魔法戦記リリカル00 ~世界を越えた超兵の話~(改定前)   作:かねごんマークII

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第12話 見えない敵

ティアナside

 

 

私たちの六課での初任務は新しいデバイスでの出動だったうえに、エリオが列車から落ちたり、キャロがフリードを竜魂召喚で大きくしたりと、トラブルの連続だったけれど、私たちの任務はなんとか無事に終了した。それから数日、私たちはいつも通りの訓練をしていた。

 

ティアナ「はあ、はあ、…くっ!」

 

私は両手にマシンガン形態のクロスミラージュを持ってなのはさんが放った誘導弾を撃ち落としていく。

 

なのは「うん、今日の午前の訓練はこれで終了だよ、お疲れ様。午後からは全員での訓練だからね」

 

ティアナ「わ…解りました…」

 

つ、疲れた……けど、私は本当に強くなってるの?やってることは何時も基礎と基本と少しの応用。

 

ティアナ(力が欲しい……誰も馬鹿に出来ない程の力が!)

 

普通に訓練してたんじゃ強くなれない。自主練してもっと強く………!

 

 

キャロSide

 

 

キャロ「ふー、はー、ふー……」

 

フェイト「いくよ、キャロ」

 

キャロ「は、はい!」

 

呼吸を整えて、前を見る。私は今、フェイトさんの指導でシールドビットの操作の練習をしています。

 

キャロ「ケリュケイオン……いくよ!」

 

ケリュケイオン<了解致しました、姫君>

 

白いシールドビットが6個(本来は10個)、私を囲むように展開します。その周りをさらに固定スフィ アが囲んでいてフェイトさんがスフィアに指令を送り、スフィアからランダムに魔法弾が発射されてきま す。

 

キャロ「は!、や!、ふ!」

 

私の息が上がる理由、それはビットを自分の意思で操作するために意識を集中する為………なんですが…

 

キャロ(やっぱり体ごと動いてしまいます〜!)

 

シールドビットは基本は私の思考とケリュケイオンのサポートで動いてくれるのですが、私は考えと行動が連動してしまい、視線と手の動きにビットが連動して動くので魔法弾を防ごうとすると…

 

フェイト「う〜ん、やっぱり踊っちゃうね」

 

その場でくるくると回ってしまい結果…

 

キャロ「はう…、目が回ります〜〜」

 

体力がつきてしまうんです。早くシールドビットの扱いに慣れておきたいのになぁ……。その場に座り込んで空を見上げているとフェイトさんがタオルとスポーツドリンクを持ってきてくれました。

 

フェイト「キャロ、今は体が反応しちゃうけど焦る事は無いよ。アレルヤが言うにはね、操作を全てデバイス任せにするんじゃなくて、ある程度でもいいから自分の意思で操作できるようになればシールドビッ トはキャロを更に強くしてくれる…そう言ってたよ」

 

キャロ「そうなんですか?」

 

フェイト「うん、私からは詳しい事はアドバイス出来ないけど、アレルヤとアリオスから聞いてみるといいよ」

 

キャロ「はい!今度、聞いてみます!」

 

私がシールドビットを使いこなすにはまだまだ時間がかかるけど…、フェイトさんに言われた通り、焦らずに頑張っていこう!

 

 

はやてSide

 

 

はやて「つまり、今回の現れた敵…ジンクスはアレルヤの世界でのロボットが人間サイズになったもの、 ということなんか?」

 

アレルヤ「ああ、回収された残骸とアリオスのデータを照合した結果、本来のジンクスの技術そのものだったよ」

 

うちは部隊室でアレルヤが戦ったというジンクスのデータや詳細な報告をシャーリーとアレルヤから受けていた。

 

シャーリー「幸いにもフェイトさんが切り落としたジンクスのうち、1機だけGNドライヴが爆散してなかったので調べて見たところ、こちらもアリオスから提供してもらったデータ、擬似GNドライヴというものと一致しました」

 

アリオスが提供してくれたデータ、機体と擬似GNドライブのデータが二つとも一致……

 

