SW:Side Story ~ジェットの鼓動~    作:歌雪斎

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 更新ペースってどれくらいが基本なんでしょうかね?私の場合、書くのが遅いですから週一ペースなんですが、どうでしょうか?


第二話「来客と、ジェットストライカー」

 魔導エンジンが届けられてから、早一週間が経つある日のことである。

 その日の午後、GE・L社から技術員が二名派遣されてきた。

 GE・L社は魔導エンジンに精通しており、今回『魔導W.1ジェットエンジン』のデッドコピーを担当している企業である。

 今回彼らは、他でもなくベルに逢いに来たのだ。

 MJDLの応接間では、五人の関係者による会談が行われている。

「あなたが、あのエンジンを動かすことの出来る、ウィッチですね?」

 眼鏡のいかにも科学者の様な人物が質問する。

「はい、私がベル・クロスフィールド少尉です」

 挨拶をするベル。その傍らには永島とジョセフがいる。

「お話は聞いています。何でも、届いて直ぐにジェットを動かしたそうで?」

「ええ、不注意で倒れましたが、確かに動きました」

 ジョセフが失笑する。しかしベルに足を踏まれる。

「今回お邪魔させて頂いたのは他でもなく、唯一あなただけがジェットを始動できたという事についてです」

「それはどういう事ですか?」

 ベルが聞く。

「実は私どもの方にも、コピーするためのW.1エンジンがありまして、ここのものと寸分も変わらない物です。しかし、私どものウィッチでは誰一人として、エンジンを始動するに至らないのです。仮にタービンが動いたとしても、点火するのに必要な魔力が足りないのです」

「なるほど」

 ベルが頷く。

「それは実に、簡単で単純な答えです。あなた方のウィッチたちは恐らく、恐怖に打ち勝てていないのです」

 派遣員たちは唖然とする。

「爆発したらどうしよう、失敗したらどうしよう、等と考えていては、エンジンが始動する訳がありません。精神と魔力は直結しているのです。つまり、点火させる気が無いのに、エンジンが点く訳が無いのです。要するに気持ちですね。

「そして恐らく、あなた方はエンジンの最高出力が知りたいがために、過激なセッティングを課していると思われます。それでは初期に掛かる魔力が尋常ではありません。もっと優しいセッティングに変える必要がありますね」

 魂が抜けたが如くの表情で、ベルを見つめる派遣員。

 数秒後、息を吹き返した派遣員が尋ねる。

「で、では、クロスフィールド少尉殿は怖くは無いのですか?」

「ええ、むしろ楽しいです」

 永島とジョセフにとって、これほどベルが頼もしく思えたのは初めてである。

「私が出来ることは、ここまでです。もしよろしければ、訓練させますが?」

 派遣員が顔を見合わせる。

「なるほど、エンジンを始動できた訳が分かりました。是非とも指南頂きたい。今日は良い機会となった、お礼申し上げる」

 こちらこそと握手を交わすベル。

 エンジンの複製を急ぐと再び契約を交わし、一連は去った。

 

   *   *   *

 会談後、永島とジョセフは改めてデータの整理を行った。

 この一週間でテストを積み重ね、エンジンの構造から機体の原案を搾り出した。

 エンジンの構造や仕組み、各種データなどは少しずつではあるが分かってきた。

 特に魔導ジェットの構造はそこまで難しいものではない。

 まず、ウィッチの魔力により、タービンを動かし、空気を圧縮する。ある程度タービンが回り始めたら、飛行魔法(魔力)と空気の混合体を作り燃焼室内で噴射し、点火することにより魔力炎が出来る。エンジンに火が付くと、後は勝手にタービンが回る。この噴射の反力により推進力が生まれ、飛行することが出来る。

 メリットとしては、その莫大な推進力にある。今までのストライカーユニットの、幾倍にもなるその推進力は絶大なものだ。

 デメリットは、消費する魔力が尋常では無いという事だ。そのため稼動時間は精々五分程度、それ以上になるとウィッチの身が危ない。

 また、高温な魔力炎に耐えることの出来る機体素材も必要になる。

 なおブリタニアと、カールスラントではジェットの仕組みがやや異なり、ブリタニアでは遠心式圧縮機、カールスラントでは軸流式圧縮機が用いられているという。

 ここまでの報告書に目を通すと、永島はエンジンを見つめる。

「流石『魔導ジェットの父』が作ったエンジンだな」

「ああ、俺たちも苦労したさ」

 ジョセフが昔の事を思い出す。

 彼は当時、このエンジンを開発したホイット教授の助手としてエンジンの開発に携わった過去がある。

「開発途中で何人もウィッチが怪我をした。死んだ奴は居なかったが、エンジンに魔力を全部吸い取られた子がいてな。苦い思い出だよ」

「技術の発展には犠牲が付き物さ。結局は誰かがやらないといけないんだ」

 ジョセフは言葉を無くした。しかしそれが事実であることは認めなければならない。

 永島は話題を変えるように、最近の話題を持ちかけた。

「そういえば聞いたか?ブリタニアでジェットストライカーが飛んだらしいぞ。ほんの十数分間だったらしいが、飛行に成功したそうだ」

 それを聞くとジョセフは顔を上げた。

「それは本当か!?」

「あ、ああ。今朝報告があったんだ。『E.28/39初飛行』だとよ」

「そうか、ついに飛んだか!」

 ジョセフは今にも跳ね上がりそうなくらいに喜んでいる。

「こうしちゃいられないぞ、永島。早く俺たちも空へ飛ばすんだよ!!」

 永島はジョセフの機嫌が直ってホッとしている。この吉報は全世界に広がり、魔導ジェットの開発が急がれる火種となった。




 今回は来客とジェットストライカーについてです。長ったらしい説明が続きますが申し訳ないです。実用可能なジェットはドイツで初めての飛ばされました。しかし、政府がこれを公表しなかったために、イギリスのE.28/39が世界で初めてのジェット機として宣伝されました。物語にも出てきます、あれがこれにあたります。原作にも出てくるMe262v2が出てくるのはこれより、一年後のことです。原作では1945年に実戦で使われていましたが、実際は1942年から試験が行われたと思われます。
 長くなりましたが、次回をお楽しみに。
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