それでは、本編どうぞ
突然ですが、俺は今、ベルを連れて近くの廃城に来ています。
魔王軍の幹部がアクセルの街付近の小城に住みついたらしい。
俺が知ってるアクセルの街の近くにある城はここくらいだ。
「ね、ねえ、ホムラ。なんだかおばけでも出そうな気がするんだけど……」
「お主、仮にも女神であろう?」
ベルの中から、もう一つ声が聞こえてきた。
「なんだフォル、ついてきてたのか」
「うむ。我はどうやら、ベルからあまり離れられんようだからな」
そんな制限もあるのか。
「ん? アンデッドの気配かな……?」
「さっそくか」
「ベルよ、ここから出してくれ」
「え? あ、そうだね。『召喚』」
フォルが実体化するのと、ゾンビめいたモンスターが現れるのはほぼ同時だった。
それにしても……。
「多すぎるね、これは……」
「一度引くか?」
「いや、ここは忍者スキルの出番だろ。『影走り』!」
瞬間、地面に吸い込まれるような感覚を覚える。
影走りとは、その名の通り影になって移動することのできるスキルだ。
魔力を糧に使う、忍者系統唯一のスキルでもある。
そして俺達三人は、影になって城の最奥を目指した。
一方その頃カズマとめぐみんは……
<カズマSIDE>
俺は、めぐみんと共に街の外へ出ていた。
クエストを受けられないせいで爆裂魔法が撃てず、悶々としているめぐみんに連れられ散歩に出たのだ。
聞けば、こいつは一日に一度爆裂魔法を撃つことを日課にしているらしい。
ひょっとすると、国の首都から騎士団が派遣される来月まで、毎日コレに付き合わされるのだろうか。
「もうその辺でいいだろ。適当に魔法打って帰ろうぜ」
街からちょっと出たところでめぐみんに言う。
しかしめぐみんは首を横に振った。
「駄目なのです。街から離れた所じゃないと、また守衛さんに叱られます」
「今お前、またって言ったな。音がうるさいとか迷惑だって怒られたのか」
俺の言葉に、めぐみんはさも当然というようにコクリと頷く。
しょうがない、たまには遠出してみるか。
思えばこの世界に来てから、こうして外をぶらぶらすることはあまりなかった。(というか元の世界でもあまりなかった)
出歩くとしても、それはモンスター討伐のクエストがらみ。(元の世界ではゲーム関連)
こうして、のどかに散歩するなんてことは……。
「……? あれは何でしょうか。廃城?」
遠く離れた丘の上。
そこに、ぽつんと佇む朽ち果てた古い城。
それは、まるでお化け屋敷みたいな……。
「薄気味悪いなあ……。おばけでも住んでそうな……。」
俺のつぶやきに、
「あれにしましょう! あの廃城なら、盛大に破壊しても誰も文句は言わないでしょう」
心地良い風が吹く丘の上。
のどかな雰囲気には場違いな、爆裂魔法の詠唱が風に乗った……!
少しさかのぼってホムラ達……
<ホムラSIDE>
「よし、この扉の奥がこの城の最深部だな。フォル、火で扉を壊してくれ」
「うむ」
結局魔力切れで、途中からは敵を倒しながら、やっと奥まで辿り着いた。
案の定、一番奥の部屋には鍵がかかっていた。
幸い木製の扉だったため、フォルの炎で何とかなるはずだ。
「燃えよ……!」
相変わらず、あの炎はどうやってだしているのだろうか。
まあいい。
「よし、突入!」
「うん!」
「うむ」
扉を開けると、
「『エクスプロージョン』……!」
聞き覚えのある声を聞き、目の前で慌てる首の無い騎士を見ながら、視界が暗転した。
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