ウルトラマンX  これくしょん   作:ベンジャー

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金属生命体アルギュロス
異次元超人 巨大ヤプール
幻覚宇宙人 メトロン星人
登場。


第4話 『無力な自分』

『シュア!!』

 

今、ユナイトした夜空とエックスは街に出現した身体が金属で胸にはウルトラマンのカラータイマーのようなものがついた怪獣……「金属生命体アルギュロス」と戦闘を繰り広げていた。

 

アルギュロスは拳を振りかざしてエックスに攻撃を仕掛けるがエックスはそれをしゃがみ込んで回避し、一気に跳び上がるようにアルギュロスにアッパーカットを決める。

 

エックスの攻撃を喰らったアルギュロスはよろめき、その隙を見逃さずエックスはアルギュロスに掴み掛かる。

 

しかし、アルギュロスはエックスを振り払って左腕を刀に変形させ、その刀でエックスを斬りつける。

 

『ウアッ!?』

 

斬りつけられたエックスは身体から火花を散らして膝を突き、膝を突いたところでアルギュロスの容赦のない蹴りがエックスへと叩き込まれる。

 

さらにアルギュロスは右腕をキャノン砲へと変化させて狙いをエックスに定めると……口元を「ニヤリ」と笑みを浮かべ、砲弾をエックス目掛けて放った。

 

『ッ!?』

「そうはさせるか!!」

『サイバーゴモラ、ロードします』

 

しかし、エックスはギリギリのところで「ゴモラアーマー」を装着したため、アルギュロスの砲撃を受けはしたがほぼノーダメージで済み、エックスは立ち上がってアルギュロスに向かい駆け出す。

 

『フッ』

 

だが、アルギュロスは自身の肉体を変化させ……肉体を変化させたアルギュロスは身体の所々に黒いラインがあり、目が紫色の「ニセウルトラマンエックス・ゴモラアーマー」へと変化したのだ。

 

『なに!?』

「こいつ、相手の姿をコピーできるのか!?」

 

アルギュロスがエックスの姿をコピーして夜空とエックスは驚き、その際に動きを止めてしまいニセエックスはその隙を逃がさず、エックスの方へと向かって跳び上がって爪を振り下ろし、エックスを斬りつける。

 

『シュア!?』

「こいつ、ゴモラのパワーまで……!」

 

ニセエックスはたじろくエックスに追撃しようとゴモラアーマーの爪でエックスを斬りつけようとするがエックスは自分の持つ爪を腕を立てて盾のように扱って攻撃を防御する。

 

ニセエックスはそのチャンスを逃さず、相手に反撃を許さぬよう爪で何度も何度もエックスに攻撃し、対するエックスは防戦一方だった。

 

「あんまり調子に乗るなよ、偽者野郎!」

 

どうにか一瞬の隙を見つけ出してバックステップで後ろに下がり、エックスはそこから跳び上がってニセエックスの頭上を飛び越え、背後に回り込むと振り返り様に爪でニセエックスの背中を斬りつける。

 

『グウウ、ハアア!!』

 

ニセエックスはヤケクソ気味に右腕の爪で殴り掛かろうとするがエックスはそれを左手で受け流して右腕の爪でニセエックスを殴りつける。

 

『グオ……!?』

 

そこからも……エックスとニセエックスは互角の勝負を繰り広げ、この他にも時雨アーマーや新たなエレキングアーマー、ベムスターアーマーなどを装着して戦うが……中々決着をつけることができなかった。

 

だが、途中……鎮守府の艦娘たちが駆けつけ、満潮、村雨がサイバーカードを使用してエックスを援護してくれたのだ。

 

『サイバーベロクロン、ロードします』

『サイバーグビラ、ロードします』

「主砲もミサイルもあるんだよ! なんてね♪」

「行けぇ!!」

 

村雨は「ミサイル超獣ベロクロン」を、満潮は「深海怪獣グビラ」のカードをジオデバイザーに装填してその力を身に纏い、村雨は主砲から放たれた砲弾がミサイルに変わり、ニセエックスに直撃。

 

