当ゲームにおける基本ルール
1.【】で囲われたものを赤き真実とする。赤字の内容は絶対の真実である。
2.『』で囲われたものを青き真実とする。探偵が己の推理を提示する際に用いる。
なお、探偵の提示する青は魔法を否定する内容でなければならない。
3.魔女は提示された青字に対して赤字を使って反論する義務を持つ。
青字を否定できない場合魔女側はリザインを宣言し、人間側の勝利となる。
なお、赤字での反論が有効かどうか、人間はよく検証する必要がある。
4.人間側は、「」で囲われた文章を赤字で復唱することを魔女側に要求できる。
ただし、魔女側はそれを行う義務を負わない。
以上
「……こいつでいってみるか。『レミリアは何らかの病気で身体を動かす事が出来ず、結果として死を理解しながらも部屋を出る事が出来なかった』それと『レミリアにはそもそも自殺願望があり、部屋に留まって死を受け入れた』ってところでどうだ?」
残念。【レミリアは病気ではなかった】【レミリアはその最期の瞬間まで生きたいと思っていた】病気でもないし、ましてや自殺でもないわ。
「やっぱな。第三者の意思云々があったから多分違うんだろうとは思ったけど」
ま、それでも一応試すのが屁理屈だから、そこはね。
「そうね。じゃあ私も試しておきましょうか。『レミリアは首輪で繋がれており、四肢は自由に動かせるが脱出は不可能な状態であった』というのはどう?」
【レミリアの身体を一所に縛るような枷は存在しない】吸血鬼を飼う趣味はないわ。
「ふむ、そう」
「じゃあこういうのはどうかしら? 『ドアは施錠されていなかったけれど、別の方法で固定されていた』あるいは『ドアは天井、または室内から通常届かない位置に設置されており、ドアを通る事が出来なかった』もう一つ、『犯人がドアを外から押さえていた』という三つの推理を投げさせてもらうわ」
いい青ね。ドアへの三連発、見事よ。だけど、【ドアを開かぬように固定化する仕掛けは存在しない】【ドアは日常的に使用されており、ゲーム中も位置は変わっていない】【ドアを外から押さえていた人物は存在しない】その全てを赤で以って斬るわ。
「……全部斬られるか。やはり初心者には難しいわね」
「いやあ、初めてでそれだけ出るなら上等だぜ。しかしそうか、こうなるとドアに問題はないのか?」
「いえ、こういう可能性もあるわよ。『ドアは小さすぎて、レミリアはドアを通る事が出来なかった』」
【ドアは一般的な人類であれば通れる程度の大きさ】【レミリアは一般的な人類である】で斬らせてもらうわ。
「ふむ、斬られましたか」
「……なんか、レミリアが人類ってことになったのが地味に面白いな」
「そこ? まあ、分かるけれど。……今のところ部屋にばかり注意がいっているけれど、お嬢様の死因はあまり気にしなくていいのかしら?」
「難しいところね、それは。どうも、今回はどちらもが真相への道に繋がっているような感じがするわね。……そうね、死因にも少し触れましょう。復唱要求、「レミリアは餓死していない」「レミリアは衰弱死していない」」
復唱は拒否だけど、【部屋の中には食料となるものが十分にあった】と返しておきましょうか。
「食料があったのか。じゃあ餓死は無理だな」
「でも無いんじゃない? 食料、例えば米とかがあっても、それを炊く方法が無ければ食べることは出来ないわ」
「あ、それもそうだな。じゃあ霊夢、復唱要求だ、「部屋の中の食料はそのままの状態で食べることが出来る」」
…………拒否よ。
「……霊夢、少しだけ沈黙が長くなかったかしら?」
そう? 気の所為じゃないかしら?
「いや、私もそう感じた。となると、案外これが本線か?」
「いえ、だとしても外に出られなかった方法が分からないと無理よ。ドアを閉じ続けているものが見つからない以上、それだけではリザインにまで持っていけないわ」
「ううむ、そうなると……」
「じゃあ、こういうのはどう? 『部屋の中は非常に広大であり、お嬢様はドアまで辿り着く事が出来なかった』」
……そうね、【部屋の広さは一般的な学校の教室の面積よりも狭い】とでもしておきましょうか。
「となると……どれくらいだ?」
「縦横、最大でも十メートル程度ってところじゃないかしら?」
「そのぐらいなら普通に辿り着けそうね」
「いや、待て。霊夢、それは部屋の床全ての面積の話か?」
……? どういう意味?
「例えば、だ。『部屋は階層構造になっており、一種の迷路化していた。そのため、レミリアはドアにまで辿り着けなかった』ってことだよ」
「部屋の中がビルみたいな構造になっているってこと?」
「それもうビルじゃない、部屋じゃなくて」
「ビルを囲っている部屋なんだよ」
面白い説だけど、【部屋の高さは十メートル以下】とでも返しておきましょうか。
「……二階、三階といった所かしら?」
「その大きさで迷う、というのはちょっときつそうね」
「いや、まだだ。その程度の階層でも迷う可能性はないわけじゃない」
面倒になってきたから言ってあげるけど、【部屋は階層構造ではない】わ。魔理沙が哀れだからおまけしてあげる。
「……駄目か。やっぱり無理あるよな、これは。というか誰が哀れだ、誰が」
「貴女が、に決まっているでしょう」
「……いえ、魔理沙のおかげで一つの可能性が生まれたわ」
「え?」
へえ? 紫、一体どんな可能性が生まれたというのかしら?
