ウルトラマンX  これくしょん   作:ベンジャー

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宇宙狩人 ノワール星人バイス
魔石超人デビルノワール
ネルドラント・メカレーター
イフェメラ・メカレーター
改造艦娘
登場。



第8話 『弄ぶ命』

夜空の鎮守府のグルマンとリョーガが使用している研究所にて。

 

そこでは今、時雨と電がそれぞれ自分たちに与えられているサイバーゴモラとサイバーエレキングのカードの調整を行っており、時雨も電も近くでカードの調整の様子を伺っていた。

 

その30分後、グルマンとリョーガはゴモラとエレキングのカードの調整を終えてゴモラを時雨に、エレキングを電に返却した。

 

「グルマン博士、それで……僕のゴモラのカードはやっぱりどこか調子が悪かったんでしょうか?」

『いんや、それが全くと言って良い程異常は一切無かった。 ジオデバイザーにも異常は無さそうだしな。 時雨、本当にゴモラのカードを使用することができなかったのか?』

 

「全く異常無し」……その言葉を聞いて時雨は不満げな表情を浮かべ、試しにゴモラのカードをロードだけやってみようと思いサイバーカードをジオデバイザーに装填するが……やはり「エラー」としか出ず、時雨は訳が分からず困惑するばかりだった。

 

『ふむ、サイバーカードは元になったスパークドールズ達の怪獣達と少なからずリンクしている。 もしかすればゴモラは君に対してなにか不満を抱いているのではないか?』

「不満……」

 

しかし、時雨にそれに関して思い当たる節が無く……むしろデマーガが出現した時真っ先にゴモラを助けようとしたこともあるので嫌われるような原因はないと時雨は思うのだが……時雨は少しだけ考え込んだ後、「僕、ちょっとゴモラのところに行って来ます!」と言ってゴモラのスパークドールズを持ってる夜空の元へと駆け出して行くのだった。

 

「案外、提督と仲の時雨ちゃんにゴモラが嫉妬してるのかもね」

「嫉妬って……そんなことあるのですか?」

「まぁ、この鎮守府の中で1番提督と付き合いが長いのは時雨ちゃんじゃなくてゴモラだからねぇ」

 

電の疑問にリョーガがそう答えるとそこでリョーガは何かを思い出したかのような表情を浮かべ、電にエレキングのカードをロードしてみるように言ってみる。

 

「えっ? まさかリョーガさん、また何かいらないことを……」

 

電はリョーガに対して疑いの眼差しを向けるがリョーガはいつものように「はっはっは!」と笑い、「そんなことしてないよ」と言うがリョーガの言うことなのでどうも信用はできなかった。

 

しかし、そんなことを言われては今度はどんな機能を追加したのか気になるため電はジオデバイザーにエレキングのカードを装填する。

 

『サイバーエレキング、ロードします』

 

するとジオデバイザーから「ポンッ」と1匹の小さな怪獣のようなものが出現し、電は「はわわわわ!」と戸惑いつつもその怪獣をキャッチする。

 

その怪獣はどう見てもエレキングを小さくしたかのような見た目をしており、サイバーカードから出現したためか機械的ではあるがその姿は非常に愛らしい姿をしており、それを見た電は目を輝かせた。

 

「か、可愛いのです! リョーガさんこれは!?」

「いやぁ、偶然にもサイバー怪獣の実体化に関することもエレキングを使って色々やってたら偶然にもそのサイズなら実体化させることに成功してね。 さしずめその子の名前はサイバーリムエレキングってところかな?」

『ふむ、まだ色々と調整などは必要だが……これはかなり大きな一歩だ。 早速提督に知らせてやらねばな』

 

電は「むぎゅ~」と「サイバーリムエレキング」を抱きしめ、リョーガは電がサイバーリムを気に入ってくれて満足そうに笑みを浮かべた。

 

「リョーガ」

 

そこに、タカトが現れてリョーガに呼びかけるとリョーガはタカトの顔を見てなにかを察したかのような様子を見せ、リョーガはタカトに「ついて来てくれ」と言うとタカトとリョーガは2人で地下へと続くエレベーターに乗り、地下へと移動する。

 

エレベーターの扉が開き、タカトはリョーガは案内されるままついて行くとそこには3台の車と……1機の飛行機のような形をしたマシンが置かれていた。

 

それを見たタカトは僅かに口元に笑みを浮かべ、リョーガの肩を少し強めに叩く。

 

「どうやら、出来たらしいな」

「ふふん♪ 君からの頼まれごとだ。 断わる理由はないさ。 最も、まだ実用段階とまでは行かないけどね」

 

そこにあったのはグルマンと共同して開発した「ジオマスケッティ」と呼ばれる怪獣と戦うために造られた戦闘メカであり、傍に置かれている3台の車、ジオアトス、ジオアラミス、ジオボルトスのいずれかと合体することで陸、空、宇宙で活動可能となるマシンである。

 

「しかし、幾ら君が『元』パイロットだからってこれは憲兵の仕事じゃないような気がするけどなぁ」

「だが……これがあれば少しはあいつ等の……艦娘達を守ることが出来るかもしれない。 艦娘達を戦わせることに後ろめたさを感じているのは……提督だけじゃないからな。 幾ら現状の最大戦力が艦娘だからと言って俺は……あいつ等が戦うことを快く思ってはいない」

「確かにね、こういうのは本来軍人がやるべきことだろうし。 それにしても、変わったねタカト」

 

リョーガの言葉にタカトは「んっ?」と首を傾げるとそんな彼の様子を見てリョーガはクスクスと笑い始める。

 

「変わった?」

「あぁ、君は昔とは変わった。 主に、艦娘に対する考え方がね」

 

その頃……執務室にいる夜空の元に訪れた時雨は早速夜空にゴモラのスパークドールズを貸して貰うように頼みこみ、特に断わる理由もないので夜空は時雨にゴモラのスパークドールズを渡すと時雨は秘書艦の仕事をする時に使う机の上にゴモラを置き、時雨は椅子に座って真正面からゴモラと見つめ合う。

