魔法戦記リリカル00 ~世界を越えた超兵の話~(改定前)   作:かねごんマークII

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第13話 理想と現実

アレルヤside

 

 

車に乗って一時間、ミッドチルダにある有名デパートに着いた僕とはやて、シャマルは車から降りた。

 

はやて「送ってくれてありがとな、フェイトちゃん」

 

フェイト「いいよ、ついでだったしね。迎えには何時に来ればいいかな?」

 

はやて「いや、帰りはタクシーでもひろって帰るから気にせんでもええよ。それより、ガジェットの事で何か分かったらすぐに連絡してな?」

 

フェイト「わかった。じゃあ、それまではゆっくり買い物を楽しんできてね」

 

フェイトは別れを告げると車を発進させて行ってしまった。

 

はやて「さて!ほんならまず最初にアレルヤのスーツを買いに行こか!」

 

アレルヤ「いや、別に僕は後でもいいから先にはやてのドレスを買った方がいいんじゃないかな?」

 

僕は前に誰かから聞いたことがある。たしか女性の買い物は長い時間がかかると。……ロックオン(初代)から聞いたんだっけ?

 

シャマル「いえ、はやてちゃんのドレスは既に手配済みで今日は簡単な裾直しみたいなものなんですよ」

 

はやて「せやから、アレルヤのスーツを先に調べて買っておこうと思うんや」

 

アレルヤ「そうなんだ。でも、僕はお金を持ってないよ?」

 

ここに来る前にアリオスと話していた事をはやてに聞いてみる。

 

はやて「そうやった!忘れてた…、アレルヤにこれを渡しとくな」

 

はやてはポケットから銀色のカードを出して僕に渡してきた。見るとカードには僕の顔写真が載っていた 。

 

はやて「それは管理局員のIDカードなんや。アレルヤは民間協力者やけどいつ自分の世界に帰れるようになるか解らんからな。給料の振込みも兼ねて作ったんよ」

 

シャマル「そのカードがあればお買い物も出来ますし、アリオスを使えば今、カードにどれくらいの金額が残っているのか分かるようになってますよ」

 

アレルヤ「へぇ…、ちなみに今はどれくらいのお金が入ってるんだい?」

 

アリオス<少々お待ちを。アクセスします………アクセス完了、モニターに出します>

 

モニターが展開されて金額が表示される。そこには………

 

はやて「………なんでこんなにお金があるんや?」

 

シャマル「凄い……ミッドチルダでも豪邸が買えますね」

 

アレルヤ「そんなに凄いの?」

 

確かにゼロの数が多いような気はするけれど…

 

アリオス<マイスター、この金額に関してですがミッドチルダ航空からの謝礼金のようです。詳細についてはマイスターが飛行機を不時着させる際に時空管理局と名乗ったことから振り込まれたようですね。マイスターを特定出来たのは現時点でガンダムを使っているのが私たちだけだからだと判断します>

 

アレルヤ「なるほど…了解したよ。とりあえずはお金の心配は無くなったし、スーツを買うついでに日用品も買いに行っていいかな?」

 

はやて「あ、ええよ、了解や」

 

デパートの回転扉をくぐり、中に入るとなんだか人の視線が気になった。周囲をさりげなく観察していると何人かの人がチラチラとこっちを見てる。

なんでだろう?不思議に思っていると傍を歩いていたシャマルさんがこっそり耳打ちしてきた。

 

シャマル「多分ですけど…私たちが制服を着ているせいですよ。この服は目立ちますから」

 

なるほど、そういう事か。それなら仕方ないね、僕たちは仕事で来てるんだし。

 

アレルヤ「はやて、早めに用事を済ませて帰ろう。人にじろじろ見られるのはあまり好きじゃないんだ」

 

はやて「せやな、私もあんまり人に見られるのは好きやないし、早めに用事を済ませようか」

 

僕たちは目的の紳士服売り場に向けて進んだ。

 

 

シャマルSide

 

 

さっきは制服のせいだ、とアレルヤ君には言ったけど本当の理由は違うと私は感じていた。

 

シャマル(こっちを見てるのは女性がほとんど……当の本人は何で見られているのか自覚してないみたいだけど)

 

私の目から見て、アレルヤ君は好青年だと思う。高めの身長、少し細めの顔つき、引き締まった身体、少し長めの黒い髪、左右で色が違う瞳、やわらかい物腰。女性が彼に惹かれてしまうのもなんとなく頷けてしまう。

 

シャマル(そういえば…アレルヤ君は元の世界に彼女とかはいないのかしら?)

