怪獣 サイバーゴモラ」を実体化させ、彼女はサイバーゴモラに向かって叫ぶ。

 

「ゴモラ!! 提督がピンチなの!! 力を貸して!!」

 

サイバーゴモラは村雨の言葉に「こくん」と頷き、サイバーゴモラは雄叫びをあげながらグリーザに向かって立ち向かう。

 

「グルアアアアア!!!!」

「みんな!! ゴモラを援護だ!!」

『了解!!』

 

菊月が一同にサイバーゴモラの援護を命じ、グリーザに砲撃を開始する中・・・・・・不意に菊月は背後から気配を感じ、主砲を構えて振り返るとそこには・・・・・・。

 

「よっ! なんか大変なことになってんなぁ!」

 

そこには傷だらけの光に肩を貸しているレ級の姿があった。

 

「レ級!? お前、なんでここに!? それに光さん!? どうしたんですかその怪我!?」

「いやぁー、なんかお前等のとこ遊びに来た道中でこいつ倒れてる上にえらいことなっててビックリこいたよ」

「菊月・・・・・・僕も戦うよ」

 

光はレ級から離れると彼は自分もグリーザに立ち向かおうとメビウスブレスを出現させようとするのだが・・・・・・。

 

それをメビウスに止められる。

 

『光さん!! これ以上変身して戦ったら、僕は兎も角あなたの身体が持ちません!!』

「かもね。 メビウス、それでも僕は・・・・・・奈々を殺したあいつを絶対に倒さないといけないんだ。 これ以上、誰も犠牲にしない為にも! 仲間を守りたいんだよ!!」

「お、おい、あいつなに1人でブツブツ言ってんだ? 怪我のせいでなんか変な幻覚でも見てんじゃねーの?」

 

メビウスとの会話は他の人物には聞こえないため、不審な目を向けるレ級だが・・・・・・菊月にはとてもそんな風には見えず、彼女はレ級に「黙ってろ」と言って光の様子をもう少しだけ伺う。

 

「僕自身はどうなっても良い!! 僕が死にかけたら・・・・・・メビウスは僕と分離してくれ。 これが僕にとって最後の戦いになるなら・・・・・・。 最後の僕の我儘を、聞いてほしい」

『光さん・・・・・・分かりました。 でも、光さんを死なせはしません!!』

 

メビウスは光の覚悟を感じ取り、光はメビウスの言葉に頷くと彼は左腕を構えてそこから「メビウスブレス」を出現させる。

 

「あれは・・・・・・メビウスと同じ・・・・・・。 じゃあ、光さんが・・・・・・メビウス?」

「今まで黙っていてごめんね? 菊月」

 

光は申し訳無さそうに菊月に謝ると彼は左腕を掲げ、「ウルトラマンメビウス」へと変身する。

 

「メビウース!!」

 

メビウスとなった光はすぐさまグリーザにサイバーゴモラと共に戦いを挑み、立ち向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、時雨は必死に夜空の名を叫びながら彼の姿を探すのだが・・・・・・幾ら呼んでも、探しても返事もなく姿も見えず、彼女はどうすれば良いのか・・・・・・分からず頭を抱えてしまう。

 

「夜空、どこなの・・・・・・? お願いだよ、返事してよ・・・・・・」

 

顔を俯かせ、暗い表情を浮かべる時雨。

 

そんな時、彼女の目の前に1筋の光が現れ・・・・・・彼女はその光の元まで歩いて行くとそこにあったのは「エクスラッガー」だったのだ。

 

「これは・・・・・・」

 

時雨はエクスラッガーを手に取り、それをジッと見つめる。

 

また、一方で夜空はというと・・・・・・彼は時雨がいる場所とは違う薄暗い場所を途方もなく歩きながらエックスを探していたのだが・・・・・・。

 

エックスの姿は見えず・・・・・・。

 

また彼は徐々に自分の身体が薄くなっていくのに気づき、身体から力が抜けていくのを感じた。

 

「エックス? どこにいるんだ・・・・・・? うっ・・・・・・」

 

夜空はそのまま倒れ込み、既にまともに動くことができないでいた。

 

「・・・・・・時雨・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『セア!!』

「ギシャアアアアア!!!!」

 

サイバーゴモラ、メビウスが同時に拳を叩き込むのだが・・・・・・グリーザは全くダメージを受けておらず、両手を振るってその爪でサイバーゴモラとメビウスを斬りつける。

 

『ウア!?』

「グル!? ガアアアアア!!!!」

 

サイバーゴモラは身体を回転させて尻尾をグリーザに叩きこむのだが、やはりグリーザには攻撃が当たるようになったと言えどダメージを与えることができず、グリーザはサイバーゴモラに掴みかかると膝蹴りをサイバーゴモラに叩きこんだ後、回し蹴りを喰らわせる。