 

「……なにしてるんだ?」

「ゴモラが僕に力を貸してくれない理由が分からなくて……だからこうやって面と向かって話しあおうと……」

「どうやって話しあうつもりなんだよ……」

 

夜空が呆れ気味に言い、そんな夜空に時雨は少しムスッとした表情を浮かべるが「少なくとも話しかければ何か僕に対する考えを変えてまた力を貸してくれるかもしれないから。 それにジオデバイザーのガオディクションもあるし」と答え、時雨は自分に何が問題があるのか……どうして力を貸してくれないのか、そう思い当たる節を手あたり次第にゴモラに言い聞かせ、その自分の悪い点を直すように心がけると時雨はゴモラに言うのだが……。

 

『解析不能』

「え、えぇ!? なんで!?」

 

なぜかジオデバイザーの怪獣のスパークドールズの感情などを調べるために使う機能である「ガオディクション」を使ってもゴモラは一向に時雨に対して何も教えず、時雨は訳が分からず困惑するだけだった。

 

「ゴモラ……どうして……」

 

時雨は悲しげにゴモラを見つめ、そんな彼女を見て夜空は時雨の頭をそっと撫でる。

 

「ゴモラはきっと、何時かお前に心を開いてくれるさ」

「そう……かな?」

「あぁ、きっと……ゴモラも、俺のお前達を守りたいって気持ちは分かってくれてる筈だから」

 

時雨の表情からは元気がないが、それでも夜空の言葉を信じて彼女は「こくん」と頷くと彼女は勢いよく椅子から立ち上がるが……勢いよく立ち上がったせいかバランスを崩して後ろに倒れそうになる。

 

「うわ、わっと!」

「時雨!」

 

しかし夜空が素早く時雨の腕を掴み、自分の方へと引き寄せた為転ぶことはなく、時雨は夜空に抱きつく形となり……彼女はそれに顔を赤くしてすぐに夜空から離れた。

 

「わ、わわっ! ご、ごめんね提督!////」

「俺は別に問題ないけど……」

 

するとそこでゴモラが密かにカタカタと動き、時雨はどうかしたのかと思いゴモラに手を伸ばそうとした時、ゴモラはぴょんっとその場を飛び跳ねると時雨の額に激突した。

 

「あいたぁッ!?」

「時雨!? おい大丈夫か!?」

 

案外……ゴモラが嫉妬してると言うのも本当なのかもしれない……。

 

それから夜空は一度執務室を出て少し小腹が空いたので食堂に向かおうとしたのだがその途中、菊月に追い回されている奈々の姿を発見。

 

「副指令貴様ああああああああ!!!!」

「あはははは! まさか菊月ちゃん最近アニメにハマって来てるのは知ってましたがにコスプレ趣味にも目覚めたとは驚きですね! しかもカードキャ〇ターさくらのコスプレとはこれは永久保存版として残しておかなくては!」

「ふざけるなこのバカ副指令いいいいいいい!!!!!」

 

夜空はまた奈々がなにかやらかしたのかと思い呆れ顔を浮かべ、取りあえずあの2人の追いかけっこは割と日常茶番時なので放っておこうと思い食堂に向かって再び歩き始めるが……その途中、村雨と朝潮と満潮と荒潮の4人がなにか話しあっているところに出くわした。

 

「あっ、提督! 聞いてくださいよ」

「んっ? どうした村雨?」

 

村雨は朝潮と満潮の腕を半ば無理やり掴んで夜空の元に行くと村雨は3人を「たまにはオシャレとかしないと」と思い、街にある服屋に連れて行こうとしたのだが荒潮は兎も角、朝潮と満潮は「そんなの任務に関係ない」と言って一向に行こうとはしないのだ。

 

「あらあら~、朝潮ちゃんも満潮ちゃんも女の子なんだからたまにはオシャレするべきだと思うのだけどね~」

「そうだよね荒潮ちゃん!」

「ですがそういうのは私はちょっと……苦手、というか……」

「私も、別に興味ないし」

 

朝潮も満潮も「そもそも任務に関係ないことだし」と言って断わろうとしているのだが……。

 

「でも荒潮や村雨の言う通り、たまにはそういうのも良いじゃないか。 行って来いよ」

「はっ! 分かりました! 提督がそういうご命令ならばこの朝潮、その任務遂行します!」

「いや、命令じゃないんだけどな……。 まぁ、今はそれでいいかな。 みんなで楽しんで来い。 幸い、今日はみんなもう殆どやることなくて休日状態だしな」

 

朝潮は元気よく「はい!」と敬礼して満潮の腕を掴むと村雨と荒潮と一緒に街の方に出かけることとなったのだった。

 

「ってなんで私までー!?」

 

満潮の叫びが鳴り響いたが、夜空は「こういうのも大事」だと思い敢えて満潮は助けず見送った。

 

「それにしても、朝潮は大丈夫だろうか……」

「朝潮がどうかしたのか?」

 

そんな時、偶然近くを通りかかったタカトが夜空に声をかけ、いきなり声をかけられたことに夜空は少し驚いたが……タカトに少し相談に乗って貰おうと思い、先ほど自分が思ったことをタカトに話した。

 

それはもし、深海凄艦との戦いが終わり、サイバー怪獣の実体化も1体や2体ではなく複数実体化させることが出来たら艦娘はもう戦わなくて済む……。

 

そうすれば艦娘達は普通の人間と同じ生活をすることができるようになるかもしれない、だが朝潮のように軍人気質な艦娘は恐らく軍に残るのではないかと思うと不安で仕方がなかったのだ。

 

自分たち人間の都合で生み出され、命がけの戦いに行かせて自分たち人間は安全なところにいるだけ……そんな彼女たちを1人でも永遠に戦わせるのは正直、夜空は気が引けてならない。

