魔法戦記リリカル00 ~世界を越えた超兵の話~(改定前)   作:かねごんマークII

27 / 42
第25話 明かされ始めた真実

アリオスSide

 

 

 

ガンダム達の襲撃から翌日、私はデバイスルームで自身の修復中に、先の戦闘でのマイスターの変わりようについて考えていた。

 

アリオス(あれが以前、マイスターが話していた第3の人格、レントなのでしょう……)

 

レントが出てきた時、私は機能を殆んど停止してしまっていたが一部のシステムは稼働しており、レントの様子を観察していた。だが、途中から稼働していたシステムも停止してしまった。

 

アリオス(そして私が再起動した時には全てが終わった後だった…)

 

目の前にあったのはガンダムエクシアとキュリオスの残骸であり、残りの3機は撤退したらしく現場から離れる所を確認したとレヴァンティンから聞かされた。

 

アリオス(八神部隊長にも話を聞かなくてはいけませんね……)

 

そういえば…私が機能停止する前に八神部隊長はマイスターに愛の告白みたいな事を言ってましたね…

 

アリオス<…デバイスである私が言う事ではありませんが……最近、マイスターの女性関係が凄い事になり始めていると思うのですが……シャーリーはどう見ますか?>

 

私の修復をしてくれていたシャーリーはモニターから顔をあげる。

 

シャーリー「ん?そうだね〜…最近のフェイト隊長はハレルヤさんにやられっぱなしだね〜」

 

その言い方は様々な誤解を招きますよ、シャーリー。

 

シャマル「最近はなのはちゃんもアレルヤくんを意識してるみたいだしねぇ…」

 

アリオス<……シャマル先生、いつの間にいらしたのですか?>

 

シャマル「ん?おもしろそうな話が聞こえてきたから寄ってみたの」

 

シャーリー「八神部隊長はアレルヤさんにアタックをかけてるんですよね?」

 

シャマル「ええ…でも最近は悩んでるみたいなの、アレルヤ君に彼女がいる事が分かったから…」

 

シャーリー「でもアレルヤさん、そんな事は一言も言って無かったんですよね?」

 

アリオス<マイスターは一部の記憶の欠落があったのですが生活に支障が無かったので問題を後回しにしていました。おまけにマイスターが記憶を取り戻そうとした時、かなりの頭痛に襲われていたので…私がおいそれと教える訳にもいかなかったのです>

 

シャマル「う〜ん、仕方ないとはいえ…やっぱり報われない恋になるのかしら?はやてちゃん」

 

シャーリー「フェイト隊長もどうされるつもりなのでしょうか…」

 

二人とも真剣に悩んでいるようです。

マイスター・アレルヤはマリーさん一筋のような感じでしたが…最近は八神部隊長に惹かれているところがあるようですし、マイスター・ハレルヤは宣言されている通りハラオウン執務官を狙っていますし…高町教導官はマイスターに好意を抱いているようですし…

 

アリオス(マイスターの苦労は尽きませんね)

 

するとマイスターがヴィヴィオ嬢を連れてデバイスルームに入ってきました。

 

シャマル「あら?アレルヤ君、体はもう大丈夫?」

 

アレルヤ「うん、お蔭さまでね…シャーリー、アリオスは話せるかな?」

 

シャーリー「大丈夫ですよ。それと、アリオスの修復の方はもう少しで完了してますから、ちょっとだけ待っていて下さいね」

 

アレルヤ「ありがとう、シャーリー。助かるよ」

 

所々に包帯を巻いているマイスター…私は自分が情けないと思う。

マイスターを守るはずの私が機能を停止させられたうえに、怪我までさせてしまった。

 

アレルヤ「アリオス、調子の方はどうだい?」

 

アリオス<良好です、マイスター。それと、先の戦闘での事は……>

 

アレルヤ「さっきはやてから聞いたよ。レントが出て来た事だろう?」

 

アリオス<はい…>

 

アレルヤ「後でみんなに説明しないとね」

 

そう言って椅子に座るマイスター。その膝に座るヴィヴィオ嬢…穏やかなその光景は幸せな親子そのものだ。

 

ヴィヴィオ「パパ、あれは何?」

 

!?、今、なんと!?

