問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜 一般人の問題児 〜 作:not Give
いつもと変わらない日々
退屈な人間関係
見慣れた景色
そんな日常がこれから先も続くのだろうと俺、鈴木凜は思っていた。
あの手紙を見つけるまでは・・・
その手紙を読んだ瞬間、俺は大空に放り出されていた。
「はっ、はぁああああああああああああ!?」
と声には出すものの、人間驚きすぎると存外冷静になるものである。てか何だこれ なにが起こった?
事の発端は押し入れで見つけた一枚の地図だった。
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義務教育が終了し高校生活が始まったが、高校生活は思ったほど楽しくはなかった。
「つまらないな・・・」
中学時代はあんなに憧れ、輝いてみえた高校生活も蓋を開けてしまえばルールによる束縛と上っ面だけの人間関係だった。
「こらっ!何度言えば分かるんだ!そこは立ち入り禁止だぞ!」
お前、腐っても教師ならタバコくらい生徒の前では控えろ
「ねえ、○○ってうざくない?みんなでシカトしようよ!」
お前は昨日そいつと、ずっと一緒とか言ってなかったか?
そんなことをしてるうちにどんどん足は高校から遠のいていった。
うちの両親は放任主義というか、俺に対し一切の興味関心がない。晩御飯が千円札だったことも一度や二度ではないし、万が一俺が何処かへ行っても何もしないだろう。育児放棄と言われればそうとしか言えないが、学費や生活費はちゃんと払ってくれているしそれを不満に思ったことはあまりない。ただほんの少し、他の奴らより達観してものを見るようになったのは事実だ。
「サボったのはいいが、暇だな」
時刻は午前10時28分、真面目な学生なら眠気まなこをこすりながら授業を受けている時間帯だ。
「そういえばここ最近部屋の掃除なんてしてなかったな」
思い立ったが何とやら 凜は部屋の掃除を始めた。
中にはとても他人に見せられないようなものも出てきたがここでは割愛しよう・・・
「んっ?なんだこれ?」
クローゼットの奥深くから見つかったのは一枚の手紙と同封された地図だった。
ご丁寧に説明もされている。
〜未来の自分へ〜
ーこの手紙を読んでいるということは未来のおれはよほどひまになって部屋のすみずみまでそうじをしていたんだろう。
「エスパーかなんかかよ、過去の俺」
ーそんな未来のおれにぼくからゲームを仕かけようと思う。
ーなあにかんたんだ、まずいっしょに入っている地図の宝物を見つけてみろ。
ー見つけられたら未来のおれの勝ち、それをあきらめたらぼくのかち それだけだ。
ーまあがんばって 『ゲーム』 をクリアしてみてくれ
〜かこの自分より〜
なんだこれ、全然覚えていないんだが。なんとか思い出そうと頭に手をやって考えるが、ダメだ 浮かんでくるのはここ最近のつまらない学校のことばかりだった。
人間割とどうでもいい事ばかり覚えているもんだなと思いつつ、仕方ないから文章にヒントが無いかもう一度目を通す。
うん、過去に俺が生意気だったってことは分かった。
いちいち上から目線の内容だが難しい漢字が分からなくて平仮名なのは微笑ましい。
だがやはりというべきか、過去も今も人間としての本質はあまり変わっていないらしい。こんな面白そうな暇潰しを見つけ
「いいぜ、やってやるっ・・・」
いつの間にか笑っていた自分がいて慌てて凜は表情を戻した。こんな風に笑うのも久しぶりだが何がともあれ
「ゲーム、開始ってとこか!」
やだ、決め台詞みたいでちょっとかっこいい・・・
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「って!裏の畑じゃねーかっ!」
俺はスコップを持った反対に持つ地図を地面を叩きつけた。
結論を言えばかっこよく決めた割に拍子抜けするほど呆気なく宝箱は見つかった。
「宝箱っても、ずいぶんボロい空き缶だな・・・」
空き缶はどこにでもあるようなクッキー缶だった。
どこもかしこもサビだらけ、おまけに凹んでいる、どうでもいいが凜も凹んでいる。
「とりあえず開けるか」
まあどうせ入っているの玩具付きお菓子の玩具とかそのあたりだろう。
しかし凜の予想は外れ、代わりに入っていたのは一通の手紙と趣味の悪いストラップだった。
「なんでこんなもんが入ってんだ?手紙は俺へのタイムレターだとしても、こんな気持ちの悪いストラップなんか知らねえぞ」
そのストラップは俗にショートストラップと呼ばれるものだ。
歪な円形で、半分ほどが黒い何かに覆われており見ている者をどこか不安にさせる。
「にしても変だな、この手紙やストラップ・・・」
次に凜が気にしたのは宝箱の中身の状態であった。
「土に埋まった缶は普通なら雨が降ると隙間から泥水が入ったりするはずなんだがな」
しかし缶の中には泥水などなく、ストラップに汚れはなかった。手紙に至ってはシミはおろか 傷一つ付いていない。
まるで何かに守られるように…
「考えても仕方ない」
凜はストラップをポケットに放り込み手紙を開けた・・・
『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる
そのを試すことを望むのならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、
我らの“箱庭”に来られたし』
その瞬間、鈴木凛のつまらない日常は幕を閉じた。
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