MONSTER Rare DAYS ~ 稀少なる者たちの日常 ~ 作:我武者羅
感想書いてくださった方々に感謝を!
読んでくださっているなんて……感動です!!
変わらない亀更新ですが、よろしくお願いします!
ここまでの事態になるとは誰が思っていたことだろう。誰もが予想を越えるものだったに違いない。
「…………ラクネラ」
「うふん♡ なぁに、ハニー♡」
濃密な暗闇、しっとりと感じる柔肌。
暖かな吐息と音、鼻孔を刺激させる甘い香り。
甲殻から伝わる少しだけ暖かな温度、ラクネラの腕だ。その腕が優しく、だが少し強めに
時刻は夜中、人間は深い眠りに入っている時、だが時に愛を確かめる為の時間帯とも取れる時。
河崎が作った食事を一緒に済ませ、他種族間交流法のルールを読み直し、いつの間にか眠ってしまった河崎が目が覚ました時には、ラクネラと共に蜘蛛糸で出来たハンモックに寝かされていたところだった。
「ラクネラ、オレは……」
「……ウフフ」
なんとか理性を保つことに専念していた河崎。
それはそうだろう。
今の体勢はとにかくヤバかった。
ラクネラの大きな蜘蛛の下半身は丈夫な蜘蛛糸で出来たハンモックのに収まり、河崎はラクネラの人間である上半身に抱きつかれたままで寝かされていた。しかも今度は意図的に縛られていないフリー状態。
(た、試されているのか?)
ラクネラの妖艶な顔がチラつく。頬が朱に染まり、冗談では無いことに少しだけ感付いた河崎だったが、それはいけない一線だった。
「……ラクネラ、お前、オレのこと、その……本当に」
「…………ハニーって言葉の意味、知らないで使ってた、と思う?」
河崎は知らぬ内にラクネラの腕を掴んでいた。
彼女も抵抗もしないで、少し嬉しそうな顔で言葉を紡ぐ。
「……ハニー、アナタは
「我慢って」
「触れずにいられないの、アナタのことが」
河崎の胸に、顔を埋もらせるラクネラ。暖かな吐息と共に河崎を麻薬の如く狂わせる。
正しく魔薬、一度使ってしまっては、抜け出せない。そんは危ない一線がある。
潤いのある瞳をだんだんと近寄らせるラクネラに、河崎は抵抗が出来ないでいた。糸で縛られている訳でも無いのに、動かせない。
「……ぁ……ぃゃ……なら、抵抗して……」
「……ラク……ネ、ラ」
もはや歯止めが出来ないのか、息遣いが激しくなってきたラクネラは、その柔らかな唇を河崎の唇にへと密着させてしまう。河崎を覆うように、上からキスをした。
「…………ハァ、フゥ」
「……ラク、ネ……」
長くは無い。だが短くもないその深いキスに、ラクネラも河崎も脳が正常に働かないモノに変化していた。もはやお互いに、目が離せない。中毒性の高いもの。
息を吐きながらもキスを続けるラクネラが、ゆっくりと、離れていくと、目が潤いに満たされ、雫が滴った。
「……ごめ、ごめんなさい……ごめ……」
そう言った瞬間、河崎はラクネラを抱き寄せる。
「なに、謝ってやがる。オレは女かよ。お前みたいな良い女にキスされて嫌がる男がこの世に居ねぇよ」
抱き寄せると、頭を優しく撫でる河崎。
ラクネラは息を殺して静かに泣いた。
河崎は何故泣いているのか見当つかないが、女は難しいのはよく知っていた。そういうもんだと、誰かに教わった気がしていた。
その夜は、二人で抱き合って眠った。
キス以外は何もせず、お互いの体温を確かめながら、眠った。
※
翌朝、目が覚めると目の前にラクネラが眠っていた。
六つある目が瞼を閉じて、静かに眠っている。
「…………」
別に後悔などしていない。こんな美女にキスされたところで男にとって役得でしかない。
しかし、
「……オレは……これでいいのか」
何かに悩む河崎。
それは、河崎にしか分からないことだった。
感想やコメントお待ちしています(^_^)