~とある異世界~
「はぁ,,,」
一人の少女が城のテラスでため息をついていた。テラスから外を覗いてみると石造りの家が建ち並びまるで中世ヨーロッパの様な風景が広がっていた。
「戦況は一向に良くならないわね。せめてあの刀達を使える人がいれば少しは変わるのでしょうけどそうそういないわよね,,,」
机の上の戦略図を見ながら少女はため息をまたつく。
「姫様‼」
「どうしたの?。戦況に変化でもあった?」
少女がそう聞くと従者は首を振りこう答えた。
「軍師の話によると異世界に強い者がおり、その者さえ居れば戦況は我々に傾くとのこと」
このやり取りから、この世界に戦闘狂が来ることになったのだった。
~現実世界~
バン‼
ダダダッ
ドカン‼
「つまらねぇ。この程度かよ」
一人の青年がカーテンを閉めきった、暗い部屋の中でゲームをしていた。やっているゲームのジャンルはFPS。ルールはデスマッチで30点マッチ。プレイ人数は自分を含め七人。今のスコアは少年が29。他の人は多くても10しか取れていない。そうこうしている内に少年が倒した敵のスナイパーライフルでヘッドショットを決め青年の勝利でゲームが終了した。
「あ~飽きた」
そう言う少年の足元には様々なゲームのカセットが転がっていた。単独で千人倒すものから、格闘ゲームまでのありとあらゆる戦闘ゲームが,,,
「なんかないかな~。ここにあるゲームはもう遊び飽きたしな。トレーニングでもするか,,,」
ここまでのゲーマーの彼がトレーニングするのには訳がある。それは、ゲームセンターで不良とかに絡まれたりするからだったりする。だが、ただトレーニングといっても格闘術から剣術、槍術あげくの果ては弓道と多種多様である。
これらを習得しようとしたの不良対策ともうひとつあった。それは,,,
「は~。ゲームの主人公達みたいに一騎当千したいな~,,,片っ端から雑魚を倒していきたい。もしくは強い奴とギリギリな勝負がしたい,,,」
要するにただただ戦いを楽しんでいるからだ。自分の命の危機すら楽しむ青年は人として大事な物がかけていた。しかも、何が欠けているかそれすら分かっていないのである。
「ん?,,,これは,,,」
そう言う青年の視線の先には一通の封筒があった。青年は手紙を手に取り笑う。
「戦乱の最中の我が国を救ってくれか,,,口説き文句としてはありきたりだが、それが良い‼。よく分かってるね~。えーっと行くためにはこの封筒を開ければ良いのか,,,」
そう言うと青年は躊躇わずに封筒を開けた。この世界には未練が無いかのように,,,。
「楽しませてくれよ」
そう呟くと、青年,,,黒鉄 彰《くろがね しょう》は、異世界に召喚された。