魔法戦記リリカル00 ~世界を越えた超兵の話~(改定前)   作:かねごんマークII

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仕事が忙しく、更新が遅れまして申し訳ないです。

いまさらですが、サブタイトルは自分で文章を見たときの思いつきなのでそこまで深く考えてません。


第22話 隊長達の想い

フェイトSide

 

 

 

翌日、私はデスクワークをしながら考え事をしていた。

 

フェイト(アレルヤと、ハレルヤ…か)

 

アレルヤの過去を知った私は以前、ハレルヤが自分と似ていると言っていた事を思い出していた。

 

フェイト(私は…プロジェクトFの技術で生み出され存在、だからハレルヤは自分と似てる……て言ってたのかな…)

 

けれど私には救いがあった。なのはが頑固な私に必死に呼び掛けてくれた、そして友達になってくれた。

クロノやリンディ母さんと家族になれた。幸せを手に入れた。

 

フェイト(でも……アレルヤは……)

 

昨日の会話を思い出す。アリオスが導き出した、アレルヤの世界の地球と私達の世界の地球についての仮説を………

 

 

 

回想

 

 

 

アレルヤは泣き止むと自分の席に戻った。疲れてはいるけれどその顔は憑き物が落ちたかの様にすっきりしていた。

 

アレルヤ「ごめん、みんな。…情けない所を見せてしまったね」

 

なのは「気にしないでいいよ」

 

はやて「そうや、また悩んだりする事があったら聞いたげるからな?」

 

その場の空気が少しだけ和む。

 

アリオス<………マイスター>

 

突然、今まで黙っていたアリオスが言葉を発した。どうかしたんだろうか?

 

アレルヤ「どうかしたのかい?アリオス」

 

アリオス<マイスター、私は貴方に謝罪をしなければなりません>

 

アレルヤ「どうして?」

 

アリオス<私はマリー・パーファシィの事を貴方に黙っていました>

 

アレルヤ「…いいさ、アリオスのことだから僕の為に黙っていてくれたんだろう?」

 

アレルヤは微笑みながら話す。その笑顔は悲しげながらも優しい笑顔だった。

 

アリオス<………後、もう一つあるのです。可能性としての話なのでお聞かせしようか、否か。迷いましたが…今、話そうと思います>

 

アレルヤ「…どんな話しなんだい…?」

 

会議室が静かになる。

聞こえるのは壁に掛けてある時計が時間を刻む音だけだった。

 

アリオス<マイスター、貴方は元の世界に……帰れないかもしれません>

 

カチン、と時計の音が大きく鳴り響く。

 

はやて「…ちょい待ち、なんでそないな話になるんや?」

 

フェイト「そ、そうだよ!アレルヤが自分の世界に帰れないなんて…」

 

いきなりの話に私達は困惑した。だって…アレルヤには帰りを待ってる人が、仲間がいるのに。

 

アレルヤ「…話して、くれるかい?」

 

アレルヤは落ち着いた様子でアリオスに聞く。……どうしてそんなに落ち着いていられるんだろう…

 

アリオス<はい、私はマイスターが管理局に入る以前、つまり高町隊長達に捕まった時から自分の中で物事の優先順位を決めていました。それは一つ、オリジナルGNドライヴの捜索し、発見し回収、それが不可能なら破壊。二つ、マイスターの衣食住と私自身の改良。三つ、元の世界に戻る為の情報収集。四つ、マイスターの記憶の修復、以上の四つです。そのうちの二つ、マイスターの衣食住については問題は無くなり、記憶についても元に戻られました>

 

静かな部屋で、アリオスの声がよく聞こえる。みんな、沈黙したままだ。

 

アリオス<そして残った二つの問題のうち、元の世界に帰る方法を探していると、平行世界ともう一つの可能性を見つけてしまいました>

 

シグナム「…何なのだ、そのもう一つの可能性とは」

 

アリオス<第97管理外世界、地球……マイスターのいた世界というのは、八神部隊長や高町隊長達の地球の未来ではないのか…………という可能性です>

 

