強欲なる聖人   作:終一

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魔女は告げる、汝は神殺しだと。

神になるための鍵の一つを手にいれたことは少年にとっての近道なのか。

真実は神しかしらない。


祝福の代価

「あらあら、今回の息子は無傷なのね。 大天使であるミカエル様を一撃で殺したのはとも かく、傷一つないのはすごいわね。

 

あなたの名前を教えてくれるかしら?」

 

目の前に現れたのはあどけなさと妖艶さを両立さ せた少女だった。 そして、彼女からはさっきナイフを突き刺したミ カエルと同じような雰囲気が感じられた。

 

ならば目の前の彼女は・・・

「名乗る前に聞かせてくれ・・・貴女は神なの か?」

 

それを聞くと少女は口元を押さえて大声で笑っ た。 不思議とその姿には気品を感じた。

 

「うふふふっ、そうね。 その質問にはイエスと答えるわ。 私の名前はパンドラ。絶望と希望の二つを司る人 類最初の女にして、神に創られた罰そのもの。 それこそが私よ。もう一度聞くわ、あなたの名前 は?」

 

パンドラ・・・エピメテウスの妻である神造人 間、兄弟であるプロメテウスの行いを罰するため の存在。それを目の前の彼女が名乗っている。

 

「俺・・・いや私は上鳴 誓と名乗っているもの です。 お初に御目にかかります。パンドラ様」

 

俺は恭しく頭を下げる。先程のミカエルと違い、 初対面から険悪というわけでもない。そして、俺 にとって神話につらなる人?との会話は意味のある ものになるだろう。 故に俺は恭しい態度をとる。

 

「いやねぇ、私の新しい息子に成るんだから敬語 なんて要らないわよ。 新鮮ではあるけどお母さんは悲しくなっちゃう わ」

 

そう言ってパンドラは目尻にハンカチをあてがい 泣き真似をする。罪悪感は感じないが変な気分に なってしまう。それが表情に出てしまったのだろ う。パンドラはハンカチをしまい咳払いをする。

 

「他の子供達は乱暴な口調な子が多いのよ。サー シャはぎらついた目で私を睨みつけるし、次の子 は貧相な身体だって言ってくるし。まぁ、みんな

可愛いんだけど不良なのよね~。あと、お母さん とかママとかで呼んでくれないし。 そこで、誓あなたには是非ともそう呼んで欲しい のよ、いいかしら?」

 

パンドラは首を可愛らしくかしげて聞いてくる。 当人はニコニコして見つめてくる 断りずらい・・・

 

「お、お母さん」

俺は望み通りお母さんと呼んだ。 パンドラは恍惚とした表情で目を輝かしている。

 

「もう一回お願いね」 パンドラはウキウキしながらアンコールする

 

「お母さん」 期待を裏切るのは後悔させられそうなのでまたお 母さんと呼ぶ。漫画とかアニメのテンプレだとた ぶん・・・

 

「これは良いわ、最高よ。誓、アンコールよ」

 

やっぱりこうなったか。 こうなったらヤケクソだ。

 

「お母さん」

 

「もう一回」

 

「お母さん」

 

「もう一回」

 

「お母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお 母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお母さ んお母さんお母さんお母さんお母さんお母さんお 母さん」

 

息つぎする暇もなくニ十回ぐらい連続で呼ぶとパ ンドラは

 

「うふふふ、息子がお母さんって呼んでくれる。 これこそが私が求めていたものよ。 誓ありがとう。あなたは最高よ」

 

パンドラは俺に飛び付きギュッと抱き締める。そ して、俺に今年一番の驚きを告げた。

 

「言い忘れていたわ、これが本題よ。あなたミカ エル様を殺して神殺しになったわ」

 

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