魔法戦記リリカル00 ~世界を越えた超兵の話~(改定前)   作:かねごんマークII

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時は少し戻り、買い物を満喫するフォワード陣とハルートから物語は始まる。


第21話 出会い・過去・黒幕

ハルートSide

 

 

 

ハルート「この服はキャロに似合うと思うけど」

 

スバル「でもでも、こっちの服もいい感じじゃない?」

 

私はフォワードの4人と一緒にミッドチルダに買い物に来ていた。最初は私が服をみんなに選んでもらって、次はキャロの服を選んでいた。

 

エリオ「……お疲れ、キャロ」

 

キャロ「うん…正直に言うとお姉ちゃん達がここまで凄いとは思わなかったよ」

 

キャロとエリオは私たちより年下なのに敬語を使う癖がついていた、ので私達はプライベートではお姉ちゃん、もしくは姉さんを付けてと呼びなさいとエリオとキャロに言った。

二人は最初こそ戸惑っていたが慣れたのか普通にお姉ちゃんと付けて呼べるようになった。

 

スバル「エリオも人ごとじゃないよ?後でエリオの服も選んであげるからね?」

 

エリオ「い、いえ!僕は自分で選びますよ!」

 

ハルート「遠慮はしないの!あ、ティアナ。エリオの服を選んであげて?私とスバルはもう少しかかりそうだし」

 

ティアナが買い物袋を持ってこちらに歩いてきた。さっき気に入ったモノを買って来たんだろう。

 

ティアナ「まったく………あんた達、ほどほどにしときなさいよ?エリオ、私が選んであげるわ。あの二人に任せるたら、とんでもない事になりかねないしね」

 

エリオ「あ、ありがとうございます。ティアナ姉さん」

 

ティアナは顔を赤くしながら……お姉ちゃんか、いいかも……と言ってエリオを連れて行った。

 

ハルート「ティアナも満更じゃないみたいね」

 

スバル「私も嬉しいな、妹と弟ができたみたいで!」

 

そんなこんなで楽しい時間を過ごし、散歩がてらに街を歩いていると……

 

?(たすけて……)

 

不意に誰か声が聞こえた。スバル達は反応してないから私にだけ聞こえたみたいだ。

 

ハルート「みんな、ストップ」

 

私の声と真剣な表情にみんなが気を引き締める。

 

?(たすけて……!)

 

ハルート「あっちからか…みんな、デバイスを用意して。一悶着あるかもしれない」

 

ティアナ「何かあったの?」

 

ハルート「声が聞こえるのよ。助けて、て声が……とりあえず反応がある方へ行ってみましょう」

 

全員で現場へと駆けて行く。そこは路地裏だったが誰もいない。

 

スバル「?…誰もいないよ?」

 

ハルート「…………下だわ」

 

ティアナ「!、地下水路ね?」

 

私は頷く、と同時に路地裏にあるマンホールの一つがガタガタと揺れた。

 

キャロ「な、なんでしょうか…?」

 

エリオ「後ろにいて、キャロ」

 

エリオとスバルが前に出て私とティアナ、キャロは後ろで様子を見る。ティアナは何時でも連絡出来るように準備した。

 

ガタン、とマンホールが外れて、出て来たのはキャロよりも幼い、女の子だった。

 

スバル「女の子だ!保護しなきゃ!」

 

スバルはすぐに女の子に近付いてその容態を調べる。エリオがその後に続いて行き、何かを見つけた。

 

エリオ「?、鎖だ……」

 

エリオがそれを引っ張り上げるとケースが一つ鎖に巻かれていた。鎖を解いて中身を見ると……

 

エリオ「これは!」

 

ハルート「レリック…」

 

ティアナ「すぐになのはさん達に連絡するわ」

 

その後、緊急連絡を受けてヘリに乗って来たシャマル先生やなのは達と合流する。

 

なのは「とんだ休日になっちゃったね」

 

フェイト「この子は聖王病院に搬送して詳しい検査を受けさせないと」

 

私はメンバーの中にアレルヤがいない事が気になった。

 

ハルート「ねえ、アレルヤは?」

 

なのは「アレルヤはシグナムさんとヴィータちゃんと一緒に海上に現れたガジェットの撃退に向かってるよ。私とフェイトちゃんもすぐに応援に行くんだけど…」

 

なのはが難しい顔をする。……何か気になる事があるのかな?

 

ティアナ「なのは隊長、私たちは地下水路に入ってもう一つのレリックを探してきます」

 

なのは「了解、気をつけてね?」

 

フォワード「「「「はい!!」」」」

 

実は鎖の長さと形からレリックの入ったケースがもう一つあったらしく、ティアナ達はそれを探しに行くことになった。

 

ハルート「なら私はヘリの護衛をするよ。それなら安心してフォワードとアレルヤ達の援護が出来るでしょ?」

 

なのはとフェイトは驚いた顔をして私を見た。

 

フェイト「でも危険だよ、やっぱり私たちも護衛につくよ」

 

ハルート「いいから、いいから。早く行って」

 

彼女達を急かして現場に向かわせる。とりあえずこれ以上の敵が来ない限りはアレルヤとフォワードのみんなは大丈夫だ。

 

ハルート(それにしても……あの子の声は私にしか聞こえて無かった。そういえば、前にアレルヤが……私には脳量子波がどうとか言ってたような…)

 

なんだったかな……そうだ、アムルタートなら分かるかな?

 

ハルート「アムルタート、脳量子波と言う言葉を知ってる?」

 

アムルタート<…一応は……アリオスからの情報ですがアレルヤの世界では幼い子供に違法の薬物、手術などで脳量子波を発生させて空間認識能力、攻撃回避能力、超反射能力を身につけさせて最強の兵士をつくる……そう聞きました>

 

嫌な話だなぁ……だけど、まだ肝心な所を聞いていない。

 

ハルート「そんな事をしたら副作用みたいな事があるんじゃない?」

 

アムルタート<はい、副作用で脳量子波を発生させている人同士だと互いに共鳴、干渉してしまう事があるそうです>

 

共鳴、干渉……か。さっきのがそうなのかな…?

 

ヴァイス「ハルート、そろそろ出発するが準備はいいか?」

 

ハルート「!、はい。大丈夫です」

 

考えこんでいるとヴァイスさんに呼ばれて私は考えを中断する。

 

ハルート(後でアレルヤに相談しよう)

 

そして私は飛び立つヘリと並送してついていく。……大丈夫だ、て言ったんだし……しっかりと護らないとね!