 

シャーリー「パパ!?アレルヤさん、ヴィヴィオちゃんのパパになったの!?」

 

アリオス<あの、マイスター?パパとは…?>

 

アレルヤ「あぁ…その、説明するんだけど、かなり驚くよ?」

 

マイスターの表情は嬉しそうな…というか苦笑していた。

 

シャマル「面白そうな話ね?聞かせてちょうだい」

 

そして始まる説明……内容に私、シャマル先生、シャーリーはかなり驚いた。

 

アレルヤ「これで説明は終わり。あまり人には喋らないでね?」

 

アリオス<はい、了解しました>

 

シャーリー「分かりました」

 

シャマル「それにしても……三人の妻に一人の子供、考えると凄い事よね…(恐らくはやてちゃんの策略だろうけど)」

 

ですが……そんな幸せがマイスターにあっても私はいいと思う。

苦しんだ辛い過去、そしてやっとの思いで再会できた愛しい人とすら二度と会えない可能性…不幸であった分、幸せになって欲しいと思う。

 

アリオス<何はともあれ、おめでとうございます。マイスター>

 

アレルヤ「はは…ありがとう、アリオス。ところで話は変わるんだけど“例のアレ”は順調なのかい?」

 

“アレ”ですか…

 

シャーリー「現在は70パーセントは完成してますよ」

 

アレルヤ「そうか…」

 

シャーリー「後は使用者に合わせて調整が必要なんですけど……これは内密に話を進めた方がいいんですよね…」

 

シャーリーがキーボードを操作して画面を表示する。そこには待機状態の私……アリオスとは“色違いのプレート”が三枚ほど映っていた。

 

アレルヤ「そうだね…とりあえずは最終調整まで完成したら僕とアリオスから皆に話すよ。それまでは今までのデータでやっておいてくれるかい?シャマルも完成するまでは、皆には黙っておいてくれるかな?」

 

シャマル「ええ、分かったわ」

 

シャーリー・アリオス「<了解しました>」

 

ヴィヴィオ「ねぇ、パパ。これはなに?」

 

パネルを指差して質問してくるヴィヴィオ嬢。これくらいの年頃の子供は何にでも興味を持つのでしょうね…

 

アレルヤ「これはね、ママ達の為に作ってるんだよ。何を作っているのかは出来上がるまでは内緒だけどね」

 

ヴィヴィオ「ふーん……じゃあ、あれは?」

 

次に指差したのはマイスターとレントが破壊したガンダム………スローネ・ツヴァイ、エクシア、キュリオスでした。

 

アレルヤ「アレはガンダム…ロボットだね。でも…何で修理してあるんだい?」

 

アリオス<一応、非常事態の時の為に六課の防衛をさせようかと思い、シャーリーに修理してもらいました。AIは既に新しいモノを掲載し、起動可能状態です>

 

シャーリー「ちなみに八神部隊長には修理許可をもらって起動許可を申請してますから大丈夫です!」

 

アレルヤ「ならいいけど…。扱いには気をつけてね」

 

シャーリー「了解!」

 

シャーリーは喜々としてキーボードを叩く。例の“アレ”を作る時も一週間はほぼ不眠不休で画面を睨んでましたし……

 

アリオス(………まぁ、いいか…)

 

この件について、私は我関せずを貫く事にした。

 

 

 

カイゼルSide

 

 

 

時間を確認すると朝の4時になっていた。目を覚ます為に熱いコーヒーを飲み干す。ふむ…

 

カイゼル「味が解らん」

 

まずいな……連日の徹夜による疲労で感覚が狂っているみたいだ。

 

カイゼル「しかし………遂に、遂に完成した!」

 

阿修羅<おめでとうございます、主>

 

スサノオのデータを貰ったその日から何日も掛けて遂に解析できたのだ!!

 

カイゼル「トランザムシステム……機体のスペックを三倍にするシステム…」

 

早速、使ってみたいが……あいにくと時間が無い。

 

カイゼル「はぁ…阿修羅、聖王教会には何時に行くのだったかな?」

 

阿修羅<正午です、主>

 

そうか…ならシャワーを浴びて、着替えて現地に着いてから寝るとするか…

 

カイゼル「……阿修羅、昨日クロノが見せてくれたスキュラスを攻撃したガンダムだが……」

 

阿修羅<該当データはありませんでした…ですが姿が類似するデータはありました>

 

カイゼル「見せてくれ」

 

モニターに表示されたのは確かにクロノに見せて貰ったモノと似ているガンダム。だが……

 

