東方屁理屈録   作:kokohm

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 今回から新メンバーが一名参加、一名がキャラチェンジしております。それと今回の魔女は私ではありません、今回は私も探偵です。

 それと今回からログへの手の加え率が上がっています、推理等は基本そのままですが順番入れ替えや削除も増えています。元ログではなかった会話も入れていますのでご承知ください。


第六盤、出題編

 

 

 別日、博麗神社にて。

 

「お邪魔します」

「いらっしゃい」

「私も来たわよ、霊夢」

「あら、あんたも来たの?」

 

 大妖精、天子が霊夢の元を訪れていた。目的は勿論屁理屈推理合戦である。

 

「ええ、紫にこっちに混ざりなさいって言われたからね。私も紫と一緒というのは勘弁願いしたかったしちょうど良かったわ」

「そう、そういうことならいいんだけれど」

 

 などと話していると神社の縁側に一人の男性が現れた。

 

「すみません、博麗神社というのはここであっていますか?」

「ええ、あっているわ。どちらかしら?」

「おれは命蓮と言います。彼、罪袋の代わりとしてきました」

「罪袋?」

「前回の参加者さんです、紫さんがスキマから適当に連れてきたようでした」

「なるほどね」

 

 前回のことを知らない天子に大妖精が軽く説明する、その横で霊夢は首を捻っていた。

 

「…命蓮? 確かそれって聖の弟と同じ名前じゃなかったかしら?」

「ええ、その命蓮です」

「とっくの昔に死んだって聞いているけれど、幽霊の類かしら?」

「その通りです、あの世から帰ってきて彷徨っているところを彼に助けられました」

しかし、と霊夢はやはり首を捻る。

「あいつ、外から紫が適当に連れてきたんじゃなかった?」

「少なくとも彼は外の出身のはずですがね、彼とは外にいたときからの付き合いなので」

「は?」

 

 聖の話からしても命蓮が外にいたのは数百年前のことのはず、そのころからの付き合いということは少なくとも今の罪袋は人ではないということになる。

 

「あれ、罪袋さんも人間じゃなかったんですかね?」

「そういうことになりそうね、まあどうでもいいけれど」

 

 どうせ気にしたところでどうなるというものではない、分からなくても問題ないものは放っておいても構うまい。ということでそのあたりの詳しいことは丸っきり無視することにした霊夢であった。

 

「まあそんな感じで、よろしくお願いします」

「はいはい」

「よろしく」

「よろしくお願いします」

 

 と、こうして新顔は揃ったというのにである。

 

「しかし来ないわね、魔理沙の奴。今日はアイツが謎を出すって話だったのに」

 

 場所は博麗神社であるが今回魔女役をやるのは魔理沙である、しかしその当人がさっぱり来ない。魔女がいなければいくら探偵がいたところで謎は始まらないというのに。

 

「チルノちゃんも来ませんねえ、湖にいなかったのでてっきりもう来ているものだと思ったのですが」

「それに文も来ない、こっちは仕事でも長引いているのかしら」

 

 などとしばし話しているとようやく烏天狗と氷精がやって来た。

 

「失礼、遅れました」

「ごめんね皆、遅れちゃった」

「あら、噂をすればね」

「もう始まっていましたか?」

「いえ、魔女役の魔理沙が来ていないからまだよ」

「そうでしたか」

「じゃあぎりぎりセーフかな」

「どうするの? 正直のんびり待つとか退屈なんだけれど」

「そうねえ…」

 

 適当に謎でも考えてみようか、などと霊夢が思っていると命蓮が口を開いた。

 

「ではおれが出しましょうか? 彼に言われて予習ついでに簡単な謎を考えてきたので。しかしこうなると魔理沙がいないのは都合が良かったですね」

「ふむ? まあなんにせよ、そういうことなら頼むわ」

「そうね、期待しているわ」

 

 まあ、初心者ではあるが少なくとも魔理沙が来るまでの場つなぎにはなるだろう。そういうことで命蓮が謎を語ることになったのであった。

 

 

「まぁ、行きますよ」

 

********

 

 先日おれが香霖堂に陰陽術の本を買いに行ったときの話しなのですが、店に着くと泥棒に入られました。

入り口のドアは店主がいるのでばれずに入るのは不可能。

 

 

 本が保管してあった部屋の窓はカギがかかっています。

 

 しかし、泥棒はカギを開けずに部屋に侵入し本を奪って行ったのです。

 

 泥棒はどうやって本を盗み出していったのでしょうか?