 

『フェッフェッフェ!! アッハッハッハ!!』

『シュア!!』

 

メビウスブレスから出した光の剣「メビュームブレード」をメビウスがグリーザに向かって振りかざし、グリーザを何度も斬りつけるのだが、グリーザはノーガードでそれらを全て受け斬り、もう1度メビウスはブレードを振るって斬りかかって来るとグリーザはそれを右手で掴みあげる。

 

『フェッフェッフェ!!』

 

そのままグリーザは左手でブレードを叩き折り、目から放つ「グリーザビーム」を放って直撃させ、メビウスを吹き飛ばす。

 

『ウアアアアア!!!!?』

 

地面を転がり、倒れ込むメビウス。

 

だが、それでもメビウスはフラつきながらもなんとか立ち上がり、バーニングブレイブへと強化変身。

 

そしてメビウスは炎のエネルギーを胸の部分に集中させて、巨大な火球を敵に放つ「メビュームバースト」をグリーザに向かって発射。

 

『ハアアアア、セアアアア!!!!』

 

メビュームバーストは見事グリーザに直撃し、爆発したのだが・・・・・・。

 

爆発の炎が張れると膝を突いているだけで未だに健在のグリーザの姿があり、それにメビウスは驚いた様子を見せる。

 

立ち上がったグリーザはメビウスに反撃しようとするのだが、そうはさせまいとサイバーゴモラが突進攻撃を背後から繰り出し、攻撃を受けるのだがグリーザは多少よろめく程度で振り返りざまに腕を振るってサイバーゴモラを殴り飛ばす。

 

『サイバーレイロンス、ロードします』

『サイバーブラックキング、ロードします』

 

そこへメビウスとサイバーゴモラを援護するためサイバー怪獣のエネルギーを込めた光線を放つ皐月と朝潮。

 

光線はグリーザに直撃するが、やはりグリーザに大したダメージを与えることができず、グリーザはサイバーゴモラに掴みかかって持ち上げるとそのままメビウスの方へと放り投げる。

 

「グアアアアア!!!!?」

『シェアアアア!!!?』

 

メビウスとサイバーゴモラの2体は倒れ込み、それでも尚メビウスもサイバーゴモラも立ち上がるのだが・・・・・・グリーザは胸部から放つ「グリーザダークライトニング」をサイバーゴモラとメビウスに放つ。

 

それをサイバーゴモラはメビウスを押し退かして鎮守府を守るようにして立ち塞がり、攻撃を受け・・・・・・サイバーゴモラは消滅。

 

「グルル・・・・・・ギシャアアアア!!!!?」

『ゴモラ!!』

 

グリーザの光線はそのままサイバーゴモラが身を挺して守ろうとしたのも空しく真っ直ぐ鎮守府に向かい、張ってあったハイパーエナジーシールドはその攻撃を受けて遂に耐えきれず破壊されてしまう。

 

『マズい!! 時雨をここから連れ出さなければ!!』

 

流石にこのままではマズいと思ったのか念のために護衛として待機させていた満潮に時雨を連れ出すように命じ、それを受けて「了解!」と敬礼する満潮。

 

「でも、グルマン博士は・・・・・・!?」

『私はここでスパークドールズ達を守る!! 早く連れて行け!! 良いか!? 時雨を守r』

 

だが、その直後にグリーザの放った光線がグルマンを飲み込み、それを見た満潮は目を見開き悲痛の声をあげた。

 

「グルマン博士!! そんな・・・・・・そんな・・・・・・!! ぐっ・・・・・・!」

 

その光景に唖然とする満潮・・・・・・だが、彼女はすぐにグルマンから最後に頼まれたことを思い出し、彼女は高ぶる感情をグッと抑え込んで時雨を外へと運び出すのだった。

 

満潮と時雨が脱出する頃には、既に研究室が殆ど破壊され・・・・・・さらにはグリーザの放った光線の影響により、凶暴化したEXゴモラやツルギデマーガが出現。

 

「グルアアアア!!!!」

「ギシャアアアア!!!!」

 

そしてグリーザは巨大な白い手のようなものを出現させ、次々に実体化した怪獣達やまだスパークドールズのままの怪獣達を一気に取り込んでいき、最後にはEXゴモラをも吸収してしまうのだった。

 

『アッハッハッハ!! ヒッハッハッハ!!』

 

するとグリーザの姿に変化が起き、「思いを形にする力」を持つエクスラッガーを取り込んでしまったことが原因でグリーザには「取り込んだものを無に変換する」能力がなくなり、吸収したスパークドールズは無に変換させることが出来ず体の中にため込んでしまう。