 

「だが、戦いこそが生きがいだと感じている艦娘も少なくはないぞ」

「それは分かってる、でも……それはもっともっと外の世界を見れてないからだと思うんだ。 けど、やっぱりそれは難しいのかな。 こんなこと言いたくないが深海凄艦がいなくなっても、怪獣達や宇宙人の脅威が無くならない限りサイバー怪獣が実体化しても彼女たちは戦い続けないといけないんじゃないかって。 それに、時々不安になって思うんだ。 本当に怪獣との共存することができるのかって……ただの夢物語で終わるんじゃないかって……」

 

どことなく、暗い表情を浮かべて語る夜空の話を聞き、タカトは目を閉じて静かに口を開いた。

 

「何を珍しく弱気なことを……提督、俺はアンタの夢を応援してる。 俺だけじゃない、この鎮守府全員がアンタの夢を応援して共感してるんだ。 怪獣との共存も、全員は無理だとしても艦娘達が戦わなくて済むようにすることだって何時かできるさ」

 

タカトはそう言って夜空を励まし、夜空は「ありがと」とお礼を言うがその表情は暗かった。

 

「知ってるか? 数百年前までは地球が丸いなんて誰も考えもしなかった。 だから初めて船乗り達が海の上で大陸を探そうとした時も誰もが不可能だ、夢物語だと言われた。 他にも人が小さな飛行機で空を飛ぼうとしたり、宇宙に行こうとした時も夢物語だと言った。 実現するまでは誰もが夢物語なんだ。 だから、不安になることなんてない。 夢物語だと言われても理想を目指して頑張ればいいさ」

 

タカトが笑みを浮かべながらそう言い放つと、暗くなっていた夜空の表情は少しだけ明るくなり、「ありがとう」とお礼を言うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、街の方では睦月、如月、文月が今日は特に何もないためみんなで買い物を楽しんでおり一通り欲しい物を買い終えた睦月達は鎮守府へと戻ろうとした時のことだった。

 

突然、地面が揺れ始めて地中から「岩石怪獣 ネルドラント」が出現し、ネルドラントは街を歩き廻りながら建物を次々に破壊し始める。

 

「あれは……確か、ネルドラントね!」

 

それを見た如月は困惑した表情を浮かべ、そんな彼女の様子に睦月と文月も気づいたのか「どうかしたの?」と睦月が如月に声をかける。

 

「いえ、ネルドラントは本来、大人しい怪獣なの。 だから……どうして暴れているのかが分からなくて……」

「兎に角今はそのネルドラントを食い止めないと! 如月ちゃん! モンスフュージョンを使うよ!」

 

睦月の言葉に如月は頷き、睦月と如月はサイバーガルラとサイバーサラマンドラのカードをジオデバイザーに装填し、それぞれ睦月、如月は怪獣の力を身に纏った「サイバーガルラフュージョン」「サイバーサラマンドラフュージョン」となる。

 

「あたしはまだモンスフュージョンはできないから2人の援護かな~?」

 

文月も艤装を取り出し、睦月は文月は「お願いね!」と頼むと睦月と如月はネルドラントの元へと向かって行き、睦月はネルドランドの足元目目掛けて地面を思いっきり殴りつけると地面が粉々に飛び散り、その衝撃によってネルドラントはバランスを崩して尻もちをついてしまう。

 

「グルラアアアアアア!!!!」

 

それに怒ったのかネルドラントは振りあげた腕を睦月に向かって振り降ろすが睦月は主砲から発されたバリアでネルドラントの攻撃をガードする。

 

「くっ……!」

 

そこに如月の強化された砲弾と文月の放った砲弾がネルドラントに直撃し、少しだけ怯んだところを狙って睦月はそこから脱出し、如月達の元へと戻ってくる。

 

「間近で見て分かったけど……やっぱりあの怪獣、如月ちゃんの言う通りなにか……変な感じがする……」

「あっ、あれ見て!」

 

するとそこで文月が何かに気づいたらしく、彼女が指差す方向を睦月と如月が見ると……そこにはネルドラントの頭部になにか機械のような物が取りつけられているのが確認でき、如月は慌ててジオデバイザーを使ってネルドラントを解析してみることにした。

 

しかし、ネルドラントは睦月達にターゲットを絞り、睦月達に向かって攻撃を仕掛けようとしており、睦月はすぐさまバリアを展開し……それを主砲で殴りつけてバリアをネルドラントに向かって飛ばし、バリアは見事ネルドラントに激突し、ネルドランドはその場に倒れこむ。

 

「あ~、ビックリしたぁ」

「ありがとう、睦月ちゃん、おかげで解析完了したわ」

 

如月がジオデバイザーで解析した結果を睦月と文月に見せるとあの怪獣……ネルドラントの身体の中には幾つもの機械らしき物が組みこまれていたのだ。

 

「改造って……」

「そんなの怪獣さんが可哀想!」

 

睦月と文月はどうにかして無理やり暴走させられているであろうネルドラントをどうにか大人しくさせる方法はないかと考えるが……如月が「兎に角今は街から少しでも遠ざけましょ」と言い、睦月と文月は頷いてどうにかネルドラントを街から離れさせようとする。

 

如月、睦月、文月は主砲を構えてネルドラントの足元に砲弾を撃ち込み、後退させようとしたのだがその時、彼女たちの足元が突然爆発し……何者かが攻撃して来たのだ。

 

「誰!?」

 

そして彼女たちの目の前に現れたのは……自分たちと同じく3人の「艦娘」だったのだ。

 

「艦娘……?」

 

しかし、その艦娘達は全員目元を隠すように機械の仮面のようなものを付けられており、艤装もより機械的になっていた。

 

「見たところ睦月達と同じく駆逐艦の娘……だよねぇ?」

 

すると3人の艦娘は左手に装備されていた主砲が変形して剣のような形となり、右手の主砲から砲弾を放ちながら睦月達に攻撃を仕掛けてきた。

 

