・・・これから読みます。
街角から顔をだし先ほどまで着けてきた男の子を見つめる。
初めは、ただの偶然だった。
ジャガ丸君の屋台でバイトをしていた時にあの男の子に出会った。
話したわけでも知り合いというワケでもなく気づくと目で追っていた。
確かに珍しい容姿をしていた。白髪に赤い瞳まるで兎を連想させる。
その少年の走り去っていく後姿にただただ目を奪われていた。
2回目に出会ったのは、バイトが終わり自らのホームに帰宅中に先ほどの少年が肩を落としトボトボと歩いている姿を見つけた。
その姿を見て、何故だか心が揺らいだ。
何があったのかはわからない。だが、それでも少年は前を向いて歩いていた。
肩を落としながらも、けして後ろを振り向かず前へ前と進んでいった。
その後姿を見て昔からの家族である、あの問題児の面影を僕は見た。
気が付くと、足が勝手に少年のほうへと向かっていた。
まるで何かに引きつけられるように真っ直ぐに少年の元へと―――――
「・・・ぬぅ」
思わず口から言葉が漏れた。
後をつけて分かったのだがあの少年はどうやら冒険者になりたいようだ。
幾つものファミリアの門を叩いては即門前払いにされてきた。
きっと、今のところもダメだろう。
「だったらここは僕が行くしか―――」
いや、でも勝手にファミリアに誘ったら皆に怒られるかな?いや怒られるよね、絶対。
いやでも可哀想だし、いやでも――――
「あー!!どうすればいいんだー!!」
「いきなり何、叫んでんだよ。この駄神が」
「誰が駄神だ!コラァ!!」
この神様である僕を、まったく敬っていないこの言動。
こんな、失礼極まりないことを言うのは、僕は1人しか知らない。
「レイト君!僕のことを駄神って言うのやめてくれって前から言ってるだろ!!」
「ホントのことだろうが、この
「駄神言うなー!それに今、駄神って書いてヘスティアって言ったな!今日という今日は許さないぞー!!」
てーい!と両腕を振り回しレイトのお腹あたりをポカポカと叩き続ける。
「こいつめこいつめこいつめー!」
「ハッハッハッ!きかんきかんぞ!」
「・・・いい加減にしてください。」
「ぬぉ?」
レイト君の後ろから声が聞こえ目を向けると他の3人の家族達が揃っていた。
「むぅ、でもレイト君が」
「わかっています。後できつく言っておきますから。それよりもレイトさん?」
「ん?ああ、姫さんがさっきまで下手な尾行で付け回していた、あの少年はどこに行ったんだ?」
「えっ!?なんで知って。み、見ていたのかい!」
「・・・いや、あれだけ派手に尾行していては流石に目に入りますよ。」
「それも、自らの主神ともなれば尚更です。」
「ぐっ!」
リリ、命の言葉で姫さんがよろめく。
よっぽど自信あったんだな、あの尾行。
俺らにしたら見るに堪えなかったんだけど。
「そんなことよりも、あの少年は?」
「え?あの子ならそっちに」
姫さんが街角の奥に指をさす。
そちらのほうに目線を移すと同時にリリが言葉を放つ。
「ああ、そっちには確かゴルゴファミリアが合ったはずですよ。」
「ゴルゴ?どこそこ?」
「中小も中小のごく普通のファミリアです。」
「確か、あまりいい噂は聞かなかったような。」
「お前らよく知ってんなぁ。俺なんて名前知ってんの2つか3つぐらいなんだけど。」
「あなたが知らなすぎるだけです。」
リューの説明に相槌を返しつつ、向こうの様子を見るべく街角から顔をだし様子を窺ってみると、丁度断りの返事を受けているところだった。
「ありぁ、断られたよ。」
「当然でしょう、中小ファミリアは新しく入団する者たちよりある程度レベルが高い冒険者を重要視します。断られても不思議ではないですよ。」
「これで、10件目だ。」
姫さんが俺の覗き込んでいる下に潜り込み少年を見つめながら言葉を続ける。
「僕が見てきた中で10件断られてるんだ。下手をすればもっと。」
「・・・・ふーん。」
もう一度、向こうの様子を窺ってみると少年は肩を落とし少し歩いた末、地面に力なく座り込んでしまった。
自分の
だが、少年は袖で涙を強く拭い、両ひざに手を当て勢いよく立ち上がった。
その眼はまだ死んでいなかった。
強く輝き光を失っていないその
「・・・へぇ」
気が付くと俺は少年の方へと足を向けていた。
後ろで姫さんたちが何かを言っているようだがまったく耳に入って来ない。
一歩、一歩と少年へ近付いていく。
これから増えるであろう家族との未来を想い歩幅を切る。
そして――――
「少年、こんなところで何をしているんだ?」
英雄を目指す少年と英雄と呼ばれる男が出会った瞬間だった。
原作を知らないのでWikipediaで調べながら書いているとヘスティアのエンブレムは重なりあった鐘と炎ということがわかった。
炎だと(-_-)?
・・・ラッキーと思った僕は悪くない。