 

その結果・・・・・・グリーザは新たな姿へと変化したのだ。

 

体中に突起物を備えた荘厳な魔人の様な姿・・・・・・「第三形態」へとグリーザは変貌。

 

『フェッフェッフェッフェ!!』

 

グリーザは徐々に満潮や時雨・・・・・・エックスのカラータイマーのある場所へと近づき、満潮は時雨を守るように主砲を構える。

 

「時雨にも、司令官にも・・・・・・アンタに手は出させない!!」

「勿論だ!! 司令官、時雨、エックス・・・・・・これ以上奪わせはしない!!」

 

そこへ菊月を始めとして暁、ヴェールヌイ、電、雷、暁、朝潮、荒潮、満潮、睦月、如月、文月、菊月、皐月、村雨、夕立、レ級が駆けつける。

 

「ここから先は、絶対に行かせないっぽい!!」

「虚無だかなんだか分からないけど、悪い子にはお仕置きよ~!」

「私もきくりん達には借りもあるし、手伝ったちゃうよ~!」

 

夕立、荒潮、レ級が先陣を切って主砲を構え砲撃をグリーザに繰り出し、他のメンバー同様にグリーザをこれ以上近づけさせないよう・・・・・・せめて時雨が夜空とエックスを連れ戻すまでの時間を稼げるように砲弾を彼女達はグリーザに向かって撃ち続ける。

 

「怪獣達、私達に力を貸して!!」

 

朝潮その言葉を合図に、一同はサイバー怪獣のカードをジオデバイザーにリードしてサイバー怪獣のエネルギーを宿した光線を一斉にグリーザに放つ。

 

だが、直撃こそしているもののグリーザにやはり大したダメージは与えられず、一同は歯がゆい表情を浮かべる。

 

そこへメビウスが跳び蹴りをグリーザに繰り出して来たのだがグリーザは腕を振るってメビウスを払いのけ、ついでに吸収した「宇宙恐竜 ゼットン」の能力、「一丁度の火球」をメビウスに喰らわせる。

 

『ゼットーン!』

『ウグアアアア!!!!?』

 

続けてグリーザは「宇宙忍獣 Xサバーカ」の能力である右腕から発射する小型爆弾「小Xサバーガ」を発射し、メビウスの身体に貼り付けて爆発させる。

 

『ウアアアアア!!!!?』

 

攻撃を受け、メビウスはその場に倒れ込んでしまう。

 

『ぐっ・・・・・・!! もう1度バーニングメビュームダイナマイトが使えれば・・・・・・!!』

 

弱っている状態で無ければグリーザが実体化している今、バーニングメビュームダイナマイトで倒せるかもしれないのにとメビウスは考え、メビウスは悔しそうに地面を殴る。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、時雨はというと・・・・・・。

 

彼女はエクスラッガーを手に持ったまま、きっとどこかにいるであろう夜空に必死に呼びかけていた。

 

「夜空!! 僕の声、聞こえてる? 夜空はいつも、僕や・・・・・・みんなのこと、守ってくれてたよね? エックスが来てからは一緒に戦ってくれたりもした!! だから、今度は僕が・・・・・・夜空を助けたい!!」

 

時雨は目尻に涙を浮かべながら・・・・・・エクスラッガーを胸に抱きながら必死に夜空に呼びかけ、さらに言葉を続ける。

 

「だから、どうか・・・・・・返事をして欲しい!! だって、夜空にはまだやり残したことあるでしょ? 怪獣達と共に生きる未来を作りたいんじゃなかったの!? 僕は・・・・・・僕は君と一緒にその夢を追いかけたい!! どんな夢も、未来がないと叶わないんだよ!? 今立ち向かわないと、未来なんて来ないんだよ!!」

 

そんな彼女の声が僅かに届いたのか・・・・・・別の場所で倒れていた夜空の身体がピクリと動く。

 

「・・・・・・時雨」

 

一方で現実世界で満潮とヴェールヌイが時雨の限界値が近いことに気づき、強制的に装置を止めようとするのだが・・・・・・。

 

「マズい!! 時雨も限界だ!! 急いで止めないと!!」

「分かったわ!!」

 

ヴェールヌイに言われ、装置を止めようとする満潮だったが・・・・・・それを拒むかのように・・・・・・時雨が満潮の腕を掴んで引き止める。

 

「時雨!?」

 

そして時雨は泣き出しそうになるのを堪えながら、彼女は夜空に訴え続ける。

 

「また一緒に、クリスマスにデートしようよ!! また夜空の為にお弁当も作ってくる!! また一緒に星空を見上げたい!! また僕や夜空、みんなと色んなことをしたい!! また夜空に僕の頭を撫でて欲しい!! また君やゴモラと一緒に過ごしたい!! また・・・・・・また・・・・・・!!」

