今日から鎮守府を平和にします。   作:エマーコール

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パチンッ……

話をしよう。あそこは今回の話の部隊になる鎮守府。
そしてそこにいる艦娘は、大鳳、山城、加古、霧島、天龍、龍田の6人。
彼女たちの内2名は運の初期値が9以下、残り2人は10。
そう、後は察してくれ。

……ルシ○○ルさん特別出演ありがとうございます。


9話

「えっと、今日遠征行って下さるのは霧島さんと天龍さんと龍田さん、だね」

「あーあ……遠征かよ………」

 

 こちら食堂。何故ここなのかと言うと、提督曰く「落ち着くらしい」。そこで午後の再確認をしていた。天龍はため息をついて天を仰いだ。提督は「でも、今日は天龍さんも行くんですよね?」と確認を取っていた。

 

「………ま、いいけどさ」

「ありがとうございます。……それでは、各員、行動を始めてください」

 

 提督の合図に霧島と天龍と龍田は立ち上がって先に部屋を出る。提督もそれに合わせて外に出て、3人を見送ることにした。

 

 

*****

 

 

 3人を見送った提督は現在やることがないので、一旦勉強することにした。と、言うのも、飛び級で提督になったとはいえ、勉強はそこまで叩き込んだわけではない。

 と、いう訳である程度落ち着いたので、偶然バケツの水の餌食になってないたった1つのテキストをとりだして勉強しようとして―――

 

「きゃー!?」

「!? 山城さん!?」

 

 山城の悲鳴を聞いたので提督は慌てて部屋を飛び出て山城の元へ。ペタンと腰を抜かしている山城を見つけ、さらに遠くを見る提督。

 そこである1匹を見つける。

 

「………あぁ、蜘蛛か」

 

 提督は素早く蜘蛛を取り払って窓を開けて外へひょいと投げ捨てる。

 

「……山城さん。もう大丈夫ですよ」

「あ、……ご、ごめんなさい、はしたないところを……」

「いや、誰だって苦手なモノはありますよ。だから大丈夫です」

「……優しいのですね。若」

「う、……や、山城さん、それは……し、失礼します」

 

 恥ずかしくなったのかそそくさと提督は執務室へ走って行く。そんな後姿を山城はクスクスと笑っていた。

 

 

*****

 

 

「……べ、勉強勉強……」

 

 頭を振って気持ちを落ち着け、テキストを開く提督。と、何かが挟まっており、気になってみてみる。内容は、「後ろの次の方、どうぞ」と、端っこに半丸が書かれており、どこか気になる。

 

「……あ、そう言えば―――」

 

―――バタッ!!

 

「今度はなに!?」

 

 執務室の扉の先から何かがコケた音がして提督は慌ててドアを開け―――

 

―――ゴチン!

 

「あっ」

「痛っ!」

 

 しかもなんというか、こけたのがよりにもよって大鳳であり、さらには扉を開けたら頭をぶつけてしまう位置にいたらしく、そのまま提督が勢いよく開けたドアに頭をぶつけて抑えてしまう。まるで吸血鬼姉妹の姉のしゃがみガードみたいだ。

 

「あ、あ、た、大鳳さん、大丈……うわっ!?」

 

 さらに提督は散らばった封筒の1つを盛大に踏みつけて大きくコケて床に激突。相当痛かったらしく、頭を押さえて痛みをこらえていた。

 

「いたた……た、大鳳さん……大丈夫ですか……?」

「は、はい……へ、平気です……」

 

 なんとか復帰して、封筒を1つとる。宛先からして自分のようだ。何だろうと思いつつもまずは大鳳の様子を確認する。大鳳は、絶対提督が勢いよく開けたドアのせいで、涙目になっていた。

 

「ほ、本当に平気? ………氷持ってくるよ」

 

 そう言って持った封筒はそのまま持って食堂へ直行。頭をさすりながらも。

 その後食堂へ突撃。袋を偶然見つけた後、冷蔵庫から一口サイズの氷を数個、その袋に入れて、簡易ながらも完成、食堂を出ようとして―――

 

―――ゴンッ

 

「いたっ!」

「あたっ!?」

 

 提督は今度は誰かと激突。反動で2人ともしりもちをつく。

 