はやて「ふむ……、ということはアレルヤの居た世界からこちらに来た人がおるかもしれない、あるいはそのジンクスを何らかの方法で回収した人がそのデータを使って作りあげたか……」

 

アレルヤという実例がある以上、どちらも有り得ない事ではないしな…。それにガジェットとの関連も気になるし…。

 

シャーリー「とりあえず私とフェイトさんの二人で午後から回収したガジェットの調査をして来ます」

 

はやて「頼むな、ところで、ジンクスの擬似GNドライヴとアリオスのGNドライヴは何か違う所があるん?」

 

アレルヤ「うーん、まず粒子の色が違うこと。擬似GNドライブは赤い粒子だけど本物のGNドライヴは緑色なんだ。あと、赤い粒子には本来なら毒性があるんだけど、今回出現したジンクスのGNドライヴには赤い粒子にも関わらず毒性が無かった………ことくらいかな。他にも違いがあるけどこれ以上は機密クラスの情報だから話せない。ごめん」

 

アレルヤは申し訳なさそうに俯いてしもうた。やば…話の流れを変えな空気がおもくなってしまいそうや 。

 

はやて「まぁ、話せないものはしゃあないし、アレルヤはあまり気にせんでもええよ。この話は取り敢えず後にして……午後からはアレルヤはどうするんや?」

 

顔をあげたアレルヤはいつも通りのアレルヤだった。

 

アレルヤ「ジンクスに関しては調べ終わってるし……とくに用事も無いから訓練をしようと思ってたんだけど」

 

アレルヤの言葉を聞いてうちはある事を思いついた。

 

はやて「なあ、アレルヤ。服…と言うかスーツを買いに行かへん?」

 

アレルヤ「スーツ?…なんでだい?」

 

はやて「いやな、今度の任務がホテルで行われるオークションの警護になるからな。アレルヤにはホテル内部の警護をしてもらおうと思っててな、その警護の際にスーツを着てもらうからや」

 

くふふふふ…、内部警護にはうちとなのはちゃんとフェイトちゃんもドレスで行くことになっとるんや… 。うちらのドレス姿で今度こそアレルヤを顔を真っ赤にさせてギャフンと言わせたるで〜〜!!

 

アレルヤ「了解、でも買い物に行くにしても僕はミッドチルダの地理に詳しくないんだけど?」

 

はやて「それなら心配せんでもええよ。うちとシャマルも一緒に行くから。うちも自分のドレスを取りに行こうと思ってたし」

 

アレルヤ「わかった、じゃあそれまではアリオスの整備をしてるから準備ができたら連絡をたのむよ 」

 

はやて「了解や、じゃあ時間になったら連絡するからな」

 

そうして報告を終えたシャーリーとアレルヤは部屋を出ていった。さて、うちも仕事を終わらせよ。

 

 

アレルヤSide

 

 

デバイスルームに来た僕はアリオスと共に新たな武装について話し合う事にした。

 

アレルヤ「今のアリオスに足りないのは火力かな」

 

アリオス〈私としては近接武装も欲しいところですが……本来のアリオス、まぁ今の私もですが、敵に対して一撃離脱、スピードと機動力による撹乱を目的とした機体ですから他のガンダムがいない状態での多対一の戦いではどうしても不利になります〉

 

そう、だから基本はアリオスで敵を撹乱したところにダブルオーが敵に近接戦闘を持ち込み、そこで撃ちもらした敵はケルディムが撃ち落とし、その間にセラヴィーが敵戦艦を落とす……というコンセプトで各ガンダムは作られたが、大半の戦いで敵は数にモノをいわせて大量にモビルスーツを繰り出してきたので僕たちは当初のコンセプト通りではなく、状況に応じて近接や遠距離の戦いをしなくてはいけない時もあった。

 

アレルヤ「やっぱり武装が貧弱だよね………アリオスの武装の追加は出来そうかな?」

 