 

彼女は唇を噛み締め、両手を強く握りしめ・・・・・・最後に一言、夜空に向かって叫ぶ。

 

それと同時に、夜空もまた重い身体を起き上がらせようと上半身をなんとか起こす。

 

「一緒に無茶な夢を追いかけよう!! だから帰って来て!! 夜空ぁ!!」

 

その瞬間、時雨の持っていたエクスデバイザーが眩い光を放つ。

 

「しぐ、れ・・・・・・しぐれ・・・・・・時雨!!!!」

「っ!? 夜空・・・・・・?」

 

不意に自分の名を呼ぶ夜空の声が聞こえ、突然目の前に虹色の光の柱が彼女の前に現れるとその中から夜空が姿を現したのだ。

 

それと同時に、エックスのカラータイマーに僅かに光が・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現実世界では・・・・・・グリーザを時雨やエックスのカラータイマーに近づけさせまいと艦娘達の応戦が未だに続いていたのだが・・・・・・。

 

グリーザは彼女達の放つ光線のエネルギーを全て吸収。

 

さらにグリーザは巨大な光弾を放つ為のエネルギーをチャージ。

 

「そんな・・・・・・攻撃が吸収された!?」

「攻撃が当たるようになっても・・・・・・これじゃ・・・・・・!」

 

如月と皐月が弱音を吐き、メビウスも身体へのダメージが深刻でもはや立ち上がることすら困難。

 

殆どのメンバーが今度こそ本当にダメなのかと諦めかけたその時・・・・・・。

 

「攻撃の手を緩めちゃ、ダメですよ皆さん!!」

『ウルトラマンの力を、チャージします』

 

戦闘BGM「Xの戦い」

 

ウルトライザーによる光線がグリーザのチャージ中の光弾に直撃し、それに一同が振り替えるとそこにはボロボロで頭から血を流しながらも、ウルトライザーを構えて笑みを浮かべていた奈々の姿があったのだ。

 

「副・・・・・・司令・・・・・・!?」

 

それに菊月は目を見開き・・・・・・さらにそこへ・・・・・・。

 

「俺達を忘れるなぁ!!」

「マスケッティ、リジェクト!!」

 

行方不明となっていたタカトとリョーガの乗っていたスペースマスケッティがグリーザに光弾を撃ち込みながら地球へと帰還し、ジオアラミスとジオマスケッティを分離させ、分離したジオマスケッティはグリーザのチャージ中の光弾に直撃し、光弾を打ち消すことに成功。

 

「あ~あ、勿体ない・・・・・・」

「着陸するぞ、リョーガ」

 

ジオアラミスをタカトは着陸させ、ウルトライザーを構えて2人はみんなの元へと駆けつける。

 

「ちょっと、3人共どこ行ってたのさ~!?」

 

睦月が頬を膨らませながらタカト、リョーガ、奈々の3人に文句を言い、リョーガは照れ臭そうにしながら「すまない」と謝罪する。

 

「あの後、気づいたら月の裏側で迷子になっていてね~」

「私は爆発の衝撃で脱出装置が誤作動でも起こしたのか、物凄い勢いで吹っ飛ばされましてね。 今まで木の枝に引っかかって気絶してたんです。 いやー、あの爆発で生きてるって私運良すぎですねー」

 

つまり、あの時奈々が脱出してないように見えたのは「物凄い勢いで見えなかった」からであり、奈々は「アハハハハ」と呑気に笑っていると顔を俯かせた菊月から無言の腹パンを喰らわせられる。

 

「ぐふっ!?」

「なに呑気に・・・・・・!! 呑気に笑ってる!! 私がどれだけ・・・・・・どれだけ・・・・・・!!」

 

身体を震わせながら・・・・・・次の瞬間には菊月は奈々に抱きつき、それに奈々は一瞬戸惑ったものの彼女は笑みを浮かべながら菊月を抱きしめて頭を撫でる。

 

「私が鎮守府の可愛い娘達残して死ぬ訳ないじゃないですか! 特に・・・・・・菊月ちゃんを置いては行きませんよ?」

「・・・・・・このクソ野郎・・・・・・!」

「えっ、この状況で罵声?」

 

目尻に涙を溜めて顔を赤くしつつ、その顔を見られまいと菊月はそそくさと奈々から離れると彼女は再びグリーザの方へと顔を向ける。

 

「アンタ等、イチャつくのは後にしてみんなで司令官達を守り抜くわよ!! きっとあともう少しの筈!!」

「誰もイチャついてなんかいないが、了解した!」

 