 

 

 

アレルヤSide

 

 

 

アレルヤ「数で責めてくるか……」

 

両手に握ったビームライフルをガジェットに向けて撃ちまくる。

 

シグナム「ガジェットの数もかなり減ってきたな」

 

ヴィータ「ああ、これならフォワードのヤツらの援護に行けそうだぜ」

 

さっきロングアーチからの連絡でレリックを持った幼い女の子を保護、地下水路に残されたレリックをスバル達が回収しに行き、なのはとフェイトは別の所に現れたガジェットを殲滅しに行ったと報告を受けた。

 

アレルヤ「これで…終わりだ!」

 

アリオス<ガジェットの撃墜を確認。周囲に敵影なし>

 

最後のガジェットを撃ち落とす。周囲にはもういないみたいだ。

 

アレルヤ「ふぅ……これからはどうする?スバル達の援護となのは達の援護、二つの選択肢があるんだけど…」

 

シグナム「スバル達の方には私とヴィータが行こう。アレルヤはテスタロッサ達の援護を頼む」

 

ヴィータ「距離的に見てもアレルヤがなのは達の援護をして、とっとと片付けてこっちの援護をしてくれた方が効率がいーしな……それでいこうぜ」

 

アレルヤ「了解、それじゃ、気をつけて」

 

シグナム「ああ、お前もな」

 

ヴィータ「なのはを頼むぜ」

 

僕たちはその場で二手に別れてそれぞれの援護に向かう。僕は戦闘機形態で海上を飛んでいく。

 

アレルヤ「……ん?」

 

少し遠くからこちらに何か向かって来る?

 

アリオス<馬鹿な……、あれはガンダムです!マイスター!>

 

僕はすぐにガンダム形態になってビームライフルを前方から来た相手に撃つ!

 

アレルヤ「く………悪趣味すぎるね…スカリエッティは!」

 

相手もビームを避けると“変形”した。その姿を僕はよく知っていた…いや知らない訳がない、だって…相手は……

 

アリオス<ガンダム…ガンダムキュリオス!>

 

かつて、僕が乗っていたキュリオスだった。

キュリオスは“赤いGN粒子”を噴き出しながら僕に向かってきた!

そしてその手に握ったビームガトリングガンを撃ってくる。僕はそれをかわしながら両手のビームライフルで応戦する。

 

アリオス<マイスター、緊急連絡です。高町隊長達の方で対処していた航空型ガジェットの数がいきなり増大したそうです。分析の結果、半数は幻術と判明しましたが幻術と実体を混ぜての攻撃に現在、苦戦をしいられているようです>

 

アレルヤ「く…!こんな時に!」

 

僕はアリオスの言葉を聞きながらキュリオスと戦っていた。僕と互角の戦い……その動きを見て、感じて一つの結論が出た。

 

アレルヤ「このキュリオス…昔の僕の戦い方を真似ている…のか?」

 

キュリオスが何処に撃ってくるのかが動作と感じで分かる。最低限の動きでそれを回避してビームライフルをキュリオスに向けて撃つ。

 

キュリオス<………!>

 

僕の放ったビームはキュリオスの右肩を撃ち抜き、その腕を吹き飛ばした。

 

キュリオス<……>

 

キュリオスは動きを止めてこちらを少しの見た後、再び変形して何処かへと飛んで行った。

 

アリオス<一体何だったのでしょうか?>

 

アレルヤ「………」

 

アリオス<マイスター?>

 

頭が……何だか……

 

アリオス<マイスター!>

 

アレルヤ「!、なんだい?アリオス」

 

アリオス<いえ、返事が無かったものですから………大丈夫ですか?>

 

アレルヤ「大丈夫…現状はどうなってる?」

 

アリオス<現在は八神部隊長が広域殲滅魔法でガジェットを殲滅していっています。高町隊長達はフォワードの援護に向かうようなので私たちは途中で合流して援護に向かった方がいいかと>

 

アレルヤ「了解……アリオス、六課のみんなにキュリオス、ヴァーチェ、エクシア、デュナメスのデータを送っておいて………予測でしかないけど、キュリオス以外の機体が彼女達を襲撃する可能性があるから……」

 

アリオス<了解しました。すぐに送ります>

 

頭がフラつく……後でシャマルに診察してもらおう。

そう思いながら戦闘機形態になってフォワードの4人がいる廃棄都市へと向かった。

 

 

 

ハルートSide

 

 

 

ハルート「なに……あの機体」

 

ヘリ…いや、正確には私の前に敵が現れた。その機体は白、青、赤のトリコロールに彩られ、腰に長さの違う剣を二本、右腕には大剣、左腕には青と白のシールドを装備していた。そして……

 

アムルタート<ガンダムタイプですか…>

 

ガンダム……アリオスと同じ、アレルヤの世界の技術で作られた機体。

 

ハルート「何にしても…現状を考えると明らかに敵だよね」

 

アムルタート<はい……!、アリオスから情報です。目の前の機体はガンダムエクシア、近接戦闘を得意としたガンダムだそうです>

 

エクシアはこちらを見たまま動かない。今の現状を考えると……ヘリの足止めが目的かな。

 

だとすればヘリを迂回させて行かせるしかないか……私はヘリに通信回線を繋ぐ。

 

ハルート「ヴァイスさん、私がこのガンダムを何とかしますからここは迂回して先に行ってて下さい。迂回先にも罠がはってある可能性がありますから気をつけて!」

 

ブラスターソード(命名・私)を構えるとエクシアも両手に腰に付けていた長さの違う剣を持って構える。

 

ヴァイス『ハルート、大丈夫なのか?これが初陣なんだろう?』

 

ハルート「大丈夫ですよ……。そちらも護衛がいなくなりますけど大丈夫ですか?」

 

ヴァイス『それは大丈夫だ。高町隊長、ハラオウン隊長、それにアレルヤがこっちに向かってるからな。途中で合流するさ』

 

アレルヤ達がこっちに向かって来てるんだ………なら安心かな。

 

ハルート「了解、だったらコイツの足止めを少ししてから追い掛けます」

 

ヴァイス『……了解だ。気をつけてな』

 

後ろにいたヘリが離れて行くのを背中で感じる。

この会話の間もエクシアはずっと剣を構えて黙ったまま私を見ていた。

 

ハルート(やっぱり迂回させての時間稼ぎが目的か……なら、さっさと倒すだけよ!)

