魔法戦記リリカル00 ~世界を越えた超兵の話~(改定前)   作:かねごんマークII

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第17話 出会い

アレルヤside

 

 

 

早朝、六課を出た僕はカイゼルと共に転送ポートを使ってスローネが座標で示した次元世界に来ていた。

 

アレルヤ「へぇ、活気のある町だね」

 

カイゼル「ああ、治安もいいし、食い物も美味いしな」

 

僕たちが来たのは港町で今の時間は昼時、露店や市場でとても賑やかな時間帯らしかった。

そんな賑やかな中、僕とカイゼルは食料の調達の為に歩いていた。

 

カイゼル「アリオス、ここからポイントまでどれくらいの距離なんだ?」

 

アリオス<そうですね……普通に飛んで行くなら3〜4時間はかかりますが…私の戦闘機形態なら1〜2時間で行けます>

 

アレルヤ「それならカイゼルが僕に乗っていけば解決だね」

 

カイゼル「そうだな…では、有り難く乗せてもらおう」

 

 

 

数時間後

 

 

 

町をでた後、僕はアリオスをセットアップして戦闘機形態になり、その上にカイゼルが乗って目的地まで移動していた。

 

アリオス<もうすぐ目的地に到着します>

 

カイゼル「了解した。では、私もセットアップしておくか」

 

カイゼルはそういうと懐から目の辺りを覆う仮面のような物を取り出した。まさかね……僕は嫌な予感がした。

 

アレルヤ「あのさ、カイゼル……まさか…その仮面がデバイスじゃないよね?」

 

カイゼル「?、そうだが…かっこいいだろ?」

 

真顔で断言するカイゼル。できれば嘘だと言ってほしかった……。

 

アレルヤ「そ、そう……独創的だね……」

 

カイゼル「そう言ってもらえてなによりだ。では…阿修羅、セットアップ」

 

阿修羅<承知、セットアップ>

 

カイゼルの足元に黒いベルカ式の魔法陣が展開されてカイゼルのバリアジャケットがセットアップされていく。その姿に僕は驚いた。

 

アレルヤ「そんな…、その姿はカスタム・フラッグ!?」

 

そう、彼の姿は僕たちソレスタルビーイングが4年前に戦ったカスタム・フラッグそのものだった。

 

カイゼル「やはり知っていたか。この姿は私が此処とは違う次元世界で見つけたロボットの残骸をモチーフにしたものだ。……コクピットにはパイロットらしき人物の遺体があった。服がかなり風化していて身元は解らなかったが検死の結果、死亡してから4〜5年は経っていた」

 

阿修羅<その当時、私は主の為に開発中だった新型デバイスで、そのロボットを回収した主の提案によりそのロボットのデータを取り入れて作りあげられたのだ>

 

4〜5年前か。僕たちが世界に対して武力介入をしていた時期だな…。

 

カイゼル「そこでアレルヤ、君に頼みたいことが……と言いたかったがそれどころではなくなったか!」

 

アリオス<前方、目的地付近で戦闘が行われているようです。機体はガジェット1型が30機とジンクスが6機、ガジェットとジンクスは共闘しているようです>

 

ガジェットの製作者はスカリエッティ、それがジンクスと共闘しているということは…

 

アレルヤ「やっぱりジンクスを…スローネを作り出したのはスカリエッティなのか…?」

 

だとしたら僕は世界を歪ませる彼を決して許しはしない…!

 

カイゼル「こちらに気付いたみたいだな……来るぞ!」

 

ジンクスがこちらに気付いて飛びながらビームライフルを撃ってきた!

 

アレルヤ「ク…!カイゼル、散開してジンクスを落とそう」

 

カイゼル「了解だ!いくぞ、阿修羅!」

 

阿修羅<了解、では御武運を。アレルヤ、アリオス>

 

アリオス<そちらこそグッドラック。カイゼル、阿修羅>

 

カイゼルは僕を足場にして飛び上がり射撃しながら離れていった。ジンクス2機がカイゼルについていき、残り4機が僕に向かってきた。

 

アレルヤ「いくよ、アリオス」

 

アリオス<了解、先端部展開、フルブースト。突撃します!>

 

僕は残った敵に向かって勢いよく突撃した。

 