満潮の言葉に菊月が頷き、一同は再びグリーザに攻撃を開始する。

 

『奈々・・・・・・生きて・・・・・・たんだ。 良かった、良かった・・・・・・ホントに!!』

『彼女達が頑張ってるのに・・・・・・、僕達が立ち上がらない訳には、行きませんよね、光さん!!』

『あぁ!!』

 

そしてメビウスも再び立ち上がり、艦娘達と共にグリーザへと立ち向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、夜空は時雨は・・・・・・。

 

「時雨・・・・・・」

「夜空・・・・・・」

 

時雨は泣き出しそうな顔を見せながらも、彼女は笑みを浮かべつつ、夜空に抱きつき・・・・・・夜空もまた彼女を強く抱きしめた。

 

「ごめんな。 また、約束破りそうになった」

「別に良いよ。 だって、君がどこかに行ってしまいそうになったら・・・・・・僕が、絶対見つけ出すから、連れ戻すから」

「ありがとう。 俺を見つけてくれて。 時雨の想いが、俺を呼び戻してくれたんだ」

 

その時、夜空のジオデバイザーが金色に光輝き、それを夜空が手に取る。

 

「そうか、エックスもずっとここにいる! 俺の想いと共に!! エックスと共に過ごして来た記憶が、育んで来た絆が全て俺の中に刻まれてる!!」

「夜空・・・・・・」

 

時雨は静かに夜空の名を呼び、彼は時雨に対して頷くとそこで時雨の意識が現実世界へと戻され、彼女は素早く起き上がってベッドから降りてエックスのカラータイマーを見つめる。

 

「時雨!!? 帰って来たの!? 司令官は・・・・・・!」

「暁・・・・・・。 夜空は・・・・・・エックスは、帰って来るよ!!」

 

そして夜空はジオデバイザーに・・・・・・エックスに向かって呼びかけ続ける。

 

「エックス、帰って来てくれ!! もう1度、もう1度繋がろう!! 俺とユナイトしてくれ!!」

 

すると、夜空の持つジオデバイザーが光輝き・・・・・・金色の「エクスデバイザー」へと変化したのだ。

 

「エックス!!」

『夜空!! 君たちの記憶が、想いの強さが・・・・・・私を蘇らせてくれたんだ!! ありがとう!!』

 

それに夜空は笑みを浮かべ、頷く。

 

「行こう、エックス!!」

『あぁ、行こう夜空!!』

「『ユナイトだ!!』」

 

エクスデバイザーの上部のボタンを押し側面のパーツをX字に展開したXモードに変形させるとエックスのスパークドールズが出現、それをリードさせた後、夜空はエックスデバイザーを掲げる。

 

『ウルトラマンエックスと、ユナイトします』

「エックスーーーーーーー!!!!!」

『エックス、ユナイテッド!』

『イィィッサァァァァ―――ッ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜空は「ウルトラマンエックス」へと変身し、復活。

 

エックスは大地へと降り立ち、それを見て時雨はエックスに向かってサムズアップ。

 

それにエックスは頷きながらサムズアップを返し、メビウスの元まで行くと右手をかざしてメビウスにエネルギーを分け与える。

 

「まだやれますよね? 光さん!! メビウス!!」

『夜空・・・・・・お帰り』

『勿論だよ、エックス!!』

 

またエックスが復活する光景を見てリョーガは一言ぼそりと呟く。

 

「やはり、愛の力っていうのどんなに強力な武器よりも強力だね~」

 

夜空はエクスラッガーを取り出し、エックスは「エクシードX」へと強化変身。

 

『「エクスラッガー!!」』

 

メビウス、エックスの2人はグリーザを挟み込むようにしてグリーザに攻撃を仕掛けるのだが・・・・・・ダークサンダーエナジーの影響を受けたジラースの能力「体内放射」を使い、2人のウルトラマンを吹き飛ばす。

 

『『ウア!!?』』

 

それでもなんとか攻撃を仕掛けようとエックスはジャンプしてエクスラッガーをグリーザに振り落とすのだが・・・・・・。

 

『キュイイイイ!!!!』

 

グリーザは「エレキング」の電撃を放って撃墜し、倒れ込んだエックスに向かってグリーザが迫ってくるがそこへメビウスが割って入り、グリーザに何度も拳を叩き込む。

 

だが、グリーザはそれを物ともせず腕を振るってメビウスを殴り飛ばし、立ち上がってエックスの振るったエクスラッガーも片腕で受け止めた後、押し返して両手をエックスに突きつけてゴモラの「超振動波」を放ち、エックスを吹き飛ばす。

 

『デュアアアア!!!!?』

「今のは・・・・・・ゴモラの超振動波!?」

『それだけじゃない、他の怪獣達の技を・・・・・・奴は使っている・・・・・・!』

 