アリオス〈現状では今のままでいくしかないですね。本来使用していた追加武装、HW/M(ヘビーウェポン/ミサイル)は現在、急ピッチでシステムを構築していますが時間がかかります。とりあえずGNロングビームキャノンだけは構築が簡単なので優先して使用出来るようにしますがどうしますか?〉

 

アレルヤ「そうだね、とりあえずはキャノンは使用出来るようにして…。あ、GNアーチャーはどうだろう、使えないかな?」

 

アリオス〈了解しました、ではGNロングビームキャノンを優先してシステムを構築します。サポート機のGNアーチャーについては残念ですが私とは別に作らないといけないので現段階では諦めるしかないですね〉

 

アリオスと話し合いながら作業を進めていくうちに、僕は頭に何かが引っ掛かっている感じがした。

 

アレルヤ(あれ?僕は何かを……忘れてる?でも……何を?)

 

自分の育った環境、自分がしてきた事、ソレスタルビーイングやその仲間の事、ガンダムマイスター達の事、確かに覚えてる。でも……大切な何かを、誰かを忘れてる……何だろう?GNアーチャー…あれは誰が動かしていた…?

 

アリオス<マイスター、実はご相談があります>

 

何かを思い出そうとしてぼんやりしていた僕にアリオスが話し掛けてきた。

 

アレルヤ「なんだい?改まって相談なんて」

 

アリオス<恐らくですが敵はまた擬似GNドライヴを掲載したモビルスーツもどきでこちらに敵対してくると思います。ですので可能な限りでいいので敵の擬似GNドライヴを壊さずに手に入れて欲しいのです>

 

アレルヤ「………何に使うんだい?」

 

アリオス<今はまだ………申し訳ありません。ですが擬似GNドライヴがある数だけ手に入れば私の計画をお話することを約束します>

 

う〜ん、僕にも秘密か……だけどアリオスは僕の相棒だし、何に使うのかは分からないけど相棒を信じよう。

 

アレルヤ「わかった。とりあえずあと何個、擬似GNドライヴが必要なんだい?」

 

アリオス<ありがとうございます、マイスター。現在、こちらには1基ありますのであと3基ほどお願いします>

 

アレルヤ「わかった。この事ははやて達には伝えても大丈夫かな?」

 

アリオス<むしろ言っておいた方がいいでしょう。黙っていて変に疑われるより、はっきり言って理解して貰いましょう>

 

本当にこのデバイス、アリオスは高性能だと思う。人の考えを理解しているみたいだ。

 

アレルヤ「そうだね」

 

アリオスとの話が終わると同時に通信の呼び出し音がなる。通信を開くとはやてからだった。

 

はやて『そろそろ行くで〜。出かける準備はええか?』

 

アレルヤ「ああ、すぐに出れるよ。どこに行けばいい?」

 

はやて『じゃあ…、隊舎の前に来てくれへんか?フェイトちゃんが地上本部に行くついでに送ってくれるそうや』

 

アレルヤ「了解した。すぐに行くよ」

 

はやて『了解や、待っとるで〜』

 

通信が切れたので上着を着てアリオスを内ポケットに入れ、デバイスルームを出て外を目指す。

 

アリオス〈買い物ですか。ついでに私服や日用品を買われることをお勧めします〉

 

アレルヤ「……そうだね」

 

こちらの世界に来て数週間、僕は管理局が支給してくれた最低限の生活用品と服で生活していた。

 

アレルヤ「そういえば……民間協力者は給料あるのかな?」

 

アリオス〈一般の管理局員よりは少ないですがあるはずですよ。八神部隊長に聞かれてみては?〉

 

アレルヤ「そうなんだ。それならはやてに聞いてみよう」

 

アリオスと話しているうちに六課の出入口であるロビーに着いた。そこから外に出るとはやてとフェイト、シャーリーとシャマルが車に乗って待っていた。

 

アレルヤ「ゴメン、待たせたかな?」

 

フェイト「ううん、私もさっき来たところだから気にしなくていいよ」

 