カイゼル「アリオスからのデータは擬似GNドライヴが腕に二つだが…」

 

スキュラスのデータには…

 

カイゼル「“腕と肩に二つずつ”…、計四つの擬似GNドライヴが装備されている…」

 

阿修羅<おそらく改良されたのかと…>

 

フム…だとすれば尚更、アレルヤの無実を証明しなければな…このガンダムは戦闘艦を軽く撃沈させるくらいの力を持っているのは明らかだ。

 

カイゼル「面倒な事になりそうだ…」

 

しかし…このガンダムとも戦ってみたいのも事実……

 

阿修羅<………主、顔がにやけてますよ>

 

カイゼル「!!、そうか…顔に出ていたか」

 

阿修羅<お気をつけを……主の悪い癖ですよ>

 

カイゼル「ああ……善処しよう」

 

阿修羅<……ハルートの事はどうされますか?アレルヤに報告するんですか?>

 

阿修羅からの言葉に、ハイになっていた思考が一気に冷めた。

 

カイゼル「…アレルヤ達には、まだ黙っておこうと思ったが……あまり悠長にはしていられないみたいだしな。今日、本人達に聞いてみようと思う…」

 

阿修羅<了解しました。では、アリオスに連絡しておきます。それと…急ぎ支度を。時間に余裕が無くなります>

 

そうだな…時間が無いんだったな。私は服を脱ぎ、浴室でシャワーを浴びながら阿修羅が言った事を考えていた。

 

カイゼル(そう…時間はあまりない。あいつの預言によれば、だけどな)

 

違法研究施設で入手したハルートのデータ…その中に気になる記述があった。それによれば、ハルートは…

 

 

―革新者へと導く者―

 

 

という存在らしい。それと同時に見つけたアムルタートに隠されている機能…

 

 

―トライアルシステム―

 

 

この二つが何の名前で、どういう意味があるのかは解らないが…

 

カイゼル「いたずらに混乱を招くのは愚策だが…話さなくてはな」

 

シャワーを止めて浴室を出る。服を着て、身なりを整える。

 

カイゼル「さて、行くか」

 

阿修羅<了解>

 

私は部屋を出て、聖王教会へと向かった。

 

 

 

アレルヤSide

 

 

 

アレルヤ「いい天気だ…」

 

ヴィヴィオ「パパ〜、抱っこして〜」

 

はやて「ははは…甘えん坊さんやな、ヴィヴィオは」

 

フェイト「でも…良かったの?ヴィヴィオを一緒に連れて来て…」

 

なのは「う〜ん…仕方ないよ。寮母のアイナさんは急用でいないし、フォワードの四人やシグナムさん達は仕事があるしね」

 

現在、僕達は聖王教会という所に来ていた。ヴィヴィオがこの場にいる理由については…今日は寮母であるアイナさんが不在なのと、本来なら僕は来る予定では無かったから僕がヴィヴィオの面倒をみる予定だったからだ。

 

ハルート「それで…私が呼ばれたのは?」

 

アレルヤ「ハルートを呼んだのはカイゼルみたいなんだ……君の事で何か解ったのかもしれないね」

 

ハルートについては今日、阿修羅を通して連絡があり、ハルートと僕に話したい事があるけど通信だと話しにくい内容なので一緒に聖王教会まで来てほしい……との事だった。

 

シャッハ「騎士はやて!」

 

はやて「シスターシャッハ。お久しぶりです」

 

僕らを迎えてくれたのは以前、聖王病院を案内してくれたシスターシャッハだった。

 

シャッハ「お元気そうでなによりです」

 

はやて「シャッハも元気そうやな。それで…騎士カリムは?」

 

シャッハ「騎士カリムならご自身の執務室にいらっしゃいます。案内しますのでついてきて下さい」

 

彼女の案内におとなしくついていく。ヴィヴィオの事で何か言われるかと思ったけど…

 

アレルヤ(余計な心配だったかな)

 

そしてある部屋の前で彼女は立ち止まり、扉をノックする。

どうぞ、と声がしたのを確認して扉を開けた。

 

シャッハ「騎士カリム、八神部隊長と高町隊長、ハラオウン隊長、それとお連れのかた、三人を案内して来ました」

 

カリム「ご苦労様、シャッハ」

 

中に入ると席には金髪の女性が一人と黒い服を着た男性が一人、そして…

 

カイゼル「悪いな、アレルヤ、ハルート。急に呼び出したりして」

 

