それでは、本編どうぞ
「おお、ここが異世界か。中世のヨーロッパみたいだな」
まさか異世界入りする日がやってこようとは。
うん、ちょっと感動したな。
と、まあそれは置いといてだな…
「えへへ、ここ、すごいねー。私も初めて来たよ」
「なんでベルルムがここにいるんだよ!?」
っていうかこいつやっぱりかなり可愛いな。
長い金髪に同色の瞳、整った顔立ち、小さすぎるでも大きすぎるでもない胸。
人間だったら絶対モテるぞ、コイツ。
「いやー、一度はここに来てみたかったんだよ。まあ、もう満足したから帰るよ」
「そうだよな、女神の仕事とかもあるんだろ?」
「え?ないよ?」
ないのかよ!!
「じゃあ、バイバーイ…ってあれ?」
「ど、どうした?」
何だろうか、ものすごく嫌な予感がする。
「これ、どうやって帰るんだろ…?」
「はぁ~~~~~!?」
ああコイツ、どうしようもないドジだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ひっぐ、うっぐ、ぐす…。帰れないよー…!」
いろいろ試して失敗したベルルムは、ついに泣き出してしまった。
神様パワー的なものは現実世界にはないらしい。
「ああもう、泣くなよ。いつかきっと帰れるって」
泣いているベルルムを背負って街っぽいところに来たが、何をしたらいいのか全く分からない。
とりあえず背中のやつに聞くか。
「なあ、俺はこれからどうしたらいいんだ?」
「うぅ…、ひっく、ぐす…」
駄目だ、コイツ落ち込みすぎている。
そういえば俺ってこの世界で魔王を倒したらどうするんだ?
まあ、おいおい聞けばいいか。
「はあ…。お前が元の世界に戻るの、手伝ってやるからさ、泣きやんでくれ、な?」
俺の言葉に反応したのかベルルムがのそのそと俺の背中から下りてくる。
「…本当に?」
こう見るとベルルムも普通の女の子なんだよな…。
「ああ、本当だ。ベルルムが元の世界に帰れるように努力する」
「ありがとう!それと、私のことはベルって呼んでね!」
なんだこの立ち直りの早さ。
さっきまで本当に泣いてたのか。
「わかった、よろしくな、ベル」
「うん!よろしく、ホムラ!」
コイツのテンション、とてもじゃないがついていけねー。
「それで、俺は今からどうすればいいんだ?」
「えー?なんか冒険者ギルド的なものがあるかもだからそこに行けばいいんじゃない?」
そんな適当な…。
お、ちょうどいいところに少し青白い幸薄そうな女の人が。
「すみません、道を聞いてもいいですか?」
「あら、どこか別の所からいらしたのですか?」
「ええ、まあ」
すごくやさしそうな人だな。
「どこに行きたいんですか?」
「この街の冒険者ギルド的なところに」
「ああ、それならああ行ってこう行って」
とっても細やかに説明してくれた。
「ありがとうございました」
「いえいえ」
この人、すごくいい人だ。
ん?なんかベルが手招きしてる?
「どうしたんだよ」
「気付いた?あのひと、リッチーだよ」
は?今何と?
「ワ、ワンモアプリーズ」
「だから、リッチー」
「リッチーってあの有名な?」
ベルが軽くうなずく。
「まあでも悪い奴じゃなさそうだったしいいだろ」
「まあ、そうだね」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「あ、いらっしゃいませー。お仕事案内なら奥のカウンターへ、お食事なら空いてるお席へどうぞー!」
冒険者ギルド内。
なんだか酒場的なところだ。
「とりあえずお仕事案内ってところに行ってみるか」
一番空いているカウンターを選んで自分が冒険者になりたいという趣旨を説明する。
「つまり、冒険者になりたいってことでいいんだな?」
「ああ、そういうことだ」
「じゃあ登録手数料千エリスだ」
は?登録手数料?
へえ、この世界のお金はエリスっていうのか。
「おいベル、金持ってるか?」
「ん?ないよ?」
ですよねー…。
「お金がないのかい?」
いきなり声を掛けてきたのは、茶髪のイケメンだった。
やたらと正義感が強そうで、まるでどこかの漫画の主人公みたいな奴。
本当の事を言うと、いけすかない。
しかし、冒険者になるためには、どんな泥水だって啜らなければいけないのだ。
それがたとえイケメンに頭を下げることであっても…!
「ああ、だから金を貸してくれ、頼む!」
言わずもがな、土下座である。
親父から、相手にものを頼む時は誠意を見せろ、といわれている。
そう、相手がイケメンであっても……!!
流石にくどいか。
「ああ、そんなことをしないでくれ。わかったお金を上げるよ。別にかえさなくてもいいからね」
そうやってイケメンが渡してきた紙幣には、5000の文字が。
性格までイケメンだとか、何考えてんだ。
まあいい、とりあえずこれでいいだろう。
俺は(遺憾ながら)イケメンに礼を言い、ギルドの受け付けに向かった。
「よし、登録手数料を持ってきたぞ」
「では冒険者について説明するぞ。冒険者ってのは街の外に生息するモンスター。つまり人に害を与えるモノの討伐を請け負う人のことだ。とはいっても基本はなんでも屋で、そんなことで稼いでいる奴らのことを冒険者って言うんだ。そんでもって、冒険者には各職業ってモンがあるんだ」
なるほど、ゲームでもあるような、戦闘スタイルを選ぶやつか。
「まあとりあえずここに身長体重その他もろもろについて書いてくれ」
言われた通りに自分について記入する。
「よしOKだ。とりあえずこのカードに触ってくれ」
これに触ればいいのか?
「よし、もういいぞ。テンライホムラ、だな。え?あ?ちょ、ちょっと待て!なんだよこのステータス!筋力と敏捷性が異常なほど高いじゃねえか!ああでも、防御は最低で、幸運度も微妙、知力はそこそこ高いがその他は普通。これならソードマスターをお勧めするが、どうする?」
「ん、じゃあそれで」
俺何か凄いのか?
「OK!OK!じゃあ次はお譲ちゃんだ」
ベルもカードをそっと触った。
すると、本日二度目の衝撃が受付の男を襲った。
「もう一度待て!!なんだよこいつらのステータス!知力最高、魔力最高、筋力と敏捷が平均をかなり下回っていることを除けばその他は平均よりもそこそこ高いぞ!アークプリースト、アークウィザード、エレメンタルマスター、この三つがお勧めだ。どれがいい?」
「じゃあ、アークウィザードで」
どうやらベルも凄かったらしい。
「それじゃあホムラ、ベル、冒険者ギルドへようこそ。スタッフ一同今後の活躍を期待しとくぜ」
受付の男に見送られ、俺たちの冒険は始まった。
次回、原作主人公と遭遇!
誤字脱字、感想などお待ちしております!!