 

 

?Side

 

 

 

?「はあ、はあ、はあ……」

 

私はカプセルの形をした変な機械に追われながら一生懸命に通路を走っていた。

 

?「しつこいなぁ!も〜〜〜!」

 

とりあえず出口に向けてひたすら走る。

 

?「え〜と、確か…次を右!」

 

迷路のようなこの施設をさっき見た地図を頼りに駆け抜ける。階段を上がったり下がったり、右に左に通路を曲がる。

 

?「あった!出口だ!」

 

やっとの思いで外に出るとそこも戦場だった。空では爆発も起きている。

 

?「どうしよう…とりあえず…ここから離れなくちゃ!」

 

その場から走り出そうとしたその時、目の前に人型のロボットが突然降りてきて私の前に立ち塞がった!

 

?「そんな…逃げなきゃ…うぁ!」

 

私は後ずさりした拍子にこけてしまい尻餅をついてしまった。顔を上げたら目の前にいたロボットは私に銃を向けていた。

 

?「やだ…死にたくない…誰か、誰か助けて!!」

 

ロボットが銃の引き金を引こうとした瞬間、ひし形でオレンジ色の板のような物が飛んできてロボットの銃を弾き飛ばした!

 

?「え…」

 

そしてロボットが板が飛んできた方向に頭を向けようとした瞬間、ロボットの頭にピンク色の剣が突き刺さり、頭を刺されたロボットはそのままその場に倒れてしまった。

私が剣の飛んできた方を見るとそこにはオレンジと白色の別のロボットがいた。けれど……

 

?「綺麗………」

 

さっきのロボットは赤い血のようなモノを背中からだしていたけど、私を助けてくれたロボットは空を飛びながらキラキラ光る緑色のモノを出していて……私はそのロボットに見惚れてしまった。

 

 

 

アレルヤ・ハレルヤSide

 

 

 

僕はジンクス3機を相手に空を駆け巡りながら戦っていた。さっきの突撃で1機を破壊したけど残ったジンクスは射撃より近接戦闘を仕掛けてくるようになった。

 

アレルヤ「く………この!」

 

ビームライフルを撃って落とそうとするけどジンクスはシールドを使ってビームを弾きながらこっちに向かってきた。

 

ハレルヤ「ハ!上等…やってやるぜ、雑魚どもがぁ!!」

 

俺はスラスターを吹かして一気にジンクスと距離を詰める。3機ともビームサーベルを構えてこっちにきやがった。

 

ハレルヤ「馬鹿の一つ覚えか?テメェらじゃ……俺に敵うはずねぇだろうがぁ!!!」

 

1機がビームサーベルを構えて突出し、先制攻撃をしてくるが遅すぎてあくびが出そうだぜ……

 

ハレルヤ「ほい!後ろ取ったぁ!」

 

ジンクスの振り下ろしたビームサーベルを体を少しだけずらしてかわし、さらにスラスターを使って後ろに回り込み、シールドでジンクスの体を挟んで…

 

ハレルヤ「お返しするぜ……!ほらよ!!」

 

そのまま振り回して後ろに投げ飛ばし、残りのジンクスの1機にぶつけてビームライフルを撃った!

 

ハレルヤ「じゃあな!今度はもっと楽しませろよな!ハハハハハ!」

 

まとめて撃ち抜かれた2機のジンクスは爆発した。後もう1機は…どこに行った?

 

アリオス<マイスター!地上に人が!>

 

アリオスが示した方向を見るとジンクスが白い服を着た女の子にビームライフルを向けていた!

 

アレルヤ「やめろーーーー!!」

 

ビームライフルを撃てばジンクスが爆発するかもしれない……それなら!

僕はとっさにシールドを掴んでジンクスに向けて投げ、次はビームサーベルを投げつけた!