アリオスの想像を超えた可能性の話に私達は驚くしかなかった。

 

ティアナ「待って下さい!……その話が本当ならアレルヤさんは…」

 

なのは「未来から来た人間、て事になるね…」

 

でも、それが本当なら…

 

はやて「アレルヤが時間跳躍したかどうかは別にしても……今の管理局の技術では時間移動、跳躍なんて事はできへん。ロストロギアの中にはその類いの物があるかもしれへんけど…」

 

シャーリー「そんな物があれば厳重封印されてる事は間違いないでしょうし、使用どころか近付くことさえできないですよね…」

 

アリオス<この話はまだ可能性の段階での話です。ですがこれが事実なら、マイスターは帰る術がありません>

 

 

 

回想終了

 

 

 

その後はアレルヤは特に取り乱したりせず、少し休むと言って会議室を出ていった。そしてそのまま今日のお昼になっても、彼の姿を見ていない。

 

フェイト「………はぁ」

 

私は机にふさぎ込んだ。正直な話…私はアレルヤが帰れないと聞いた時、心のどこかで喜んでしまった。

これで彼とは離れる事なく、共にいられる…と。

 

フェイト(最低だ……私)

 

自分のデスクにふさぎ込んだまま、考え事をしていると通信の呼び出し音が鳴った。顔を上げて通信に出るとそこには……

 

アレルヤ『忙しいところを悪いんだけど…少しだけいいかな?フェイト』

 

今まさに考えていた人が映っていた。

 

フェイト「ア、アレルヤ!?どうかしたの!?」

 

驚いた私は急いで身なりを整えて話を始める。

 

アレルヤ『うん、実は…フェイトの車で連れて行って貰いたい所があるんだけど、いいかな?』

 

フェイト「いいけど…どこに行きたいの?」

 

アレルヤ『僕が最初にこの世界に来た場所なんだけど……』

 

あんな話の翌日だし…なにか思う所があるのかな…

 

フェイト「いいよ、じゃあ隊舎の前で待っていて。すぐに車で行くから」

 

アレルヤ『了解、待ってるよ』

 

通信がきれると私はすぐに車のキーを持って駐車場に向かった。

 

 

 

アレルヤSide

 

 

 

僕はフェイトと一緒に僕と彼女が最初に出会った所に向かっていた。

六課を出発してからしばらくして、車は首都クラナガンにはいった。

 

アレルヤ「平和なところだね…ここは」

 

フェイト「うん、犯罪は起きてしまうけど皆で頑張ってるからね」

 

信号で車が止まり、横断歩道を人が歩いていく。その中に親子が仲良く歩いているのが目にうつった。

 

アレルヤ「保護した女の子も、あれくらいの歳だよね……」

 

フェイト「そうだね…明日、なのはが様子を見に行くみたいだけど…」

 

話はあまり弾む事はなく、車は再び発進した。車の時計を見るとお昼時になっていた。そういえば……昨日の夜から何も食べてなかったな……

 

アレルヤ「フェイト、食事にしないかい?お昼時だし、現地に行くには時間もかかるしね」

 

フェイト「うん…そうだね、ならどこかで食事にしようか」

 

フェイトが近くに料理が美味しい店あると言ってそこで食事をする事にした。

フェイトはココアとホットケーキ、僕はコーヒーとサンドイッチを注文して席についた。

 

アレルヤ「………はぁ」

 

フェイト「?、アレルヤ、どうかしたの?」

 

フェイトが心配してこちらを覗き込んできた。その仕種が小動物みたいで僕は少し笑いながら答えた。

 

アレルヤ「ふふ……いや、なんだか視線を感じるから…ね。やっぱりこの服は目立つのかな」

 

フェイトの黒い執務官服、僕の茶色の地上管理局員の制服…前にシャマルにも言われたけど、やっぱりめずらしいのかな?