グリーザはエックスに向かって駈け出し、それに対抗するようにエックスもまたエクスラッガーを構えながら繰り出す突進斬り「エクシードエクスラッシュ」を繰り出す。

 

『「エクシードエクスラッシュ!!」』

 

だが、グリーザはそれを両腕を振るってあっさりと跳ね返し、エックスは岩山に激突し、エクスラッガーも手から離れて地面に突き刺さる。

 

さらにゼットンの火球をグリーザは倒れ込んだエックスに向かって次々に撃ち込む。

 

『ウグアアアア!!!!?』

「皆さん!! エックスの援護を!!」

 

そこで奈々が指示を出し、一斉にグリーザに攻撃を加えるのだが・・・・・・グリーザはエレキングの電撃を放ち、奈々達を吹き飛ばす。

 

『きゃああああ!!!?』

 

即座にグリーザは倒れ込んだエックスに向かって掴みかかり、「暗殺怪獣 グラール」の能力を使ってエックスのエネルギーを吸収。

 

『ウグアア!!?』

 

そのエネルギーを利用し、黄金の熱線を零距離でグリーザはエックスに撃ち込む。

 

『デヤアアアア!!!!?』

 

続けざまにグリーザは何発もゴモラの超振動波をエックスに放ち、メビウスはエックスを助けようとグリーザに掴みかかるのだが・・・・・・グリーザは背中から熱線を発射しメビウスにダメージを与えながら引き離す。

 

『グウウウ!!?』

「光さん!! メビウス・・・・・・!! ゴモラ、そこにいるんだろ? 俺の声が聞こえるだろ!?」

 

夜空はグリーザの攻撃を受けながらも、グリーザの中にいると思われるゴモラに呼びかける。

 

「この地球で、共に生きるんだ!! 思い出してくれ!!」

「夜空が・・・・・・ゴモラに呼びかけてる・・・・・・」

 

また、時雨は夜空がゴモラに呼びかけていることを不意に感じ取り彼女もまたゴモラに必死に声をあげ呼びかける。

 

「ゴモラ!! 夜空の声を聞いて!! 抗うんだ!! グリーザなんかに、負けるな!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時のことである。

 

突然、グリーザの足下が爆発したのだ。

 

それによってグリーザのバランスを崩し、その隙を狙ってエックスはグリーザから離れることに成功。

 

「へへっ、弁慶の泣き所ってね!!」

 

それはいつの間にかグリーザのすぐ傍まで接近していたレ級による砲撃であり、菊月は「あいついつの間にあんなところに・・・・・・」と驚いていた。

 

またエックスがグリーザから離れると同時にメビウスが地面に突き刺さったエクスラッガーを手に取り、レ級の攻撃によってフラついたグリーザの一瞬の隙を突き、エクスラッガーをグリーザの胸部に突き刺したのだ。

 

『セアアアア!!!!』

 

それによる効果か・・・・・・、ゴモラの声が・・・・・・夜空の耳に届いた。

 

「ギシャアアアアアア!!!!!」

「ゴモラ!!」

『応えているんだ。 君の、夜空の声に!!』

 

するとエクスラッガーがグリーザの中に取り込まれ、エックスが通常形態に戻ると突然グリーザの様子がおかしくなり、身体から無数の光が溢れ出たのだ。

 

『なんだ!?』

 

その光はグリーザによって取り込まれたスパークドールズの怪獣達であり、怪獣達はエックスのカラータイマーの中へと入っていく。

 

『これは・・・・・・怪獣達、私に力を貸してくれるのか!?』

「みんな・・・・・・」

 

そしてそれを見て何が起こっているのか・・・・・・察したリョーガは丁度こちらに戻って来たレ級にあることを尋ねる。

 

「レ級くん、少し尋ねたいのだが・・・・・・前に君に頼んでいたもの用意してくれていたかな?」

「んっ? あぁ、あるよ!! アンタに渡されてたデバイスに私や私の仲間の深海棲艦の一部のデータ・・・・・・ちゃんと入れといた!! まぁ、一部『信用できない!』って拒否ってる奴もいたけどね」

「少しでもあるなら十分だ!! そのデータを全てエックスに転送するんだ!! まだ実戦段階ではないが・・・・・・今ならデータだけでもエックスの力になる筈だ!!」

 

リョーガの言っている意味は分からないが・・・・・・レ級は首を傾げながらも言われた通り、預かっていたジオデバイザーを取り出してデータをエックスに転送。

 

またリョーガも・・・・・・全ての「艦娘」のデータをエックスへと転送する。

 

