魔法戦記リリカル00 ~世界を越えた超兵の話~(改定前)   作:かねごんマークII

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第26話 ハルートの決意

フェイトSide

 

 

フェイト「あぁ、もうッ!」

 

ジンクスから撃たれるビームをザンバーフォームでガードしながら後退する。

私たちは外に出たのはいいけどジンクス相手にかなりの苦戦を強いられていた。

 

フェイト「この…いい加減に!!」

 

逃げてばかりでは埒があかない。

私は多少の被弾を覚悟し、ジンクスの射撃を魔力でできた大剣で流しながら、加速して相手の懐に潜り込む!

 

フェイト「はあ!!」

 

ジンクスはその右手に持つランスを私に向けて突き出すけど、私はそのランスごと横一線に振り抜く!

 

ジンクス「!!??」

 

ジンクスは胴と腰が離れ離れになり、私の後ろで爆散した。

 

フェイト「よし、一機撃…<避けろ!マスター!>…くっ!?」

 

私達のさらに上空からジンクス三機がビームを連射してきた!

 

フェイト「っ…!このジンクス達…無人機なのに連携して戦ってくる!」

 

バルディッシュ<……あちらも苦戦しているな>

 

ジンクスからの射撃を回避しながら横を見ると、なのはとはやてもジンクスが接近戦を挑んでくるのでそれを防御するのに苦労していた。

 

フェイト「少し危険だけど………やるよ!バルディッシュ!」

 

バルディッシュ<了解>

 

私はなのはの方へ一気に加速していく!

後ろからは三機のジンクスが追いかけてきた。

 

フェイト「なのは!後ろを任せる!」

 

なのは「フェイトちゃん!?…あ、了解だよ!」

 

ジンクスのランスをレイジングハートで鍔ぜり合いをしていたなのは。

私の意図に気付いてくれたみたい。目の前のジンクスを蹴り飛ばすと私の方にレイジングハートを向ける。

 

なのは「行っけえ!アクセル!!」

 

なのはのアクセルシューターが私の真横を通り過ぎて後ろにいたジンクス三機に命中したらしく、爆発音が聞こえた。

 

フェイト「せぇい!!」

 

私の方はさっき、なのはが蹴り飛ばしたジンクスが体勢を立て直そうとしていたところにバルディッシュを振り下ろし、縦に真っ二つにする。ジンクスは少しの間、火花を散らして爆散した。

 

なのは「フェイトちゃん!このジンクス達…」

 

フェイト「うん、リニアレールの時より連携して攻撃してくる」

 

私たちは隙を見せないように背中を合わせて話しているうちにジンクスが私たちを中心に円陣を組み始める。

 

はやて「ブラッティ・ダガー!!」

 

だけどさらに上空にいたはやての攻撃でジンクスは円陣を崩して散開していく。

 

はやて「っ…当たったのは二機だけか…!」

 

なのは「はやてちゃん!」

 

フェイト「はやて!このジンクスは…」

 

はやて「分かっとる。連携がとれてるんやろ?おまけに性能も上がっとるみたいや」

 

とジンクスの爆発を目眩ましにして、私たちは建物の影に隠れる。

話ではなのはとはやてはジンクスに攻撃を当てようとしたけど、ジンクスはそれをぎりぎりのところを避け、接近戦に持ち込もうとするらしい。

 

フェイト「私の場合は遠距離からの攻撃が主体なのに…」

 

はやて「明らかにこっちの行動が読まれとる。しかも、うちらの攻撃パターンもな」

 

なのは「それなら私たちも連携してジンクスを倒そうか。散開して攻撃していても隙を突いてくるしね」

 

私たちは頷き合うと建物の影から飛び出す!

 

なのは「アクセルシューター…」

 

フェイト「フォトン・ランサー…」

 

はやて「ブラッティ・ダガー…」

 

ジンクスがこちらに気付いて接近してくるけど…もう遅い!

三人同時攻撃、受けてみろ!

 

三人「「「逝け!!!」」」

 

発射される魔力弾。数秒後、空はジンクス達の大爆発に包まれた。

 

 

 

カイゼルSide

 

 

 

私とハルートが外に出ると、そこは既に戦場だった。

 

ハルート「ひどい…」

 

建物からは煙りがあがり、地面は爆発により穴だらけ、綺麗な花が咲き誇る花壇は跡形も無かった。

 

?「……う…ぐぅ…」

 

カイゼル「!、おい、大丈夫か!?しっかりしろ!」

 

ハルート「……ッ!」

 

うめき声がして、そちらを見ると壁に背を預けて座り込む男性を見つけた。服装から判断して、教会の騎士のようだ。

だが、致命傷を受けたのか出血が激しく、彼の座っている辺りは血の海になっていた。

 

騎士「……上空に……赤……ガハッゴホッ!」

 

ハルート「喋っちゃ駄目!死んじゃうよ!?」

 

彼は、何かを伝えようとしている?