 

アレルヤ「!…ふぅ……間に合った」

 

ビームサーベルがジンクスの頭を貫いたのを確認して僕は安堵し、その場に座っている彼女の前に降り立った。

ガジェットは施設内に侵入したのか辺りに反応はない。

 

アレルヤ「(歳ははやて達と同じくらいかな?)君、大丈夫かい?」

 

?「……あなたは神様?……」

 

僕の問いを問いで返してきた彼女、おまけに僕の事を神様ときたか…

 

どうしようかな…

 

アレルヤ「とりあえず僕は神様じゃないかな…」

 

アリオス<阿修羅から連絡、ジンクス2機を撃墜。うち一機をほぼ無傷で回収したとのこと、もうじきこちらに合流するそうです>

 

カイゼル…強いな。

デバイスがあの仮面がなければもっと素直に尊敬できるのに…

 

?「神様じゃないの?私を助けてくれたのに…」

 

彼女は俯いてしまった。僕は彼女の側にひざまずいて声をかける。

 

アレルヤ「僕は神様じゃないけど…君を助ける事は出来る。だから…顔をあげて?」

 

彼女の顔が上がり目が合う。白い服は病人が着るような服でその上を淡い薄緑色の長い髪がさらりと流れた、そして出てきたのは整った顔立ち、そしてその長い髪に隠れていた……

 

アレルヤ「両目が……金色の……瞳…?…ぐあぁ!?…あ、頭が、頭が……痛い!」

 

なん…だ!僕は、僕は何を!?あ、頭が割れそうだ!!僕は一体何を忘れたんだ!?僕は何を思いだそうとして!?

 

ハレルヤ(アレルヤ、俺に替われ!!頭に負荷をかけすぎだ!!)

 

アレルヤ「ハ、ハレルヤ…?」

 

替われば楽になれる…?でも…僕は…!

 

アリオス<ガジェットの反応を確認!施設から出て来ます!>

 

アレルヤ「僕は……僕は…!……あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

アリオス<マイスター!?>

 

 

 

アリオスSide

 

 

 

そこからはマイスター・アレルヤの暴走でガジェットを一方的に破壊しつくした。

 

アレルヤ「うあああああぁぁぁ!!」

 

アリオス<マイスター!落ち着いて下さい!マイスター!マイスター!>

 

いくら言っても、いくら呼びかけてもマイスターはサブガトリングガンを撃つのを止めてくれない。

 

アリオス<そんな…!ヘビーウェポンシステムが起動した!?>

 

おまけに暴走したマイスターが私のシステムを無理矢理に起動させ始めた!

 

アリオス<マイスター!やめてください!まだ施設内には生存者がいるかもしれないんですよ!?マイスター!!>

 

ミサイルコンテナのロックが外れ、ミサイルが発射されそうになるのを必死に止める!

 

アリオス<このままでは………!仕方ありません!かくなる上は!!>

 

戦場では危険な行為になりますが、強制的にバリアジャケットを解除してでも!!

 

?「止めてあげて……泣いてるよ?貴方のデバイスが……」

 

不意に先程の少女がマイスターに近づきその手をマイスターの胸元にあてる。

 

アレルヤ「あ、ああぁ…ぁ……」

 

アリオス<マイスター?>

 

マイスターの暴走が、動きが止まり、バリアジャケットが解除されるとマイスターはその場に倒れてしまった。

 

アリオス<マイスター!?しっかりして下さい!>

 

カイゼル「おいおい…いったい何の騒ぎだ、これは?」

 

阿修羅<先程の戦闘……かなり荒れていたが…アリオス?>

 

戦闘を終えたカイゼルがジンクスを片手に戻ってきたようだ。私はカイゼルに必死に説明する。

 

アリオス<カイゼル!マイスターが暴走してしまって…倒れてしまったんです!>

 

カイゼル「事情はよくわからんが…とりあえずこの施設で休息をとろう。その女の子の事も聞かないとな…」

 

カイゼルはバリアジャケットを解除してマイスターに肩をかして立たせてくれた。マイスターは気絶していた。

 

カイゼル「阿修羅、施設内部の状況はわかるか?」

 

阿修羅<………詳しくはわかりません、施設のシステムに直接アクセスできればわかりますが>

 

カイゼル「フム…お嬢さんは何か解るかな?」

 

彼女はフルフルと首を横に振る。どうやらわからないようだ。

 

カイゼル「仕方ない…直に確かめるしかないか」

 

そして私達は施設の中へ入った。

 

 

 

カイゼルSide

 

 

 

施設の入口付近にあった部屋に気絶したアレルヤとアリオス、そばにいた女の子を残して施設内を歩く。

アリオスには施設のシステムにアクセスしてもらい、この施設のデータを送ってもらっている。

 