 

私とエクシアが飛び出したのは同時だった。勢いがよすぎたのか、すれ違いざまにお互いの剣が火花を散らし、離れていく。私たちは近付いては離れ、離れては近付いてを繰り返し、火花を散らす。

 

ハルート「(やるわね、けど!)…アムルタート!」

 

アムルタート<ショット!>

 

離れた瞬間、ブラスターソードをエクシアに向けて威力を弱める代わりに連射できる魔力弾を放つ。

 

エクシア「………!」

 

エクシアは手に持っている剣の短い方を逆手に持ち直し、魔力弾に構わず突撃してきた!

 

ハルート「うそ!?」

 

私はさらに魔力弾を撃ち続ける。

だけどエクシアは急所に当たる魔力弾のみを剣で捌いているが、後はお構いなしなのか肩や膝に当たっても怯まずに接近してくる…!

 

アムルタート<バリアフィールド、前面に展開>

 

エクシアが完全に接近する前にアムルタートが防御の体勢をとる。

そしてエクシアは自身の得意な近接戦闘に入ると右手に持っていた長い剣を腰に戻して腕に装備されていた大剣を装備すると振り上げ、一気に振り落とした!

 

ハルート「く!!ちょ、待ってよ……!」

 

アムルタート<これは…!押し切られる…!>

 

エクシアはさらにGN粒子を噴き出し、バリアフィールドごと私たちを弾き飛ばした!

 

ハルート「きゃあああ!!」

 

勢いが止まらないまま私は地上に向かって落下し、数ある廃棄ビルの一つに落ちた。

 

ハルート「……う……いたい…!」

 

アムルタート<マスター、エクシアが来ます。迎撃を>

 

私は何とか立ち上がる。

 

たいした怪我がないのはバリアジャケットと落ちた時に下にあったセメント袋のおかげだろう。

 

ハルート「あーあ、真っ白になっちゃった」

 

髪とバリアジャケットが真っ白に染まっていた。幸いにも袋の中身はセメントではなく、石灰だったので洗っても問題がない事に安心した。

でも……お風呂に入らないと落とせないな、これは…。

 

ハルート「仕方ないよね…アムルタート、エクシアは?」

 

アムルタート<先程こちらから離れていくのをセンサーで確認しました。今は索敵範囲外です>

 

相手の思惑通りに私は足止めされてしまったわけか……。

 

ハルート「へこんでもしょうがない!すぐにヘリを追うわ、行けるね?アムルタート」

 

アムルタート<問題ありません、行きましょう。マスター>

 

私はその場からすぐに飛び立つと先に行ったヘリを追った。

 

 

 

フェイトSide

 

 

 

ガジェットの殲滅をはやての広域殲滅魔法に頼る事にして、なのはと私は廃棄都市に向けて飛んでいた。

 

フェイト「どうやらレリックを見つけたみたいだね」

 

なのは「うん、おまけにスカリエッティと関係があるかもしれない人を捕まえるなんて思わなかったよ」

 

ロングアーチからの連絡ではフォワードの四人は別の事件を追っていたスバルの姉、ギンガ・ナカジマと合流してレリックを確保、そしてその場に現れた召喚師の女の子を捕まえたらしい。

 

フェイト「でも気になる事があるんだ」

 

なのは「うん……現れた二機のガンダムだね?」

 

さっき、ハルートがエクシアという機体と交戦するも逃げられてしまい、その前にはアレルヤがキュリオスという機体と交戦、片腕を破壊したがこちらも逃げたらしい。

 

フェイト「急ごう、四機のうち二機が出て来たなら後の二機…<サー、未確認航空機が接近。データ照合、未確認の航空機はガンダムデュナメス、ガンダムエクシアと判明>…!さっそくきた…」

 

バルディッシュがガンダムの接近を私に告げる。

私はなのはと視線を交わしてその場から二手に別れてヘリに向かって進む。

 

バルディッシュ<ガンダム、二手に別れました。こちらにはガンダムエクシアが接近して来ます>

 

フェイト「近接型か…望むところ!バルディッシュ、ザンバーフォーム!」

 

エクシアが目視できるところまでくると私はバルディッシュをザンバーフォームに変えてさらに飛行スピードを上げる。

 

フェイト「はあぁぁぁ!!」

 

私はバルディッシュを上段に構えて一気に振り下ろすとエクシアは右腕の大剣を振り上げる。

二つの剣は互いの勢いに弾かれ私もエクシアも体がのけ反ってしまう。

 

フェイト「つ…まだぁ!」

 

その場に何とかとどまると再び接近して剣を交わす私。エクシアも右腕の大剣と腰に付いていた短剣を使って攻撃、防御を繰り返す。

 

フェイト「はぁ…はぁ……手ごわいな」

 

かなりの数を打ちあったせいで互いにボロボロになりつつあった。私のバリアジャケットは白いコートは余り意味を成さずになってきているし、エクシアも装甲が傷だらけだ。

 

フェイト「なのはの方は大丈夫かな…」

 

目の前のガンダムは強い。なのはが相手をしているデュナメスは射撃を得意とした機体だった筈だ……、あっちもてこずってるのかな…。

そんな事を考えているとエクシアが突然、私に背を向けて逃げ出した。

 

フェイト「な!?逃げるの!?」

 

追いかけようとしたがそれはエクシアの逃げた方向から放たれたピンク色の砲撃で追撃を邪魔されてしまった。

 

フェイト「く、なに!?あれは!」

 

バルディッシュ<データ照合の結果、この砲撃は報告にあったガンダムヴァーチェが放ったものと思われます>

 

私が砲撃を避けていた間にエクシアを含めた三つの赤い光が遠のいて行くのが見えた。

 

バルディッシュ<ガンダム三機、戦闘空域から離脱を確認>

 

なのは「フェイトちゃん!無事!?」

 

なのはがこちらに飛んできた。なのはも私もバリアジャケットが所々がボロボロだったけど、お互いが無事だった事に安心した。

 

フェイト「大丈夫、なのはも無事みたいだね」

 

遠目にヘリが見える。あちらにはガンダムは行かなかったようだ。

 

フェイト「よかっ…<サー!膨大なエネルギー反応を確認!>どこ!?バルディッシュ!」

 

なのは「レイジングハート!」

 

レイジングハート<物理破壊型、オーバーSと確認>

 

次の瞬間だった。廃棄都市のビルの一つから砲撃が放たれ……

 

 

 

 

ヘリが爆発した

 

 

 

 

なのは「そんな…うそ…!」

 

フェイト「……違う、落ちてない!そんな、そんな筈ない!」

 

爆発の煙でヘリの姿は見えない。煙が晴れる……

 

なのは「あ……あれは…!」

 

フェイト「…よかった、無事だった…!」

 

ヘリが煙の中から出て来た瞬間、思わずため息がでてしまった。でも直撃した筈なのにどうして?