『グオオオ!?』

「化けるならもう少し上手く化けなさい、黒いラインと目の色で丸分かりなのよ! このヘタクソ!」

 

満潮はドリルに変形した主砲を構え、それを前に突き出すとドリル状の光線が放たれそれがニセエックスの右目を潰す。

 

『ウアアアアアアアア!!!!?』

『「今だ! ザナディウム光線!!」』

 

通常形態に戻ったエックスはカラータイマーが黄色に輝き、腕を交差させて放つ「ザナディウム光線」をニセエックスに向かって発射し、光線はニセエックスのカラータイマーに直撃して粉々に砕け散るとニセエックスは悲鳴に似た声を上げながら爆発した。

 

『グアアアアアアアアアア!!!!!?』

 

エックスは空へと飛び立ってどこかへと去り、怪獣の撃退に成功した艦娘たちもそのことに喜びながら自分達の鎮守府へと戻っていくのだった。

 

「……」

 

しかし、そんな中満潮だけがどこか不満そうな表情を浮かべており、村雨はそんな満潮に気づいて首を傾げるのだった。

 

「満潮ちゃん……?」

 

一体どうしたのだろうかと村雨は思い、満潮に「どうかしたの?」と話しかけるが……満潮は黙ったまま。

 

一瞬無視されたのかと思ったが満潮は話しかけられて無視するような娘ではないと思い、今度は少し大きめの声で「満潮ちゃん!!」と呼ぶと満潮はハッとなって村雨の方へと振り返る。

 

「えっ? あ……なに?」

「なにはこっちの台詞よ、どうしたの? ボーっとして」

「……別に、なんでもないわ」

 

満潮から顔を背けてどこか不機嫌そうにしつつも彼女も鎮守府に戻る為に歩き出し、村雨はそんな満潮の様子を見てどこかおかしいと思うのだった。

 

一方その頃……とある場所では……薄暗い場所に1人の人影があり、その人物はその場所で1人不気味な笑いを声をあげていた。

 

『フッハッハッハ! バカめ、アルギュロスは所詮貴様の戦闘データを頂くための囮に過ぎんのだ……! 金属生命体ならば姿を真似るだけで相手の技、戦い方を全てコピーできるからなぁ』

 

その人物の目の前には先ほどエックスの攻撃を受けて飛び散ったアルギュロスの破片のすべてが集められており、それを見ながらその人物は再び笑い声をあげるのだった。

 

『しかしまあ、駆逐凄姫を殺して奴が封印していたゼットンとゾアムルチがウルトラマンを倒してしまえば良かったのだが……やはり自分でやるしかないようだな』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鎮守府の執務室にて……。

 

「はっ? 怪獣のSDが見つからない?」

「うん、あの怪獣……レジストコード、金属生命体アルギュロス。 この怪獣の身体のSDと思われるものが現場から1つも発見されてないんだって後処理班が」

 

執務室では夜空が時雨からそんな報告を受け、夜空は腕を組んで「本当に怪獣の破片が見つからなかったのか?」と尋ねると時雨は首を縦に振った。

 

「誰かが持ち去った……? いや、だとしてもこんな短時間で破片を回収できるやつなんているのか?」

「分からないけど……取りあえず引き続き警戒はしといた方がいいと思う」

 

時雨の言葉に夜空は頷く……しかし、こういった不安要素があると響たちが今準備している文化祭がちゃんとできるのかどうか不安になってくる。

 

最初こそ、響たちが文化祭をしたいと言って来た時は反対したが……楽しそうに文化祭の準備をしている彼女達を見て今では文化祭をやることを認めて良かったと……夜空はそう思ったのだ。

 

だからこそ、彼女達が楽しみにしている文化祭が台無しになるようなことはしたくなかった。

 

「取りあえず、この件に関しての調査は進めてくれ。 まあ、特になにもなければいいんだが……」

「了解だよ、提督」

 

夜空に敬礼した後、時雨は部屋を出て行こうとするが……その際時雨の足下がフラつき、床に倒れそうになるが……。

 

そこに夜空が慌てて彼女を腕で支え、しっかりと立たせると彼は心配げな表情を浮かべて時雨に「大丈夫か?」と尋ねるのだった。

 