慌てて睦月達も応戦を開始し、睦月はガルラのバリアで剣を振りかざしてきた艦娘の攻撃を防ぎ、後ろに飛び退いて砲弾を敵艦娘に放つが敵艦娘が不気味に「ニヤリ」と笑みを浮かべると剣で砲弾を全て切り裂き、一気に詰め寄って睦月に跳び蹴りを叩き込む。

 

「かは!?」

「睦月ちゃん!」

 

如月が睦月の元に駆け寄ろうとするがまた別の敵艦娘が注意の逸れた如月に向かって殴り掛かって来るが、如月はどうにか避けて攻撃を回避し、素早く睦月の元へと駆け寄る。

 

「この人達……あの仮面……ネルドランドについてるものとちょっと似てるわね……まさか!」

 

まさかとは思いつつも如月は試しにジオデバイザーを敵艦娘達にかざしてみると……やはり、この艦娘達はネルドランドと同様に身体に機械を埋め込まれており、そのことが分かった如月は口元を押さえ、驚きの表情を浮かべた。

 

「やっぱり……この人達……!」

「改造……されてるの……!?」

 

すると改造艦娘の1人が文月の腕を掴んで睦月達の元へと投げ捨て、改造艦娘達はジリジリと睦月達に近づく。

 

「サイバーフュージョンを使ってるのにここまで押されるなんて……」

 

このままではマズイと思う睦月、ここは一先ず撤退するべきかとも思ったがネルドランドを放って置く訳にも行かず……ならばここは応援が来るまでもう少し持ち応えるべきだと判断し、睦月は如月と文月になんとかもう少しだけ粘ってくれるように頼みこむ。

 

「大丈夫だよ~、言われなくてもあたしは負けないもん!」

 

だが……そんな時のことである。

 

「ウラアアアアアアア!!!!!」

 

2人の改造艦娘の頭を後ろから鷲掴みにして投げ飛ばす響と……暁と電と雷の第六の4人がその場に駆けつけ、暁と電と雷はなぜかなんとも言えない表情を浮かべていた。

 

と言うのも……見たところ、今の響は心なしかなにか激怒してるように見え、睦月は「響ちゃんどうかしたの?」と尋ねると暁は「はぁ」と溜め息を吐きつつ響になにがあったのかを説明した。

 

「みんなでバット〇ンVSス〇パーマン見てる途中でこいつ等が現れたもんだから物凄い怒ってるのよ」

「響お姉ちゃん、前売り券まで買ってましたから……」

「いや、確かに響の気持ちも分かるし、あたし達も少しはタイミングの悪さにムカつくけど……響姉ほどじゃ……」

「Big3が揃ったところでどのタイミングで出てきてるんだよもおおおおおおおおお!!!!!」

 

響は怒りに任せながらサイバーモモザゴンのカードをロードして超音波を主砲から放ち、改造艦娘達の動きを封じるが……そこにネルドラントが響目掛けて歩いて来たのだが……その時、突然ネルドランドは一際大きな鳴き声をあげ、同時に改造艦娘達も突然動きが止まり、急にどうしたのかと思うと……ネルドラントは口から泡を吹き出してその場に倒れてしまったのだ。

 

「「「っ!?」」」

 

同時に、改造艦娘達も身体中から火花を上げ口から血を吐き出してその場に倒れてしまったのだ。

 

「ネルドラント……どうしたの!?」

 

急いで如月がジオデバイザーで解析してみると……既に、ネルドラントは生命活動を停止しており、響も改造艦娘達に踏み寄って恐る恐る改造艦娘達に触れるとその身体は氷のように冷たく、首元に手を当てると彼女たちは既に息をしていなかった。

 

「彼女たちはもう……死んでるのか?」

「えっ、そ、そんな……!」

 

響の言葉に一同は驚き、怪獣の死体の処理は処理班に任せ……改造艦娘の遺体はリョーガやグルマン等ラボチームが回収し調査を始めることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鎮守府のリョーガとグルマンの研究室では夜空と時雨、タカトと現場に居合わせた第六の4人と睦月、如月、文月が怪獣や改造艦娘達による死因について聞かされていた。

 

『如月が解析した通り、あのネルドラントには身体の中に2種類のタイプの機械が幾つか埋め込まれていた』

「1つは腕力を強化するもの、もう1つは外部から遠隔操作するための物だ。 しかも、これらの金属は全て地球上には存在しないものであることが判明している」

 

また2人の話によるとあの改造艦娘達の身体の中に埋め込まれていた機械も同様のものが使用されており、改造艦娘とネルドランドはその機械に拒否反応を起こしてショック死を起こしたのが死因であるらしく、また改造艦娘達は調べたところによると全鎮守府などのデータベースと照合した結果、既に轟沈した艦娘であることも判明したのだ。

 

「何者かが怪獣と艦娘を装置を強引に埋め込んで兵器に改造したということか……」

 

タカトがそう呟くと睦月達や暁達は「酷い……」とそれぞれに口にし、夜空は怪獣や艦娘にこんな仕打ちをした人物に拳を握りしめて静かに怒りを震わせた。

 

「どこの誰かは知らないが……絶対に見つけ出してぶん殴ってやる……!」

 

それから一時解散となり、夜空も執務室に1人戻ろうとしていると1つ、ふっと気になったことをエックスに尋ねて見ることにした。

 

「なぁ、エックス」

『んっ? どうかしたのか夜空?』

「エックスはさ、どうして最近になって怪獣が頻繁に出現するようになったのか知ってるか?」

『それは……私には分からない、だが怪獣が出現する原因を作ったのは、恐らく私だ』

 

エックスの言葉に夜空は首を傾げて「どういうことだ?」と尋ねるとエックスは夜空と出会う前、太陽系を滅ぼそうとしていた邪悪な敵を追いかけ、エックスがその敵を太陽に投げこんでしまった為にウルトラフレアを起こしてしまったことを話した。