煙が晴れて、そこに居たのは……

 

アレルヤ「こちらアレルヤ………ヘリの防衛に成功……」

 

体が赤くなったアリオスが肩のシールドを展開していた姿だった。

 

 

 

アレルヤ・ハレルヤSide

 

 

 

アレルヤ「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

ヘリの防衛には間に合った……けれど……かなり疲れが……

 

アリオス<やはりまだ調整が出来てない状態でのトランザムは体に負担がきましたね…>

 

アリオスがトランザムを解除する。この世界に来てからトランザムを使用できる様になるのはそれほど時間は掛からなかった。

 

ただ、使用が出来ても調整不足のせいでトランザムの加速力をころしきれず、身体かなり負担がかかる結果になってしまっていた。

 

ハレルヤ「チッ…!なのは!フェイト!敵を追え!」

 

魔力はあまり消費していないのでアリオスのままだが……体の自由があまりきかない。

 

なのは「り、了解!」

 

フェイト「ハレルヤは休んでて!」

 

近付いて来た二人に命令する。こちらの手札の一つを見せたんだ、敵の情報位は知らないと割に合わねェ。

 

アレルヤ「……頭が……く……」

 

キュリオスとの戦闘の後から始まった頭痛が痛みを増してきた。僕は近くのビルに着地してその場で膝をつく。あまりの痛さに意識が朦朧とし始めて……その場に俯せで倒れた。

 

ハルート「大丈夫!?アレルヤ!」

 

誰かに……いや…ハルートに転がされて僕は仰向けになった。閉じそうな瞼を開けるとそこには……

 

ハルート「大丈夫?気分が悪いの?」

 

髪が白くなった、ハルートがその金色の瞳で僕を見ていた。だけど……その姿は……彼女に……似ていた。

 

アレルヤ「…マリー…!…なんで、…僕は忘れてたんだ……!……っぐあぁぁぁぁぁぁ!」

 

その姿を、名前を思い出し、口にした瞬間、頭に強烈な頭痛がして……僕は意識を失った。

 

 

 

 

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アレルヤ「………う、……ここは……?」

 

さっきまでの頭痛が無くなり、横になっていた僕はその場に立ち上がる。そして体が感じてる奇妙な感覚に意識がはっきりしてきた。

 

アレルヤ「これは…夢、なのかな。…周りは真っ暗だし」

 

光も何もない、暗闇の中に僕はいた。何故か自分の姿だけはくっきりと見えるけどそれ以外は闇ばかりだ。

 

アレルヤ「どこなんだろう?ここ」

 

ハレルヤ「俺達の精神世界だろ」

 

後ろからの声に振り向くと、そこにはハレルヤが立っていた。ただその表情は険しい……、何かあったのかな。

 

アレルヤ「(ずいぶん不機嫌みたいだけど…)どうかしたのかい、ハレルヤ」

 

ハレルヤ「……チッ、こそこそとしやがって…いるんだろ。いい加減、出てきやがれ!!」

 

いきなり闇に向かって叫ぶハレルヤ。…ほんの数秒、静かになった時に暗闇から誰かがこちらに歩いて来た。

 

?「フッ…上手く隠せてると思ってたんだがな」

 

ハレルヤ「いろいろおかしすぎんだよ、テメェのやり方は。そもそもアレルヤがマリーの事を忘れる訳ねぇだろうが!」

 

闇の中から現れたのは……

 

アレルヤ「…僕、なのか?」

 

僕たちと同じ顔をした人物だった。ただし僕とは違って髪は灰色、瞳は血のような濃く濁った赤色だ。

 

?「その判断はあってるようで違うな、アレルヤ」

 

アレルヤ「なら、君は誰なんだ。僕の体には僕とハレルヤの二人分の精神だけのはずだ」

 

脳量子波の手術のせいでハレルヤが生まれたけど、それ以外の人格は僕には無い。

 

?「そうだ、元々はこの体は君達のものだ。私は割り込ませてもらったのだよ。最終決戦で君達が同時に眠っていたあの時にね。………ちなみにその時の怪我を治したのもこの世界に君達を連れて来たのも、この私さ」

 

微笑みながら自慢げに話す。……なんだか、今の状況が楽しくて仕方ない、そんな感じだ。

 

ハレルヤ「答になってねぇな。結局、テメェは何処の誰で、なんで俺達をこの世界に送り、アレルヤと俺の記憶に細工をしたのか!それを答えろって言ってんだよ!」

 

ハレルヤが彼に掴みかかるも彼は体を捻ってあっさりとかわした。

 

?「まあまあ、……話たいけど時間が無いからな、簡潔に言おうか。私に名前は無いからそうだな……まぁ、呼ぶのなら闇の静寂、ダーク・サイレント、愛称でレントと呼んでくれ。後の事はまた今度……それじゃ、目覚めるといい。アレルヤ、ハレルヤ」

 

一方的に自己紹介と話が終わり、レントがパチンッ!と指を鳴らす。次の瞬間、世界が光に覆われて何も見えなくなった!