 

フェイト「………気付いて無いの?」

 

アレルヤ「何がだい?」

 

フェイト「ううん、なんでもないよ」

 

そう言ってフェイトは運ばれてきたホットケーキを食べ始めた。僕もサンドイッチを食べるがフェイトはさらに、デザートを頼んでいた。

 

しばらくして…

 

アレルヤ(あ、フェイトの頬にクリームがついてる)

 

僕はフェイトの右頬にデザートのクリームがついているのに気付いて注意しようとしたら…

 

ハレルヤ(まてよ、アレルヤ。俺がやる)

 

アレルヤ(ハレルヤ?いきなりどうしたのさ)

 

ハレルヤ(いいから代われ。ほら、さっさとしろ!)

 

アレルヤ(はぁ…強引だなぁ)

 

俺はアレルヤと入れ代わるとそのまま何も話さずコーヒーを飲む。俺はクリームに気付かないフェイトを面白いがっていた。

 

フェイト「そろそろ行こうか。会計してくるね」

 

そう言って立ち上がるフェイト。……頃合いだな。

 

ハレルヤ「おい、フェイト」

 

フェイト「え?」

 

俺は立ち上がるとフェイトの右腕を掴み、こちらに軽く引っ張る。フェイトはよろけてこちらに倒れかけた所で俺は……

 

ハレルヤ「いい女が頬にクリームなんてつけんなよ」

 

そう言って頬についたクリームを舌で舐め取った。何が起きたかわからない顔のフェイト。

 

ハレルヤ「女に払わすのは格好悪ぃしな、俺が払っとく」

 

そう言って放心状態のフェイトから伝票を奪うと俺はレジに向かい、金を払って外に出て待っていることにした。

 

フェイトが顔を真っ赤にして出て来たのは数分後だった。

 

そのあと、お決まりの如くフェイトをからかったハレルヤはさっさと寝てしまった。そして僕とフェイトは初めて出会った場所に来た。フェイトには車で待っていてもらい、僕は森に入り奥へと進む。

 

アリオス<この先に何かあるのですか?マイスター>

 

今まで黙り込んでいたアリオスの質問に僕は答える。

 

アレルヤ「…この先に、アリオスガンダムが隠されてるんだ」

 

アリオス<!、何故、知ってるのですか!?私でさえわからなかったのですよ!?>

 

アレルヤ「…それはね…」

 

アリオスの疑問に僕は正直に答える事にした。………誰にも言っては駄目だと念を押して…

 

アリオス<なんと……では、マイスターの中には第3の人格がおり、今回の一連はその者の仕業だったのですか…>

 

アレルヤ「本人…レントの言うには、だけどね」

 

話しているうちに僕は森の中でも木々が高く、少し暗い所でありながらも開けた場所に来ていた。

 

アレルヤ「ここか……アリオス、光学迷彩解除」

 

その言葉の数秒後、目の前の景色が歪み白とオレンジ色の巨人、アリオスガンダムが姿を現した。

 

アレルヤ(これで……レントが言っていた事が真実だった事になっちゃったか)

 

何も無ければ夢で終わらせる事も出来たかもしれない。

けれどレントの言う通り、アリオスがあったのだから少なくとも彼が言っていた事、存在している事が夢でなく、現実だと言わざる得ない。

 

アレルヤ「…とりあえず、乗ってみようかな」

 

アリオスガンダムに乗り込み、状態をチェックする。この世界に来る前に破損したはずの腕やコクピットが修復されている事以外は特に問題なかった。

 

アレルヤ「通信は……繋がらないか……」

 

分かってはいたが、試さずにはいられなかった。もし、もう二度と会えないのなら…たった数分だけでもいいから、マリーと話したかった。

 

アリオス<……マイスター…>

 

アレルヤ「…しかたないさ………ガンダムはどうしようか?ここに置いておくのも不安だしな………」

 

アリオス<それでしたらカイゼルに頼んでみては?彼は自分が興味をしめしたモノにはなんでもする人物ですから…>

 

アレルヤ「そうだね…頼んでみようか」

 

自分の世界とは繋がらないがこちらの世界の通信は問題なく使えた。

 

