魔法戦記リリカル00 ~世界を越えた超兵の話~(改定前)   作:かねごんマークII

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更新がなかなか出来ずに申し訳ないです


第24話 闇の静寂

レントSide

 

 

強制的にアレルヤと入れ替わり、両腕に装備されているGNマシンガンをエクシアとキュリオスに放つ。

両者は突然の攻撃に過敏に反応してその場から飛び退き、上空へと逃げた。

 

 

レント「けほっけほっ!…ふぅ、では始めるとしようか…」

 

首を絞められていたせいで少し苦しいが戦闘には支障はないだろう。内臓をいくつかやられていたが私の力であればこの程度はかすり傷みたいなモノだ、すぐに治癒できてしまう。

 

レント「フム、これで問題ない」

 

強制的に入れ替わったせいでアレルヤは意識がとんだようだ。ハレルヤは……彼は正直よくわからない。だが今は出て来る気配がない。

 

レント(なら、好きにやらせてもらうか。この体にも慣れておきたいし…その前にアリオスをどうにかしないとな…)

 

今のアリオスは頭部と両肩のビームシールド部分が大破していて私のバリアジャケットが展開できない。ダメージも大きく、今の私には邪魔なだけだ。

 

レント(フム…私のバリアジャケットを使うか)

 

レント「アリオス、バリアジャケット解除」

 

私が出た事で機能停止したアリオスだが言葉には反応したらしく、バリアジャケットが解除される。

 

レント「出でよ、我が甲冑」

 

代わりに展開したバリアジャケットはソレスタル・ビーイングの制服を黒く染め、その上からロングコートを羽織った簡素なモノだ。

 

レント「(GNドライヴは使えない…アリオスの武装は魔力で補えばいいか)……と。危ないな」

 

いきなり飛んできたモノをビームサーベル…いや、ビームの代わりに出来た魔力刃でそれを弾き飛ばす。

ソレは少しの間、空を舞った後、地面に突き刺さった。

私が弾き飛ばしたのはエクシアが投擲してきたGNブレードだった。

 

レント「やれやれ…せっかちな奴らだ。娘、しばらく我慢していろ」

 

はやて「へ?きゃ…!」

 

私は小娘を右脇に抱えて上空へと飛び、上昇していく。

 

キュリオス「……」

 

すぐに私を追いかけてきたキュリオスとエクシアはビームを撃ってくるが…

 

レント「当たらんな」

 

私は少しの動作でそれを全て回避する。

 

レント「(やはり…この体、反応がいいな。それに敵の動きや攻撃が遅く感じる)では、手始めに…シュベールト・アハト、展開」

 

8本の黒い剣が私を中心に切っ先を外に向けて周囲を回りながら出現する。最初の狙いは…キュリオスにするか。

 

レント「逝け!」

 

命令と同時に8本の剣がその場から射出されキュリオスに向かっていく。

 

キュリオス「…!」

 

当たる…と確信した、がキュリオスの後ろにいたエクシアがキュリオスの前に出て私の剣を両手のビームサーベルで全て弾き飛ばし、そのまま私に向かってきた。

 

レント「ほぅ…よくやる。だが、残念だったな」

 

よく動くエクシアに感心しつつ、私は弾き飛ばされた黒い剣を操りエクシアの背後から両肩と頭を突き刺した。

 

エクシア「……!!」

 

頭を貫かれたせいか、エクシアが墜落すると同時にヴァーチェとアイン、デュナメスがそれぞれのライフルやキャノンを撃ってくる。

 

レント「(後の事を考えるとこちらの手札はあまり見せたくはないな…)……娘、飛行魔法はできるな?」

 

はやて「で、出来るけど…?」

 

レント「なら…お前は離れていろ」

 

はやて「へ?きゃあっ!!」

 

相手の攻撃をかわしつつ、小娘を後ろの方に放り投げ、接近してきたキュリオスのビームサーベルを私はしゃがんで避け、体をおこすと同時に魔法で出した黒い剣を左手で握り、キュリオスの右腕を切り飛ばした。

 

キュリオス「!?…!」

 

キュリオスはすぐさま左腕に装備されているシールドをクロー形態にして私の首に向けてクローを延ばし、掴んでくる。

 

レント「…残念、無駄だ」

 

次の瞬間には、私は左手の剣を手放し、操ってキュリオスの頭を横から貫いた。機能停止したキュリオスもエクシア同様に墜落していった。

 

