そう、何気なく拾ったあのカード...
序章
「さてと、復習を早めにしなければ」
独り言のように呟いた
そして僕は教科書やノートを詰め込んだ重い重いリュックを背負う
その重量には本当に滅入る
いや、普通の学校より多いのだ、中学の時に比べ2倍はある
当たり前だ、ここは進学校の蓬中央高校(よもぎ)なのだから
参考書のページ数には最初は腰を抜かしていたがここは本気で国公立の大学を目指す人が集まる高校だ、これくらいやらないといけない
そう自分に言い聞かせ夏休みが迫ろうとする7月
一学期が終わり中間、期末のテストは中々のものでクラスでも上位の成績を保てている
さて帰ろうか
そうして教室の扉の取っ手に手をかけた時
「おー!竜也、もう帰るの・か・よ?」
この声、この神経を逆なでするような喋り方
あいつしかいない
後ろを振り返り確認する
いや、確認するまでもなくそいつだった
「英雄(ひでお)か、そうだ僕は帰るんだ」
ニコニコしながらこちらを見る茶髪野郎
顔は依然と柔らかい表情だ
いつもながら抜けている顔だ、全く期末テスト全教科学年トップの顔とは思えない
「えーもう帰るの?遊んで行こうぜ?」
そう言いながら英雄は近くの席に座る
その席は僕の席なのだが...いや、言っても無駄か
どっしりと腰を下ろし手提げ鞄から何かを取り出した英雄
近くに寄り顔を机に落としてその正体を確認する
「いやー安くカードが手に入ったんだよー」
そう言って何か一枚のカードを見せてくる
手のひらに収まる大きさ
紫色のカードだ、名前は...
「えむ、ヒーロー、暗鬼?」
黒い鬼の様な人が飛び蹴りしているイラストだ
名前の横には闇と書かれ
atk2800?...全く
「この年齢でカード遊びとは...勉強しろよ」
そう言うと大げさに首を振り手の平を上にあげやれやれとジェスチャーした
そうして蔓延の笑みで
「馬鹿、お前も小学生の時やってたろ?でも小学生の時なんてそれこそ遊びだ、でも今と違う...今こそ本番だぜ!」
そう立ち上がりながら迫ってきた
わかったわかったと軽く流し兎に角なだめる
それで落ち着いたのか席に座りカードの束を眺め直す
それを横目に覗き見る
緑、赤の様なピンクの様な、茶色....紫、黒と種類は沢山だ
そもそもこのカードゲームを知らない
遊戯王だったっけ?たしか
カードは何枚か持っていたがその程度だ
こいつがこの様子じゃ簡単には辞めないな
そう思いながら英雄を見る
カードの束を見ていたがふと手を止め突如立ち上がる
そしてこちらに向き直り
「おおっと!こんな時間かよ、じゃあ俺トレカショップ行って来る!」
わざわざ要らない情報を僕に告げて
鞄を抱え乱暴に扉を開け足早に教室を、去っていった
まぁ人の趣味だ、放っておこう
....しかし趣味か、その様な物が自分に合っただろうか?
熱中出来る物は記憶を辿れど少ない
たが今は勉強に集中するか
頭で今日する復習を考えていると
ふと自分の机に乗っていた一枚カード
俗に言うキラカードなのか夕日に照らされて光を反射している
なのでどの様なカードかわからない
この時なぜか引き寄せられる様にカードを手に取った
なぜなのだろう?忘れ物だからと言う理由とは別に
拾わなければいけない理由でもあるのだろうか?
そのカードを手に取り顔の前に持ってくる
「サイバー...ドラゴン?」
これが始まりだった
最初は軽くここまでにしておきます
次回から本気出します、頑張ります