今日から鎮守府を平和にします。   作:エマーコール

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Q 今まで何をしてた! 言え!
A ……正直黒歴史でした。

今更ながら何でこの話を書き始めたんだろうな、と思ってました。すみません。
でもまぁ……一つ言わせてください。

雷がかわいい。期間限定グラで確信しちゃったねッッッッッ!!!

……はい、やる気が少し上がりましたとさ。


11話

「……少々、数が多めですね」

 

 鎮守府が遠く見えるぐらいの海域にて、大鳳、山城、加古は敵の数を調べていた。

 大鳳の飛ばした艦戦の矢の光が、この人数では敵が多いと言うことを告げていた。

 

「……提督。出撃許可を」

『……うん。ごめん』

 

 ただ、提督はなかなか納得できていなかった。

 いくらなんでも、たった3人だけで敵艦隊を撃滅するのは危険なのではないのか?

 そう思いつつも、全体の安全から彼女たちは戦わなくてはならない。それは理屈もなく、『今のこの国』を護るために必要な事。

 少より、多を取る。戦中も、戦後も変わらなかった。

 

「……交戦、してください」

 

 歯がゆい思いで、提督は大鳳たちに命令した。

 その声に大鳳と山城は真っ先にうなずき、加古も同じくうなずく。

 

「了解。……行きましょう!」

「りょーかいっ!」

 

 3人は敵艦隊に突撃する。その行動をモニターで見て、提督は素早く頭を動かし、最適な判断を下す。

 

「加古さんと山城さんは2時の方角の敵から砲撃! 大鳳さんはそこから11時の方角の敵を攻撃してください!」

『了解』

 

 山城は真っ先に言って、グンと身体をひねらせて狙いを定め、敵駆逐艦に砲撃。

 系統が『戦艦』ゆえの山城の砲撃威力は駆逐艦を簡単に海へと沈めることができるぐらいの一撃だ。

 なすすべもなく、1隻の駆逐艦は轟沈する。気づいた数隻だが、その内の1隻は加古の砲撃で轟沈する。

 残りは4隻。その内1隻は大鳳が攻撃を仕掛ける―――

 だが、その攻撃はかわされ、さらにグンと、接近してくる。

 

「しまっ………」

「危ない!!」

 

 その突っ込んできた敵軽巡艦の横から加古が砲撃し、吹き飛ばす。敵軽巡艦は体勢を戻しつつも、今度は加古に狙いを定める。

 

「ぶっ飛ばす!!」

 

 だがそんな敵にもひるみはせずに、加古は正面から堂々と撃ちこむ。発射直前の硬直を狙われ、敵軽巡艦は爆発し、轟沈する。

 

「ありがとうございます! 山城!!」

「了解したわ」

 

 大鳳の合図に山城は残りの敵に狙いを定め、掃射。そこに援護するように大鳳が艦爆矢を発射する。敵をなんとか沈める。

 

「……よし。敵はいなそうね」

 

 辺りを見渡しつつ、大鳳は確認する。加古も同じように確認、山城も一息つき、一時的な平穏が訪れる。

 

『お疲れ様です。……あっ!?』

「提督?」

 

 突然、提督が驚きの声を上げ、大鳳は気になって声をかける。

 提督は縮小表示にし、反応を探る。そして、見つけた。大鳳たちから西側、先ほどよりも多く、そして、近民住居へと進む敵反応が。

 幸い、こっちが急げばなんとか間に合う距離だが―――人数がたった3名と、反応が強い場所へは行かせたくない。

 

 でも、行かせなければ、被害が出る―――!

 

「……敵艦隊をレーダーで察知。南側に反応あり。……速やかな対処を、お願いします!!」

 

 震えていた。結局、少数よりも、多数を天秤に取った自分に。

 でも―――

 

「……了解です。……頼みますよ。提督」

『……了解』

 

 大鳳が優しい声で、提督に言った。

 信用してくれている。……だから―――

 

 みんなを、泣かせたくない―――!!

 

「でも……どうすれば……」

 

 その時だ。ギュっと握りしめた左手から、何かあるのに気づき、手を広げる。

 飛車、銀将、桂馬。それら3つが、どこか今の艦隊のように思えてきた。

 

「………ッ!」

 

 目を見開き、提督はモニターを見る。大鳳が索敵機を飛ばしてくれたおかげである程度の敵が見れた。

 敵は全部で8隻。ただ、今現在はこちらに気づかないまま南下中。

 

 これなら………行ける。

 

「山城さんは迂回して側面からの攻撃を! 大鳳さんは4時の方角に索敵機を飛ばして山城さんの援護を! 加古さんは大鳳さんを誘導して6時の方向へ!」

『『『了解!!』』』

 

 3人はうなずきあい、言われた通りに動き始める。

 驚くべきことに、3人はうまく連携し合ってグンと進んでいく。

 

 恐らく……提督が来る前に連携はとれていたのだろう。傷があったとしても、それらを見せつけないような、連携。

 僕なんかが、来ても良かったのか? 本当に不安で、心が揺らぐ提督。

 

『大丈夫です』

「……大鳳さん?」

 

 まるで、心を読み取ったように、大鳳が呼びかけてくる。どことなく、優しくて、そして、意志の強い言葉だ。

 

『このような場所に来ていただいて、私達は嬉しく思っていますから』

「………ありがとう」

 

 安心したような顔で、提督は息をつく。

 あとは彼女たちの戦闘だ。具体的な命令を出してしまうと逆にパワーダウンしてしまうらしい。あくまで、最初のころである進撃か撤退か、と砲撃戦の合図をするぐらいだ。

 願わくば、彼女たちが無事の帰還を。ぎゅっと拳を握りしめる提督。

 

 けれどその拳は、弱さを現してはいなようだ。

 

 * * *

 

「………」

 

 日が傾きかける。

 

 ……帰ってくるのを、待っていた。

 

「……」

 

 遠くで、見えた。

 

 三人が無事、帰ってくるところを。

 

「…………よかった」

 

 今はそれだけが安心だ。

 

 事実、三人とも装備が壊れる(中破)状態に陥ったものの、どうにか撃退に成功し、無事に帰ってきた。

 

 今は……それだけでいい。

 

「……お疲れ様です。報告は後で、まずは傷を癒してきてください」

 

 ……僕は何もできない。

 

 ………けど、きっと何かできるはずだ。

 

 ……まずは無事の帰還を、心から喜ぼう。




……しばらく戦闘話書きたくなくなった。
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