レント「……なるほど、囮だったか」

 

キュリオスが私の相手をしている間に残りの3機は撤退していて、周囲には居なかった。私は地上に降りてバリアジャケットを解除する。

 

レント(とりあえずは今回は体に慣れる為に魔力を抑えて戦ってみたが…悪くない。本気を出して戦ってみたいが…体に負荷をかけない為にも少しずつ魔力を出していってみるか)

 

多少は時間がかかるが…この体が私の魔力に耐えれるようになれば…

 

レント(後々楽になるしな…)

 

はやて「少し、ええかな?」

 

後ろを振り向くと先ほどの小娘が疑いの眼差しで私を見ていた。その強い眼差しを受けて、私は雷に討たれたような感覚に襲われた。

 

はやて「あんた、アレルヤじゃないよね。誰や?」

 

レント「……くくく、はははははははは!!」

 

はやて「な、何や?」

 

レント「くくく…いや、何でもないさ」

 

傑作だ!!復讐の対象の一人が身近にいようとは!!

アレルヤの記憶で小娘達の姿形を真似てはいたが、それはアレルヤの心に隙を作るためでしかなかった…ハレルヤに邪魔されて失敗に終わったが。

 

レント(戦闘中で気にしていなかったが…そうか、ようやく思い出したぞ。この小娘が私の復讐する相手だということが!)

 

今、この場で切り裂いてくれようか…いや、駄目だ…この場で切り裂いてしまっては私の復讐は完遂できない…今は時ではないな。

チャンスはまた巡ってくるだろう…今回は引き下がるとするか。

 

レント「我が名はダーク・サイレント……レントと呼べ、娘」

 

はやて「レント…」

 

む……高い魔力を持つ者が何人か近づいて来ているな。そろそろ下がるとしようか…。

 

レント「今日はここまでか…また会おう……夜天の王よ」

 

はやて「へ…?」

 

私は小娘に別れを告げて意識を沈めた。

 

 

 

はやてSide

 

 

 

レント「今日はここまでか…また会おう……夜天の王よ」

 

はやて「へ…?うわっ!」

 

そう言ったレントがいきなり倒れてきてうちは下敷きにされてしまった。

 

はやて「ちょ!?まずい、こんな場面だれかに見られたら…!」

 

戦闘の疲れでアレルヤの体を動かせず、うちに覆いかぶさった状態……ようは他人からは、ぱっとて見アレルヤがうちを襲ってるように見えるやんか!

 

はやて「アレルヤ!アレルヤ!起きて、アレルヤ!」

 

必死にアレルヤを揺するけど起きる気配がない!

 

はやて「アレル…ひぁん!?」

 

アレルヤの息がうちの首に当たり、背中がゾワゾワした!

 

はやて「ちょ…ほんまにまず…ふぁぁ!!」

 

ヤバ…変な気持ちになってきた…

 

リイン<ふあ〜…はやてちゃん、大人の階段を昇るですか?>

 

はやて「リイン!今までなにやって…はあん!?」

 

アレルヤの息で最後まで喋れへん…!

 

リイン<ごめんなさいです。キュリオスの攻撃を受けた時に気を失ってしまいました…>

 

はやて「そうやったんか…て、今はそれどころやない!リイン、ユニゾンアウトして助けて!!」

 

リイン<了解ですぅ!>

 

そしてリインがうちの上からアレルヤをどけてくれたので何とか助かった。

 

はやて「はぁ…はぁ…あかん、変な気持ちや…」

 

リイン「はやてちゃん、顔が赤いですよ〜?」

 

リインがニヤニヤとうちを見ていたけど力が入らないので後でお仕置きする事にした。

 

 

 

シグナムSide

 

 

 

今、私とヴィータは主はやてとアレルヤの救援の為に全力で現場へと向かっていた。

 

シグナム「我々の留守を狙われるとは…!!」

 

ヴィータ「クソッ!はやてに何かあったらスカリエッティをぶっ潰す!」

 

飛行速度を更にあげて現場に向かう途中、三つの赤い光が離れて行くのが見えた。

 

シグナム「あれは…」

 

ヴィータ「ガンダムか!」

 

レヴァンティン<離れて行く機影を確認。データ照合の結果、ガンダムデュナメス、ヴァーチェ、スローネ・アインと一致した>

 

クラーフアイゼン<急いだ方がいい、マスター>

 