 

ハレルヤ「くそ!」

 

アレルヤ「眩しい…!」

 

レント「ああ、最後に一つ。君達の乗っていたアリオスガンダムの現在地を思い出させてあげよう。アレは大切なものだろうしね」

 

目も開けられない光の中でレントはそう言った。

その言葉を最後に僕たちはその精神世界から離れていった。

 

 

 

はやてSide

 

 

 

今、うちらは機動六課の会議室にて今回の事件の整理をしていた。

 

はやて「しかし、厄介な事になっとるなぁ…新たなガンダム4機に戦闘機人、召喚師に融合機か」

 

机の中央のパネルには今回の戦闘の記録が写っていた。

 

なのは「この人たちは明らかに今回、保護した女の子に関係してるよね」

 

なのはちゃんが映し出した映像にはベットで眠る女の子が映っていた。

 

フェイト「少しいいかな?」

 

はやて「?、どないしたんや?フェイト隊長」

 

フェイト「今日の戦闘で現れたガンダムなんだけど…キュリオスだったかな。アリオスと似てない?」

 

フェイトちゃんはパネルを操作して映像を変える。そこにはアリオスとキュリオスが映っていた。

 

ティアナ「確かに、類似している箇所がかなりありますね」

 

ティアナの言う通り、脚の翼、背中のパーツ、武装、変形機能にその姿、二機はよく似てるなぁ。

 

はやて「機体の性能から考えるとアリオスはキュリオスの後継機、と言ったところやな」

 

皆が難しい顔をする。……やっぱりこのキュリオスもアレルヤの過去に繋がる一つなんかな……。

 

はやて「シャマル、アレルヤの様子はどうなんや?」

 

シャマル「体力の消耗がかなり激しかったせいかまだ寝ていますね」

 

そうか…まだ話せるような状況じゃないか…

 

はやて「シャーリー、アリオスの方はどないや?」

 

シャーリー「今はメンテナンス中です。とりあえずここに来る前に話を聞こうとしたのですけど、全く駄目ですね。アレルヤさんの許可無しには情報は公開しないの一点張りです」

 

うむむ……手詰まりやなぁ、どないしよ。

 

考え込んでいると会議室の扉が開いて人間形態のザフィーラが入って来た。

 

ザフィーラ「会議中に失礼する……主、よろしいでしょうか?」

 

はやて「どないしたんや?ザフィーラ」

 

ザフィーラが人間形態なんて珍しいなぁ。

 

ザフィーラ「はい、実はアレルヤがどうしても会議に参加したいと言ってきたので、私とヴァイス陸曹で連れてきました」

 

入り口からはヴァイスさんに支えられながら入って来るアレルヤの姿があった。

 

シャマル「ちょ!?駄目ですよ、アレルヤくん!貴方はもう少し休まないと!」

 

アレルヤ「ごめんね、シャマル」

 

シャマルが駆け寄ってアレルヤを支える。

……何気にやけど、シャマルは中々いいポジションにいるなぁ、と思ってしまった。

 

アレルヤ「ふぅ…お待たせ。会議は何処まで進んだのかな…?」

 

なのは「とりあえずは保護した女の子は無事な事と、現れた敵とガンダムについてかな。説明すると………」

 

アレルヤはなのはちゃんの話を聞きながら机の中央にあるモニターを見ていた。

何を見とるんやろか……

 

はやて(…!、しもうた、キュリオスとアリオスの画像を消し忘れとった!あれじゃあうちらがアレルヤを疑ってるように思われかねへん!)

 

まずい…アレルヤがそんな勘違いをして無い事を祈ろう。

 

なのは「………以上かな。とりあえず今回のガンダム4機とアリオスが赤くなってた事、そしてなんでアレルヤが倒れたのかが聞きたいんだけどいいかな?」

 

アレルヤ「…………そうだね。どうやら会議はその事で行き詰まっているみたいだし…約束もしたし、今から話すよ。僕の過去を、…やってきた事を。そこに今回の事、これまでの答があるから」

 

アレルヤそう言うと懐から待機状態のアリオスを出して机の上に置く。

 

アリオス<モニターに接続開始………接続完了しました、マイスター>

 

アリオスの報告を受けたアレルヤは深呼吸をして会議室にいる皆を見る。

 

アレルヤ「僕の過去を今から見せるけど、質問や批判は後で全て受ける。だから最後まで黙って見ていて欲しい。途中で気分が悪くなったりしたらすぐに部屋を出ることをお勧めする。………準備はいいかい?」

 

ハルート「少しだけ、いいかな?」

 

アレルヤ「どうかしたのかい?ハルート」

 

ハルートが真面目な顔でアレルヤを見つめる。なんやろうか。

 

ハルート「マリー、て誰?」

 

その言葉を聞いた瞬間、アレルヤが驚きの表情でハルートを見た。

 

アレルヤ「それを、どこで?」

 

ハルート「アレルヤが気絶する直前に言ってたよ。マリー、どうして忘れていたんだ………て」

 

マリー、か。女の人の名前みたいやけど……。見るとアレルヤは少し悲しげな表情をしていた。

 

アレルヤ「それも含めて話すよ。マリーが居たから今の僕がいるんだしね………皆、用意はいいかな?」

 

今度は誰もが無言で頷く。それを確認してアレルヤは一言、呟いた。

 

アレルヤ「アリオス、再生して」

 

アリオス<了解しました。再生します>

 

そして、私たちはアレルヤの過去を知ることになる。

 

 

 

ハルートSide

 

 

 

アレルヤの言う通り、皆は黙って映像を見ていた。

 

最初はアレルヤの幼い時の映像から始まった。

そこは何かの研究施設で、子供のアレルヤは様々なケーブルを体につけられていた。手術のせいか又は何かのショックのせいか、記憶がなかった幼い時のアレルヤはある少女と出会った。

 

マリー・パーファシィ

 

彼女は体を動かせなかったが脳量子波を使って記号と番号で呼ばれていた少年にアレルヤと名前をあげた。

それからのアレルヤは検査の無い日は必ずマリーの所に行ってはお喋りしていた。だが……別れは突然やってきた。

超兵には不的確と判断され、処分されそうになったアレルヤは他の仲間と共に施設から宇宙船を奪って逃げ出した。

しかし、宛もなく、子供だけで渡って行ける程、宇宙も世界も甘くはなかった。宇宙船の空気と食料が底を尽きかけた時、生き残る為に、仲間を撃てないアレルヤに代わってハレルヤが共に脱出してきた仲間を全員、撃ち殺してしまった。

 

キャロ「………う……気持ち悪い……」

 

シャマル「キャロちゃん、少し部屋を出ましょうか」

 

ここでキャロは調子が悪くなったのでシャマルさんに連れられて部屋を出て行った。

映像は流れ、次は大人になったアレルヤがガンダムに乗って大きな宇宙船から出撃する場面になっていた。

 

アレルヤ【アイ・ハブ・コントロール、ガンダムキュリオス、アレルヤ、目標に向かって飛翔する】

 

映像の中のアレルヤはオレンジ色のスーツにヘルメット、片目を前髪で隠していた。この時のアレルヤは19歳でちょうど今のはやて達と同じ歳だ。

そして映像に映ったおじさん、イオリア・シュヘンベルグが戦争根絶の為に全世界の戦争行為、それを支援、幇助した者、企業、組織に対して武力介入をする事を宣言した。

そして始まった戦争根絶の為の武力介入。大きな矛盾を抱えながらも、ガンダムはあらゆる戦場に現れては敵と見なした全てを破壊した。

その中には稀にだけど人の命を助ける為に行動している姿もあった。

 

