この素晴らしい世界に混沌を!   作:薄翅蜉蝣

8 / 15
どうも、七星天道です。

今回はいつもより少し短いかもです。

それでは本編どうぞ


第七話 ホムラと女神とフレイムドラゴン

「本当に御二人だけでこのクエストを受けるのですか?」

「ああ、大丈夫だって」

 ギルドの係員がまた同じ質問をしてくる。

 すでにこのやり取りは3回もしている。

「わ、分かりました。くれぐれも無理だけはなさらないようにお願いします」

「分かってるって」

 準備は出来た。

「よし行くぞ、ベル!」

「おー!」

 

 

 街を出て、一時間ぐらい経っただろうか。

 最初はノリノリだったベルのやる気がどんどんなくなっていた。

「ねえホムラ~、まだ着かないの~?」

「もうちょっとだ。ほら、もう見えてきた」

 俺たちがやってきたのはとある岩山。 

 ここが今回の目的地だ。

 初心者にも狩りやすい雑魚モンスターが多く生息するにも関わらず、ここを狩り場にする人はまずいない。

 その理由は、

「グルアアアアア……!!」

 この岩山は、龍の縄張りだからだ。

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 ここに住んでいる龍はフレイムドラゴン。

 体内で雷を生成することのできる大型の龍だ。

 基本は人を襲わないのだが、遊び感覚で街をひとつ崩壊させることもあるため、危険視されている。

 また、ファイアードレイクというモンスターもいるが、完全な別種である。

「ベル、一旦下がっててくれ」

 俺が言うと、ベルはコクンと頷く。

「『忍刀』」

 さっそく忍刀スキルを発現させ、木刀を手に持った。

 忍刀スキルとは、通常よりも刀を上手く使えるようになるスキルらしい。

 それはさておき。

 自分の十倍以上はあるような龍の後ろに回り込む。

 ギルドの人の話によると、このモンスターを討伐するときは、いくつかのパーティで徒党を組んで倒すそうだ。

「まずは一撃っ…!」

 硬い。

 予想はしていたが、鱗が硬すぎて身まで刃が通らない。

 この世界に来てから一番楽しい戦闘になりそうだ。

「『手裏剣』!」

 俺は手に数枚の手裏剣を持ち、龍の口に投げる。

 手裏剣は投げようと思った時に手に現れるから扱いが楽だ。

「ギャアアアアアァァァァァ!」

 これは効いたみたいだ。

 ここから一気にたたみかける!

「『捕獲』っ!!」

 ……は?

 ベルのスキルを使う声とともに、目の前の龍が消えた(・・・)

「おいベル!何してんだよ!」

「何って、私もスキル使ってみようかなぁ、と思って」

 俺があそこまでやる気になってたのに!?

 まあ、二人でクエスト受けたわけだしなぁ。

 ………。

 恥ずかしい。

 さっき楽しい戦闘とか思ったのがすっごい恥ずかしい。

 自己中混じりのヒーロー気取りしちゃった感じで、穴があったら入りたい気分だ。

「えーと、なんかごめんね?」

 やめてくれ。

 謝られたら更に恥ずかしいから。

 ここは話題を、

「な、なあ、さっきのスキルってなんだったんだ?」

 ちょっと苦しいか。

「ん?あー、えっと、さっきのスキルは捕獲だよ。どんなのかはよく分からないけど、モンスターを捕まえるスキルみたい」

 何それ超強い。

 あのレベルのモンスターを一発とかとんでもないスキルだな。

 もうこいつだけで魔王討伐できる気がしてきた。

「でも項目が黒くなってるから、補充期間がいるんだと思う」

 ああ、納得。

 流石にリミットなしだったらどうしようもない強さだからな…。

「ゴホン、さっきから仲良くしゃべってるところすまんが、我の事を忘れてはいまいか?」

「「!?」」

 急に声がしてあたりを見回すが誰もいない。

「ここだ」

 今度はどこから聞こえたか分かった。

 ベルだ。

 ベルの中から声がする。

 おそらくだが今のはさっき捕まえた龍の声だ。

「ベル、召喚してみてくれ」

「え?う、うん。『召喚』!!」

 ベルの前に光の渦が形成される。

 光がおさまった後にいたのは、赤い髪の少年だった。

「お前、誰だ?」

 思わずそう聞いてしまった俺は悪くないだろう。

 見たことのない少年が目の前にいたら驚くに決まっている。

「失礼な!我はフレイムドラゴンである。誉れ高き龍にして火の精霊だ」

「いや、どう見てもただのガキだろ」

 ベルも隣でうんうんと頷いている。

 目の前の少年は怒りに顔を髪と同じ色に染め上げた。

「分かった。ならば証拠を見せてやろう」

 少年は目を閉じて、またさっきと同じ光に包まれた。

 次に光がおさまった時に見えたのは、さっき俺が挑んだあの龍だった。

「どうだ、これで信じたか」

「かわいそうに、二匹目に食われちまったか」

「ふざけるな!!」

 




誤字脱字、感想などお待ちしております。


11/2 龍の名前を変更しました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。