カイゼル『誰かと思えばアレルヤじゃないか。どうした、何か問題でも起きたのか?』

 

アレルヤ「久しぶり……実は頼みたい事があるんだ」

 

カイゼル『……話してくれ、出来る限りの手を打つ』

 

アレルヤ「うん…実は……」

 

事情を説明するとカイゼルはすぐに対応してくれた。

 

カイゼル『これでいい、とりあえずミッドチルダ第4空港に向かってくれ。そこを経由してそのガンダムを私の管理下のもと、本局の方に移送する』

 

アレルヤ「ありがとう、カイゼル。助かったよ」

 

カイゼル『フ…気にするな。私も空港に向かう。そこで落ち会おう』

 

アレルヤ「了解、それじゃ」

 

通信を切り、僕はフェイトに通信を入れた。

 

フェイト『アレルヤ?時間がかなり経ってるから心配したよ』

 

アレルヤ「ごめん、フェイト。今からミッドチルダ第4空港に行ってくれるかな?僕もすぐに行くから」

 

フェイト『いいの?アレルヤを置いて行く事になっちゃうよ?』

 

アレルヤ「大丈夫、空を見てれば答えはわかるよ」

 

フェイト『?、よくわからないけど……了解、空港に向かうよ』

 

フェイトとの通信を切り、グリップを握る。あまり時間は経ってない筈なのに、懐かしい感じがした。

 

アリオス<マイスター、バリアジャケットのバリエーションにパイロットスーツがありますのでセットアップして下さい>

 

アレルヤ「了解、アリオス、セットアップ」

 

一瞬、光に包まれると僕はオレンジ色のパイロットスーツを着ていた。

 

アレルヤ「………行こう」

 

僕がグリップを引くとガンダムは立ち上がる。コクピットの中の景色は暗い森の中から森の木々より高い景色になった。

 

アレルヤ「GNドライヴ、及び全システムに異常なし。アレルヤ・ハプティズム、アリオスガンダム、飛翔する!」

 

アリオスを空中に浮かび上がらせると戦闘機形態に変形させて僕は空港へと進路をとった。

 

 

 

カイゼルSide

 

 

 

私は空港で見たモノに目をうばわれた。

 

カイゼル「素晴らしい…!」

 

その姿はまさに力の象徴であり、我々の世界の全ての技術をもってしても造れない、そんなモノが空港の片隅にある倉庫の前に立っていたのだ。

 

阿修羅<あれが…ガンダム>

 

アリオスと同じ姿のガンダムの足元には一台の車が止まっており、そのそばにはアレルヤと機動六課の隊長達がガンダムを見ていた。

 

カイゼル「すまない、遅れてしまったな」

 

高鳴る動悸を抑えて平静を装う。

 

はやて「いやいや、そないには待ってへんよ」

 

アレルヤ「カイゼル、今回はありがとう。正直、どうしようかと思ってたんだ」

 

カイゼル「そんなにかしこまるな、アレルヤ。私達は友達なのだから」

 

アレルヤの肩を軽く叩いてガンダムを見上げる。

 

ヴィータ「しっかし…でけぇな…」

 

シグナム「これと同じ大きさのモノが大量にある世界があるとはな…古い騎士の私にはとても考えられん光景だ」

 

なのは「こんな大きなロボットで戦争…してるんだよね…」

 

はやて「どこの世界でも争いはなくならん…けれど、人は平和を求める」

 

フェイト「その為に力を求めて、造って、戦ってを繰り返し続ける」

 

カイゼル「そして戦火は広がり、収集がつかなくなりどちらかが滅びるまで戦い続ける結果になる」

 

ガンダムを見ていると…私は自分のやってきた事は、無駄だったのか?