同じように黒い服を着たカイゼルが席に座っていた。

 

アレルヤ「構わないよ、カイゼル。聞きたい事があるから呼んだんだろう?」

 

ハルート「私も…自分の事を知りたいしね」

 

自己紹介が始まり、女性はカリム・グラシア、男性はクロノ・ハラオウンと言う人だ。

グラシアさんが此処に居るのは知り合い同士だから楽にしていい、と言われたので肩から力をぬく。

 

フェイト「久しぶり、お兄ちゃん」

 

クロノ「ぶ…お互い、いい歳なんだからお兄ちゃんは止めてくれ//」

 

はやて「はははは……ヴィヴィオ〜、あの人はフェイトママのお兄ちゃんで…ヴィヴィオの叔父ちゃんやで〜」

 

ヴィヴィオはよくわからない…みたいだ。それよりも…

 

カイゼル「なんと…フェイト隊長の子供か、その娘は」

 

カリム「こんな大きなお子さんがいらしたなんて……」

 

クロノ「僕は聞いてないぞ!?フェイト!」

 

グラシアさん、クロノさん、カイゼルは驚きの表情で僕とヴィヴィオを見ている。ヴィヴィオはまだ何か考えていた。

 

ヴィヴィオ「う〜〜ん……パパ、叔父さん…て何?」

 

クロノ「パ、パパ!?今、その娘は君の事をパパと言ったのか!?」

 

カイゼル「やることはやってたんだな、アレルヤ」

 

すごい誤解をされてるような気がする……いや、確実に誤解されてる。

すると僕が何も言わなかったのでヴィヴィオは…

 

ヴィヴィオ「なのはママ、はやてママ。叔父さん、てなに?」

 

さらに爆弾を投下した。

 

 

 

僕がヴィヴィオに叔父さんについて説明し、はやて達はグラシアさん達に説明する。

 

カリム「なるほど…だから彼、ハプティズムさんをパパと呼んでいるのですね…」

 

はやて「そうなんや。分かってくれたか?クロノ君」

 

クロノさんに関しては…かなり機嫌が悪そうだ。彼は鋭い目つきで僕を見ると…

 

クロノ「事情は分かった…だが!!フェイトが欲しいのならば、僕を倒してからにしてもらおう!!」

 

クロノさんは勢いよく席を立ち、僕を指差して宣言した。

 

ハレルヤ(コイツ…サクッとやっちまっていいか?アレルヤ)

 

アレルヤ(ややこしくなるから今は黙っていてくれるかい、ハレルヤ)

 

危うくハレルヤが出てきそうになるのを抑えて、僕は冷静に話す。

 

アレルヤ「解りました。その時は全力でやらせてもらいますよ、ハラオウン提督」

 

ピリピリとした空気が漂い、全員が僕とクロノさんを交互に見る。

 

クロノ「…フフ、君との決着はまた今度にしよう。あと、呼び捨てでクロノでいい。僕も君の事をアレルヤと呼ぶが、いいか?」

 

クロノは不敵に笑い、僕の前まで歩いてくると、自分の手を差し出す。僕はその手を握り返す。

 

アレルヤ「いいよ、クロノ」

 

カリム「それでは…みなさん、席に着いて下さいな。シャッハ、お茶をお願いしますね」

 

シャッハ「かしこまりました、騎士カリム」

 

シャッハさんが出て行き、みんなが席に着く。暗幕で遮光するとお互いが見える位に部屋が暗くなる。

 

カリム「今日、みなさんを呼んだのは他でもなく、六課設立の理由と…」

 

カイゼル「ガンダム、そしてハルートの事について…なんだがその前に、アレルヤ、気になっていたんだが怪我でもしたのか?頭に包帯を巻いているし…」

 

そういえばカイゼルはまだ知らなかったんだっけ。

 

アレルヤ「昨日、六課がガンダムに襲撃されてね…なんとか追い払う事は出来たんだけど無傷とはいかなかったよ」

 

その言葉を聞いたカイゼルとクロノは顔を険しくさせて僕を見る。

 

クロノ「そのガンダムは赤と白のガンダムだったか?」

 

アレルヤ「いや、襲撃してきたのはスローネ・アインとエクシア、デュナメス、キュリオス、ヴァーチェの五機だったよ。それがどうかしたのかい?」

 

カイゼル「いや、後で纏めて話すよ」

 