「う、うん……平気だよ提督。 ごめんね? なんかちょっとフラついちゃって」

「……お前、眠いんだろ?」

「えっ、別に……そんなことは」

「無理するな、昨日は徹夜させてしまったし……今日も朝早かったんだから今からもうゆっくり寝ろ」

 

夜空は時雨に微笑みかけてもう今からゆっくり休んでくれと頼むのだが……時雨は「でもまだ秘書艦の仕事があるし」と言って断ろうとするが夜空に「そんな状態じゃ仕事できないだろ」と時雨は言われてしまう。

 

「それが原因で怪我でもしたら大変だ。 今日の秘書艦は村雨にでも変わって貰うよ。 調査の件も奈々に任せよう。 どうせ今頃『仕事早く終わったから艦娘たちを愛でに行こう!』とか言ってるだろうし、なによりお前等の健康を守るのも俺の仕事だ」

 

夜空は時雨の頭を優しく撫で、撫でられた時雨は嬉しそうな顔を浮かべて「分かったよ」と言って自分の部屋へと戻って行くのだった。

 

「さてと……それじゃ村雨は……」

「ハイハーイ! 村雨、ただいま参上!! 屋根裏から!!」

「どっから出て来てんだ!!?」

 

忍者みたいに屋根の板を取り払って屋根裏から顔だけを出す村雨の登場に夜空は驚き、村雨はスタッと屋根裏から降り立つとビシッと夜空に向かって敬礼する。

 

「話は聞かせて貰ったわ! 今日は一日秘書艦代理をすればいいのね?」

「あぁ、頼む」

「ところで提督〜少しお聞きしたいことがあるんですが?」

「んっ?」

 

なぜかニヤニヤとした表情を見せる村雨、そんな彼女の様子に夜空はなにか嫌な予感を感じるのだった。

 

「時雨ちゃんとの『ケッコンカッコカリ』っていつするんですか❓ 今の時雨ちゃんのレベルならケッコンできるはずですけど❓ 指輪も提督の机の中にありますよね!」

「なんでお前がそのこと知ってんだ」

 

ちなみに……「ケッコンカッコカリ」とは別に本当に結婚をする訳ではなく、一般的には自分のパートナーとも言える艦娘に指輪を渡すことでその艦娘を通常よりもさらに強化させることができる。

 

しかし、殆どの提督はそのパートナーの艦娘と「結婚を前提に付き合いたい」「愛の告白」という意味でこの指輪をパートナーの艦娘に渡す場合が多いため、村雨はきっと夜空も同じように指輪を渡すとしたらやはりそういう意味で時雨に渡すのだろうと考えていたのだ。

 

実際、夜空と時雨は前に所属していた鎮守府の頃からの付き合いであり、2人のやり取りは時折恋人のようにも見える……村雨がそういう風にケッコンのことを考えるのは当然だろう。

 

「それでやっぱり時雨ちゃんに渡すんですよね! やっぱり提督って時雨ちゃんのこと好きなんでしょ!?」

「いいから、早く仕事してくれ」

「あー、もう、話を逸らさないでくださいよ~」

 

このとき、少しだけ村雨を呼んだことに夜空は後悔した……別に恥ずかしくて話を逸らそうとしたわけではない、ただ分からなかったのだ……自分は時雨のことをどう想っているのかということに。

 

だが、今はそんなことを考えている場合ではない、早く仕事を終わらせようと思い椅子に座って最初に書類仕事を進めようと思うのだった。

 

「あっ、そうだ。 提督に1つお願いしたいことがあるんですけど……」

「お願いしたいこと?」

 

それは満潮のことであり、村雨が言うには最近彼女はなにかと1人で文化祭の準備もそっちのけで自主練をしているらしく、リョーガが設計したホログラム実体化装置を使い不利な状況を自ら作り出してサイバーカードも使用せずボロボロになるまで戦ったりと……少々無茶をすることが多いというのだ。

 

そんな彼女の様子に村雨は心配であんまり無茶をしないようにと満潮の姉である朝潮と共に説得しようとしたのだが……無茶をやめる様子はなく、それで村雨は夜空にも後で満潮にあんまり無茶をしないように説得を頼んだのだ。