と考えさせられる。争いを、犯罪を無くす事など不可能なのか…と。

 

アレルヤ「…その争いの連鎖を断ち切る為に、ソレスタルビーイングは、ガンダムは、僕たちは世界に対して武力による戦争への介入を行った……」

 

私の後ろにいたアレルヤの言葉に、皆が振り返る。その瞳は真っ直ぐに、私たちを見ていた。

 

アレルヤ「…ソレスタルビーイングの目的はあまり話せないけど…一つだけ、話すよ。僕たちソレスタルビーイングが世界中の戦争、それに関係したモノ全てに武力介入したのはね、戦争を無くすのも一つの目的だけど、本当は世界の恨みを全てソレスタルビーイングに向けさせて世界を一つにする事だったんだ」

 

 

 

はやてSide

 

 

 

アレルヤの言葉に、うちを含めたみんなは驚くしかなかった。アレルヤの言った事は…

 

はやて「世界を一つにする為に、ソレスタルビーイングは…自分達を犠牲にしたんか?」

 

アレルヤ「………無駄な犠牲にはならないさ。僕たちが必要なくなるか、あるいは滅びるまで僕たちの戦いは終わらないし、終わらせるつもりもないよ」

 

なのは「でも…戦いが終わったらアレルヤ達はどうなるの?」

 

アレルヤ「終わらないさ。はやての言っていた通り、人が生きていく以上、争いは無くならないからね」

 

フェイト「なら、アレルヤ達は終わりの無い戦いを続けるしかないじゃない…辛くないの?」

 

アレルヤ「既に血に染めてしまった手だから…辛いからと言って途中で投げ出すわけにはいかない」

 

ヴィータ「どうしてそこまで頑張れんだよ?皆から、世界から恨まれ、狙われてんだぞ?」

 

アレルヤ「ガンダムに乗って、引き金を引いた時から覚悟はあるさ」

 

シグナム「だが今のお前は帰る術もなく、自分の居た世界とは違う世界にいる。どうするつもりだ?」

 

その一言に、アレルヤは黙り込んでしもうた。

……でも、うちも聞きたかった。アレルヤはこの世界で、何を目指して、何を成すのかを。

 

アレルヤ「…今はまだわからない。けれど…はやて達に受けた恩を返しながら決めるよ。この世界で生きる方法を」

 

そう言ったアレルヤの顔は、やっぱり悲しげな笑顔だった。

………場の空気が重いなぁ…せや!和ませついでに久々にアレルヤをからかってみよ!

 

はやて「恩返しか〜、それならええ方法があるんやけど……聞きたい?」

 

うちの言葉に全員がこちらを向く。…やば、顔がにやけてしまいそうや。

 

アレルヤ「あまりいい予感がしないんだけど……一応、聞くけどなんだい?」

 

むむ…やっぱりアレルヤは鋭いなぁ。

 

はやて「簡単や、うちとデートして欲しいだけやし」

 

…………場の空気が固まった。ありゃ?もしかして、外してもうた?

 

アレルヤ「いいよ」

 

フェイト「アレルヤ!?」

 

なのは「そんなにあっさり!?」

 

はやて「やったー!何でも言ってみるもんやな!」

 

場の空気を和ませるつもりがデートの約束をする事になるとは………正直な話、マリーさんがおるから断られるかもしれへんと思ってたし、冗談半分やったし、嬉しさ2倍や!!

 

はやて「それなら今度の休みにデートやからな!忘れんといてな、アレルヤ!」

 

アレルヤ「あ、ああ。今度の休みだね。分かったよ、はやて」

 

アレルヤに詰め寄って約束させる。アレルヤはたじろいで少し後ろに下がった。

 

はやて(くふふ…なのはちゃんとフェイトちゃんには悪いけど、これで先手はもろうた!)

 

その日、うちは今度の休みは何をしようか悩んでなかなか寝付けなかった。

 

 

 

なのはSide

 

 

 

夜、私は寝付けなかったのでパジャマにもう一枚ほど羽織って外に出た。

 

なのは「…少し寒いかな」

 

手摺りに腕を乗せて海を眺めていると暗く…飲み込まれてしまいそうな錯覚をしてしまった。

 

なのは「………いいなぁ」

 

