問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜 一般人の問題児 〜 作:not Give
「あっ、これは死んだわ」
目算数千メートル地点に放り出され、パラシュート無しの自由落下 まず助からないだろう。
「きゃ!」
「うおっ!」
「・・・!」
「みゃぁあああああああ!」
哀れ少年少女+猫 みんなで大地に屍を晒そうぜ!
そんな物騒なことを考えていた凜だったがその思考はポヨンとしたクッションのような感触と水中へダイブしたことによってかき消された。
「うぼっ、げふっごぼっばっ」
思いっきり水を飲んでしまい溺れかけていた凜だったが、腕を引っ張り上げられなんとか救出された。
「ヤハハっ、大丈夫か?」
「ああ、すまん助かった。」
見るからに不良っぽい金髪さんにお礼を言い周りを見渡すと
「信じられないわ!問答無用で引きずり込んだ挙句空に放り出すなんて!」
「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜこれ。」
お嬢様みたいな人が文句をいい、金髪さんがそれに乗っかるように悪態をつく。
「本当に死ぬかと思った・・・むしろなんで生きてんだ俺たち。」
俺が先ほどの死のスカイダイビングを思い出し手足を震わせていると
「・・・どうしたの、寒い?」
今まで猫と戯れていた少女が声をかけてきたが、急に話しかけられたため
「いっ、いやっ だいじょっ、うぶ。」
「・・・そう。」
ドモリまくったうえに相手がほぼ無反応・・・泣きたい
そうこうしてるうちに金髪さんが
「まず間違いないと思うが、いちおう確認しとくぞ、オマエたちにも変な手紙が?」
「そうだけどまずその“オマエ”って呼び方を訂正して。私は久遠飛鳥よ、以後気を付けて。」
「それで、そこの猫を抱えている貴方は?」
「・・・春日部耀、以下同文。」
「そう、よろしくね春日部さん。次に野蛮で凶暴そうなそこの貴方は?」
「高圧的な自己紹介ありがとよ、見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と三拍子揃ったダメ人間なので用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれよ。」
やっぱり逆廻は不良さんだったか・・・そこまで悪そうには見えないが
「あらそう、取扱説明書をくれたら考えてあげるわ十六夜くん。」
「ハッ、マジかよ。今度作っておくから覚悟しとけよお嬢様。」
「だから飛鳥よ、それで最後にさっき溺れてた黒髪の貴方は?」
そういう覚え方なんだ・・・ちょっと悲しい
でもとりあえず自己紹介くらいはしないとな。
「鈴木凜だ。鈴木だとどこにでもいる名前だから凛って呼んでくれ。」
「分かったわ鈴木くん。」
「任せろ鈴木。」
「・・・鈴木。」
「お前ら揃いにも揃って捻くれ者か!?」
「冗談よ、ちょっとからかいたかっただけ。ごめんね凛くん。」
「ごめん、凛」
冗談で良かった。
「まあ俺もそのうち呼んでやるよ、鈴木」
冗談じゃなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そんな様子を草陰から覗く1人(1匹?)がいた・・・
(うわぁ・・・なんだか問題児ばかりみたいですねぇ・・・)
「で 呼び出されたはいいが何で誰もいねえんだよ、この状況だと“箱庭”とかいうものの説明をする人間が現れるもんじゃねえのか?」
「そうね、なんの説明もないままでは動きようがないもの。」
「・・・この状況に対して落ち着きすぎているのもどうかと思うけど。」
確かにそうだ、普通に考えてこういう状況ならルールの説明やこの“箱庭”とやらについて教えてくれる人間がいていいはず・・・
(みなさんが落ち着きすぎていて完全に出るタイミングを失ってしまったのです・・・)
「ーーー仕方ねえな こうなったらそこに隠れている奴に話でも聞くか?」
(ギクぅーー!!)
「あら、貴方も気付いていたの?」
「当然だ、かくれんぼなら負け無しだぜ? 大方そっちの猫を抱いてる奴も気付いてたんだろ?」
「風上に立たれたら嫌でもわかる。」
「へえ…面白いなお前。」
(ギクギクぅーーーー!)
「えっ、マジ?どこにいんの?(春日部の風上…あの辺か…)」
(良かった・・・まだ全員には見つかっていない様子、今が出て行くチャンスなのです!)
「いっ、いや〜 見つかってしまいました。流石この黒ウサギが召喚した方々ですね〜。」
(…って見つかっていなかったと思っていた方にもなんか見られていましたし!)
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・ぇっくし!」
やばい、着水後に水きってなかったからか体冷えた・・・
「や やだなあ皆様方、そんな怖い目で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?ここはひとつ穏便にお話を聞いていただけたら…」
「断る」
「お断りします」
「却下」
「それよりティッシュない?」
「あっは 取りつくシマもないですね♪それにちょっと話が逸れてる方もいますし」
「悪かったな、こっちはいきなりパラシュート無しスカイダイビングの後に水に落とされて放置されてたんだ。」
「もうっしわけございません!」
と黒ウサギが腰を直角に曲げて謝罪しているところに春日部が近づいていく そして…
「ふぎゃっ!?」
さっきからずっと気になっていただろう頭上についた長い耳を引っ張った。
「ちょ ちょっとお待ちを! まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きにかかるとはどういうことですか!?」
「好奇心の成せる業」
ちょっと楽しそうだな春日部のやつ
「自由にも程があります!」
ムキィー!と黒ウサギが憤慨しているが
「へえ、このウサ耳って本物なのか?」ガシッ
「…じゃあ私も」ガシッ
「えっ ちょっとお待ーーーーーーーーーーー」
にぎゃ〜〜ーーーーーー〜〜!!!
黒ウサギ…南無
そろそろヒロインを決めたいです…