ヴィータ「言われなくても分かってらぁ!!」

 

シグナム「………見えた!」

 

視界に見えたのは人工島の港らしき場所で主はやてが座り込んでいる姿だった。主もこちらに気付いたのか手を振っている。

 

シグナム「よかった、ご無事だったか」

 

ヴィータ「はやて〜〜!!」

 

我々が現場に着地した瞬間、ヴィータが主に抱き着いた。

 

はやて「皆に心配かけてしもうたなぁ…ありがとうな、ヴィータ、シグナム」

 

シグナム「いえ、主がご無事でなによりです」

 

ヴィータ「はやて、怪我とかしてない…よ…な?」

 

ヴィータが主から離れて服を見る。よく見れば……なにやら服装が乱れているような…おまけに主はやての顔が赤い…

 

シグナム「主、本当に大丈夫ですか…?」

 

はやて「へ!?だ、大丈夫、大丈夫や!!それよりアレルヤを治療せなあかん!!」

 

両手を勢いよく振る主……怪しさ全開だが今は置いておくとしよう。

 

シグナム「わかりました…とりあえずはこちらに応援の部隊が向かってますからそれを待ちましょう」

 

ヴィータ「アレルヤには…たいした怪我は無ぇみたいだしな」

 

そして到着した応援の部隊に事情を説明し、事後処理を頼んだ。

 

シグナム「……ガンダムか…」

 

撃墜したガンダムについては分析するために六課に運び込む事になった。

 

シグナム「?、この傷はおかしいな…」

 

エクシアの頭部を見ていて違和感を感じた。鋭いモノで貫かれた事は解るが何故、縦に貫いた跡があるのだ?

 

シグナム(主はやては近接戦闘は出来ない……アリオスのビームサーベルでも無いし、シールドクローなら横に貫いた跡が残るはず…)

 

第三者がいたとは聞いていないしな…

 

シグナム(後で主に聞いてみるか)

 

ヘリのモーター音が聞こえたので空を見上げる。

 

シグナム「迎えが来たか」

 

私たちは迎えに来たヴァイスのヘリに乗り込み、六課に戻った。

 

 

 

アレルヤ・ハレルヤSide

 

 

 

アレルヤ「う……、ここは…」

 

目が覚めると白い天井が目に入った。どうやら…また医務室にお世話になったらしい。

 

アレルヤ「…………」

 

頭がぼんやりとする。そもそも…何で医務室にいるんだろうか…。

 

レント「私が教えようか?」

 

アレルヤ「……?な!?」

 

体をおこして鏡に写る自分を見ると驚きで頭が一気に覚醒した!

 

レント「おはよう、アレルヤ」

 

アレルヤ「どうして…!目が赤く!?」

 

僕の目が“銀と赤のオッドアイ”になってるんだ!?

それに…なんでハレルヤじゃなくてレントが出てきてるんだ!?

 

ハレルヤ「テメェ…!ついに出てきやがったか!」

 

次は“金と赤のオッドアイ”になる。

 

レント「おいおい、あまり怒らないでくれよ。ピンチを助けてあげたじゃないか」

 

アレルヤ「?、どういう事なんだい?」

 

レント「ああ、覚えてないのか…君とハレルヤはスローネアインに撃墜されたんだ。その時、私が表に出てガンダムを撃退したのさ。証拠もあるぞ?エクシアとキュリオスは私が破壊した後にここに持ち帰ったみたいだからな」

 

そうなんだ…助けてくれたのか。

 

ハレルヤ「んな事はどうでもいいんだよ!あの時、テメェは復讐の対象を見つけたとか吐かしやがったな!?」

 

アレルヤ「復讐の相手?」

 

あの場にいたのは……

 

アレルヤ「まさか…はやて、なのか?」

 

鏡にうつるレントはニヤリと笑みをつくった。

 

アレルヤ「そんな…」

 

ハレルヤ「……チッ!」

 

レント「そんなに気落ちすることはないよ。彼女に復讐すれば君達は帰る事が出来るんだ」

 

アレルヤ「だからと言って!」

 

レント「おや、誰か来たみたいだ。では失礼するよ…」

 

ハレルヤ「チッ!逃げやがったか…アレルヤ」

 

アレルヤ「ああ…分かってるよ、ハレルヤ」

 

鏡の中の僕は、もとの金と銀のオッドアイに戻っていた。

 