「これは・・・・・・怪獣だけじゃない、艦娘や深海棲艦の力も・・・・・・!! みんな、一緒にユナイトだ!!」

 

怪獣、艦娘、深海棲艦、その幾つものサイバーカードが、エクスデバイザーに次々に装填され、エックスにゴモラアーマーの胴体、右肩にレ級の尻尾に装着された主砲、エレキングアーマーの左肩、さらに左腕にはベムスターアーマーの盾、左手にグビラアーマーのドリル、右手にはゼットンアーマーの腕、両肩の上に時雨アーマーの主砲、背中には夕張アーマーの艤装が次々と装着された姿へと変わったのだ。

 

最後に、エックスは右手にエクスラッガーを持ち、エックスと夜空の2人は叫ぶ。

 

『「アルティメットハイブリットアーマー!! アクティブ!!!!」』

 

怪獣、艦娘、深海棲艦・・・・・・それらの力を全て合わせた究極の姿・・・・・・「ウルトラマンエックス アルティメットハイブリットアーマー」がここに誕生した。

 

挿入歌「Unite 〜君とつながるために〜」

 

『後は、任せたよ』

 

それだけを言うとメビウスはその場から消え去り、その言葉にエックスと夜空は頷く。

 

『メビウス・・・・・・!』

「あぁ、任せてくれ!!」

 

グリーザは目から放つグリーザビーム、頭部からの渦巻状光線グリーザボルテックス、二重螺旋型光線グリーザダブルヘリックス、胸部から発射する黒い稲妻グリーザダークライトニングを一斉にエックスに向かって発射するが・・・・・・。

 

エックスは全てベムスターの盾で吸収し、そのままそっくり光線を撃ち返し、グリーザは自分の技が全て直撃し、大きく後退する。

 

それでもなんとか反撃しようとグリーザは殴りかかるのだが、ゼットンの腕で拳を受け止められ、エックスはグビラのドリルを回転させてグリーザの身体に突き刺す。

 

『シェア!!』

『フェッフェッフェ!!』

 

さらにそのままエックスはゴモラの爪でグリーザを切り裂くと時雨、夕張、レ級の主砲から砲弾を何発も発射して攻撃し、グリーザは身体から火花を散らす。

 

『デヤアアアアア!!!!』

 

エックスはすれ違いざまにエクスラッガーでグリーザを斬りつけ、グリーザはすぐに振り返ってエックスに反撃しようとグリーザビームを放つがエックスの胸部に吸収され、ゼットンの波状光線を発射してグリーザに直撃させ、ダメージを与える。

 

『アッハッハッハ!! アッハッハッハ・・・・・・!!』

 

そこからエックスはエレキングアーマー肩から電撃の鞭を出してグリーザを拘束し、身体を横に高速回転させながらフルスイングして投げ飛ばす。

 

『ヒハハハハ!! ヒハハハハ!!』

 

それを受けてグリーザは地面へと倒れ込み、なんとか立ち上がるが・・・・・・。

 

「行くぞみんな!!」

 

そしてエックスは最後の一撃を放つ為、両腕を左側へいったん振りかぶってから胸部から放つ最大の必殺光線を・・・・・・エックスは放つ。

 

『デヤアアアア・・・・・・!!』

「『ハイパーウルティメイト!!!! ザナディウム!!!!』」

 

「ハイパーウルティメイトザナディウム」がグリーザに直撃し、グリーザは笑い声のような不気味な声をあげながら・・・・・・倒れ、大爆発したのだった。

 

『アハ、アハハハハハ!!!!! ハハーーーーーー!!!!』

 

遂にグリーザを今度こそ完全に倒し、エックスはアーマーを解除。

 

それを見て時雨達は「やったあああああああ!!!!」と大喜びしてはしゃぐ。

 

「・・・・・・ゴモラ」

 

夜空はゴモラのスパークドールズを見つめ、また周りにいる怪獣達や艦娘、深海棲艦のサイバーカードを見つめる。

 

『やったな、夜空!』

「あぁ、みんな、ありがとう!! 艦娘も、深海棲艦も、怪獣も・・・・・・」

「よく頑張ったわね、夜空!」

「えっ?」

 

その時、夜空の目の前に・・・・・・突然自分の両親が姿を現したのだ。

 

「良い仲間を持ったな」

「これからも、仲間を大切にするのよ」

 

両親のその言葉に、夜空は笑みを浮かべて頷くのだった。

 

「・・・・・・勿論だよ、父さん、母さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

その後・・・・・・。

 

『ぶはぁ~!!』

 

半壊した鎮守府の瓦礫の中からグルマンが瓦礫を押し退かして飛び出し、「死ぬかと思った~!!」と咳き込みながら鎮守府の外に出てきたのだ。

 

