問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜 一般人の問題児 〜 作:not Give
そして不定期投稿で申し訳ありません。
良ければ暖かい目で見てください。
「春日部の容態は?」
「黒ウサギが治療用のギフトを使っているので問題はないそうです」
ゲームが終わり耀はすぐさま施設で治療を受けた。十六夜はその治療を施したのが黒ウサギだということを知り、ますます黒ウサギに対する興味を沸かせていた。
「治療もできるのか。やっぱりアイツが一番面白いな」
面白いといっても戦ってみたいという意味のほかにいじったときの反応という意味合いも含んでいたが。
そんな十六夜とは逆で心の底から安堵しているのが凛であった。
「良かった…耀は大丈夫なのか…」
「だから言ったろ、簡単にくたばったりしねえって。大体お前は心配しすぎなんだよ。昔っからそうなのか?」
「そんなことねえと思うけど…むしろもっと無関心、いや…どうだった…?」
「まっ、いいや」
なんとなく歯切れが悪くなった凛をみて早々に話を切り上げた十六夜はジンのほうに顔を向けた。
「ところで御チビ、ゲームに勝ったんだから昨日の作戦でいくんだろ?」
「はい!僕の名前を全面に押し出すという方法なら万が一の際にみんなへの被害も軽減できるかもしれないですから。」
「言うようになったじゃねえか。じゃあ協力するぜ
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ジンと十六夜がフォレス・ガロの被害者たちの前に立つのを凛は近くの建物に寄りかかってぼーっと見ていた。
「あら、凛くんはいいの?十六夜くんたちの作戦に参加しなくて」
「生憎、人の前に立つのは苦手なんだ。裏方の方が向いてるしな」
「それだといざというときに困るわよ?練習しておきなさい」
そう飛鳥に言われどうしたものかと凛は苦笑する。
「まあ頑張るわ。それに飛鳥もこういうの得意そうだよな」
物事をハッキリと口にするタイプだとやっぱり得意なんだろうか。そういう疑問を飛鳥にぶつけてみたが
「私の場合は家が家だったから、人の前に立つことが多かったのよ。それにこの
「悪い、少し配慮が足りなかった」
「構わないわ、そのおかげでこの箱庭に来れたんだもの。今は良かったとさえ思っているわ」
そうやって笑顔を見せる飛鳥の表情に嘘の色はなかった。
そうだな、とつられて笑う凛の耳に届く声があった。
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「ガルドの次は“名無し”か…」「一体何を要求されるのだか…」
そんな声が聞こえるなかで一人の獣人がジンに向かって疲弊した顔で問いかけた。
「俺たちは…“ノーネーム”の傘下になるんでしょうか…?」
途端に曇るジンの表情。その顔には悔しさとほんの少しの諦めが混ざっていた。
気づけば凛の足は動いていた。
「てめえ…それが助けたやつに言う言葉かよ!」
「っ、それは…」
今にも掴みかからんばかりに詰め寄る凛に対しジンに言葉をかけた獣人もたじろぐ。
「ここにいるジンだけじゃない、ガルドと戦って大怪我した奴だっているんだぞ。人質を取られて脅されていたコミュニティがあることを知って真っ先にガルドに立ち向かった奴らを何で信頼してやれねえんだ!」
「ですから、そういう問題ではないのです…私たちにも生活がかかっているのですから…」
「そうだぞ!」「どうせお前らだって利益が目的だったんだろ!」
「っ…」
凛は奥歯を強く噛んだ。納得がいかなかった。なぜ危険を冒してまで戦った仲間に猜疑の気持ちが向けられるのか。
本来向けられる賞賛の言葉や気持ちは何処へいったのだろう? “名無し”というだけで勝利の輝きも鈍色に変わってしまうのか。
半ば自棄になった凛はうつむいたまま隣にいたジンに呟いた。
「悪い、ジン。今から俺すごい身勝手なことするから」
そういうと凛は目線を獣人たちに合わせあらん限りの声で叫んだ。
「今から“フォレス・ガロ”に奪われた誇りー
“名”と“旗印”を
俺たちノーネーム、
「その対価に俺たちはーーーー
「な…まさか…」「本当に…?」「俺たちの旗印が返ってくるのか…?」
突然の凛の宣言にざわめく周囲を十六夜が一喝した。
「静かにしろ!コミュニティの代表者は前に出ろ!列を作れ!」
「“フォレス・ガロ”を打倒したノーネーム、ジン=ラッセルがその手でお前たちの旗印を返還すると言ったのだ!」
その言葉に静まり返っていた周囲は爆発のような歓声に包まれた。
その声に紛れ後ろに退いた十六夜は未だに若干呆気にとられている凛とジンの肩を叩いた。
「凛、ナイス宣言だぜ。おかげで作戦がスムーズに出来た。」
「いや、俺はそんなつもりじゃ…」
「御チビ、流れは作ったぞ。手渡すときにしっかりと自己主張してこい」
「っ…はい!」
そう言ってジンは駆け出した。
「さて、あとは仕上げだ」
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近くの建物に戻ってきた凛を待っていたのはニコニコ笑顔の飛鳥だった。
「おかえりなさい凛くん。いきなり練習が出来て良かったじゃない?」
「いや、だからそんなつもりじゃ…というかあれはむしろ本番じゃないか?」
「いいじゃないどっちでも。それに貴方が言わなかったらきっと私が言っていたわ。多分ギフトも使って」
「俺が出てて良かった…」
「まあ私たち
「その辺りは触れないでおいてくれ」
「ふふっ、そうするわ。でもジンくんや私たちのために怒ってくれた凛くん、格好良かったわよ?」
そう言ってはにかんだ飛鳥はその若干赤くなった頬を隠すように十六夜たちの方へ走っていった。
そしてこの日、ノーネームは
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