 

『だから私は君達に力を貸す、それが私の果たすべき責任だ』

「あぁ。 だけど、その敵を倒さなければウルトラフレアどころじゃない、地球その物が滅びていたかもしれないんだろ?」

『あぁ、そうだ……しかし』

「それ以上は言わなくて良い。 今は怪獣や艦娘を改造したクソ野郎を見つけ出すのが優先だ」

 

その時、「クソ野郎とは失礼な奴だな」と誰かが背後から夜空に話しかけてきたのだ。

 

慌てて振り返るとそこには黒ずくめの怪しい男が立っており、夜空は素早くジオデバイザーを怪しい男に向けて構える。

 

「誰だ!」

「今君が見ているのは私が君に対して発した脳波で見せた幻、つまり私はそこにいる訳ではない」

「俺に何の用がある?」

「君と話がしたい、私の指定する場所に君とついでにエックスも来て頂きたいのだ。 無論、他の者にこのことは話すなよ?」

 

夜空は黒ずくめの男を睨み付けつつ、「場所は?」と尋ねると男は夜空に自分のいる場所を話し、男は夜空の前から姿を消すと夜空は指定された場所に向かおうとする。

 

『夜空、みんなに話さなくて良いのか?』

「奴は俺たちだけ来いと言った。 ここは言われた通りにするべきだろう、変に刺激するような真似もするべきじゃないしな」

 

同じ頃……鎮守府は改造艦娘のことが原因なのか、鎮守府中の艦娘達の元気がなくどんよりとしたムードになっていた。

 

「みんな元気がないな」

「仕方が無いさ、改造艦娘は元々は自分たちと同じ艦娘、仲間だったんだ。 落ち込みもするよ」

「いや、だが……それだけじゃないような……」

 

鎮守府をリョーガと一緒に歩き廻っていたタカトはみんなの様子がおかしいことに気付き、偶然通りかかった朝潮を呼び止めて話を聞いてみることにした。

 

「朝潮、みんなどうしたんだ? 改造艦娘の事がショックなのは分かるが、みんなそれだけでこんなに暗くなってる訳じゃないんだろ?」

 

タカトの問いかけに、朝潮はどう答えれば良いのか分からず困ったような表情を浮かべるが……すぐに彼女は口を開き、みんなの様子がおかしくなっている理由を話した。

 

「私、いえ……みんな思ったんです。 あの改造された艦娘達は私たちの本来あるべき姿なんじゃないかって……」

 

元々自分たちは艦娘は軍艦で……ただの兵器だった。

 

それが人の形に姿を変え、心を持ち人間に近くなった自分たちは「感情」を持つようになった。

 

それは憎しみも悲しみも恐怖も感じ、兵器として最も致命的なことなのではないかと……朝潮達は思ったのだ。

 

なにせ世の中には艦娘達のことをただの兵器と考える人間も少なくはない、そんな人間たちもいるから朝潮達は思ってしまったのだ……「自分たちは感情を持つべきではなく、本当にただの兵器として生まれて来た方が良かったのではないか」と……「それこそが自分たちの存在意義なのではないか」と……。

 

「朝潮……バカを言うな、お前達は人間だ。 提督だっていつもそう言ってるだろ?」

「ですが、私達は……」

「なら聞こう、お前は……兵器になりたいのか?」

 

タカトのその言葉に対し、「それは……」と朝潮は黙り込んでしまう。

 

「俺もかつてお前達艦娘のことをただの兵器だと考えていた」

「えっ?」

「だがな、俺はある時……久しぶりに休日が取れて実家に帰ろうとした時に船に乗ったんだ。 その時、乗っていた船に深海凄艦が襲い掛かって来てな。 だがお前達と同じ艦娘に助けられたことがあるんだ」

 

その時、タカトは見たのだ……必死に自分たちのことを守り、どんなに傷ついても、泣いても、死にかけても戦う彼女たちの姿を……。

 

その姿を見てタカトは考えたのだ、「艦娘と人間、なにが違うのだ」ということに。

 

「俺たちと同じように傷ついて泣いて……笑って喜んだりするお前達は、俺たち人間とどこが違うって言うんだ? 自分の存在意義? そんな物は他の誰かが決めることじゃない、決める権利なんかない! 自分自身が決めることだ! 自分がどんな存在かなんて自分で決めれば良い。 もう1度聞くぞ朝潮、お前は兵器になりたいのか?」

 

真剣な眼差しでタカトは肩を掴んで朝潮を見つめ、彼女に問いかけると朝潮は少しだけ悩むような表情を見せるが……すぐにタカトと同じように真剣な眼差しを向けて首を横に振ったのだ。

 

「いえ、私は……兵器じゃありません! 人間です!」

「……だよな」

 

朝潮の言葉を聞いてタカトは笑顔となり、彼女の頭を撫でると朝潮は早速タカトの言葉をみんなにも教えると言って走り出し、そんなタカトを見てリョーガはクスクスと笑う。

 

「なにを笑ってるんだ」

「良いこと言うなと思ってね」

「うるさい。 ってんっ? あれは……」

 

その時、タカトはジオボルトスに乗って鎮守府を出て行く夜空の姿を発見し、こんな時にどこに行くのだろうと思うタカトだったが……何か、胸騒ぎのようなものを感じ、タカトは夜空を追いかけようと思い、ジオアトスのある場所へと向かう。

 

「いきなりどうしたんだいタカト!?」

「リョーガ! ジオマスケッティを何時でも出撃できるようにしておいてくれ! もう実用できるんだろ!」

「できるけど……全く、仕方がないなぁ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからジオボルトスに乗った夜空はとある人気のない古びた銭湯に辿り着き、ジオボルトスから降りるとジオブラスターを構えつつも銭湯の中へと入って行く。

 