 

「まあ、満潮が最近無茶してるようなのは知ってたけど……言っても全然聞いてくれないんだよなぁ」

「そうなんですか? うーん、どうにかして無理やり休ませないと……」

「私にいい考えがあるよ!」

 

夜空と村雨、2人で腕を組んで「うーん」と悩んでいると先ほどの村雨と同じように天井から忍者のように顔をだけを出した響が現れ、スタッと天井裏から素早く降りてくる。

 

「お前らなんで毎回天井裏から出てくるの!? っていうかどうなってんだこの天井裏!!」

「なんかリョーガさんが『最近響ちゃんがフリーダムっぷりが目立ってきてるなぁ、だがまだフリーダムっぷりは私の方が上だ!! 負けるわけにはいかん!』とか言って一晩でこの建物を忍者屋敷に改造してたからね」

「なにをどうでもいいことで張り合ってんだあの人はぁ!!?」

 

というかリョーガは自分のやることなすことの殆どがフリーダムなのを自覚してるのかと夜空は思ったが……村雨曰く「あの人は自分が変人であること自覚してますよ」とのこと。

 

自覚している分余計にタチが悪い気がするのだが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、今現在噂になっているリョーガと満潮はというと……。

 

「満潮ちゃーん、そろそろやめた方がいいと思うんだがねぇ私は」

 

リョーガは実体化ホログラムを使ってダダ、レギュラン星人、ウルフガスといった人間大の星人、怪獣を呼び出してダダとレギュラン星人に肩と足を揉ませ、ウルフガスにニュースを持ってこさせて滅茶苦茶こき使っていた。

 

尚、この様子を見ていたタカトは「ホログラムとはいえなんか可哀想だな……」と呟いていたとか。

 

「はぁ、はぁ……まだ……まだいけるわ!!」

 

一方で満潮はというと実体を持ったホログラムの怪獣……「フィンディッシュタイプビースト ガルべロス」「合体獣サソリガドラス」「超古代怪獣ファイヤーゴルザ」「超古代竜メルバ」の4体を相手に戦闘を繰り広げていたのだ。

 

最も大きさは装置で調整できるらしく怪獣たちは人間大の大きさに設定されているが……その力は本物と同様であり、どう見てもどう考えても満潮に勝ち目があるとは思えなかった。

 

ただしハンデとして怪獣たちは光線技などの使用を封じ、格闘戦のみと設定されているが……それでもさすがにこの怪獣たちを相手にするのは満潮1人では無謀過ぎるというものだ。

 

無論、ちゃんと相手が死んだり大怪我などしないようには設定してある。

 

「おい、リョーガ……いくらなんでもこれは……」

 

どう考えても一方的すぎるだろ……とタカトはリョーガに言うのだがリョーガは困った表情を浮かべて「私に言われても困るよ」としか言えなかった。

 

実際にこの怪獣たちを選んだのは満潮であり、リョーガも「せめて1体くらいにしたら方がいい」と言ったのが彼女はそれを全く聞き入れず、「止めたら魚雷撃ち込むわよ」と半ば脅されたため、リョーガは止めることができなかったのだ。

 

しかも満潮はサイバーカードすら使う素振りすら見せず、一体なにをやっているんだとタカトは本気で彼女のことを心配したのだが……やはり一向に満潮は戦闘をやめるつもりはない。

 

そして満潮はというと主砲から砲弾を発射しながらガルべロス、サソリガドラスに接近するが2体は平然と満潮の攻撃を受け止め、メルバは飛行して空中から満潮に右腕の鎌で満潮に斬りかかる。

 

だが、どうにかファイブキングの攻撃を避けた満潮だが今度はゴルザの突進を受けて吹き飛ばされてしまう。

 

「くああ!?」

「流石にこれはもうまずいな。 魚雷ぶち込まれるのは嫌だけだど強制終了だ!」

 

既にボロボロの状態だというのに尚も戦い続けようとする満潮、それを見ていたリョーガはさすがにもう限界だろうと思いすぐにシステムを強制終了させて怪獣たちを消し去った。

 

