女神と炎とダンジョンと   作:銀色の空

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待たせて申し訳も。

仕事が忙しく、小説もようやく2巻まで読み終わりました。

また、亀更新になると思いますが応援してくださると幸いです。


始まりの炎
憧憬に出会った日


 

あの日、僕ベル・クラネルはあの人に救われた―――――

 

僕はここオラリオから少し離れた田舎で祖父と共に農民として暮らし、幼いころから英雄という存在に憧れていた僕によく祖父は英雄譚を話してくれた。

両親のいない僕をとても可愛がり大事に育ててくれた。

誕生日のたびにくれた英雄譚の絵本は今でも大切に保管している。

 

そんな優しかった祖父は、ある日突然いなくなった。

山でモンスターに襲われ崖から転落し死体も見つからなかったらしい。

 

僕は1人になった。

誰もいなくなりガラリとしてしまった我が家を見渡すとまた涙が溢れそうになる。

 

そんな中で、ふと目に入ってきたのが、祖父が買ってくれた大都市オラリオの冒険者が載っている本だった。

 

表紙には『遂に至るか最強へ!オラリオ2人目のレベル7!!』と大きく載っていた。

 

「・・・冒険者、か」

 

冒険者、祖父によく聞かされていたモノの一つ

祖父曰く、冒険はロマン。または冒険は夢。

 

 

 

 

最後に、冒険者はモテる。

 

 

 

ハーレムじゃ。

 

 

 

うはうはじゃ。

 

「・・・・」

 

最後のはどうなんだろうか?

 

 

 

「でも、冒険者になれば・・・」

 

僕は幼いころからの夢がある。それは英雄譚に描かれている異性との運命的な出会いだった。

 

祖父にこのことを話したことがある。

帰ってきた返事はやはり冒険者になればいいとのことだった。

祖父はその他は何も言わずただ頭を優しく撫ぜ笑みを浮かべるだけだった。

 

僕はもう一度手に持っている本に目線を戻す。

 

「僕にもなれるかな?この人みたいな冒険者に。」

 

 

この時、少年は憧れた。冒険者に、表紙を飾るこの男に。

 

 

そしてさらに憧憬(あこがれ)、一途に想った。英雄という存在に―――――

 

 

 

 

決心を決めた僕は荷物を纏め、本を片手に村を飛び出した。

 

そして、オラリオについた僕は手に持っている本に視線を移す。

 

「ヘスティアファミリア、か。」

 

表紙にはこの人の所属しているであろうファミリアが大きく書かれ、ご丁寧に住所まで載っていた。

まずはここに行ってみよう。そう思った僕は道行く人に道順を教わり何とか記してある住所についたのだがそこには古びた教会がポツンとあるだけだった。

 

「・・え?ここ?」

 

そこは、お世辞にも人が住んでいけるような場所ではなかった。

だが、本に記されている住所は確かにココのはず。

 

「・・・騙された?」

 

いや、そんなわけがない。

道を聞いたのはいかにも優しげなお婆さんだった。

それに騙す理由なんてものはないはずだ。

 

「い、一応。すみませーん。」

 

確認のため一応、扉を開き声を出す。

だが、やはり思った通り中は無人で物音一つ聞こえなかった。

 

扉をゆっくりと閉め、これからのことを考えた。

 

「当てがなくなっちゃったな。」

 

何もここにあるはずのファミリアじゃなくてもよかった。

ここは、世界で唯一、迷宮《ダンジョン》がある都市だ。他にも沢山のファミリアがあることは知っている。

でも、何故だかわからないけどここならって、そう思ったんだけどなぁ。

 

「・・・・仕方ないか。」

 

他にも沢山のファミリアがここにはある。

名残惜しいけど、冒険者になりにきたんだ。

他のファミリアへ行ってみよう。

そう思い、少し残念な気持ちを抱え元来た道を戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

「お前みたいな、弱そうな奴はいらねぇよ。」

 

扉が乱暴に閉められる。

あれからいろんなファミリアを回ったがことごとく門前払いされてここで14件目になる。

 

「・・・・・」

 

14件目にもなるとショックも大きく足取りも重い。

遂には地面に腰を下ろしてしまった。

 

「・・・はぁ」

 

自然とため息も漏れ、眼には少し涙が浮かんできた。

どこに行ってもこう言われた。弱そうだと。

弱い奴は要らない。そう、言われた。

 

「やっぱり、僕なんかじゃ――――」

 

冒険者になれない、その言葉は口には出せなかった。

いや、出すわけにはいかなかった。

そのことを口に出してしまうと本当に夢が壊れてしまいそうで。

 

「・・・まだ行ける。」

 

袖で涙を強く拭い、両ひざに手を当て勢いよく立ち上がる。

諦めたくはなかった。

幼いころからの夢を、憧憬(あこがれ)を捨てきれなかった。

 

 

 

 

 

 

そんな時だった―――――――――

 

 

 

「少年、こんなところで何をしているんだ?」

 

 

 

僕の、物語のプロローグはここで終わる。

 

 

今、思えばこの時から僕はこの人に憧憬一途(あこがれ)を持ったんだ。

 

 

この日、ベル・クラネルはレイト・アスタルクに救われた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「て、ことがあってね!!」

 

「ベル様、案外余裕そうですね!!」

 

レイトさんに出会い、無事にヘスティアファミリアに入って半月、僕は英雄になるという夢に向かって走ってきた。

 

 

 

 

 

 

そして今も走っている―――――

 

『ブモオオオオオオオオ!!!』

 

「な、なんで上層にミノタウロスが!いるん、ですか!!」

 

「知らないよ!それよりもリリ!レベル2なんでしょ!!早くやっちゃてよ!!!」

 

「無茶を言わないでください!今、仕様武器は椿様に預けてあるんです!それにこんな狭いところで使ったらリリ達丸焦げですよ!!」

 

「じゃあ、どうするの!?」

 

「ベル様、男の子でしょ!ほら立ち向かって!頑張れ男の子!!」

 

「むーりーだーよー!!!」

 

 

一生懸命、走っています。

 

 

 

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