カイゼル「阿修羅、状況はどうだ?」

 

阿修羅<アリオスからのデータでは生体反応はありません。ガジェットも入口にいたモノで全てのようです>

 

カイゼル「そうか。チッ……やはり、あの子は連れて来なくて正解だったな……」

 

私は角を曲がった所で足を止めた。そこには……白衣を着た…いや真っ赤に染まった白衣を着た男が倒れていて、その辺りが血の海になっていた。

 

カイゼル「こんな場所だ、恐らく、自業自得なんだろうが……一応な…」

 

屈んで男の首に触れて脈をみるが……やはり既に死んでいた。

立ち上がると足元に何かが当たり、見るとカードが落ちていたので拾ってみる。

 

カイゼル「IDカード…この男の物だろうな」

 

目の前の扉の横にカードスロットがあったのでカードをスライドさせる。

するととロックが解除されて扉が開いた。

扉の向こうは薄暗い通路になっていた。

 

カイゼル「………嫌な空気だ………」

 

阿修羅<応援を待ちますか?>

 

カイゼル「いや…行こう。阿修羅、セットアップ」

 

阿修羅をセットアップして両手に魔力で出来たサーベルを持つ。

そして警戒しながら薄暗い通路の奥へと進む。

長い通路を歩き、そして終点についた私は最悪の気分を味わった。

 

カイゼル「……嫌な予感は的中か」

 

少し大きいホールになっていたそこは……カプセルの中に緑の液体が満たされていて…子供や脳みそがその中を浮いていた。

 

阿修羅<ほんの興味本位がとんだモノを見る羽目になりましたね>

 

カイゼル「まったくだ。とりあえず戻ろう、ここには何も無さそうだ」

 

踵を返してその場を去る。この施設の調査は応援の部隊に任せよう。

 

カイゼル「とりあえずは疲れたし…一度戻るか」

 

そして一度アレルヤ達のいる部屋に戻るとあの女の子の姿が見当たらない……。

 

カイゼル「アリオス、あの女の子はどこに行ったんだ?」

 

アリオス<女の子ですか?この部屋にいますよ?>

 

この部屋にいる?

見回すとアレルヤの寝ているベッドが不自然に動いた。まさか……そう思い毛布をゆっくりめくってみる。

 

カイゼル「はぁ……まったく、心配させてくれる」

 

阿修羅<よく寝ていますね>

 

彼女はアレルヤの毛布に潜り込み、アレルヤにしがみついて幸せそうに寝ていた。

 

カイゼル「私も少し休むか……阿修羅、アリオス、この子は恐らくこの施設の子だ。だから可能な限りでいいからこの子に関するデータを集めてくれ。そしてデータを集め終えたらそのデータをコピーした後、マスターデータを完全に消去しておくんだ」

 

アリオス<何故?…と聞いてもよろしいですか?>

 

私は部屋にあった椅子に座って肩を竦める。

 

カイゼル「なんて事はない、私の我が儘さ。せっかく自由になれるチャンスをこの子は手に入れた。それをむざむざ潰したくない、それだけだ」

 

アリオス<…分かりました。では、阿修羅、手伝って下さい>

 

阿修羅<承知、すぐに取り掛かる>

 

残りの作業を2機のデバイスに任せて私も仮眠をとることにした。

 

管理局から応援が来たのはそれから3時間後の事だった。

 

 

 

スカリエッティSide

 

 

 

ジェイル「ふむ……彼の言う通り、素晴らしいなオリジナルのGNドライブは」

 

ウーノ「使用者が魔力が少なくとも高威力の攻撃を可能、その調節を可能にしていますね。しかし、よろしかったのですか?今回、襲撃した秘密研究所はドクターの補佐をしていた組織だったはずですが?」

 

モニターに映るのは研究所を襲撃しているガジェットに対してガトリングガンを撃ちまくるアリオスの姿だ。

 

ジェイル「いいさ。あの研究所には管理局の内通者がいたし、必要なモノは全て貰ってる。処分しても私にはなにも問題ない。そんなことよりこちらの方が問題だ。こちらの擬似GNドライブはまだ調整が不完全だからねぇ……まぁ、それも後少しで完全になるがね」