思い出したのはアレルヤとのデートを約束したはやてちゃんの笑顔。

私だって女の子だし、異性に興味が無いわけじゃ無い。

男の人には何度か手紙を貰ったり、告白されたりもしたけど……いまいちよく分からなかった。

誰かと付き合いたいとも思わなかった。そんな時に私はアレルヤに出会った。

 

ハレルヤの厳しい言葉は…自分の愚かさを知ることになった。

 

アレルヤの優しい言葉は…暖かくて、何かに抱きしめられてる感じがした。

 

そして彼の過去を知った今でも私は……彼が好きなんだ、と自覚できた。

 

なのは「……アレルヤ」

 

アレルヤ「僕がどうかしたのかい?」

 

なのは「にゃああああ!!」

 

アレルヤ「うわっ!」

 

アレルヤの名前を呟いたら本人が答えた事に私はびっくりした!

振り返るとアレルヤが私の後ろに立っていて、本人も驚いた表情をしてた。

 

なのは「な、なんでアレルヤがここに!?」

 

アレルヤ「いや、特に意味はないけど……散歩してたんだよ」

 

アレルヤの服装はトレーニングウェアでスバル達が使ってるのと色違いのやつでアレルヤのはシャツもズボンも黒色のモノだ。

 

なのは「そ、そうなんだ…」

 

アレルヤ「………僕が言うのもなんけど、大丈夫かい?」

 

なのは「う、うん…大丈夫だよ?」

 

私は考えてる事を表情に出さないように笑顔をつくる。

 

アレルヤ「…そう、ならいいんだけど…。あ、そういえば…明日だよね?保護した女の子の所に行くのは」

 

なのは「え…うん。そうだけど、それがどうかしたの?」

 

確かに明日は朝一にシグナムさんと一緒に聖王病院に行くけど…

 

アレルヤ「僕も一緒に行っていいかな?少し、気になる事があってさ」

 

気になる事か…

 

なのは「あ、えっと…いいよ。一緒に来ても」

 

アレルヤ「そう、よかっ…「その代わりにね…?」…ん?」

 

私が考えてる事は、本当は卑怯な考えだと思う。けれど…一度だけでも、きっかけが作りたかった……アレルヤと過ごすきっかけが……。

 

なのは「多分、保護した女の子はしばらくの間は六課で預かる事になると思うの。だから、預かってる間は私達と一緒にアレルヤにもいろいろと手伝って欲しいんだけど……それを約束してくれるなら一緒に来てもいいよ?」

 

これで約束してくれるなら私はその娘の為に、という題目でアレルヤといる時間を作る事が出来る。

 

……最低だなぁ、私は…

 

アレルヤ「分かった、僕も手伝うから必要な時は言ってね」

 

アレルヤは笑顔で答えてくれた。

 

…胸の奥がチクチクと痛い……

 

なのは「うん、分かったよ。じゃあ明日の朝7時に部屋に向かえにいくから準備していてね」

 

私は胸を軽く押さえてアレルヤに背を向け、隊舎の自分の部屋に向かって歩く。

 

……息が、少し苦しいな…

 

 

 

レントSide

 

 

 

レント「可愛い顔をしてやることが黒いな、高町なのは」

 

なのはの背中が見えなくなったところで私はアレルヤと変わる。

アレルヤは分かっていなかったが私には分かった。

アレルヤといる為に何か口実をつくらないといけない、何かを利用しなければ…そんな黒い感情が高町なのはからは読み取れた。

 

レント「ククッ…。正義の集団といっても所詮は人間というわけだ」

 

人はきれいごとだけでは生きてはいけない。遅かれ早かれ、必ずどこかで汚れてしまう。今の高町なのはにとっては苦しい事だろうが…

 

レント「慣れてしまえば何てことはない。それが何時になるかはわからないがな……。しかし高町なのは…何処かで見たことがあるような気がするのだが…?」

 

私は数秒ほど考え込むが過去の消滅の影響か、思い当たる記憶がない。多少の不快感はあるが今後の楽しみを見つけたのもあり、私はいい気分のままアレルヤの部屋に帰る事にした。




誤字等、間違いありましたらご連絡をお願いいたします(´∇`)
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