どうしたんだろう?何かあったのは間違いないみたいだけど…

 

はやて「話の途中で悪いんやけど…ガンダムとハルートの事、て言うのは?ハルートは記憶喪失の女の子をアレルヤとカイゼルが保護したんやろ?」

 

そうだった…。はやて達に嘘をついていたのを忘れてた。はやて達の目がこちらを見つめる。ハルートの方を見ると……彼女は頷いてくれた。…正直に話そう。

 

アレルヤ「その…ゴメン、嘘をついたんだ。本当の事を話すと…ハルートは違法研究施設から逃げて来たところを僕とカイゼルが保護したんだ」

 

カイゼル「すまん、あまり混乱させない為にアレルヤに嘘をついてもらったんだ」

 

僕とカイゼルは頭を下げる。どんな理由があったにせよ、嘘をついた事には変わらないから…。

 

はやて「そっちの事情もあったみたいやし…今回は許したる」

 

なのは「でも!これからは隠し事はしないでね?アレルヤ」

 

アレルヤ「わかった。ありがとう」

 

なのはとはやては優しく微笑みながら許してくれた。だけどフェイトだけは何か考え事をしているのか…難しい表情をしていた。

 

フェイト「……研究、て何の研究だったの?」

 

カイゼル「施設は現在も調査中だが詳細は不明だ。大まかには人体実験や違法デバイスの製造施設だったみたいだ。それを踏まえての話だが……」

 

カイゼルは僕をチラリ、見て覚悟を決めたように深呼吸した。

 

カイゼル「ハルートは、誰かのDNAを元につくられたユニゾンデバイスである事…それと…阿修羅、出してくれ」

 

阿修羅<了解した。モニターに出す>

 

僕たちの前にハルートに関する資料が展開された。

 

 

 

ハルートSide

 

 

 

カイゼル「ハルート、資料の一つに、君の存在は“革新者へと導く者”とあった。心当たりは?」

 

ハルート「…わからないよ」

 

資料を見つめながら私は首を横に振った。

 

カイゼル「……アレルヤ、君は有るみたいだな?」

 

カイゼルの言葉を聞いて、アレルヤを見ると険しい…怒ってる表情をしていた。

 

アレルヤ「…あぁ、有るよ」

 

カイゼル「それなら…この資料、アムルタートのモノなんだが…トライアルシステムについても?」

 

アムルタート<私に関する事もあるのですか…>

 

アレルヤ「知ってる…全部、僕の世界に関係ある事だ」

 

アレルヤは…何かを考える様に目を閉じる。

 

クロノ「アレルヤ、君に見せたいものがある。先日、戦闘を主目的として建造された次元航行艦、スキュラスが撃沈された」

 

クロノさんの言葉と同時に、新たに加わったのは映像だった。

カリムさんやフェイト達は驚いていた。

 

はやて「スキュラスて、確か最新の次元航行艦やないか!?」

 

なのは「それが…撃沈されたなんて…」

 

フェイト「原因は……!?そんな…ガンダム、なの?」

 

みんなが映像に映った姿を見つめる…その姿は赤と白のガンダムで、音声が入る。

 

?『そう、神だ。僕は人類を導く者であり、人々を破滅から救う救世主なのさ』

 

アレルヤ「ふざけるな!!!」

 

アレルヤの突然の叫びに私たちは驚いた。ヴィヴィオもびっくりしたらしく、今にも泣きそうになっていた。

 

カリム「あ、あの…アレルヤさん?」

 

アレルヤ「!、……すみません、取り乱しました」

 

落ち着いたのかアレルヤは大きなため息をはいた。……めずらしいな、アレルヤがここまで感情的になるなんて…

 

クロノ「率直に聞こうか、君はコイツを知ってるんだな?」

 

アレルヤ「知ってるよ…そして何故、ジンクスやガンダムスローネ、ガンダムキュリオス等がこの世界に現れた理由も分かった…」

 

ハレルヤ「チッ…刹那の野郎、仕留めそこなったのかよ…」

 

アレルヤからハレルヤに代わった瞬間、クロノさんとカリムさんは眉をひそめる。

 

クロノ「アレルヤ?今のは…」

 

アレルヤ「ゴメン、重ね重ね悪いけど…僕は昔、いろいろあってね…二重人格なんだ」

 

ハレルヤ「素直に話せばいいのによ………俺はハレルヤだ」

 