 

?「うふふ……ドクター、その改良型の擬似GNドライブですが先程完成しましたわ〜」

 

後ろからの声に振り向くとそこには私の作品、眼鏡をかけた4番目の娘がいた。

 

ジェイル「そうか!完成したのか!なら早速量産体制にしといてくれたまえ、クアットロ」

 

クアットロ「そう言われると思って既に量産を開始してますわ、ドクター」

 

クアットロはクスクス笑いながらこちらに歩いてくる。

 

ウーノ「しかしながら改良したとはいえ、オリジナルにはやはり勝てないかと…数で攻めるしかなさそうですね」

 

クアットロ「ウーノ姉様の言う通り、現在はジンクス本体の方もデータにあったジンクス3に改良していってますが〜〜、役不足は否めませんね〜〜……」

 

フム……やはりジンクスでは役不足か、彼にもらったデータの中にはアヘッドとかいう機体もあったが余り使えないだろう。

 

ジェイル「やはりガンダムの捕獲には君達を頼りにせねばならんようだねぇ…」

 

?「それなら捕獲には私も参加させてもらえないでしょうか?」

 

ジェイル「ん?トーレかね、君のスピードは確かに凄いものだが……どうして参加したいと?」

 

こちらに歩いてきた3番目の長身の娘、トーレが画面を睨みつける。

 

トーレ「このガンダムの戦い方は私のものと似ています。そして妹達はまだ経験が不足している……計画までの時間もそれほど余裕がない以上、私が相手をするのは当然です」

 

確かにトーレの言う通り、余り時間もないし…例の彼にもかなり協力してもらっている以上、悠長にはしていられんか……。

 

ジェイル「わかった。ガンダム捕獲の際にはトーレに作戦と人選は任せるよ。ただ捕獲用の装備がまだ完成していないからもう少し待っていてくれたまえ」

 

トーレ「分かりました。ありがとうございます、ドクター」

 

ジェイル「いやいや…礼などいらんよ。さて…、私は彼と話してくるよ。後を頼んだよ、ウーノ」

 

ウーノ「分かりました。ドクター」

 

私は自分の研究室を出るとしばらく廊下を歩き、彼のいる部屋に入る。

 

ジェイル「ご機嫌はいかがかな?」

 

?「ジェイルか……どうだい?僕の提供したデータは役にたっているかな?」

 

ジェイル「ああ、ジンクスのおかげでいろいろと便利になったよ」

 

?「そうか、それはよかった。データを提供したい甲斐があったというものだよ」

 

彼との会話は実に面白い。考え方の違い、やり方の違い、ありとあらゆる違いが私は面白くて仕方なかった。

 

?「そうか……やはり一筋縄ではいかないか、ガンダムは」

 

ジェイル「悔しいがね……だが君の世界の技術が敵わなくとも私の娘達がなんとかしてくれるさ」

 

?「フフ……頼もしいな。ジェイル、君の娘さん達によろしく言っておいてくれるかい?」

 

ジェイル「ああ、分かった。…おや?もうこんな時間か」

 

時計を見るとこの部屋に来て既に3時間が経過していた。

 

?「ずいぶんと話し込んでしまったね」

 

ジェイル「そうだねぇ……私もそろそろ休むとしよう」

 

?「そうした方がいい。それじゃ……お休み、ジェイル。よい夢を」

 

ジェイル「ああ、お休み」

 

私は彼の部屋を出て自分の研究室に戻り仮眠ベッドに横になる。

 

ジェイル「彼との話は面白い……今日はいい夢が見れそうだ……」

 

そして私は眠気に身を委ねて意識を手放した。

 

 

 

アリオスSide

 

 

 

マイスターとカイゼル、そして保護した女の子が寝ている間に私はカイゼルからの指示通り、彼女のデータをコピーしてマスターデータを消去した。

 

アリオス<暇ですね……例のデータの構築でもしていますか…>

 

阿修羅<例のデータ?>

 

ああ、そういえば阿修羅は起きてましたね。

 

アリオス<いえ、私の武装を増やそうと思ってたんですよ>

 

阿修羅<なるほどな…そういえば我が主が君からあるデータを欲しがっていたな>

 