イズマエルの拘束から解放された満潮は海面の上で膝を突き、「はぁ……はぁ……」と苦しそうに息をあげるのだった。

 

その後戦闘をやめて戻ってきた満潮はリョーガをキッと睨み付けて彼に掴み掛り、「どうしてあそこで怪獣たちを消したのよ!?」と怒鳴りあげてきた。

 

「仕方がないだろ、流石にもう限界だ。 入渠してくるといい」

「ふざけないで! まだ……まだやれるわ!!」

 

その様子を見ていたタカトが「なぜそこまでして無茶をするんだ?」と問いかけようとしたその時……。

 

「輝ける日の下も、漆黒の夜の闇も我が瞳、悪を逃がさじ……闇の力を崇める者よ。 畏れよ、我が光、駆逐艦 響の光を! なんて新しい名乗りを考えて見たんだけどどうかな?」

 

そんな時、響がどっかで聞いたことある台詞と共に満潮とリョーガの間に割ってババーンっと登場し、少し離れた場所では村雨と夜空は苦笑していた。

 

「響、なにしに来たのよ? アンタも私を止めに来たの? しかも提督や村雨まで連れて……言っとくけど私はまだ自主練するわよ。 てか名乗り長い」

「満潮、自主練するのはいいんだがな……なにもあんな無茶をする必要はないだろ? それにほら、みんな文化祭楽しみにしてるわけだしお前も一緒に準備してこいよ」

 

夜空は笑みを浮かべて満潮の頭にポンっと手を置いてそう言うが……満潮は不愉快そうな表情を浮かべて夜空の手を押し退ける。

 

「提督はさ……なんでサイバー怪獣計画が成功して欲しいの?」

「なんでって……そんなの、お前等が戦わなくて済むようにしたいからに決まってるだろ」

「っ……!」

 

夜空のその言葉を聞くや否や満潮はどこか怒りに満ちた顔を浮かべてどこかに立ち去ろうとするが……響に腕を掴まれて立ち去ることができなかった。

 

満潮は「離しなさいよ!!」と響に言うが……その直後……。

 

「秘儀! 無言の腹パン!!」

「うぐぉ!?」

 

満潮の腹部に拳を叩き込んで無理やり彼女を気絶させた後、満潮を右の肩に担ぎ上げる。

 

「いや待て響いいいいいい!!!? もしかしてお前が言ってた考えってコレか!? しかも無言じゃないし!!」

「コレだ」

 

響は空いている方の左手で握りこぶしを作ってドヤ顔を決め、「それじゃ満潮も寝たから(強制)部屋まで運んでくるねー」と言って彼女を部屋へと運んでいくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、響に気絶させられた満潮は深夜の2時にようやく目を覚まし、彼女は一体なにが起こったのかを思い出した後、自分に腹パンを繰り出した響に絶対復讐してやろうと誓うのだった。

 

だが、そんなことは今はどうでもいい、満潮が今気になるのは夜空の言った「お前たちが戦わなくて済むようにしたいから」という言葉だった。

 

「それじゃ、私たちは何のために……」

 

満潮は……恐れていたのだ、自分たちがもう戦いで必要とされなくなることに。

 

もしもサイバー怪獣計画が成功すれば艦娘よりも強力な戦力ができあがる……それに先ほどの夜空の言葉、それはつまり、満潮にとっては「もう艦娘は必要ない」という風に聞こえてしまったのだ。

 

実際、サイバー怪獣の力は借りた力の一部だけでもかなり強力だ。

 

それが完全に実体化することができればエックスの援護すら自分たちは必要なくなるのではないか、自分たちよりもよっぽど強く頼りになる兵器が完成するのではないかと不安だったのだ。

 

(私は、兵器として生み出されたのに……それなのに……また、『なにも』できないなんて嫌だ……)

 

その言葉は彼女がまだ艦だったころ……第八駆逐隊を編成していた姉妹「朝潮」「大潮」「荒潮」は彼女が1942年10月~1943年11月まで約1年横須賀で入渠しているうちに全て戦没した。

 