中に入ると丁度すぐそこにあの黒ずくめの男が立っており、その隣には軽巡洋艦と重巡洋艦と思われる艤装を装備した改造艦娘が護衛のように立っていた。

 

「貴様ぁ……!」

 

改造艦娘を見て夜空は男に対する怒りを露わにするが男は夜空に対し「まぁ、落ち着きたまえ」と言い、男は人間の姿から本来の宇宙人としての姿を現す。

 

「お前は……ファビラス星人か?」

『誰がファビラス星人だ! 私の名は『ノワール星人 バイス』。 どこをどう見たらファビラス星人に見えると言うんだ!』

 

その宇宙人、「宇宙狩人 ノワール星人バイス」はファビラス星人と間違えられたことに怒るがすぐに冷静となり、バイスは今日は夜空に対し交渉しに来たと言うのだ。

 

『先ずはこれを見てくれたまえ』

 

するとバイスは隣に置いてあった鏡に手をかざすとそこには虫のような怪獣……「メカレーター」として改造された「薄命幼獣 イフェメラ」が眠らされており、それを見た夜空は驚きバイスを睨み付ける。

 

「あれは……イフェメラ! なんてことを……!」

 

イフェメラはラテン語で「1日の命」を意味する言葉を名前に持つ怪獣であり、その名の通り500年に一回卵から孵化し、わずか1日で幼獣から成獣に成長して卵を産んで死亡する非常に短命な怪獣であり、しかもイフェメラは本来は大人しく1日の命を精一杯生きる怪獣なのだ。

 

そんな怪獣をメカレーターに改造したバイスに対し、さらなる怒りを抱えて今すぐにでも殴り飛ばすくらいはしてやろうかと思う夜空だったが……先ほどから改造艦娘の2人が主砲の砲口をこちらに向けているため下手に動くことが出来なかった。

 

『君は何か1つ、勘違いをしている。 ネルドラントは実験体であったために死亡したが、本来この装置は怪獣の命を長く繋ぎ止める機能も果たしているのだよ』

「なに……?」

『我々の星では怪獣を捕獲し、都合の良いように改造を施して生きた資源として有効活用している。 その結果は我々は様々な文化を築いて来た。 しかし、我々の星の怪獣は絶滅仕掛けている、そこで怪獣が生息する星を発見した』

 

それが理由で地球を訪れたのかと夜空は理解し、バイスは自分の星が怪獣が絶滅仕掛けたのを反省し、怪獣を改造すると同時に怪獣の命を長く紡ぐ装置を取りつけたというのだ。

 

そしてその成功例がこのイフェメラであり、本来1日しか生きられないこのイフェメラは既に数日間生き続けているというのだ。

 

『人間は我々のように怪獣を有効利用しようとはしない、実に理解できないが……私に取っては都合が良い。

この星は怪獣達の脅威に晒されているのだろう? 君たち地球人は我々のように怪獣を改造し有効活用しないのならば私が地球の怪獣を全て私に引き渡してくれれば良い。 そうすれば地球を怪獣の脅威にさらされなくなる』

「……どうして怪獣だけじゃなく、艦娘も改造したんだ?」

『艦娘、地球人が生み出したにしては実に興味深い生体兵器だ。 私はただ艦娘も怪獣のように……有効利用できると思ったまでだ』

 

バイスの話を聞き、「なに?」と夜空は怪訝そうにバイスを睨み付ける。

 

『そこで私は艦娘達も幾つか私に引き渡してくれないかと思ってね。 無論、君たち地球人が生み出した物なのだから全部とは言わない。 どうせ代わりは幾らでもいるのだろう? なにせ彼女たちは『クローン技術』によって生み出された存在なのだから』

「お前ぇ……!!」

 

それを聞いて夜空はバイスに殴り掛かろうとするが改造艦娘の2人に押さえつけられて動きを止められ、激怒する夜空に対してバイスは首を傾げる。

 

『なにを君はそんなに苛立つことがある?』

 

実はこの世界における「艦娘」とは「クローン技術」によって生み出された存在であり、その為この世界には同じ名前、同じ姿を持った艦娘が2人以上は必ず存在しているのだ。

 

しかし、同じ艦娘と言ってもそれぞれに性格の違いや見た目に若干の違いなどもあり、全員が全員、完全に同じ艦娘という訳ではないのだ。

 

だがバイスはそんなこと知ったことではなく、彼は艦娘をただの兵器としてしか見ておらず、バイスは艦娘を何人か引き渡してくれないかと夜空に頼むが……そんなことを夜空が承諾する筈もなかった。

 

「どうして俺と交渉しようと思った?」

『君が宇宙人と対話できる存在だったからだ』

「……フン、ならお前はバカだな」

 

夜空の言葉にバイスは「なに?」と首を傾げる。

 

「艦娘も怪獣も兵器なんかじゃない、怪獣も野生動物も原生林も……そして人間や艦娘も同じ地球に生きる生き物……地球の一部だ! お前のようなクソ野郎に渡す奴等なんて……1人もいない!!」

 

そう言い放ちながら夜空は改造艦娘の拘束からどうにかして擦り抜けてバイスに向かい、勢いよく拳をバイスの顔面に叩き込み、バイスは大きく吹き飛ばされて壁に激突した。

 

『ぐおっ!? おのれ……改造艦娘!!』

 

バイスは改造艦娘の2人に夜空を捕らえるように命令し、改造艦娘の2人は夜空に襲い掛かるが夜空はどうにかして改造艦娘の攻撃を回避する。

 

『我々の考えを理解して貰えれば楽に怪獣も……それだけではなく艦娘も手に入れることが出来ると思ったのだが……』

 

そんな時、横からバイスに向かって光弾のような物が直撃してバイスを吹き飛ばし、夜空が光弾が飛んできた方向を見るとそこにはジオブラスターを構えたタカトと主砲を構えた時雨、朝潮、睦月、如月が立っていたのだ。

 