 

 

 では、前提の赤を。

 

【部屋に入れる場所は店の中の扉、窓のみ】

【窓には鍵がかかっていた】

【泥棒は鍵を開けずに本を盗んでおった】

 

 さて、泥棒はどうやって本を盗んだでしょう?

 

*******

 

 

「なるほどねえ」

 

 なんとも分かりやすい、密室侵入と脱出の謎だと霊夢は思った。どのような謎になるか期待していたが、なかなかどうして楽しめそうな予感がする。

 

「鍵を開けずに入ったのなら鍵云々はあまり考えなくて良いかしらね、さてさて」

 

 とりあえず適当に、始めてみるようか。

 

「復唱要求しようかしら、「犯人は貴方と店主が居た時間に犯行に及んだ」」

「【いたのは店主のみ、命蓮は盗まれた後に来店した】」

「ま、とりあえず進めていきましょうか。まずは復唱要求「盗まれた本は、部屋の中にあった。泥棒は部屋に侵入し、本を持って部屋から出ていった」」

「「本は部屋の中にあった、泥棒は部屋に侵入した、泥棒は本を持って部屋から出た」、天子さんのおっしゃるとおりです」

「ほう」

 

 少なくとも部屋に入ったのは事実、と考えていいだろう。となれば問題とすべきはどうやって部屋に入るかだ。

 

「それではまず手始めに『扉を壊して入った』」

「【扉は壊れていない】」

「『泥棒が店を壊して盗んだ』」

【店は壊れてはいない】

「『窓を壊して入って盗んだ』」

 

 扉、店、窓と文は壊れている場所がないか確認していく。がここで霊夢が口を挟む。

 

「窓が壊れたら店も壊れたことになるんじゃない?」

「そうだよね」

「そうなるんですかね? いくらでも曲解できると思いますが…」

 

 首を傾げつつも霊夢とチルノの言い分に納得したのか文は引き下がる、その様子に命蓮も答える必要は無いと考えたのか特に赤を行使することはなかった。

 

 

「ふむー。復唱要求、「店主は本を盗まれたことに気がつかなかった」」

「【店主は盗まれたことに気がついている】」

「私も復唱要求しましょうか、「このゲームにおける本、とは特定のものを指し、複数存在しない」」

「【本を一冊のみ】」

「「本は普通の本である」」

「一応魔導書の類ではあるのですが、それを言ったらこの話し終わっちゃいますからね。まあ【本は普通の古びた本】とだけ」

「復唱要求、「部屋は一つのみである」」

「【部屋は複数ある】」

「あらそうなの?」

 

 まあ本が一冊な以上問題となる部屋も特定の一部屋と考えて良いだろろうか。とりあえずはそう考えてさらに推理を進める探偵たち。

 

「復唱要求、「犯人は本を店の外に持ち出した」」

「【犯人は本を店の外に持ち出した】」

「復唱要求、「店は2階建て、もしくは地下がある」」

「【店は一階のみ】」

「「泥棒は本があった部屋以外に侵入していない」復唱要求よ」

「【本のあった部屋以外には侵入していない】」

「さらに復唱要求、「窓は施錠されていた。泥棒は侵入する際に窓を開錠した」」

「天子はせめるな~」

 

 チルノの言うとおり、初参加である天子がガンガン前に来ている。これはなかなか頼れる探偵仲間となるかもしれない。

 

「天子さんの、開錠した、は返答に悩みますね。ここは拒否で」

「ふむ、前半部分だけでも復唱できない?」

「前半部分ですか…、【扉は施錠されていた】」

「ん、OK」

 

 ふむ、とこのやり取りに思案顔を浮かべる者もいるが、この時点では特に何も思いつかないのか自分の推理を進める事としたようだ。

 

「『犯人は裏口から入って盗んだ』」

「【犯人は裏口から入っていない】」

「『普通に正面から本を盗んでいった』」

「『犯人は普通に店に入って本を盗んだ』」

「意味被っているわね、二人のやつ」

 

 文とチルノの青に霊夢が突っ込む、確かに細部が違うだけで大体同じような推理に見える。

 

「【犯人は正面から入っていない】【犯人は普通に店に入ってはいない】」

「普通にはか…。前も駄目、後ろも駄目……となると」

 

 つまり正面や裏口からではない、普通でないやり方で室内に侵入したということであろうか。

 

 

「復唱要求です。「犯人は、命蓮さんでも香霖さんでもない第三者である」」

「【犯人はおれら二人ではなく第三者】」

「ふむ、『穴などから手を突っ込んで盗った』というのは?」

「【穴から手を突っ込んではいない】」

「ま、そんなもんでしょうね」

 