それから1人生き残った彼女は1人色々な駆逐隊を渡り歩くことになったのだが……その後も様々な過酷で悲惨な運命を彼女は目の当たりにし、そして仲間を救うことができなかった無念がずっと彼女の中のトラウマとなっていたのだ。

 

だからこそ、彼女は今よりもずっと強くあろうとしているのだ……「必要されない」ということは「なにもできない」のと一緒だから……。

 

「もっと……強くならないと」

 

しかし時間はもう深夜の2時過ぎだ、流石にもう寝た方がいいだろうと思った満潮はそのまま枕に顔を埋めて静かに寝息を立てるのだった。

 

「後、副司令……私の布団の中に勝手に入ってくんのやめてもらえるかしら? 蹴るわよ?」

「うっはぁ! 満潮ちゃんみたいな子に冷たい視線を送られるのも案外悪くないですねぇ! えへへへ! っていうかむしろ蹴ってください!! 満潮ちゃんの生足で!!」

「さっさと出ろ!!」

 

結局満潮に蹴っ飛ばされて部屋から追い出された奈々は蹴られたお尻をさすりながら目尻に涙を浮かべながら「ホントに蹴っ飛ばして追い出さなくても……」とため息を吐くのだった。

 

「まあ、生足で蹴っ飛ばされたのは良かったんですけどね! あっ、別に私Ⅿとかじゃないですからね! ただ可愛い女の子に触られたいだけですから!!」

 

誰に向かって言ってるんだ、誰に……。

 

「しっかしまぁ、提督の言ってることの意味を満潮ちゃんは理解していなかったみたいで……」

 

奈々は困り顔でどうしたものかと腕を組みながらそのままどこかへと歩いていくのだった。

 

「よっし、じゃあ次は相部屋になってる睦月ちゃんと如月ちゃんを襲……添い寝をしに行きましょう!」

 

ちなみにその後、睦月と如月の部屋の中に入ろうとした直後、菊月に頭を鷲掴みにされて床に叩き付けられ、顔が床に埋まった奈々はそのまま朝まで放置されるのだった。

 

しかし、こうして奈々がふざけまくっている間にも……街では奇妙な現象が起こっていた。

 

「赤いの雨」が降るという……不思議な現象が……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、街の方では赤い雨が降ったという報告を受けて調査のため満潮と村雨、リョーガがこの赤い雨について調べていた。

 

「ねえ、満潮? 昨日あんなにボロボロになるまで自主練してたのに無理にこの調査に来ることはなかったんじゃない?」

「心配してくれるのは有り難いけど、別に平気よ。 これくらい」

 

最も鎮守府に帰ったら帰ったで満潮はまた無茶な自主練をしてしまう可能性があるのでどっちにしても満潮は身体を休めてはくれはしないだろう。

 

その後、リョーガが赤い雨でできた水たまりを採取して解析した結果、特にこれといった異常は検知されなかったらしい。

 

「特に人体などに悪影響が出たりすることはないから問題ないみたいだ」

 

リョーガはそう言って村雨と満潮に説明したが、しかし人体に影響がないとはいえなにかしらのアクシデントは既に起こっているかもしれないと判断し、リョーガ達は念のためにもう少しだけ、どこか他に異常がないかを調査するのだった。

 

「なにもないんなら早く帰って自分を鍛えたいんだけど……」

「言っておくが一日は帰れないよ、明日の朝まで1日中なにか事件が起きないかどうか交代制で街をパトロールするんだ」

 

リョーガのその話に満潮だけではなく村雨も「えぇ〜!?」と言った声をあげてかなり癒そうな表情を浮かべた。

 

「文句を言わないでくれたまえ! 私だってなぁ! 今プレイ中のギャルゲー我慢してるんだよ!!」

「そんなもんどうでもいいわよ!」

 

逆ギレしてくるリョーガにすかさずツッコミを入れる満潮。

 

それから……3人は1人2時間ずつ街をパトロールすることとなったのだが……特になにも事件が起きる事は無くやがて外は真っ暗になってもそれは続いた……。

 

「結局なんにも起きないし……はぁ、これこのまま何も起こらなかったら朝まで続くのよね……? なんてめんどくさい……」

 