アリオス<私から?何のデータでしょうか?>

 

阿修羅<私のバリアジャケットの基礎となったカスタムフラッグと言う機体の後継機のデータだ>

 

アリオス<後継機ですか……完全な後継機ではないですし、少し時間が掛かってもいいのならデータは有りますが…>

 

阿修羅<ほう……そのデータはもらっても大丈夫かな?>

 

アリオス<本来なら断るところですが、カイゼルとアナタなら力の使い方を間違えたりはしないでしょう>

 

私はその機体のデータを阿修羅に送る。

 

阿修羅<スサノオ…か。我が主に相応しい機体だ、協力感謝する。アリオス>

 

アリオス<今回はアナタの主にマイスターを助けてもらいましたからね…そのお礼ですよ。さて、私は自分のデータ構築をしますからアナタもそのデータを改良されてみては?>

 

阿修羅<そうさせてもらおう。では>

 

そう言うと阿修羅はスサノオのデータを構築、改良を始めた。

 

アリオス<さて、私も始めますか>

 

私も自分のデータを構築していく。ヘビーウエポンの基となったアリオスの武装強化案……スローネのバスターソードを手に入れた事で使用可能になった武装の名前は龍殺しの剣からつけられた。

 

アリオス<決戦用重武装、アスカロン。これを使うような事態にならないのが1番でしょうが…>

 

おそらく無理でしょうね。そう思いながらデータ構築していると…。

 

?<もし、少しよろしいでしょうか>

 

アリオス・阿修羅<<誰だ!!?>>

 

馬鹿な!?私と阿修羅の警戒を摺り抜けて誰かに侵入された!?

 

?<ああ、すみません。こちらです。こちらのケースの中です>

 

すると部屋の端にあった柱の一部がスライドして六課にあるような円筒のケースになった。

 

アリオス<隠しケース、ですか。…まずはアナタの名前を聞きかせてもらえますか?>

 

ケースの中にあったデバイスは翡翠色の本体をイヤリングにはめ込んだタイプのようだ。

 

?<名前ですか…、生憎と名前はありません。私はプロトタイプですから>

 

阿修羅<名前が無い上にプロトタイプとは。では誰の為に作られたとか…どんな目的で作られたとかも解らないのか?>

 

?<誰の為かは分かりませんが…目的に関しては私は高機動でありながら近・中・遠距離、いえばオールマイティに様々な戦闘を行える事を目的に作られたデバイス、としかわかりません>

 

アリオス<なるほど…、なかなかの高性能機ですね。…ではもう一つ、アナタが私達に声をかけたのは何故ですか?>

 

?<………率直に言います。私もアナタ達に連れていってもらいたいのです>

 

阿修羅<連れていってもらいたいとは……理由を聞かせてもらおう>

 

?<私は私が作られた事に意味を持ちたいのです。此処にいても管理局に回収され、データだけを取られて、私の人格はリセットされて再利用か、廃棄か、お蔵入りが目に見えてます。それならばとアナタ方にわずかな望みをかけたくなったのです。…私が私でいることができるかもしれない最後の望みを>

 

自分が生まれた意味が知りたい、自分が自分のままでいたい。このデバイスは私に似ていますね。

 

アリオス(私も知りたい、自分の生まれた意味を)

 

阿修羅<なるほどな…アリオス、どうする?主達ならば連れていってくれると思うが>

 

アリオス<……連れていきましょう。ただし、アナタにはこちらの保護した彼女のデバイスになってもらいます。それでもいいのなら、ですが?>

 

?<分かりました、それでも私には充分過ぎる程です。…私が私のまま此処から出られて、そしてマスターにも巡り逢えた。アナタ達に最大の感謝をします。…ありがとうございます>

 

もし私達に人間のような表情や表現ができたのならば、きっとこのデバイスは泣いて喜んでいるのだろうか…。

 

阿修羅<フム…では名前はどうする?マスターになる彼女に決めてもらうか?>

 

アリオス<そうですね、私達が決めるよりは彼女に決めてもらった方がいいでしょう>

 

とりあえず話はまとまったので後でマイスター達に話すとしましょう。

そしてマイスター達が起きた後、事情を説明し彼女にマスターになってもらう際に一悶着あったのはまた次回に。

 

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