問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜 一般人の問題児 〜   作:not Give

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やっぱり土曜日に投稿出来なかった…
すみません!テストが近いんです!
とりあえず耀のギフトゲームが終わりました!結局凜にギフトカードあげなかったけどどうなるのでしょう…

あとこんなノロマ作者の文を読んで下さり本当にありがとうございます!


9話 夢・ギフトカード・気持ち

『では乗るが良い』

 

「うん」

 

私はグリフォンに促されてその背に乗る。グリフォンの上からみる景色はいつもより少し高くて、これから行われる試練(ゲーム)への期待感も膨らんでくる

 

「ゲームが始まる前にひとつだけいい?」

 

『なんだ』

 

「私、貴方の背中に跨るのが夢のひとつだったんだ」

 

嘘や打算なんてない、混じり気の無い本心だった。小さかった頃 お父さんからされたグリフォンの背に乗って駆ける話は、病院暮らしで歩くことの出来なかった私を強く惹きつけた。そして今その夢が叶う。

 

『ーーーーそうか』

 

そう短く告げて

 

『では…行くぞっ!』

 

空を走り出した。

やっぱりすごい… グリフォンなんてお話の中だけの生き物だと思ってた。

でも違った。翼で起こした風、聞いたことのない声、空を踏みしめる力強い足音 その全てが私にグリフォンという存在を伝えてくる。

 

「凄い…」

 

『人間の娘よ、もうすぐ山脈に差し掛かるが本当に良いのか? このままでは…』

 

わかってる、氷点下の風が山脈から吹き降ろす風で更に冷たくなって私の身体に襲いかかってくることくらい。それこそ体感気温はマイナス数十度近くになると思う。

それでも私は言った。

 

「いいの?貴方こそ本気でこないと 本当に私が勝つよ?」

 

『良かろう!後悔するなよ 娘!』

 

更にスピードを上げたグリフォン、私は振り落とされないように必死になって手綱を握る。

 

 

 

 

 

「なんて速度なの…あれがグリフォン…」

 

飛鳥が驚いたように呟く。戦後間も無い時代から来た飛鳥にはグリフォンという生き物自体が初めて知るものだっただろう。

 

「マトモな人間なら一瞬でぺちゃんこになる衝撃なんだがのう… あの娘、よく耐える」

 

「春日部…頑張れよ」

 

その時山の向こうから猛スピードで戻ってくる耀が見えた。

 

 

 

 

 

ようやく山脈を抜けた、あとはみんなの待っている場所まで戻るだけだ。

でも手はかじかむし、髪の毛は凍っている。おまけに直に晒している腕や脚は凍傷気味。身体のあちこちが悲鳴を上げている、気を抜いたら一瞬で振り落とされるだろう。

それでも私は負けない、負けられない! 折角夢のひとつが叶ったのにそれで終わりなんてつまらないし!

 

スパートというように加速していくグリフォン そして耀を背に乗せーーーーーーー

 

 

 

 

「ゴールです!」

 

「春日部さんの勝ちだわ!」

 

私はゴールを過ぎた時、手綱を放した。重力に従って落ちていく体、飛鳥が叫び声を上げる

大丈夫だよ 心配しなくても

私はグリフォンが空を駆ける姿を思い出す。

四肢で風を絡め…

大気を踏みしめるようにーーーーーー

 

足にかかる確かな感触、 うんっ、いける!

 

「なっーーーーー」

 

黒ウサギたちが驚きの声を上げる。

でも十六夜はちゃんと分かっていたのかあまり驚いていなかった。

 

私は大気を一歩ずつ確かめみんなのところに向かった。片手でブイサインを作りながら

 

 

 

【お嬢!怪我はないか!?】

 

「大丈夫 心配いらないよ」

 

「やっぱりな、お前のギフトは他の生き物の特性を手に入れる(・・・・・・・・)類だったんだな」

 

十六夜の言い方に私はムッとしながら訂正する

 

「…違う これは友達になった証。 けどいつから知ってたの?」

 

「俺たちが黒ウサギと出会ったとき、お前が言ってたろ

「風上に立たれたら嫌でも分かる」ってな

そんな芸当は普通の人間には出来ねえよ。だから春日部のギフトは多種と言葉を交わすだけではないと推測したんだが、それだけじゃ…」

 

十六夜が耀のギフトに関する考察を始めたその時、グリフォンがこちらに声をかけてきた。

 

『見事だった、お前が得たギフトは私に勝利した証として使って欲しい』

 

「うん 大事にする」

 

 

「いやはや 大したものじゃ、おんしのギフトは先天性のものか?」

 

白夜叉が関心しながら尋ねる。

 

「違う、父さんにもらった木彫りのおかげで使えるようになった」

 

そう言って耀は首にかけた木彫りを白夜叉に手渡した。

それを受け取った白夜叉はじっくりをそれを見定め、黒ウサギたちも同じように覗き込んだ。

 

「なんか複雑な模様だな、何か意味があるのか?」

 

「昔教えてもらったけど忘れた」

 

凛の問いにあっけらかんと答える耀

 

「おいおい…」

 

「材質は楠の神木ですね、既に神格は失われているようですが…。それにこの幾何学線…もしかしてお父様のお知り合いには生物学者がおられるのでは?」

 

「うん、私の母さんがそうだった。父さんは彫刻家だけど」

 

「凄い!本当に凄いぞ!!これが本当に人造ならおんしの父は神代の大天才じゃ! コレは人の手で系統樹を確立させた“生命の目録”と称せる正真正銘の名品だ!」

 

「でも系統樹って木の形をしていたと思うけど」

 