満潮は不満を口にするが……そんな時、突然頬にピトッと冷たい感触が伝わり、満潮は「きゃあああああ!?」という悲鳴をあげて慌てて後ろを振り返るとそこには缶ジュースを手に持ってペロっと舌を出し、悪戯っ子のような笑みを浮かべる村雨がいた。

 

「もう、ビックリするじゃないの!? なにすんのよ!?」

「アハハ……、ちょっと驚かそうと思って? はい、ジュース」

 

村雨は手に持っていたジュースを満潮に渡し、彼女はぶっきらぼうな感じで「ありがとう」とお礼を述べた後、そのジュースを受け取って2人でジュースを飲みながら歩き始める。

 

「ところでどう? なにか異常はあった?」

「異常があるならとっくに連絡入れてるわよ」

 

そんな時だった、道を歩く2人の目の前を……なにかが高速で横切ったのだ。

 

人間や車などではない……なにか異様な「なにか」が2人の目の前を……それを見た満潮と村雨は急いでリョーガに連絡を入れようとするが2人は背後から何者かの気配を感じて慌ててその場から飛び退くように離れると先ほどまでいたその場所に光弾のようなものが直撃して爆発した。

 

すぐさま満潮と村雨は艤装を展開して主砲を背後にいた人物へと向ける。

 

『ほう、中々の反応速度ではないか』

 

そこにいたのは「幻覚宇宙人 メトロン星人」であり、村雨はメトロンを睨み付けながら「私たちになにか御用かしら?」と尋ねるとメトロンは不気味に笑い始める。

 

「なにがおかしいのよ!?」

『いや、別に……ただ君たちにはウルトラマンを倒すためのお手伝いを少しして欲しいと思ってね。 この星を侵略するにはどうしても彼等の存在が邪魔なのだ』

 

メトロンの話を聞いて村雨と満潮は「一体こいつはなにを言っているんだ?」と心の中で疑問に思った。

 

当然だろう、ウルトラマンを倒す手伝いを自分たちにして欲しいなど……そんなこと自分たちがする筈がないのだから。

 

「そんなこと、私たちがする訳ないでしょ!」

「それに私たちが今すぐアンタを倒せば地球侵略はすぐに阻止できるわ!」

『君たちが艦娘かい? 確かに地球人が作ったにしては君たちは大した兵器だが……メトロンの科学ほどではない。 怖いのはウルトラマンだけだ。 それに君たちの意思など関係なくウルトラマン打倒は手伝ってもらおう』

 

するとメトロンが右手を村雨と満潮の方へとかざすとそこから怪音波のようなものが放たれ、それを聞いた満潮たちはその怪音波に耐え切れず耳を塞ぎ、もがき苦しむ。

 

「うわあああ!? なんなのよこれ……!?」

「頭が割れるように……痛いぃ……!」

 

やがて村雨と満潮は気を失ってその場へと倒れこんでしまい、メトロンは「他愛もない」と笑い声をあげた後、彼は「これでいいのだろう?」と他に周りに誰もいないのにも関わらず誰かにそう尋ねたのだ。

 

するとメトロンの目の前に突然ヒビのような亀裂が走り……それがガラスのように割れると中から赤い身体、右腕が鎌となっている異形な姿の怪人がそこに姿を現したのだ。

 

『約束通り、お前の言う通りにした。 ウルトラマンを倒した暁にはこの地球を私の物にしていいのだな? 『ヤプール』よ……』

『あぁ、勿論だとも。 我々の目的は全てのウルトラマンの殲滅、復讐なのだからな……』

 

そこにいたのはメビウスが追いかけていた人物……、幾度もウルトラマンに倒されても何度でもウルトラマンに復讐するために復活する悪魔……「異次元超人 巨大ヤプール」だった。

 

『1人は超獣の素材にでもしてやろう……。 もう1人は……フフフ……!』

 

ヤプールは倒れている満潮と村雨の2人を見つめて不気味な笑い声をあげ、そしてそれを見ていたメトロンはというと……。

 

(なんか倒れてる女性を今にも襲いそうな変質者に見える……)

 

とかヤプールに対して物凄く失礼なことを考えていた。

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