この素晴らしい世界に混沌を!   作:薄翅蜉蝣

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どうも、七星天道です。

更新は遅くなると思いますがどうぞ宜しくお願いします。

それでは、本編どうぞ


プロローグ

「天雷焔さん、ようこそ死後の世界へ。君はつい先ほど、不幸にも亡くなりました。短い人生でしたが、君の生は終わってしまったのです」

 異様なほど白い部屋の中で、可愛らしい金髪の女の子に俺はそう告げられた。

 

 

 は?今こいつなんて言った?

 死んだ?俺が?

 突然の通達に唖然とする。

 これは夢か?

 うん、きっと悪い夢だ。よし、寝よう。

「おやすみ」

「ちょっとちょっと!!何寝ようとしちゃってんの!?」

 口調崩すの早いな。

「これは夢だろ?きっともう一回寝りゃ覚めるさ」

 それにしてもやけにリアリティのある夢だな。

 目の前のやつの慌て様なんて夢の域を軽く超えちゃってんぞ。

「夢じゃないから!!」

 元がいいだけに、あわてる姿もかわいい。

「分かった分かった。で、俺は何で死んだんだ?」

 こいつの話聞いてるうちに夢から覚めるだろう。

「死因は中毒死だよ」

「中毒死?」

 フグとか?

「そう、君は料理してたよね」

 そういえば唐揚げ作ってたな。

「それでどうして中毒死すんだよ」

「一酸化炭素中毒だよ」

「マジか」

 なるほど、ガス中毒か。

 それは盲点だったな。

 この人も面白い話をしてくれる。

 しかしそれはあり得ない話である。

 なぜって、最近料理にはまっていて一度もしくじったことのない俺が料理においてミスるなんてあり得ない。

 第一、唐揚げは俺の一番の得意料理なのだ。

「換気してた?」

 換気、換気なあ…

 換気してない気がする。

「でも一酸化炭素中毒って不完全燃焼でなるはずだろ?」

「よく知ってるね。でも残念。あなたの家のコンロ、ガス漏れしてたよ」

「なん…だと」

 こいつに付き合ってるのは案外楽しい。

 それに、現実世界に未練なんてないしな。

 もしこいつの言うことが本当だとしても大丈夫だ。

「じゃあ質問。お前はだれだ?」

「私は戦の女神、ベルルムだよ。本当なら死者の案内はアクアっていう女神がやってるんだけど、私は君のことが気に入っちゃってね。無理に頼んで今だけ代わってもらったの」

 俺のことを気に入る要素って何なんだろうか。

 まあ、他人から気に入られていやなやつはあんまりいないだろう。

「ところで、君には二つの選択肢があるの。一つは人間として生まれ変わって、新しい生を送る。そしてもう一つは天国みたいなところで老人のような暮らしをする」

 天国みたいな(・・・・)

「え?天国じゃないのか?みたいなっていうのは何なんだ?」

「天国って言うのは、君たち人間が想像しているすばらしいところじゃないの。食べ物もないし、娯楽だってない。やることって言ったらすでに死んでた先人たちと世間話するぐらい」

 なんだよその天国。

 地獄の間違いじゃねえの。

 だからって幼児からやり直すのもなぁ。

「おい、ほかに選択肢はないのか?」

「良くぞ聞いてくれました。実はもう一つだけ選択肢があるんです」

 満面の笑みを浮かべるベルルム。

 

「君はゲームが好き?」

 

 ベルルムが笑顔で第三の選択肢について説明してくれた。

 その話を要約すると、こうだった。

 ここではない世界、すなわち異世界に魔王がいる。

 そして、魔王軍の侵攻のせいでその世界がピンチらしい。

 その世界では、魔法があり、モンスターがいて。

 つまりゲームみたいな世界らしい。

「私もアクアから聞いただけだからよくわかんないんだけど、その世界の人たちがみんなその世界に生まれ変わるのを拒否しちゃうんだって。そのせいでこのままじゃ赤ちゃんも生まれなくてその世界が滅びちゃうらしいの。だから別の世界の人たちを送り込んじゃえってことらしいの」

 なんて適当な…。

 まさにやけくそだな。

「まあどうせ送るなら若くて未練だらけの人を記憶と体をそのまま送っちゃえってことになってね。まあでも向こうの世界に着いてすぐ死んじゃっても困るから、何か一つだけ好きなものを持っていけるの。つまり、特典だよ」

 俺、特に未練もなぁ。

 それでもなるほど、異世界に行けるのか。

 まあ俺が何よりも惹かれたのは…。

「おいベルルム、魔王軍って言うのは叩き潰してもいいわけだよな!!」

「もっちろん!そのために君は異世界に行くんだから」

 よっしゃ!!久しぶりに楽しめる!!

 地球でも退屈してたから、暇つぶしになるだろう。

「それで?君は何を持っていくの?」

 何でも一つ、か。

「じゃあ、俺がこの先楽しめるっていう保証をくれ」

 ベルルムはきょとんとした顔になる。

「保証?」

「ああ。えっと、そうだな。言いかえれば、俺が楽しめるように祝福を頼むよ、女神さま」

 ベルはポカンとした顔から、にんまりと笑顔を浮かべた。

「うん、貴方の二度目の人生に祝福を!」

 

 その言葉で俺は白い光に包まれた。

 ……そして、ベルルムも光に包まれたような気がした。




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