アレルヤ(させないさ…復讐なんて事は)

 

帰る事を諦めた訳じゃない、レントとは違う手段を考えればいいだけだ…。考えていると医務室のドアが開いた。

 

なのは「あ、目が覚めたんだね」

 

入ってきたのはなのはだった。隣にはヴィヴィオもいた。

 

ヴィヴィオ「………」

 

アレルヤ「……おはよう、ヴィヴィオ、なのは」

 

するとヴィヴィオは無言で僕の寝ているベットにのぼると僕に抱き着いてきた。

 

アレルヤ「…?、どうかしたのかい?」

 

なのは「心配だったんだよ。アレルヤ、半日くらい気絶…というか寝てたから」

 

時計を見ると既に夜の21時を過ぎていた。

ヴィヴィオはしっかりと僕に抱き着いて離れようとはしなかった。僕はその小さな体を優しく抱きしめる。

 

アレルヤ「ありがとう、ヴィヴィオ」

 

ヴィヴィオ「……うん」

 

この子は、優しい子だ…

 

なのは「後ね、話しておく事があるんだ」

 

なのはを見ると、どこか嬉しそうだ。いいことがあったのかな?

 

なのは「あのね……私、ヴィヴィオの保護観察者…つまり、一時的な保護者みたいなものになったんだよ//」

 

アレルヤ「…うん、それで?」

 

なのはの顔が少しずつ赤くなっていく。視線も何だか泳いでるし…。

 

なのは「それで、フェイトちゃんとはやてちゃんも私と同じようにヴィヴィオの保護者になってくれたの///」

 

なんだろう…嫌な予感、というか凄いことを言われそうな気がする…。

 

なのは「そ、それでね?その……ヴィヴィオがね?その……///」

 

その後の言葉がよく聞こえない…なのはの顔は耳まで真っ赤になっていた。

 

アレルヤ「……ヴィヴィオ、なのはに何を言ったのかな?」

 

ヴィヴィオ「あのね、アレルヤにね、パパになって欲しい、て言ったの」

 

……………はっ!?

 

アレルヤ(一瞬、頭が真っ白になってしまった…それにしても……パパか…)

 

なのはの方は顔を俯かせながらチラチラとこちらを見ていた。ヴィヴィオは僕を見上げて答を待っていた。

 

アレルヤ「……ヴィヴィオ…僕はね、目的の為に沢山の人を困らせた悪いやつなんだ」

 

ヴィヴィオは不思議そうに僕を見上げていた。鮮やかなオッドアイが僕を見つめている。

 

アレルヤ「そんな悪いヤツが良い父親になれるとは思わない。それでも…君が僕を必要としてくれてるなら、僕は…僕は君のパパになるよ。ヴィヴィオ」

 

ヴィヴィオ「パパに…なってくれるの?」

 

アレルヤ「君がそれを望むのなら。そうだよ、僕は君のパパだ、ヴィヴィオ」

 

ヴィヴィオ「う…、パパ、パパ〜〜〜!!」

 

次の瞬間、ヴィヴィオは大泣きし始めた。

 

アレルヤ「ど、どうしたんだい?」

 

なのは「アレルヤがパパになってくれて嬉しかったんだよね、ヴィヴィオ」

 

なのはが優しくヴィヴィオの頭を撫でる。その表情は優しい…とても優しい表情だった。

 

しばらくするとヴィヴィオは泣き疲れて寝息をたて始めた。

 

アレルヤ「寝てしまったか…」

 

なのは「うん…」

 

はやて「よう寝てるなぁ」

 

フェイト「うん、可愛いね」

 

アレルヤ「……いつ来たんだい?二人とも」

 

いつの間にかはやてとフェイトがなのはの隣にいた。

 

はやて「ん?なのはちゃんがアレルヤにヴィヴィオの保護者になった…辺りから扉のところにおったよ」

 

そんなに前からいたんだ…でも、なんでそんなにニヤニヤしてるんだい?はやて。

 

はやて「いや〜、それにしても、これでアレルヤはなのはちゃんとフェイトちゃんとうちの三人の夫になった…て事やな//」

 

フェイト「ふ、夫婦…なんだね///」

 

なのは「にゃははは…///」

 

そんなに恥ずかしがられると僕まで恥ずかしくなってくるんだけど…

 

アレルヤ「夫婦か……でもいいのかい?僕には…「ストップ」」

 