「いた………って、提督?」

「あ、ご、ごめんなさい加古さん……」

「いや、気にしてないけど。それよりもどうしたの? なんか急いでいるようだけど」

「あ、あ、そうだった」

 

 そう言いつつ2人は立って、加古は食堂へ入ろうと、提督は食堂から出ようとして―――

 

「……」スッ

「……」スッ

 

 加古は左、提督は右へ。そのために2人は退こうとして同じく横に移動するが、結果はお察し。仕方ないので提督は加古に道を譲り、加古が食堂に入ったのを確認した後、提督は大鳳の元へ。

 

 

*****

 

 

「ごめんなさい提督……」

「こっちこそ、ごめん……」

 

 そして執務室。頭に氷袋を乗せた大鳳と封筒の中身を取り出して確認していた提督がいた。

 

「……ところで提督。そのお手紙は……」

「……教官から、だね。元気にしてるか、だって」

 

 手紙を読みながら、提督は大鳳にそう言った。手紙の内容を見て、クスリと提督は笑う。ちなみに、内容はこうだ。

 

 よう。元気だよな? おい

 ま、いきなり突っ込んじまったことにはちょいと謝るさ。だが、前に

 話した通りだ。そうそう、奈良はいいぞ奈良

 あ、そうだ。どうだ? そっちの調子は。そこそこいいか? 海はキラキラと

 月の明かりが照らすらしいからな。あ、海と言えばカキも

 いいよな。あ、地図も

 覚えたよな? まぁお前さんなら絶対これを、

 さらにいい鎮守府にできる。嫌味

 ではねぇさ。……さて、世界

 は広いぜ。お前さんだったらへこたれるかもしれんし、実際へこたれるさ

 でもな。これだけは言える。「

 

 

 

 ……という訳で本当はそんなことあまり書いていないのだが、はぐらかした。しかも、続きは書かれていないが、1つ思い当たる節はあった。

 一旦手紙から目を放して大鳳を見て、提督は少し話し始めた。

 

「……僕がお世話になった教官は本当に、いろんな人からも人気で、頼れるんだ。そして、人望も厚い。僕の目標の1人、かな」

「……そんなことありませんよ。まだ1日だけですが、きっと提督も、その教官のように優しいかたになりますよ」

「う、そ、そんなことないよ……」

 

 こうして褒められることに馴れてないのか、提督は手紙で顔を隠す。その光景を見て、大鳳はクスクスと笑い出した。それも恥ずかしいのか、さらに縮こまった。

 

「(…………でも)」

 

 提督は手紙をその状態でもう一度見た。気になった文が1つ。

 非常に力強いが、それでいて繊細な筆使いで書かれた文に、こっそり書かれた暗号が1つ。右の方に、同じく半丸が書かれており、これらは先ほど挟まっていた紙と連結できることを示していた。

 そして、「後ろの次の方、どうぞ」。恐らく―――

 

「(……『お前奈ラキ図を嫌世る。』。……読み方をひらがな読みにすれば、『おまえならきずをいやせる。』。……『お前なら傷を癒せる。』。…………一体、この鎮守府、何があったんだ……?)」

 

 分からないことばかりだが、でも、かといって過去に触れることはダメだと思う。そう提督は悟って、遠征に向かっている3人の無事を心で祈りつつ、テキストを開いて勉強し始めた。

 

「(……教官、僕なら……できますかね?)」

 

 そっと、本部にいるはずの教官に言ってみた。

 

 

 

 

***オマケ***

 

 

―――ドゴン!!

 

「うわっ!?」

 

 突然の敵襲? に提督は驚いて窓の外を確認する。外にはクロスボウを持った大鳳がいるだけだ。

 

「あ、すみません! 艦爆の確認をしていたら執務室に直撃しそうに!」

「そうなの? あ、でも直撃はしてないから大丈夫!」

「よ、よかった……」

 

 大鳳は窓から覗いてくる提督にほっとして、そして、執務室の窓の横の、若干黒くなった壁をじっと見て、不可解に思った。

 

「……何故海側に向かって発射したはずなのに、執務室へと……?」

 

 ……もしかしたら妖精さんの仕業かもしれませんね。




誰か某おぜうさまのしゃがみガードのポーズをとっている大鳳書いてくれないかな。
今回の話を見てそう思った。
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