 

彼がこちらの世界に迷い込んで早くも数週間、彼は特に悩んでいるといった感じもなく、この世界にも馴染んで日々を過ごしているように見えるし…多分いないとは思うけど…。

 

シャマル(まぁ、医師として問題が無いのは喜ばしい事なんだけど…仮に彼女がいたら問題があるとすれば、はやてちゃん達の方なのよね…)

 

私は何となくだけどはやてちゃんがアレルヤ君に対して好意を持っている、と薄々感じていた。

 

シャマル(なのはちゃんとフェイトちゃんも友達以上、恋人未満くらいの好意はあると思うのよね~)

 

女の勘だけど、3人はアレルヤ君が気になり始めてると思う。学生時代から今に至るまで浮いた話はなかった。他の人は今の段階では解らないけれど…いろいろ考えているうちにいつの間にか紳士服売り場についていた。

 

シャマル(ま、今はアレルヤ君の服選びに専念しましょ)

 

アレルヤ君をしっかりとコーディネートして、はやてちゃん達をエスコートして貰わなきゃね!

 

 

アレルヤside

 

 

シャマル「う〜ん、こっちの色のネクタイとシャツはどうですか?」

 

はやて「え〜?こっちの色合いの方がアレルヤには似合うと私は思うんやけどな〜?」

 

僕は今、二人によって着せ替え人形になっていた。かれこれ一時間近く、この状態だ。

 

アレルヤ「ふぅ……疲れてきたな」

 

アリオス<甘くみていました。女性との買い物がこれほどのものとは……>

 

アリオスの言ったことに僕は賛同していた。そしてこの状況が終わったのはそれからさらに1時間後だった…。 次ははやてのドレスの裾直しだったけど…

 

はやて「当日を楽しみにしといてや」

 

と、はやてに言われてしまい、僕はついていけなかったので余った時間で生活に必要な物を買ってデパートの展望フロアでベンチに座って休憩していた。

 

アレルヤ「…平和だね」

 

周りは家族やカップル、学校帰りの学生達、沢山の一般の人達で賑わっていた。みんな笑顔だ。あちらの世界がどうなっているのかは解らないけれど………

 

アレルヤ「みんなが笑顔で暮らせているのかな…」

 

それは僕の願望に過ぎない。みんなが笑いあえる世界ではない事くらい分かってる。僕たちの……ソレスタルビーイングの行動によって犠牲になった人達は沢山いる。

 

アレルヤ(僕は希代の殺人者………けれども、それも全て自分で決めて進んできた道だ)

 

引き金を引いた事を、後悔はしない。はやて達にもいつか話す時がくるだろうな。それで僕が掴まろうが、死刑になろうが僕はそれを受け入れよう。

 

アレルヤ(僕はそれだけの事をしてきたんだしね…)

 

アリオス<マイスター、今は…前を向いて歩きましょう。過去を見たところで結果と現在が変わる事は無いのですから>

 

アレルヤ「…そうだね、今は前を向いて歩いていこう」

 

たとえ………その先に何が待っていようとも、ね。それにしても…

 

アレルヤ「何だか周りが騒がしいな、何かあったのかな?」

 

周囲の人達が不安そうに外を見ているので僕も近くにあった窓から外を見てみると……

 

アレルヤ「!、あれは…管理局員?でも…なんでこんなところでバリアジャケットに?」

 

今、僕たちがいるのはデパートの7階だ。此処からでは余り見えないけれど、地上の方で騒ぎが起きているみたいだ。…いったい、何が起きてるんだ?

 

アリオス<管理局のデータベースにアクセスして詳細を調べてみます>

 

アレルヤ「ああ、頼んだよ、アリオス」

 

騒ぎはまだ収まっていない……それどころか騒ぎが更に大きくなってきてる?

 

アリオス<マイスター、調べてみたところ、このデパートの向かいのビルの入口で護送中に逃走した違法魔導師が人質をとっているようです>

 

アレルヤ「なるほどね……アリオス、それは建物の中?それとも外?」

 

アリオス<向かいのビルは犯人が立て篭もらないように現在は閉鎖されてるので犯人は外にいます>

 

そうか…ならうまくいけば人質を助けて上げられるかな。

 

アレルヤ「…よし、はやてのところに行こう。彼女に許可をもらわないと」

 

アリオス<マイスター、何をお考えなのですか?>

 

アレルヤ「すぐにわかるさ」

 

 

地上:?陸士Side

 

 

?「くっ……人質を盾にするなんて…!」

 

護送中の犯人が逃げた報告を受け、私、ギンガ・ナカジマは現場近くにいたのですぐ応援に駆け付けたんだけど…時既に遅く、犯人は人質の女の子にナイフを突き付けて自分のデバイスと逃走用の乗り物と金銭を要求してきた。