フェイトの人差し指が、僕の唇を軽く押さえて言葉の続きを喋れなくする。

 

はやて「ええんや。アレルヤには大切な人がおる事は知っとる。それでも、うちはアレルヤとハレルヤが好きなんや」

 

フェイト「この気持ちに嘘偽りは無いよ。私は…貴方が好きなんだ。アレルヤ、ハレルヤ」

 

なのは「私も…情けない私を、間違っていた私を気付かせてくれたアレルヤとハレルヤが好き」

 

彼女達の瞳は…とても綺麗で、不安な色を見せていた。

 

アレルヤ「……ありがとう、なのは、フェイト、はやて」

 

だけど……僕は……

 

アレルヤ「この先、いつかは分からないけれど…僕が元の世界に帰る日が来るかもしれない、それでも、いいのかい?」

 

すると三人は一瞬、驚いた表情をしたあとに…

 

フェイト「だったら私達から会いに行くよ」

 

なのは「逃がさないからね?アレルヤ」

 

はやて「恋した乙女を舐めたらあかんよ?」

 

笑顔で即答された。

 

ハレルヤ(年貢の納め時、てやつだなぁ?アレルヤ)

 

アレルヤ(それは君もなんだけど?ハレルヤ)

 

三人「「「それで、答えは?」」」

 

覚悟を決めて、彼女達に自分の想いを僕は伝える事にした。

 

アレルヤ「分かった…。僕でよければ、よろこんで」

 

次の瞬間、彼女達は凄く喜んで、はしゃいでいた。その様子を見て、僕は新たに決意する。

 

アレルヤ(この先、どんな事があろうとも皆を守ろう。ソレスタル・ビーイングとしてでもなく、ガンダムマイスターしてでもなく、ただの一個人として、アレルヤ・ハプティズムとして…)

 

だからさ……君の好きにはさせないよ、レント。

 

 

 

カイゼルSide

 

 

 

今、私は次元航行艦クラウディアの艦長であるクロノ・ハラオウンの艦長室に来ていた。

 

カイゼル「しかし、急に呼び出すとは…貴方らしくないな。クロノ・ハラオウン提督」

 

クロノ「すまない、今回は君の手を借りなければならない事態なんだ。カイゼル」

 

クロノと私はヴェロッサ繋がりの友達で、今回みたいに互いの仕事の手伝いをする事もある。

 

カイゼル「さて…今回は急な呼び出しだった訳だが、何が起きたんだ?」

 

クロノ「……君は新造された戦闘用次元航行艦、スキュラスを知ってるか?」

 

確か…最近は管理局のどこからか流出した次元航行艦を使用した海賊みたいな奴らを逮捕する為に造られた艦だったな。

 

カイゼル「知っているが、それがどうかしたのか?」

 

クロノはコーヒーを一口飲むとため息を吐き出した。

 

クロノ「ハァ……そのスキュラスが先日、撃沈された」

 

カイゼル「………それと私に何の関係が?」

 

クロノ「見て、聞いてくれれば解る……スキュラスから回収されたブラックボックスの記録をな…」

 

クロノが手元のキーボードを叩くとモニターが現れ、映像が流れる……映像はスキュラスが撃沈される1時間前のモノだった。

 

艦長『く…!索敵を急げ!全砲門開け!弾幕を張るんだ!』

 

クルー『駄目です!以前として敵影なし!ああ!?敵の攻撃により第8区画から第15区画に火災発生!』

 

艦長『消火班を向かわせろ!消火不可能なら第6区画と第17区画の隔壁を閉鎖させろ!』

 

そんな調子で少しづつ追い詰められていくスキュラス…。遂には戦闘行動どころか航行不能にまでされてしまった。

 

艦長『くそ!ここまでか……!!』

 

?『なかなかしぶといね。この艦は』

 

クルー『て、敵影を捕捉しました!モニターに出します!』

 

私は、自分の目を疑った。そのモニターに現れたのは…

 

艦長『ガ、ガンダムだと…!』

 

ガンダムだった。

 

?『ははははは…どうだい?ご自慢の新造艦をここまでボロボロにされた気分は?』

 

艦長『貴様…!誰だ!?なぜこのような事をする!?』

 

?『そんな事…言う義理は無いね』

 

赤と白のガンダムはビームをスキュラスに撃ち込む。

 

クルー『…っ!動力部に被弾しました!!』

 