「バカな奴だな。 その男は艦娘も、怪獣も大切にする男だ! そんな話し合いに提督が乗ると思ったのか?」

 

タカトが呆れたような視線をバイスに向けながらそう言い放つ。

 

『ぐおおぉぉ……おのれぇ! このムザン星で手に入れた石でぇ!!』

 

するとバイスはどこから石のような物を取り出し、それを自分の胸に押し込めると身体が赤く発光してバイスは鎧のような物を身に纏い巨大化する。

 

その際、銭湯の天井が崩れて改造艦娘は崩れた天井の下敷きになってしまい、夜空は必死に改造艦娘達を助けようとしたが時雨に抑えられる。

 

「ダメだよ提督! もう……間に合わない、早くここから出ないと!」

「……くそっ!」

 

一同は急いで銭湯から出ると丁度巨大化を完了させた鎧を身に纏い、「魔石超人 デビルノワール」となったバイスが待ち構えていたのだ。

 

それと同時に地中から改造されたイフェメラ……「イフェメラ・メカレーター」が出現し、デビルノワールとイフェメラは夜空達に襲い掛かろうとする。

 

「イフェメラ……」

「キュオオオオゥ……! キュオオオオゥ……!」

 

鳴き声をあげるイフェメラの声は……どこか苦しそうに聞こえ、夜空はそんなイフェメラを見て悲しそうな表情を浮かべた。

 

「イフェメラ……あんな怪獣まで奴は改造したのか!?」

 

タカトもまたイフェメラを改造したバイスに怒りを見せ、すぐさまジオアトスに乗り込むとリョーガにエクスデバイザーを使いジオマスケッティを発進させるように連絡する。

 

『サイバーブラックキング、ロードします』

『サイバーキングジョー、ロードします』

 

朝潮と時雨はブラックキングとキングジョーのサイバーカードをジオデバイザーに装填し、怪獣の力を身に纏い、また睦月と如月もモンスフュージョンを使ってパワーアップする。

 

『サイバーガルラフュージョン、アクティブ!』

『サイバーサラマンドラフュージョン、アクティブ!』

「ブラックヘルマグマ!!」

「キングジョーデストロイ砲!!」

「「発射ぁ!!」」

 

ブラックキングとキングジョーの力によって強化された光線を主砲からデビルノワールに向かって発射する時雨と朝潮だが……デビルノワールの鎧はあっさりとそれらの攻撃を弾き飛ばしてしまったのだ。

 

「そんな……!」

「なら睦月と如月お願い!!」

「任せるにゃしぃ!」

 

今度は睦月が目の前に巨大なバリアを張り巡らせてそれをデビルノワールに向かって飛ばし、同時に如月もサラマンドラの顔を模した主砲から炎を発射するのだが……デビルノワールはバリアを拳を振るってそのバリアを粉々に砕き、サラマンドラの炎も直撃したにも関わらずデビルノワールは平然としていた。

 

「ギャオオオオゥ……!」

『ジオアトス、ジョイン・トゥ・ジオマスケッティ! スカイマスケッティ、コンプリート』

 

一方でタカトはジオアトスとジオマスケッティが合体した空中で活動する戦闘機、「スカイマスケッティ」を完成させ、スカイマスケッティはイフェメラに攻撃を開始する。

 

「すまない……イフェメラ! ファントン光子砲!! 発射!!」

 

両翼に装備したファントン光子砲から光弾をスカイマスケッティは発射し、イフェメラに直撃させる。

 

するとイフェメラは口から火炎弾をスカイマスケッティに放ち、スカイマスケッティはどうにかしてイフェメラの火炎弾をかわし、旋回して再び光弾をイフェメラに撃ち込む。

 

一方で夜空はみんなから離れて人気のない場所に行き、エクスデバイザーを構える。

 

「っ……エックス、イフェメラを助ける方法は……ないのか?」

『……すまない、私にはイフェメラを救える方法はない。 だが、せめて苦しみからイフェメラを解放してやろう』

 

エックスの言葉に、夜空は静かに頷くエクスデバイザーをXモードに変形させエックスのスパークドールズが出現し、それをリードさせる。

 

『ウルトラマンエックスと、ユナイトします』

 

そして夜空はエクスデバイザーを高く掲げる。

 

『エックスーーーーーーー!!!!!』

『イイイィ!! シャアーーーー!!!!』

『エックス、ユナイテッド』

 

夜空は「ウルトラマンエックス」へと変身を完了させ、エックスは夕日をバックに大地に降り立つとエックスはファイティングポーズを取ってイフェメラに向かって駆け出す。

 

戦闘BGM「Xの戦い」

 

「ギジャアア……!」

 

イフェメラは向かって来るエックスに向かって火炎弾を放つがエックスは腕を振るって火炎弾を全て弾きながら接近し、イフェメラに廻し蹴りを喰らわせる。

 

蹴りを喰らったイフェメラは軽く吹き飛ばされ、エックスは倒れこんだイフェメラに向かって駆け出そうとするが後ろからデビルノワールがエックスに掴み掛かって押さえこみ、エックスの動きを封じてしまう。

 

そこで起き上がったイフェメラが火炎弾を放って動きが上手く取れないエックスに向かって放ち、エックスは火炎弾が直撃する。

 

『ジュア!?』

「エックスを離せ!!」

 

スカイマスケッティが光弾をデビルノワールの背中に撃ち込むが鎧はことごとくスカイマスケッティや艦娘達の攻撃を跳ね返してしまう。

 

エックスはどうにかしてデビルノワールの拘束を振り解き、腹部に蹴りを叩き込むが負けじとデビルノワールは近距離から赤い光弾をエックスに喰らわせる。

 

『グッ! シュア!!』

 

しかしエックスもデビルノワールの顔面を殴りつけた後、腕を掴みあげて背負い投げを繰り出す。

 

『ギジャアア!!』

 

そこにイフェメラがジャンプして体当たりをエックスに喰らわせ、地面に倒れこんでしまう。

 