 

ギンガ「おまけにスナイパーからは狙えない位置にいるし……」

 

現場の指揮官は先程会ったのだけど明らかに犯人に対して油断していた。現場を目の前にしてあれでは非常事態が起きた時に対処できないでしょうね…。

 

ギンガ(何とか説得したいけど…犯人は聞く耳持たずだし、指揮官は全然駄目だし、どうしよう…)

 

犯人「早くしないと人質を殺すぞ!!」

 

ギンガ「!!、待ちなさい!貴方の要求したものは今、用意させてる!だからもう少し待って!」

 

犯人「うるせぇ!!テメェらが時間稼ぎをしているだけなのは分かってんだ!!」

 

まずい…!このままでは人質の女の子が危ない!こうなったら…!

 

ギンガ「わかりました。では変わりに私が人質の…その娘の替わりになります。それなら信用できますよね?」

 

犯人「ほ〜、わかった。ならデバイスを置いてこっちに来い!」

 

私はバリアジャケットを解除し、ブリッツキャリバーを同僚に預ける。そして犯人に近づき、捕まると同時に女の子を逃がす。

 

ギンガ(人質になったのはいいけどこの後、どうしよう……)

 

犯人は格闘技をやっていたのか隙がなく、背負い投げをしてやろうと思っていたけどナイフを首にあてられていては下手に動けないし。いろいろと思考錯誤していると…

 

ギンガ(?、雪が降ってる?)

 

何かキラキラとした雪のようなものが降ってきた。それと同時に私と犯人の後ろからガシャン!と何かの機械音がした。犯人がその音に気付き、振り返ると…

 

犯人「な!?何だ!?おま…!」

 

犯人は後ろにいた何かを見て驚き、動揺したのか私からナイフを離した瞬間、言葉も途中に何かに顔を殴られて吹き飛ばされた。それに驚いた私は尻餅をつきながらも首を動かして後ろをゆっくり振り向く。

 

ギンガ「一体なに…が…」

 

そこで私が見たものは……先日、ミッドチルダ第4空港でガジェットに襲われた飛行機が不時着するという事件があった時に現れた謎のロボット… 後日、管理局から正式な発表がされた事によりテレビやマスコミが騒ぎ立て、今や管理局員の憧れであり、一般の人からはヒーローと言われたロボットがそこに立っていた。その名前は……

 

ギンガ「…アリオス…」

 

私の言葉に反応したのかアリオスはこちらを向いて手を差し出してきた。その手に掴まり、私は立ち上がる。

 

ギンガ「あ…ありがとうございます…」

 

アレルヤ「どういたしまして、怪我はないかな?」

 

私はアリオスが喋れるとは思わなかったので彼の言葉と声にびっくりしてしまった。

 

ギンガ「あの…喋れるんですか?」

 

アレルヤ「?、普通に喋れるけど…どうかしたのかい?」

 

ギンガ「い、いえ!何でもないですよ!」

 

アレルヤ「そう?…どうやら君も無事みたいだから、僕はもう行くよ」

 

そう言うと、アリオスはふわり、と空中に浮き上がるとそのまま淡い緑色の雪を降らせながら飛んでいってしまった。周りにいた野次馬はアリオスに歓声を送り、同僚達は私の無事を確認しに駆け寄ってくる。犯人は他の局員に取り押さえられてた。

 

ギンガ「あれが…アリオス…」

 

私はそんな周りの喧騒が掻き消えるほどに彼の後ろ姿に見惚れ、茫然と立ち尽くしていた。

 

 

アレルヤSide

 

 

アレルヤ「ふぅ、何とかなったね」

 

地上から飛び上がった僕はそのまま人に見つからないようにデパートの屋上に降り立ち、バリアジャケットを解除した。

 

アリオス<奇襲し、一撃を放って離脱する。まさしく私たちの本領発揮の場でしたね>

 

今回、僕はまずはやてに事情を説明(既に制服姿だったのでドレス姿は見ていない)、飛行許可をもらいデパートの屋上でアリオスをセットアップ、そのまま屋上から犯人の真後ろに降り立ち、殴り飛ばしてやった。

 

アレルヤ「人質は無事で犯人も逮捕できたし、はやてとシャマルのところに戻ろう」

 

アリオス<了解しました、マイスター>

 

アレルヤ(そういえば……あの助けた娘、スバルに似ていたな)

 

そんな事を思いながらデパートの中に戻り、はやてとシャマルに合流したところにフェイトからガジェットの製作者が分かったと連絡が入り、僕たちは急いで六課に戻ることになった。




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