?『だが…特別に教えてあげようか。冥土の土産にね…僕は神だよ』

 

艦長『神…だと?』

 

?『そう、神だ。僕は人類を導く者であり、人々を破滅から救う救世主なのさ』

 

艦長『ほざけ!!狂人が!!』

 

?『…僕の言葉を理解できない下等な君達はこれからの世界にはいらないな…………さようなら』

 

次の瞬間、映像は砂嵐になった。つまり……スキュラスの艦橋がやられた、ということだ。

 

クロノ「………言いたい事は解るな?」

 

カイゼル「…疑っているのか。アレルヤを」

 

クロノは椅子に深く腰掛けるとまた一口、コーヒーを飲んだ。

 

クロノ「この映像は上層部でもほんの一握りの人間しか知らない事だ。最新鋭の艦がたった一機に撃沈されたなんて知れたら管理局の面子は丸つぶれだからね。……カイゼル、僕は全てを疑っているわけじゃない。だが、ガンダムによってスキュラスが撃沈された……これはまぎれもない事実だよ」

 

く……!ガンダムが関わっている以上、どうにかアレルヤの無実を証明しなければ、彼が逮捕される可能性があるのか。

 

クロノ「明日、僕は聖王教会の騎士、カリム・グラシアに会う約束がある。六課の八神部隊長、高町教導官、そして我が義妹のフェイトも同席する……君にも来てもらいたい、カイゼル・デュナス」

 

カイゼル「……分かった、ならアレルヤも呼んでくれ。彼なら解るかも知れないからな……この白と赤のガンダムの事が」

 

私は席を立ち、出口へと向かう。

 

クロノ「分かった、八神部隊長に伝えておこう。……用件はこれだけだ。呼び立てて済まなかったな、カイゼル」

 

カイゼル「いや、知らせてくれた事…礼を言う。ありがとう、クロノ」

 

クロノに背中越しで別れを告げ、部屋を出る。

 

カイゼル(……早くしなければな)

 

不測の事態に備えて、阿修羅の改良を急がなければ…だがバリアジャケットの方は完成しているし、捕獲したジンクスの擬似GNドライヴも改造が終了している。後は切り札である…

 

カイゼル「トランザムシステム……早く解析して使用可能にしなければな」

 

私は急いで帰宅し、明日の準備をしたあとに解析の為にモニターに向き合った。

 

 

 

はやてSide

 

 

 

ヴィヴィオとの話が一段落し、なのはちゃんとフェイトちゃんがヴィヴィオを寝かしつけに自室に戻ったので、うちはアレルヤに今日の事、レントについて聞くことにした。

 

はやて「なぁ、アレルヤ。今日のアレ……レント、て三人目の人格なんか?」

 

アレルヤ「………」

 

はやて「?、アレルヤ?」

 

両目を閉じて、何も反応しないアレルヤに声をかけると……

 

ハレルヤ「…悪ぃが、俺もアレルヤも奴に関しちゃ何も分からねぇ」

 

はやて「!?、ハレルヤ?」

 

反応したのはハレルヤで、その開かれた両目は…

 

ハレルヤ「あ?」

 

はやて「なんで、両目が金色なんや?」

 

鮮やかな金色になってた。

 

ハレルヤ「さぁな……ただ、一つ言っといてやる……レントは信用すんな。アレは腹にどす黒い何かを抱えてやがるからな…」

 

はやて「どす黒い、何か…」

 

アレルヤ「………はやて、君は特に気をつけてね。分かってると思うけど、レントは君に執着してたから…」

 

はやて「う、うん//」

 

アレルヤは真剣な表情でうちを見つめていた。

 

アレルヤ「仮に…本当にもしもの時は……僕とハレルヤでもレントを抑え切れなくなったら…」

 

はやて「…アレルヤ?」

 

アレルヤの言葉は、最後の方が小声で聞こえなかった。彼は苦笑しながら何でもない、と答えた。

 

アレルヤ「さぁ、もう夜も遅いしはやても寝た方がいいよ。僕は此処でもう一眠りさせてもらうからさ」

 

はやて「せやね、うちも寝ることにするわ。おやすみ、アレルヤ」

 

会話が終わって、部屋を出る前にもう一度、彼の目を見ると…。

 

はやて(あ…瞳が元に戻ってる)

 

いつの間にか、彼の瞳の色は元の金と銀色に戻っていた。

 

 




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