二人とも驚きの表情でアレルヤを見つめる。

 

はやて「まあ…その話は後にして…話を元に戻そか」

 

はやての言葉により脱線しかけていた話が元に戻される。

 

カリム「話を続けますね。先程のその…仕留めそこなった、というのは?」

 

アレルヤ「言った通りの意味です。説明は…アリオス、頼めるかい?」

 

アリオス<了解しました。映像は…最終決戦の場面でよろしいですか?>

 

アレルヤが頷くとアリオスが映像を展開する。それは私たちが前に見たモノと同じだった。

 

リボンズ『リボンズ・アルマーク、リボーンズキャノン!出る!』

 

刹那『刹那・F・セイエイ、ダブルオーライザー!目標を破壊する!』

 

映像の中で白と青のガンダム、ダブルオーライザーと赤と白のモビルスーツ、リボーンズキャノンが激戦を繰り広げていた。

 

クロノ「この声…!スキュラスを撃沈した奴と同じ声か!」

 

フェイト「でも、形が違うよ?」

 

確かに…リボーンズキャノンはどう見てもガンダムには見えないね。

 

刹那『ここは…俺の距離だ!!』

 

ダブルオーライザーがリボーンズキャノンに急接近して白兵戦に持ち込もうと突撃する。

 

リボンズ『フ…』

 

だけどリボーンズキャノンはビームサーベルを握るとダブルオーライザーの攻撃を防御、そのままサーベルを振り抜いてダブルオーライザーを弾き飛ばした!そして…

 

クロノ「な…変形した、だと…」

 

リボーンズキャノンが変形し、背中の部分が前に、前の部分が背中になるとその姿は…

 

カイゼル「スキュラスを撃沈した機体になる訳か……やはり、スキュラスを撃沈したのはこの機体なのか?」

 

アリオスの映像のリボーンズガンダムは腕に二つの擬似GNドライヴを付けているけど…スキュラスの残した映像には艦を撃沈した機体は肩と腕に二つずつ、計四つ着いていた。

 

アリオス<私の推測ですが…出力を上げる為にリボーンズガンダムを改造したのかと…>

 

アレルヤ「だとしたら、やっぱり…」

 

アリオス<音声に関してはいくらでもごまかせますが…この機体の設計は搭乗者本人しか知らない筈です>

 

ハルート「………“イノベイド”の、リボンズ・アルマーク?」

 

私は頭に浮かんだ言葉を口に出すとアレルヤが驚いていた。

 

アレルヤ「……どうして、彼がイノベイドだって、知ってるんだい?」

 

 

 

アレルヤSide

 

 

 

ハルートの呟いた単語に、僕は驚きを隠せなかった。

前に六課のみんなには僕の過去を見てもらったけど…リボンズに関しては僕自身も詳しくは分からなかったから何も話さなかった筈だ…

 

ハルート「え…?いや、何となく、頭に言葉が浮かんできたんだけど…」

 

ハルート自身も自分の言葉に戸惑っていた。

 

カイゼル「リボンズね…ならガンダムやジンクスに関する騒動はそのリボンズ・アルマークが起こしているのに間違いはないな?」

 

アリオス<ええ、このリボーンズガンダムは彼が自身の手で作りあげたガンダムであり、彼しか設計を知りません>

 

映像はダブルオーライザーとリボーンズガンダムの同士討ちの場面になっていた。

 

カリム「……これが先程の答え、ですか?」

 

アレルヤ「まだ続きがあります」

 

画像が切り替わり、OガンダムとエクシアR2が対峙する。

お互いに撃ち合い、殴り合い、そして最後はエクシアR2とOガンダムがソードとビームサーベルでお互いを貫き、Оガンダムは爆散し、エクシアはその爆発に吹き飛ばされながらもゆっくりと無重力を漂っていき、本当の決着となった。

 

カイゼル「……了解した。リボンズはこのオーガンダムに乗っていたんだな?」

 

僕は頷く。カイゼルは腕を組んで考え事をしていた。

 

カイゼル「まあ、今はリボンズとやらがこちらの世界にどうやって来たのかは考えても仕方ない。これは後々考えるとして……アレルヤ、アムルタートのトライアルシステムについては解るか?」

 

アレルヤ「僕よりもアリオスの方が詳しいね。アリオス、説明をよろしく」

 