「グルマン博士!?」

 

そのことにヴェールヌイや満潮が驚くが・・・・・・そこでグルマンが彼は夜空がこちらに向かって歩いて来ていることに気づく。

 

『おぉ!! 提督、無事だったか!?』

「いや、グルマン博士こそ無事だったのか!?」

 

ヴェールヌイと満潮はグルマンの元へと駆け寄り、また他のメンバーは夜空の存在に気づくと一同は彼の周りに急いで集まる。

 

「夜空・・・・・・」

 

特に時雨は誰よりも早く、真っ先に夜空の元に駆け寄り、夜空はうっすらと笑いながら彼女の頭を撫でる。

 

「んっ・・・・・・♪」

「時雨・・・・・・みんな、ありがとう。 みんなのおかげで・・・・・・」

 

夜空がそこまで言いかけた時、ヴェールヌイが夜空の手に持っていたエクスデバイザーを取り上げる。

 

「いやはや、まさかエックスが司令官のデバイスの中にいたとは・・・・・・私も少しの間とはいえウルトラマンだったのに気づかなかったよ」

 

すると今度はタカトがデバイザーをヴェールヌイから取り・・・・・・。

 

「はっ? いや、ちょっと待てどういうことだ!? なぜエックスが・・・・・・」

「そう言えばタカトは知らなかったね~」

「んっ? お前は知ってたのかリョーガ!?」

 

タカトとリョーガはそんな会話を繰り広げ、すると今度は村雨がエクスデバイザーをタカトから取ってエックスに話しかける。

 

「ねえエックス、次は私とユナイトしましょ♪」

『是非とも!!』

「オイコラ」

 

夜空は村雨からデバイザーを奪い返し、一同に落ち着くように指示する。

 

「みんなには後で最初からちゃんと説明する!! 取りあえず先ずは・・・・・・鎮守府の損害の確認と、後片付けだ!!」

「えっ、今から!? 少し休もうよ~」

 

夜空のその言葉を聞いて皐月はその場に座り込むが、そんな皐月を文月と如月、レ級が立ち上がらせる。

 

「文句は言わないでやりましょ? 皐月ちゃん?」

「そうよ~、こういうのは早い方が良いんだから!」

「そうそう、私も手伝うからさ~」

 

また、そんな彼等の光景を遠目から光が眺めており、みんながまだまだ元気そうなところを確認すると身体の痛みを堪えながら、その場を立ち去ろうとする。

 

「光!!」

 

だが、そこへ光を奈々が呼び止めたのだ。

 

「そんな身体で、どこにも行かせませんからね? 傷の手当てくらいはさせてくださいよ!! 光も、頑張っていたみたいですし」

「・・・・・・それじゃ、お言葉に甘えようかな?」

「素直でよろしい」

 

光は少し考え込んだ後、奈々の言葉に甘えることにし、彼女に腕を掴まれて引っ張られるのだった。

 

「ちょっ、痛い痛い痛い!! 強く引っ張りすぎ!?」

 

そして一同が鎮守府の後片付けを始める中、途中で夜空は一度立ち止まりエックスに声をかける。

 

「エックス、最高のユナイトだったな!」

『あぁ!!』

 

するとそこへ時雨が「夜空!」と彼の名前を呼びながら駆け寄り、そっと夜空の手を彼女は指を絡めるようにして繋ぐ。

 

「夜空、大好きだよ!!」

「俺もだ、時雨」

 

満面の笑顔の時雨に釣られるように、夜空も満面の笑みを浮かべ、2人は手を繋いだまま鎮守府へと歩いて行く。

 

『2人とも、空を見てみろ』

 

そこでエックスが2人に声をかけ、夜空と時雨が空を見上げるとそこには太陽の周りを囲むように、虹がかかっていたのだった。

 

「雨が止んだって・・・・・・ことかな?」

「だね!」




ウルトラマンエックス アルティメットハイブリットアーマー
ゴモラアーマーの胴体、右肩にレ級の尻尾に装着された主砲、エレキングアーマーの左肩、さらに左腕にはベムスターアーマーの盾、左手にグビラアーマーのドリル、右手にはゼットンアーマーの腕、両肩の上に時雨アーマーの主砲、背中には夕張アーマーの艤装がエックスに装着された姿。
弱体化したとはいえグリーザ第3形態を圧倒する戦闘力を発揮し、ゴモラ、エレキング、ベムスター、ゼットン、グビラ、レ級、時雨、夕張の力を使用していたが設定上他の怪獣、深海棲艦、艦娘の力も使用可能である。
必殺技は全てのエネルギーを放出して放つ「ハイパーウルティメイトザナディウム」








劇場版 ウルトラマンX これくしょんへと続く

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