アレルヤ【貴女には解らないだろうさ、広大な宇宙で漂流する人の気持ちなんて】

 

地球に落ちそうになった宇宙ステーションをキュリオスが押し返す時にアレルヤが言った言葉だ。……経験した者の言葉は重みがあった。

 

ある戦闘で、人革連に超人機関がまだ存続していた事を知ったアレルヤはその施設への武力介入を進言、決行した。

初めこそケリを着けるためと出撃したアレルヤ……。けれど到着して施設に攻撃しようとした時に迷ってしまった。

 

アレルヤ【まだ救えるかもしれない…】

 

ハレルヤ【ひとりよがりな考えを相手に押しつけるな。どんな小奇麗な言葉を並べたてても、お前の優しさは偽善だ。優しいふりして自分が満足したいだけなんだよ!】

 

アレルヤ【で、でも…!】

 

ハレルヤ【敵に情けはかけるな!それともなにかァ?また俺に頼るのかァ?自分がやりたくないことに蓋をして、自分は悪くなかったとでも言うのか?】

 

アレルヤ【そ、そんな事……】

 

ハレルヤ【…俺はやるぜ…!他人なんざどうでもいい!俺は俺という存在を守る為に戦う!】

 

アレルヤ【僕はガンダムマイスターとして……!】

 

ハレルヤ【立場で人を殺すのかよ?引き金くらい感情で引け!己のエゴで引け!無慈悲なまでにィ!】

 

アレルヤ【撃ちたくない……【アレルヤァ!!】撃ちたくないんだあぁぁぁぁぁぁ!!】

 

絶叫しながらミサイルを撃ちまくるアレルヤ。崩れ落ちていく施設を背にその場を後にするキュリオス。帰艦する途中、アレルヤはコクピットで泣いていた。

 

ハルート(アレルヤ……)

 

アレルヤは画面を見つめて、静かに涙を流して泣いていた。彼やガンダムマイスター達に対して世界は……どうして悲しい事ばかりさせるのかな……。

 

そうして時は過ぎ……ついに、世界がアレルヤ達、ガンダムに対して大規模な演習と言う名のガンダム捕獲作戦を始めた。

罠と知りつつも戦場に向かうアレルヤ達。だが世界の攻撃は想像以上で、丸一日の間、攻撃を受け続けたガンダム4機はついに地に倒れた。捕獲されたガンダム……。だがそれを助けたのは、赤いGN粒子を噴き出したガンダム、ガンダムスローネだった。

初めは仲間だと思っていたスローネを駆るチーム・トリニティ。だが彼らの過剰なまでの攻撃、戦争には関係のない民間人に対しての攻撃にアレルヤの所属していたチーム・トレミーはスローネを戦争幇助の対象にして攻撃した。

その間に、世界は大きな動きを見せていた。ジンクスと擬似GNドライヴを手に入れた三国はガンダムに対して攻撃を開始し始めた。

これに応戦するアレルヤ達、だけど突然、ガンダムが動かなくなり窮地に立たされる。

 

ティエリア【ヴェーダに見離された……】

 

ロックオン【クソッ!俺達はまだ何もやってねぇぞ!】

 

アレルヤ【僕たちの滅びは計画に入っているというのか……!】

 

刹那【動け、動け!動いてくれ!!ガンダァァァァァム!!!】

 

仲間達の叫びに応えるように、アレルヤ達の宇宙船、プトレマイオスのクルーのおかげで再起動を果たしたガンダム。だけどヴァーチェはトラブルのせいか動かないままだった。そこに気付いたジンクスの一機がビームサーベルを構えてヴァーチェに向けて突撃してきた!

 

ロックオン【どうした、ティエリア!?トラブルか!?】

ティエリア【どうして…なぜ…】

ロックオン【クソ!させるか!】

 

敵のジンクスがビームサーベルでヴァーチェを貫こうとした瞬間、デュナメスがヴァーチェを庇いビームサーベルで貫かれてしまった。

 

ロックオン【ぐあああああぁぁぁぁ!!】

アレルヤ【ロックオン!】

 

その場は何とか凌いだけれど、マイスターのロックオンは利き目を負傷してしまった。

 

地上ではトリニティ兄弟が世界中を逃げ回っていた。そこにアリー・アル・サーシェスが接触、油断したところでトリニティのツヴァイのパイロットを殺し、アインのパイロットをわざと機体に乗させると奪ったツヴァイを使ってアインを撃墜した。

 

ハルート(最低だ、この男)

 

いくら敵とは言え…皆の方を見ると黙ったままだけどかなり険しい顔になっていた。

 

映像に視線を戻すとドライが追い詰められていた。ツヴァイがとどめをさそうとした時、助けに来たエクシアによってドライはやられずにすんだ。

けれど少しづつ、助けに来たエクシアの旗色が悪くなっていく。一回、二回と切り結ぶ度に剣を弾き飛ばされていき、ついに大きな隙の出来たエクシアにツヴァイが切り掛かった。

 

サーシェス【なに!?何処だ?何処に行きやがった!?】

 

バスターソードは確かにエクシアを捉えていた。なのに斬られた筈のエクシアはその場から消えていた。するとスローネ・ツヴァイの周りを赤い閃光が縦横無尽に翔け、ツヴァイを攻撃する。

赤い閃光の攻撃に耐え切れなかったサーシェスはその場から撤退した。

空中に佇むエクシア。その体は赤く染まっていた。

 

アレルヤ「エクシアが使ったこのシステム。これが今回、僕がヘリを守る為に使ったトランザムと言う機能だよ」

 

はやて「…具体的に言えばどんな機能なんや?」

 

アリオス<トランザムシステムとはオリジナルのGNドライヴに予め組み込まれていたシステムで、機体内部に蓄積されていた高濃度圧縮粒子を全面開放することでスペックを3倍以上に上げることができるのです。しかしこのシステムは大量のGN粒子を消費するため、使用後は粒子の再チャージまで機体性能が大幅に低下するなど、諸刃の剣でした。ソレスタルビーイングの司令塔である量子演算コンピューター・ヴェーダが何者かによって破壊、もしくは掌握されたときのためにイオリア・シュヘンベルグが温存していた最後の希望とも言えるシステムです>

