だが、こっちの提督と大鳳だってそれなりにはイチャラブしてる、かも(3話)
そして何より共通してるのは……
愛が、あふれてるッ!!
艦これって、いいですね。
『敵艦隊確認、戦闘を開始してください!』
「さぁ、砲撃戦、開始!」
「よっし! ぶっ飛ばす!」
「主砲、撃てーっ!」
海上。そこに艦娘たちは「立って」いた。まるでそれは、スケートのように、もしくは、忍びのように。
提督が合図、そしてそれを確認した霧島の合図と共に、加古、山城は取り付けた武器を使って砲撃を開始。幸いにも、敵艦は5隻。敵艦も気づいて砲撃を撃ち、ある程度は被弾したものの、敵艦2隻は3人の攻撃で轟沈させた。
残り3隻、その内の1隻に天龍は大胆に近づき、刀を抜いて斬りつけ、さらに砲撃のラッシュを浴びせる。
「天龍さまのお通りだ!どけどけぇ!」
さらに1隻へ。その行動をモニターで見て、あわてて提督は抑制しようとするが、それよりも早く、龍田が、天龍を狙っている敵1隻に標準を定める。
「うふふ……そぉれっ♪」
龍田の砲撃で、一瞬敵艦―――形からして、軽巡型だろう―――の注意がこちらに向く。標準を龍田に向け―――
「させませんよっ!!」
そこに大鳳がクロスボウで狙いを定め、マガジンを装填、矢を発射する。その矢は一瞬にして十数本もの赤い矢に代わり、まさにナイスタイミングで直撃、爆発を起こして轟沈させる。
その間に天龍は持前の速攻で敵艦を轟沈させていた。
「……ふぅ、終わりましたね」
少数の深海棲艦を多少の損傷を受けつつも、全滅させた艦娘たち。モニターでの簡略的な図しか見ていないものの、遠くでの砲撃、戦闘音に、提督は内心驚きつつも、指示なしで勝ててしまったことに、少々情けなく感じ、だが、心の中では安堵して、指示を出す。
「お疲れ様です。……帰還してください。敵は周囲には存在してないようです」
提督は通信を入れ、帰還を促す。ふぅ、と息をつき、全員が無事だと言うことを確認し、もう一度モニターを見る。
「……あっ」
と、6つの黄色の丸―――艦娘たちを現している―――の少し遠くに、さらに多数の赤い丸―――深海棲艦を現している―――が表示された。
今までなかったのに……何故? そう思いつつも、赤い丸を睨み付けて確認する。動きからして、こちらには気づいていないようだ。
「………(これ以上疲弊させるわけにはいかないし……言わないほうが、いいか―――)」
『おい提督! 遠くに敵艦発見したぜ!』
「……帰還して。幸いこっちには気づいていないようだけど―――」
『なんだと! 敵がいるのに撤退だと!?』
『お、落ち着いて天龍!』
大鳳が天龍をあわてて抑制する。だが、天龍はまだ講義を続ける。
「なんでだよ! 今あっちにいるだろ!?」
「提督からの命令ですよ! それに……」
「ね、天龍ちゃん。どうするの?」
龍田が少々危ないことを言い出し、間に立っていた大鳳が双方を見る。おろおろとしていて、どうするか、提督に聞こうとして―――
「……いや、その必要はないみたいだよ」
加古が遠くから近づいてくる光を見て、そう察した。どうやら、ここで一つ騒いでいたら敵艦に気づかれてしまったようだ。
『くっ………みんな、ごめんなさい! 迎撃してください!』
「了解。……はぁ、不幸、ね」
「何がだよ。ッしゃあ! 行くぜ!」
「あ、天龍!!」
真っ先に突撃しようとする天龍を見て、あわてて大鳳がマガジンを装填、上空に撃って緑色の矢を複製しながら飛ばし、確認を取る。一本の矢が戻ってきて、大鳳はそれを取ってすぐに眼で見て分析する。
「……敵艦6隻、戦艦もいるみたいですね」
「了解。提督、砲撃許可を」
『……は、はい!』
霧島がリーダーシップを張って提督に作戦開始を促す。提督はモニターを拡大表示、砲撃距離まであと数秒―――
『……今です。砲撃開始―――!』
*****
提督は海面についている倉庫前の港近くに立っていた。
双眼鏡で覗き、艦娘たちがこちらに向かっていることに、気づき、ほっと安堵する。
………けれど、自分は全く活躍できなかった。
前の提督は……すごかったのだろう。それほどまでに艦娘たちの連携等が取れている気がして、自分の力が全くないことに歯がゆい思いをして、心を締め付けられいた。
でも、せめて迎えぐらいはちゃんとしておきたい。ギュっと握りしめた拳がそれを物語っていた。
「……提督」
顔に少しすすがついた霧島が先に気づく。加古も気づいたのか、手を振る。
「いっちちち……ちょっと無茶しすぎたかな……」
「全く天龍ちゃんは無茶するんだから……。ま、そんな天龍ちゃんの邪魔した子たちは全員痛めつけたけどねぇ♪」
天龍は自分の怪我を確認しながら、龍田は天龍の姿を見て、思い出し笑いのような少々黒い笑いを浮かべていた。
「あら……提督……さん、お迎えにあがったのですね」
「……ふふ。優しい提督ね。山城さん」
「……えぇ」
どことなく哀しそうな微笑みに、大鳳は口をぎゅっと引き締めるが、提督の前に、水面に立ったまま来た時にはほほえみに代わっていた。
「みなさん、ご苦労様です、そして、ありがとうございます。怪我をしてたら入渠してください。……敵艦の『深喰』が広がったら大変ですからね」
提督は全員の様態をざっと確認しながら、告げる。
少し話をしよう。彼の言葉から『深喰』というワード。これが限界値に到達すると、水面に立つことができなくなり、装備が使い物にならずに取り外すことになる。つまり、『轟沈』と同義だった。そのため、基本的には彼女たちの戦闘の後は『入渠』して『深喰度』を無くす。
提督から告げられた言葉に山城はまた驚き、言った。
「……いいのですか?」
「え? これぐらい普通だと思いますけど山城さん」
「……あ、ありがとうございます。……提督、さん……」
どことなく山城の目から涙が出ている気がして、提督ははっとした表情になる。
……一体、何があったんだ? そう思った提督。
「……どうやら、損傷からの具合から加古さんと大鳳さんは無傷……かな。残りの四人は入渠してください。……本当に、ありがとうございます」
提督は帽子を取り、一礼する。
同時に、自分の無力さに、また心が締め付けられた。
こうして、夜は更けていった―――
この物語での大鳳のクロスボウの構造(ほとんど自己解釈です)
・マガジンをセットすることで矢に対応した力(通称妖精さんパワー)を込められる。
・撃つと一瞬にして力が変換され、一瞬にしてその矢が複数製造され、攻撃や索敵ができる。
・マガジンは四つまで(持ちやすさから)。
・燃料が尽きない限り、撃つことができる。
なお作者は艦これのゲームはやったことはあれど、マンガ等は読んでません。そのため偶然似ていたりするかもしれません。