「それはおんしの父が表現したいモノのセンスが成す業よ

この円形は生命の流転と輪廻を表現したもの、繰り返す生命の系譜が進化を遂げて進む円の中心、すなわち世界の中心を目指して進む様を表現しておる。

中心が空白なのは流転する世界の中心だからか、生命の完成が未だ視えぬからか、それともこの作品そのものが未完成だからかーーーーー」

 

白夜叉が一通り長い口上を述べたあと

 

「これはまことにアーティスティックが刺激させる作品じゃな!おんしが良ければこのまま買い取りたいくらいじゃ」

 

「ダメ」

 

白夜叉の交渉をバッサリ断り、返してもらう耀。これは耀にとって父親との思い出そのものだ、いくらお金を積まれても渡すことは無いだろう。

 

「…で これはどんな力を持ったギフトなんだ?」

 

凛が聞くとまたしても

 

「分からん」

 

と答えのない答えが返ってきた。彼が質問すると答えが返ってこない呪いでもかかっているのだろうか

 

「今日はそのギフトの鑑定をお願いしに来たのですけど…」

 

「うげ、ギフト鑑定なんて専門外もいいところなんじゃが…」

 

そう言って渋い顔をする白夜叉、 が閃いたように顔を上げ

 

「そうじゃな、ちょいと贅沢な代物じゃが、試練をクリアしたこととコミュニティ復興の前祝いにはちょうどよかろう」

 

そして柏手をひとつ パンッ と打つと3人の手元には光輝くカードが現れた。十六夜はコバルトブルー、飛鳥はワインレッド、耀がパールエメラルドだった。

 

「お中元?」

「お歳暮?」

「お年玉?」

 

三者三様にボケをかます十六夜たち(問題児たち)に 違います! とツッコミを入れる黒ウサギ

 

「それはギフトを収納して好きなときに顕現出来る超高価アイテムですよ!」

 

「それの正式名称は“ラプラスの紙片”すなわち全知の一端だ、そこに刻まれるギフトネームとはおんしらの魂と繋がった“恩恵(ギフト)”の名称。鑑定せずともそれを見れば大体のギフトの正体はわかる」

 

「へぇ?じゃあ俺のはレアケースなわけだ」

 

十六夜が言った言葉を受け白夜叉がカードを覗き込むとその顔が驚愕に染まった。

 

 

正体不明(コード・アンノウン)

 

 

「…いや そんな馬鹿な、全知である“ラプラスの紙片”がエラーを起こすはずなど…」

 

「まあなんにせよ、俺は良かったぜ? 人に値札を貼られるのは趣味じゃないし 分からないって言うんならそれで」

 

「まあそうじゃな、まあそのうちに分かることだろう」

 

白夜叉も落ち着いたようでそこで会話が切れる。そのあと、少し後ろから3人を見ていた凜が目に入り声をかける。

 

「そこのおんしは本当にゲームを行わなくていいんじゃな?棚に上げて言うようじゃがギフトカードが貰えるゲームなどなかなかないことだぞ」

 

「そうよね、せっかくこう言ってくれているのだし受けたらどう?」

 

「いや…だから俺はいいんだって…」

 

「まあ強制はせんよ、じゃあこれでお開きとするかのう」

 

またも白夜叉が柏手を打つとそこは元いた白夜叉の私室だった。外を見ればもう月がのぼっており、いい時間だ。

 

「じゃあもうコミュニティに戻るといい、子供たちもお腹を空かせているだろう」

 

「そうですね!今日はありがとうございました、白夜叉様!じゃあみなさんも戻りましょうか」

 

「分かったわ」

「うん」

「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

黒ウサギたち4人が支店から出て行き、凜もそのあとを追おうとしたとき後ろから声をかけられた。

 

「おんしもなかなか無理をしておるな」

 

「…なんのことですか?」

 

突然の物言いに警戒して白夜叉を見る凜

 

「そう隠さんでもよい、その目を見れば分かる。尊敬、嫉妬、それから諦観、あの才能の塊のような3人といるのはおんしじゃなくてもキツイじゃろう」

 

「ッ・・・」

 

心中をピタリと言い当てられ顔を背ける凜 それは凜が最も考えていることであり、同時に最も考えたくないことでもあった。

 

「安心せよ、誰かに言いふらしたりはせん。じゃが話くらいは聞いてやるからまた来るといい」

 

「…ありがとうございます」

 

そう言って店を出る凜は自分が知らず知らずのうちに敬語になっていたことに気付かなかった。それは箱庭に来てから初めて見せた素の凜でもあった。

 

「全く、私もなかなかのお節介だのう」

 

白夜叉はそう呟き空にのぼる月を見つめた。

 

 




あとがきって結構文字数を使えるみたいなのでちょっとした小話を…(結構原作メタな会話になるかもです)

ツンデレ

「そういえば飛鳥ってすごいツンデレっぽいよな」

「急にどうしたのよ凜くん、それにそのつんでれ?ってなんなの?」

「そっかツンデレって言葉がまだ飛鳥の時代には無かったのか、なるほど〜」

「だからそのつんでれってどういう意味なのよ!『教えなさい!』

「はい、ツンデレとは普段はツンツンしててちょっと当たりが強かったりするけどたまに優しくなったりしてデレる人のことを言います」

「はっ、ちょっと気になるあまり威光を使ってしまったわ…ていうか私はそのツンデレじゃないわ!」

「そうか。でも飛鳥、流石に威光はずるいっすわ」

「分かってくれればいいのよ!本当に凜くんは突然なにを言い出すのかしら全く…

あっ、あと…さっきは急にギフトを使ったりしてごめんなさい…」

十六夜耀凜(((「ツンデレだ…」)))

終わり



評価感想お待ちしております!今回は個人的に凜の苦悩が文を通して伝わったら嬉しいです!
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