 

なのは「イオリアさんは凄いね…未来の事を先読みしてそこまで手を打ってるなんて」

 

フェイト「でも使うのはGN粒子なんだよね?アレルヤが倒れた理由は?」

 

アリオス<マイスターが倒れたのは私のトランザムシステムがまだ正常に作動しておらず、マイスターの身体に負荷をかけてしまった事による極度の疲労のせいです。本来ならシステムを任意での途中解除が可能で限界時間到達後も一定以上の戦闘行動は行えるようになっているのですがまだ調整中なのです……(そういえば……阿修羅に渡したスサノオにもトランザムシステムが搭載されていたはず…後でなにかしらの調整をしてるのか聞いてみましょうか)>

 

はやて達がトランザムシステムについて理解したところで映像の方も佳境に入っていた。三国がジンクスを集めてプトレマイオスに対して再び総攻撃を仕掛けてきた。

 

そんな中、体の負担を抱えながらも出撃したロックオン。彼はデュナメスにGNアーマーを装着して火力で敵を圧倒していく。敵の母艦をあと一隻沈めれば、敵は撤退する。そんな場面で最低な男、サーシェスが出て来てGNアーマーを破壊した。

 

寸前で脱出したデュナメスはサーシェスの乗るスローネツヴァイと切り結ぶ。だけど……ジンクスの一機がデュナメスに特攻を仕掛けてデュナメスが右肩を吹き飛ばされてしまった。それにより右側が見えてない事がサーシェスにばれてしまう。

 

サーシェス【なんだぁ?右側が見えてねぇじゃねぇかよ!?行けよ、ファングぅ!!】

 

ロックオン【クソ!見えねぇ!!】

 

デュナメスの奮闘も虚しく、ファングによって中破したデュナメス。ロックオンは爆発の衝撃で何とかその場を離れる事は出来た。ここで映像が暗くなる。

 

シグナム「?、続きはどうなったのだ。アレルヤ」

 

アレルヤ「詳細は解らないんだ。ただ帰って来たデュナメスにはロックオンは乗っていなくて……。エクシアのパイロット、刹那がデュナメスのコクピットに装備されていた専用のスコープを持って帰って来たんだ……推測でしかないけど、ロックオンは大破したGNアーマーの残っていたキャノンを使ってサーシェスを撃ったんだよ。サーシェスはロックオンの家族の仇だったみたいだから………けれどエクシアに残っていた記録を見たけどね、どうやら相打ちだったみたいでさ……、ロックオンはキャノンの爆発に巻き込まれて…」

 

アレルヤは悲しげな表情で天井を見上げた。言葉にしなくても分かる。ロックオンは死んでしまったのだと。

 

アリオス<続きを再生します>

 

再生された映像はジンクスと何だか悪趣味な金色の敵がいた。金色の攻撃により、プトレマイオスのメディカルルームがやられて医者のモレノさんがやられてしまう。

さらに攻撃は続きアレルヤの乗っていたキュリオスは右腕と右足をやられてしまった。

 

岩の影に隠れて敵をやり過ごす。

 

ハレルヤ【チッ…しくじったぜ】

 

アレルヤ【ハレルヤ…】

 

ハレルヤ【あ?テメェは引っ込んでろ、アレルヤ。生死の境で何も出来ねぇテメェに用はねぇ。俺は生きる!例え他人の血をすすろうとな!】

 

アレルヤ【僕も生きる…!】

 

ハレルヤ【何?】

 

アレルヤ【僕はまだ、世界の答えを聞いていない……僕の存在する意味さえも……だから、それを知るまで僕は死ねない!】

 

ハレルヤ【………ハッ!ようやくその気になりやがったか…なら、あの女に見せ付けてやろうぜ、本物の…超兵、てヤツをよ!】

 

その台詞を聞いた瞬間、ビクッ!となのはが体と椅子を震わせた。

皆がびっくりしてなのはの方を見ると顔を赤くしながら手を振ってなんでもないと合図する。

 

ハルート(もしかして……あの模擬戦がトラウマになってるのかな?)

 

そんな事を考えながら映像に視線を戻すと信じられない事が起きていた。

 

スバル「………すごい」

 

ティアナ「あの状態でこれだけの動きを…」

 

画面の中の半壊したキュリオスは二機のジンクスを圧倒していた。機敏に動き回るキュリオスに追いつけず、腕や足を切られていく二機のジンクス。そのうちの一機とキュリオスがビームサーベルで鍔迫り合いになる。

 

ソーマ[何故だ!?私は完璧な超兵のはずだ]

 

ハレルヤ[分かってねぇなぁ、女ァ・・。テメェは完璧な超兵なんかじゃねェ!]

 

ソーマ[なんだと!?]

 

ハレルヤ[脳量子波で得た超反射能力・・、だがテメェはその反射能力に思考が追いついてねェんだよ!ただ動物みたいに本能で動いてるだけだ!]

 

ソーマ[なにを!!]ハレルヤ[だから動きも読まれる]

 

ジンクスの頭部バルカンが撃たれるが、キュリオスはすでに目の前には居らず、近くの岩場に片足で立っていた。

 

アレルヤ・ハレルヤ「「思考と反射の融合・・・それこそが真の超兵の姿だ!!!」」

 

キュリオスがトランザムを起動する。失われた右肩と右足から粒子が勢いよく噴出す。遂に一機目に止めを刺そうとした瞬間、二機目のジンクスが間に割り込んでそれを阻止する。庇われたジンクスはその隙を突いての攻撃、キュリオスの左腕とコクピット辺りにビームが当たり、遂にキュリオスは行動不能になってしまった。

コクピットの中ではアレルヤが頭に怪我をしていて出血していた。何とか目を開くとアレルヤの表情は驚愕の色に染まった。

 

アレルヤ【ぐぁぁぁ……そ………そんな、あれは…マリー?マリーじゃないか…!知ってたのか?ハレルヤ…!】

 

アレルヤの目に映ったのはジンクスから降りてきた女の子だった。

 

ハレルヤ【知ったらテメェは戦えねぇ……死ぬだけだ……。もっとも、今となってはどうでもいい事だ…】

 

アレルヤ【ハレルヤ?】

 

ハレルヤ【じゃあな、アレルヤ。先に逝ってるぜぇ………】

 

アレルヤ【そんな……ハレルヤ……、ハレルヤ……】

 