「そのためにも霊夢、一つ聞いておくわ。復唱要求、「レミリアはドアの位置を把握していた」」
…………成る程ね。
「復唱は?」
拒否。それ以外に無いわ。
「どういう意味だ?」
「つまりはこういうことよ。『レミリアはドアの位置を把握しておらず、自分の死を自覚しながらも部屋を脱出する事が出来なかった』」
……精々十メートル四方の部屋のドアの位置を把握していなかったって言うの?
「否定はしないのかしら、霊夢?」
…………。
「でも、どうやったらその程度の広さで迷うんだ?」
「……そういうこと。紫、貴女はお嬢様の目を疑っているわけね?」
「正解」
「どういうことだ?」
「紫はこう言いたいのよ。『お嬢様は目が見えず、そのためドアの位置が分からなかった』とね」
【レミリアは病気ではなかった】と言ったはずよ。
「視力を失う原因は病気ばかりではないわ。事故などで傷を負って見えなくなった可能性がある」
「あ、そっか! だから霊夢は頑なに、レミリアに外傷はないって言わなかったんだな!」
「そういうこと」
でも、それでどうやってレミリアを殺すつもりなのかしら?
「それは勿論、餓死よ」
言ったはずよ。【部屋の中には食料となるものが十分にあった】って。
「食料があってもそれを食べられるとは限らないわ。先ほどの問答、忘れたとは言わないわよね?」
…………だけど、それでも数時間もかければドアの場所を探ることぐらい出来るんじゃないかしら? 餓死と簡単に言うけれど、それには相応の時間がかかるはずよ。
「問題ないんじゃない? ゲーム開始前からお嬢様は餓死寸前の状態であったとかなら」
「そうね。つまり、最終的な青はこうよ。『レミリアは視覚に問題があり、ドアの場所を探す事が出来なかった。さらにレミリアはゲーム開始前から餓死寸前の状態であり、周囲の食品も即時に食べられる物ではなかったので、最終的に彼女は部屋の中で餓死した』」
………………。
「どうかしら?」
…………ふっ。
「霊夢?」
――ふっふっふ、はっはっはっはっは!!! 【レミリアは餓死していない!!】
「えっ!?」
【レミリアはドアの位置を把握していた!!】【ゲーム開始時、レミリアはドアのすぐ近くに居た!!】【レミリアの五感に一切の支障などない!!】
「……おいおい」
……ふふ。紫、今の気分はどうかしら?
「…………やるじゃない。この私を引っ掛けるなんて」
「演技だったってこと? あの不自然な間から」
ええ。ああすればあんた達は引っかかると思ったから。いいわね、たまにはこういうのも。魔女として、実に清々しい気分だわ。
「ちっ、やられた。本当にこれで終わりだと思っていたぜ」
「まったくね。この私とした事が、まんまと乗せられてしまったわ」
――さあ、考えなさい、探偵さん達。
今回出た赤字纏め
【レミリアは病気ではなかった】
【レミリアはその最期の瞬間まで生きたいと思っていた】
【レミリアの身体を一所に縛るような枷は存在しない】
【ドアを開かぬように固定化する仕掛けは存在しない】
【ドアは日常的に使用されており、ゲーム中も位置は変わっていない】
【ドアを外から押さえていた人物は存在しない】
【ドアは一般的な人類であれば通れる程度の大きさ】
【レミリアは一般的な人類である】
【部屋の中には食料となるものが十分にあった】
【部屋の広さは一般的な学校の教室の面積よりも狭い】
【部屋の高さは十メートル以下】
【部屋は階層構造ではない】
【レミリアは餓死していない!!】
【レミリアはドアの位置を把握していた!!】
【ゲーム開始時、レミリアはドアのすぐ近くに居た!!】
【レミリアの五感に一切の支障などない!!】
前回出た赤字纏め
【レミリアは部屋の中で死亡した】
【部屋のドアに鍵はかかっていなかった】
【部屋に留まったからこそ、レミリアは死亡した】
【レミリアの身体に刺し傷は無い】
【レミリアの首に絞殺の痕はない】
【レミリアの身体に打撲痕は無い】
【レミリアは毒を飲んでいない】
【レミリアの死は、第三者の意思が介在した結果である】
【このゲームにおいて、部屋と呼称されるものは一箇所しかない】
【部屋にドア以外の出入り口は無い】
【レミリアは縛られてたりなどしていない】
【レミリアは自由に四肢を動かす事が出来た】
【レミリアは部屋から出なかった場合、自分が死ぬ事を理解していた】
【部屋から出さえすれば、レミリアは死亡しなかった】
【レミリアは部屋を出れば自分が死ぬことはないと理解していた】
以上
【部屋はとある特殊な用途の為に作られたものである】
はい、解答編という名の推理編でした。本来は普通に終わらせるつもりだったんですが、久々にひっかけをする霊夢を書きたかったので急遽こうしました。ちなみに投稿を早めた理由は何となくです。あと今回から文頭に基本ルールを入れることにしました。……別に文字稼ぎとかじゃないですよ?
次回はまあ、真解答編みたいな感じになるのかな? でももう大まかな推理は出ているし、ほとんど短くなりそうな気がするんだよなあ。頑張って推理を考えないといけないのがしんどい。ではまた。