フェイトに言われて車に乗り、六課を出発する僕たち。車内は静かで運転しているフェイト以外はみんなぼんやりとしていた。ちなみに運転をフェイトが、助手席にはやて、後ろにシャーリー、シャマル、僕の順番で座っている。

 

フェイト「ねぇ、アレルヤ。聞いてもいいかな?」

 

アレルヤ「僕に答えられる事なら…、何を聞きたいんだい?」

 

フェイトも暇なんだろうな、疲れているのか誰も喋らないしね。

 

フェイト「え、と何で右と左の目の色が違うのかな…と思ったんだけど」

 

はやて「お!それはうちも聞きたいな〜」

 

シャマル「確かに…気にはなりますね。オッドアイの人は珍しいですから」

 

確かに珍しいだろうけど…、さすがにこの眼になった本当の理由を言ったらみんな引くよね…。

 

アレルヤ「この目は…生まれつきさ」

 

ハレルヤ(本当は改造されてこうなりました、て言った方がいいんじゃねぇの?)

 

車の窓ガラスにハレルヤが映り、可笑しそうに笑っていた。

 

アレルヤ(ハレルヤ、この話は彼女達には話すのはまだ……)

 

ハレルヤ(ハ!てめぇの度胸の無さを棚にあげんなよ、アレルヤ。それにその事を言うならこの世界も俺達の世界同様に結構…腐ってるみたいだぜ?)

 

アレルヤ(この世界が腐ってる?どういう事だい、ハレルヤ)

 

ハレルヤ(さあな。それぐらい自分で探りな、俺は寝る)

 

そういうとハレルヤは眠ったらしく、何も喋らなくなってしまった。

 

フェイト「アレルヤ?どうかしたの?」

 

アレルヤ「!、いや、何でもないよ」

 

フェイト「そう?なら良いんだけど、気分が悪くなったら言ってね」

 

アレルヤ「ああ、ありがとう」

 

フェイトの気遣いは嬉しかったけど僕の頭の中では先程のハレルヤの声がずっと残っていた。

 

アレルヤ(この世界が腐ってる…か。調べる必要があるな)

 

僕がそんな事を考えているうちに車はミッドチルダの中心街へと進んで行った。

 

 

???Side

 

 

暗い部屋の中で足音が響く。どうやらこちらに近づいて来るようだ。

 

?「やあ、元気かね?君の提供してくれた情報で作ったジンクスがやられたよ」

 

現れたのは白衣を着た男、名前をジェイル・スカリエッティと言う男で僕の協力者だ。

 

?「それはそれは…、管理局をなめすぎたかな?」

 

初期のジンクスのデータを使って試しに彼に作って貰ったのだが……

 

ジェイル「仕方ないさ。ジンクスを落としたのは管理局のエースだったしね。相手が悪かったのもある……ああ、それともうひとつ、君の乗っていた機体に似ているロボットがジンクスを2機程だが落とす映像が撮れたよ」

 

ジェイルがモニターを操作すると空間モニターが現れ、映像が展開される。

 

?「これは……まさか、僕以外にこの世界に来たヤツがいるとはね」

 

ジェイル「知り合いかい?」

 

?「知ってはいるけど、僕からみれば因縁の相手の仲間だね。ジェイル、可能ならあの機体を捕獲してほしい」

 

ジェイル「ほぅ、まあ私も多少だが興味があったのだか…捕獲となると容易ではないねぇ」

 

?「なに、必要なら僕の知りうる情報を貸そう。それでアレが捕獲できるなら安いものさ」

 

ジェイル「フム…、分かった。アレを捕獲できるように早速、準備をしよう」

 

?「頼んだよ、ジェイル」

 

ジェイルはそのまま来た道を引き返していった。

 

?(まぁ、最終的には君の計画も僕の計画になるんだけどね……それまでは大人しくしていよう。それにしても……)

 

?「ガンダム…か」

 

因縁と言うべきか、運命と言うべきか…まぁ、どうでもいいか。障害になるのなら排除すればいいだけだ。




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