終わり方雑……。もうちょっとうまくなりたいなぁ。
とある鎮守府……小さな港に建物、と、鎮守府に必要の最低限のものは取り揃えている模様だ。
その提督の部屋に、二人の女性がいた。
一人は左目の部分に眼帯が、もう一人は腋の部分が見える少女。
腋の見える少女が持っている箒から察するに、どうやら掃除していた模様だ。
「……今日から新しい提督が来る、か」
「そうね……どんな人かしら?」
「前の提督よりかは、マシだといいんだけどな」
ゴミ袋片手に、「ゴミ出してくるぜ」と、眼帯の女性は部屋を出る。一人残された少女。残りは提督の机だけの模様で、箒は壁に置いておき、バケツの中にある雑巾を取り出して拭き始める。
と、動きを止める。机の引き出しが少し気になったからだ。
「……そう言えば、前の提督はこの中に資料を入れていたのよね」
思い出したかのように引き出しに手をかけ、開けようとする。が、どうやらカギがかかっているらしく、開けることはできなかった。
しかもどういう訳だが、引き出しから引き出しまでカギをかけているらしく、厳重に保管されているらしい。
「……」
カランカラーン
ベルが鳴る音が提督の部屋に響く。気づいた少女はあわてて雑巾を置いて、急いで玄関へ。
「はーい……今開けま……」
ガチャ。
開けた先にいたのは……………
青みのかかった黒髪の少年だった。身長からして、中学生ぐらいだろうか。
「…………」
「………あの?」
「……迷子ですか?」
「違います!」
あわてて少年は訂正する。……だが、どうも疑り深い。本当に、この子が提督なのか……?
「……え、えっと、本日付でこの基地の提督を任されました―――」
「嘘!?」
「……あ、ははは……まぁ、疑うのも無理はないですよね。ですが……これ」
そう言って少年……提督? が肩に下げているバックから取り出して見せたのは、提督であることを証明するライセンスだ。……どうやら、嘘偽りなく100%に提督らしい。確かに、白い制服に水兵帽と、服装から見れば提督の疑いようはなくなる。だが………。
……一体本部は何をやってるの? と、少女はそう思った。
「……信用、してくれますかね?」
「……そう、ね。よろしくお願いします。提督さん」
「はい。よろしくお願いします」
二人は律儀に一礼。その後、少女はポン、と手を叩いて少し下がる。
「ここで立つのは難でしょうから、部屋に案内します。どうぞ」
「あ、ありがと」
提督はそのまま中へと入り、歩きながらも辺りを見渡した。
中は昭和の学校を想像させるような木造造り、ただ、外観はレンガで覆われているので意外と快適なのかも。と思っていた。
「……こちらです。提督」
「えっと、ここだね……失礼します」
扉を開き、中へ入る。少女たちが掃除していたおかげか、中は結構きれいだった。
「今日から提督としてここに就くのか……」
「そうなのですか?」
「うん……今でもちょっと信じられないんだけどね」
提督は荷物を下ろしながら話を続ける。
「……本当に、今日からなんだ。今の今まで………う、ううん! なんでもない!!」
「はい?」
「おーい! 大鳳ー! ゴミ捨て終わったぜー」
さらに部屋に眼帯をしてる女性が入ってくる。二人の注目はそちらに集まり、やがて女性も、提督に目を向ける。
「………おい大鳳。こいつ……」
「えぇ天龍。提督よ。本日付でここに配属されたの」
「………頼りなさそうだな」
女性、天龍の容赦ない言葉に提督は反論できずに「あはは…」と後ろ手で頭をかく。まさに的を得た発言であり、心の中で若干へこんでいた。
とりあえず気にしてないふりをしながら、机に向かおうとして、ふと目を止める。雑巾だ。
「……あ、もしかして掃除中だった?」
「え? ………あ! あぁすみません! 今すぐに……」
「いや大丈夫だから。これぐらい僕もやれるよ」
「ですが……」
「……じゃ、じゃあ……他の子たちにも挨拶してくるよ」
仕事の邪魔をしてはいけないのか、提督は、肩下げカバンを持ち出して部屋を後にする。
しんと静まり返る部屋。残った大鳳と天龍は顔を見合わせる。
「……一応、マトモ……かしら?」
「そう思うのはまだ早いとは思うけどな。……それに、あの容姿からして、どちらかと言えば不安だなあいつは」
「……そうね」