さらに立ち上がったデビルノワールは倒れこんだエックスに向かって黄色い触手のようなものを出してエックスを拘束し、イフェメラに火炎弾を撃ち込ませようとするが……。

 

『サイバーエレキング、ロードします』

『サイバーエレキングアーマー、アクティブ!』

 

エレキングのカードを使い、エックスは「エレキングアーマー」を身に纏うと同時に触手を引き千切り、右腕のアームから電撃の鞭を出してイフェメラを拘束し、反対方向へと投げ飛ばす。

 

『デイ、ヤァ!!』

「ギジャアア!!?」

『タカトさん! 聞こえますか!? ジオデバイザーで解析した結果、あの鎧は胸部にある魔石の位置のみが脆いことが分かりました! 私たちでその部分の装甲をはがしますからタカトさんはそこを!』

「朝潮、了解した!」

 

朝潮からの通信を聞き、タカトは頷く。

 

朝潮達は一斉に主砲を構えてデビルノワールの胸部にある魔石に向かって攻撃を開始し……攻撃を受けた鎧はほんの少しだけ砕かれるだけだったが……魔石を露出させるには十分だった。

 

そしてタカトはジオデバイザーにテレスドンのカードを装填し、テレスドンの力をスカイマスケッティに宿す。

 

『サイバーテレスドン、ロードします』

「溶岩熱戦……発射ぁ!!」

 

スカイマスケッティからテレスドンの「溶岩熱戦」をデビルノワールの胸部にある魔石に撃ち込み、溶岩熱戦は魔石諸共デビルノワールを貫き、デビルノワールは身体から火花を散らして倒れ爆発した。

 

『ぐおおおぉ……!?』

 

一方でエックスはイフェメラと対峙し、アームをイフェメラに向かって構える。

 

「エレキングの電撃なら、イフェメラに埋め込まれた機械を停止できるかもしれない」

『だがそれでもイフェメラの命は……』

「……行くぞ」

 

エックスと夜空は迷いを振り切り、アームからエレキングの黄色い電撃と、エックスの力が込められた青い電撃を放つ「エレキング電撃波」をイフェメラに向かって放つ。

 

「エレキング電撃波!!」

 

イフェメラは直撃を受けるとイフェメラは身体中に電気が走り、イフェメラに埋め込まれた機械部分が全停止してイフェメラは静かに地面へと倒れこもうとする。

 

だが、その直後にアーマーを解除したエックスに抱きかかえられ、イフェメラは小さな鳴き声をあげると静かに目を閉じるのだった。

 

『っ……』

 

エックスは生命の活動を停止したイフェメラを持ちあげ、宇宙へと運ぶのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回の事件は、嫌なものだったな」

 

翌日、執務室でタカトが夜空と今回の事件について話しあっており、夜空は確かにタカトの言う通り今回の事件は嫌なものだったと答えるが……。

 

「だけど、だからこそ、俺たち地球人は絶対に同じになっちゃいけないんだ。 だからこそ、俺は怪獣との共存を絶対に諦めない」

「あぁ、応援してるぞ、提督」

 

タカトは笑みを浮かべて夜空の肩をポンポンと軽く叩くとタカトは執務室から出て行こうとするが……。

 

「ありがと」

「何がだ?」

「タカトさんのおかげで、俺は夢をもっともっと強く持てるようになった。 それだけじゃない、朝潮達のことも励ましてくれただろ?」

 

それに対し、タカトは「さぁな」とだけ答えると部屋を出て行き、夜空はゴモラのスパークドールズを手に持ち、じっとゴモラを見つめるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある森の中、そこでは1人の少女が森の中を歩いており……ここはどこなのか、どうして自分がここにいるのか分からなかったが……その少女はただ真っすぐ歩き続けた。

 

そんな時、「キジャアア……」という不気味な声が聞こえ、少女が慌てて振り返るとそこにはナメクジの怪物が自分に向かって襲い掛かろうとしていたのだ。

 

「う、うわあ!?」

 

少女はすぐに逃げようとするがナメクジの怪物は触手のような物を少女の足に絡ませて拘束し、少女を引きずってナメクジの怪物はその巨大な口を開き、捕食しようとしていたのだ。

 

(だ、ダメだ……食べられる……!)

 

だが……そんな時……。

 

『諦めるな』

 

そんな誰かの声が少女には確かに聞こえ……ナメクジの怪物……「ブロブタイプビースト ペドレオン クライン」はその時に振り降ろされた巨大な「銀色の拳」によって殴り潰されたのだ。

 

突然のことに、少女は驚きつつも上の方を見上げると……そこには銀色の巨人が立っており、その巨人はゆっくりと少女の方へと顔を向けた。

 

「……ウルトラマン……」

 

少女が静かにそう呟き、手を伸ばそうとしたその瞬間……目の前が突然光に包まれ、少女の伸ばした手はいきなり現れた何かの遺跡のようなものに触れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……き……。 び……き……。 響!!」

「んあ……?」

 

誰かに呼ばれ、ベッドから起き上がる響……隣には呆れたような顔を浮かべる暁の姿があった。

 

「全く、何時まで寝てるのよ。 もうとっくに起きる時間よ?」

「響お姉ちゃんにしては寝坊とは珍しいのです」

 

目の前には電と雷の姿もあり、雷は「もう、仕方ないわね~」と呆れたように言いながら響のボサボサの髪を直し始める。

 

「響姉ったら寝癖が凄いじゃない!」

「ほら、着替え用意してるから雷に髪を直して貰ったらすぐに着替えなさい」

 

暁に言われ、響は「うん」と言うと……響は先ほど見た「銀色の巨人」の夢を思い出していた。

 

(なんだったんだろ、あれ……)

 

 

 

 




ちなみにこのノワール星人は魔石の力であんな外道になってる訳ではなく、元からあんな感じの根っからの外道です。
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