アリオス<了解しました、マイスター。…トライアルシステムとはマイスターの世界にある量子演算コンピューター・ヴェーダと直接リンクできるイノベイドの特定の機体に積み込まれたシステムであり、ガンダムナドレ、セラフィムガンダムの二機が積載していました>

 

アリオスは画面を切り替え、ナドレとセラフィムを映し出す。ナドレは対スローネ戦で使用した場面で、セラフィムは最終決戦の時の場面だった。

 

アリオス<トライアルシステムの効果は見ての通り、発動するとヴェーダとリンクする機体の全てを自身の制御下に置き、その機体の機能を停止させたり、ある程度ですが動かしたりする事が可能です>

 

画面ではスローネが墜落したり、大量の特攻モビルスーツが停止して宇宙を漂っていた。

 

なのは「でも、それだとトライアルシステムを使うのにヴェーダが必要になるよね?この世界にあるのかな?」

 

はやて「せやな。その辺りはどないなんやろ?」

 

みんながハルートの耳についているアムルタートに注目する。

 

アムルタート<すまないが、私にも分からないな>

 

アリオス<似たような事は可能でしょう、ただし前提としてヴェーダのように全ての機体がシステム上、一本に繋がっている事が条件ですが>

 

やっぱり簡単にはいかないな…

 

カイゼル「こればかりは仕方がない。私の方でもう少し調べてみるとしよう……私からの話と報告はこれで終わりだ。次はカリムからの話だな」

 

たしか…六課設立の理由、だったかな。

 

アレルヤ「僕とハルートは外でヴィヴィオと遊んでいるよ。正式な管理局員じゃないし、重要な話みたいだしね…!ぐぁっ」

 

そう言って席を立ち上がろうとした時、僕は強烈な頭痛にみまわれてその場に膝をついた。

 

はやて「ど、どないしたんや!?アレルヤ!」

 

はやて達が僕のそばに来て心配してくれているけど頭が痛くて何を言ってるのかよくわからない…!

 

アレルヤ「づ……頭が…痛い…!!」

 

ヴィヴィオ「痛いよぉ…頭が痛いよぉ…パパァ…!」

 

ハルート「この感じ…まさか、脳量子波!?」

 

ソレに追い討ちをかけるように、大きな爆発音と同時に建物が激しく揺れた。

 

 

 

ハルートSide

 

 

 

カリム「な、何事ですか!?」

 

シャッハ「騎士カリム!ご無事ですか!?」

 

バリアジャケットを装着したシャッハさんが扉を勢いよく開けて部屋に入ってきた。

 

カリム「みんな無事です。状況の報告を」

 

シャッハ「はい!現在、この教会は人型兵器の攻撃を受けています!騎士の方々も応戦されてるのですがガジェットも同時に侵攻して来たので数に押され始めてます!」

 

フェイト「はやて!」

 

はやて「カリム、うちらも出て応戦する!アレルヤ達を頼んでもええか!?」

 

カリム「わかったわ……気をつけてね、はやて」

 

そう言うと、急いで部屋を出ていくはやて、なのは、フェイト、シャッハさん。

 

クロノ「しかし…君は出ないのか?カイゼル」

 

カイゼル「そう言うクロノはどうなんだ?」

 

クロノ「嫌な予感がしてね…取り敢えず外部に救援部隊を要請してから出る」

 

カイゼル「そうか…私も同じようなものだ」

 

カイゼルとクロノさんは敵が何かしてくると思っているのか、外部に連絡をするためにまだ部屋に残っていた。

アレルヤとヴィヴィオはまだ頭を抱えて痛がっていた。

 

ハルート「(私は…まだ脳量子波を受けても大丈夫な方みたい)アレルヤ、私も出るよ。私にはあまり干渉してないみたいだから…原因を探ってみる」

 

アレルヤ「ぐ……気をつけて…ね」

 

ハルート「うん!」

 

カイゼル「ハルートが出るか……よし、私も共に行こう。クロノ、ここを頼む」

 

クロノ「わかった。気をつけて行け」

 

カイゼル「ああ。…ハルート、私も行こう」

 

ハルート「了〜解、私のスピードについて来れる?」

 

カイゼル「フッ…善処しよう!」

 

痛がりながらも心配してくれるアレルヤ、友達を心配するクロノさん達に背を向けて、私とカイゼルは外に向かって長い廊下を走り抜けた。




誤字、脱字が有りましたらお知らせ下さい(´∇`)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。