 そう単純でもないか、と霊夢は肩をすくめる。それならそれでと別に推理を出すようだ。

 

「復唱要求、「部屋とは一般的なそれのことである」手提げ金庫とかじゃないわよね?」

「【部屋は一般的な部屋である】」

「泥棒は窓から部屋に侵入した」」

「【泥棒は窓から入って盗んだ、カギはかかっていた。施錠もされていた】」

「窓から入った、でも施錠されていた、と」

「即バレると思ったけど、思いのほかみんな引っかかってくれていますね」

 

 その言葉に皆は少しばかり考え込む、一体何に引っかかっているのであろうか。それから抜け出さない限りどうやっても真相には辿り着かないだろう。

 

「復唱要求、「入ったというのは全身を入れたということを指す」」

「【全身入った】」

「ほーう」

 

 先ほどの穴に手を、ではないが少なくとも隙間に手を突っ込んだというような物ではないということか。となると大分限られてきそうな気もするのだが。

 

「「犯人は一般的な人間の体格、体の大きさである」」

「復唱要求、「このゲームに出てくる犯人は人間である」」

「【犯人は人間で小柄な少女】」

「小柄? 小柄ねえ、魔理沙だったりするのかしら」

「香霖堂、本、小柄な少女、ええ魔理沙ですよ」

 

 道理で、魔理沙がいないのは都合が良いというわけである。

 

「『窓のカギは外から解錠できて、それで中に入って盗んだ』」

「まあ通らないと思うけれど、「ゲーム中、窓の鍵は一度も解錠されていない」」

「解錠と言われると少し悩むんですよね…、【ゲーム中、窓のカギは一度も解錠されていない】」

「なのに入ったと」

 

 どうにも色々と引っかかる話だ、このあたりに見落としていることがあるのであろうか。

 

「「窓に隙間はなかった」」

「隙間、それも少々返答に悩みますね」

「へえ?」

「言い方次第でしょうか、【窓に隙間はなかった】」

「ふむ、木枠だけでガラスを嵌めていなかったとかとか思ったのだけれど、隙間はないのね」

 

 窓は窓、そう思った方がいいのであろうか。

 

「「開錠せずに窓を通り抜けることは可能である」」

「【開錠せずに窓を通り抜けることは可能】」

 

 などと思っていると命蓮から爆弾発言が飛び出した。

 

「えっ」

「ん!?」

「入れるんですか!?」

 

 大妖精が叫ぶ、あまりにも予想外であったのだろう。しかしこうなると鍵に関して考えるだけ無駄となってしまった。どういうことなのであろうか。

 

「可能ならそこからはいったでいいような」

「その方法を楽しみましょうって話だからね」

 

 天子のその呟きに霊夢が突っ込む、そこを言ってしまうと屁理屈推理合戦は途端に退屈になってしまうからだ。以前文と紫の屁理屈で部屋の正体に辿り着かずに魔女がリザインした物があったと思うが、あれもおなじである。確かにそれで終わってしますがそれでは何も面白くない、それをどうやったのかを推理するのが醍醐味なのだ。

 

「具体的にどう可能だったか当ててみろ、そういうことね?」

「そんな感じ」

「ええ、どうやって入って持ち去ったか…です」

 

 さて、しかしこれはまた、一体全体どのようなトリックなのであろうか。探偵達はいっそう思考を重ねるのであった。

 




 はい、出題編です。今回は私の考えた問題ではなく命蓮の人が考えた物となっています。ああ、もしかしたら命蓮の設定やキャラに首を傾げる人がいるかもしれませんがあまり気にしないでください。というか設定含め中の人が考えているので私に言われても反応できませんのであしからず。

 それと今回は結構ログをいじっています。具体的には出題前の会話は全部私が適当に書いた物です、実際は設定とかを普通に聞いていました。あと実際はチルノ、文が来たのは出題中でしたが面倒なので最初に入れました。そして魔理沙が来ないとかも書きましたが魔理沙=私なのでその辺も違います。

 実は今回の謎、私は大ポカをやらかしています。改変せずにけじめとしてきちんと残しておきました。それがなんなのかはまあ、次回に明かすこととなるでしょう。適当に何処がミスだったのか想像しておいてください。次回はいつ投稿になるかなあ…。

 さてさて、実は今回これを含め私が投稿している五作品を同時に投稿しております。それぞれ原作は東方projectですが扱っているテーマが別となっております。もしよろしければ他の作品も読んでいただき、そして興味を持っていただけたら幸いです。ではまた。
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