映像が止まり部屋の照明が元に戻る。

 

フェイト「マリー、て……そんな。知り合い同士で戦ってたの?」

 

アレルヤ「知らなかったんだよ。最後に見たのは逃げ出す前の超人機関だったしね」

 

いくらか疲れが取れたのかはっきりと言葉を喋るアレルヤ。元気そうで良かった…。

 

ザフィーラ「だが、あれで終わりでは無いのだろう?」

 

ヴィータ「そうだな、なによりアリオスが出て来てねぇし。さっきの話じゃハレルヤは死んだ風に見えたけど今はぴんぴんしてるしな」

 

鋭い指摘に苦笑するアレルヤ。

 

アレルヤ「そう、話は終わってない。今のは僕の世界では四年前の話なんだ」

 

そこからまた映像が映るのだけど話の内容はアレルヤ達が行った戦争根絶による世界の破壊、だけど世界は歪んだ再生をしてしまった事に対して、ソレスタルビーイングは再び結成された。

 

アレルヤは最初は捕まっていたけど仲間達のおかげでアリオスを使って逃げる事が出来た。

 

はやて「しかし……このスメラギさんは胸もおっきければ、作戦も大胆やな……胸もおっきいし…」

 

ハルート(胸は関係ないと思うけどなぁ。しかも二回言ってるし)

 

はやての言葉はみんなで聞いてないフリをした。

 

そして、アレルヤは戦場でマリーに呼び掛ける。君はソーマ・ピーリスと言う名前ではなく、マリー・パーファシィなんだ、と。

そして思いが通じたのか、ついにマリーは記憶を取り戻した。

 

そこからは沢山の戦闘があった。独立治安維持部隊・アロウズとの戦いは激化していく。

アロウズの裏にイノベイターと呼ばれる人達が関わっている事を知り、戦いはイノベイターとの戦いになっていく。

 

戦って、戦って、戦って、やっと終わりが見えて来た。それまでの間はみんな驚愕の連続だった。先代ロックオンの双子の弟、二代目ロックオンのライル・ディランディさん。ダブルオーライザーの力、セラヴィーとセラフィムの機能、サーシェスが生きていたこと。

イノベイターと呼ばれていた人達は実は人類に革新を促す為に生まれたイノベイドだった事、刹那さんが革新して純粋種のイノベイターになった事……挙げればきりがない。

 

最終決戦、アレルヤとハレルヤは敵のガンダムが放ったファングをサブガトリングガンで落とそうとしたけど当たらず、ファングはアリオスの胸の辺りに刺さって爆発した。

 

アレルヤ「この後くらいだね、僕がこの世界に来た理由が分かる筈だ」

 

見ていると両腕を無くしたアリオスが白い穴に吸い込まれていき、アリオスを吸い込み終わると消えてしまった。

 

ハルート「そしてアレルヤはこっちの世界に来てしまった、という事ね」

 

 

 

アレルヤSide

 

 

 

ハルートの言葉に僕は頷いた。これで全てを話したし、後はどうなるかは解らないけれど……後悔だけはしない。

 

アレルヤ「はやて、みんな、今のが僕の過去の全てだよ。ここからの判断は君達に委ねる……だから決めてくれ、僕という爆弾を切り離すか、それとも抱え込むのかを」

 

僕は立ち上がってみんなを見る。ティアナ、スバル、エリオは何かを言おうとするも言葉にならないみたいだ。そんな空気の中で……はやてが席から立ち上がり、僕の前まで歩いてきた。

 

はやて「アレルヤ、あれだけの事をしたんやし……覚悟は出来てるんやろ?」

 

そして一歩手前で立ち止まって僕を見上げて、はやては静かに、はっきりとした声で僕に問いを投げかけた。

 

アレルヤ「…ああ、出来てるよ。はやて」

 

はやて「さよか……なら」

 

はやては両手で僕の頭を優しくつかみ、自分のおでこと僕のおでこをくっつけた。熱を計ったりする時にやるヤツだね……。

 

はやて「アレルヤ、うちは何も言わへんよ。せやからここに、機動六課に居てや。いつかはお別れする日がくるんやし、なら今だけは、少しだけやけどこの平和な世界…少し物騒な所もあるけど、それを満喫しても誰も文句なんて言わないし、言わせへんから…な?」

 

アレルヤ「いい…のかな……?僕が…此処……に居…ても……」

 

はやての優しい言葉と、暖かい手に、僕は声が震えて上手く喋れなかった。

 

はやて「ええよ、別れがくるその時まで…なんやけどね」

 

アレルヤ「…うぅ…あ…りが…とう、…は…や…て」

 

僕はその場に膝をついてはやての胸の中で泣いた。

本当は怖かった。過去を話さなかったのは拒絶されて、また一人ぼっちになってしまうような気がして話せなかった。

僕はそのまましばらくの間、泣いていた。はやては優しく僕の頭を抱きしめていてくれて……どこか、懐かしい気がした。

 

 

 

?Side

 

 

 

?「ふん……やはり第3世代の機体では敵わないか……けれど、人間相手にはよく戦っているね」

 

薄暗い部屋の中で僕はモニターを眺めていた。

 

今回はアリオスに対してキュリオスを差し向けたがあまりよい結果にはならなかった。

そんな中、一人の女に目を止めた。薄い緑の髪に金色の瞳……

 

?「……この女は……もしや…だが、なぜ?…過去にもこの世界にきた者がいる、ということか?」

 

僕の記憶に彼女に関するデータはない・・・だとするなら考えられる可能性は三つ。一つめは彼女は僕のいた世界の未来から来たか、二つめはもともとこの世界にいた人物か、最後は過去にこの世界に飛ばされた塩基配列パターン0026タイプを複製、コピーしたものか・・・。確かめる必要があるな。

スカリエッティには内密に作っていた“あの機体”も完成間近だし…

 

?「運命の流れは僕に向いている……」

 

前の世界では刹那・F・セイエイに敗れ、瀕死の体でこの世界にきた時はどうしようもないかと思っていたが……

 

?「前の世界では邪魔が入ったが…フフフ、今度はそうもいかないだろう。…このリボンズ・アルマーク、この世界の神になろうじゃないか!!」

 

体を無くし、脳と目玉と脊髄だけになり、カプセルの中で浮いているだけになってしまったが……

 

リボンズ「悪くない…この状態だからこそ、やれる事があるさ」

 

そして僕は考える事にした。いかにして神になろうか………と。




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