 

カイゼル「上空に赤…と何だ?」

 

ハルートは驚きの表情でこちらを見ている。

私とて、分かっている。彼が話そうとすればするほど、その命は確実に擦り減っていく事くらい…

 

騎士「空に……赤と……白の……ロボットが……みんなを……頼……」

 

カイゼル「わかった、安心してくれ。私がそのロボットを倒して皆を助けよう」

 

私がそう告げると彼は安心したのか、少しだけ私たちを見つめて安らかな表情でこの世を去った。

 

ハルート「……カイゼル」

 

カイゼル「全ては終わってから聞こう。今は、眼前の敵を討つ!!阿修羅!!」

 

阿修羅<承知、セットアップ>

 

ハルートの言いたい事は分かる。

何故、彼が無理をしてまで喋ろうとするのを止めなかったのか。

私はたかだか二十数年しか生きてきてない。だがその半生を戦場に身を置いてきた。

だから、分かったのだ。彼が助からないのも、彼自身がそれを悟っていたのも、彼が最後の命を賭けてまで伝えようとしたその魂(こころ)も。だから……!!

 

カイゼル「護る為に散って逝った命のためにも……カイゼル・デュナス!スサノオ!推して参る!!」

 

私は、戦う!!

 

 

 

ハルートSide

 

 

 

カイゼルが飛び立ち、敵に向かって行くなか、私はその場に立ち尽くしていた。

 

ハルート「人が、死んでいく…」

 

人が死ぬ、という意味……私はよく解っていなかったんだと思う。

自分が記憶として覚えているのはアレルヤに助けてもらったあの時からで、今日まで人が死ぬ場面に立ち会った事なんて無かったから。

 

ハルート「……あれが、死……」

 

怖くなって、脚が震える。カイゼルはどうして、彼を喋らせたのかな…いや、自分でも分かってる。あれだけ出血してれば彼は助からないのは私でも分かった。

 

ハルート「アムルタート…」

 

アムルタート<……どうかしたのか?マスター>

 

ハルート「人が死ぬの、初めて、見たよ」

 

アムルタート<………>

 

ハルート「私は…怖い。どうしようもない程に、怖い…!死にたくない…!」

 

その場に座り、震えを抑えようと、自分の肩を抑える。けれど…震えは止まってくれない……!!

 

アムルタート<マスター、私は貴女に対して何か言うことはしないし、出来ない。戦えとも言わぬし、逃げろとも言わない。だが…マスターよ、これだけは分かってほしい。マスター、貴女には貴女の帰りを待つ者がいるのだけは忘れてはいけない。そして思い出して欲しい。彼の戦いを、過去を見て貴女は…何を感じ、何を思った?>

 

アムルタートの言葉に、私は顔を上げる。そうだ…彼は、アレルヤは私よりも辛い過去を持っていて、辛い戦いをしてきた。

 

ハルート「アレルヤ…」

 

悲しげな笑顔が印象的な人。だけど…優しい瞳でいつも見守ってくれてる、私を助けてくれた…大切な人。

 

アムルタート<どうする、マスター?貴女の答えを聞かせてくれないか>

 

私は立ち上がる。身体の震えは、止まっていた。

 

ハルート「……行くよ、アムルタート。私は、立ち止まったらいけないんだ。アレルヤが私を救った事を誇りに思えるように、今度は私が沢山の人を助けるんだ!」

 

アムルタート<…了解した。このアムルタート、この身が朽ち果てるその時まで、貴女と共にいることを誓おう!>

 

空にはまだジンクスが沢山いる。早く倒さないとさらに被害がさらに拡大しちゃう!!

 

ハルート「ありがとう……アムルタート。セット、アップ!」

 

アムルタート<セットアップ>

 

バリアジャケットを纏って、眼を閉じて意識を集中する。

……脳量子波は上空からきてるみたいね…。

 

ハルート「……名も知らない騎士の人、私は皆を護る事を出来るかは分からないけど…やるだけの事はやってみるから……安心して、眠ってね…」

 

騎士(ありがとう、勇敢な女の子…)

 

……?、彼の方を見る。既に事切れているのは私も確認してる。

だけど、今の声は……彼の声だったような…

 

アムルタート<どうした?マスター>

 

ハルート「……何でもない。行くよ!」

 

私が空に飛び上がるとジンクスが向かって……来なかった。

むしろ私を中心に円陣を組んで誰も通さないようにしてる。

 

ハルート「?、どうして攻撃して来ないの?」

 

?「待っていたよ。お嬢さん」

 

声を聞いて、後ろを振り返ると赤と白のガンダムがいた。

 

 

 

なのはSide

 

 

 

なのは「何、あれ?」

 

ジンクスの攻撃が突然とまった……と思ったら嫌な気配がした。その方向には赤と白のガンダム、リボーンズガンダムがハルートと対峙していた。

 

はやて「あれは…リボーンズガンダム!?」

 

フェイト「ハルートが囲まれてる!助けないと!」

 

なのは「待って?何だか様子がおかしいよ」

 

ジンクスは私たちがハルートの方へ行こうとしたら壁になって立ちはだかるけど、後退するとその場に留まって攻撃はしてこない。

 

カイゼル「どうやらリボンズはハルートに用があるみたいだな」

 

はやて「…なんや、カイゼル…なんか?」

 

振り返ると、日本の鎧兜を模したような黒色のロボットが後ろに浮いていた。

 

カイゼル「ああ、私だ。カイゼル・デュナスだ。この姿は阿修羅の新たな姿、アリオスからのデータを元に作り上げた私の傑作、名をスサノオと言う」

 

黒い機体に黒い粒子、なんでも黒いカイゼルらしい機体だね。………黒い粒子?

 

なのは「なんで粒子が赤くないの?」

 

カイゼル「改造したんだ。自分専用にな……それより、アレの方が問題だな」

 

視線の先はハルートとリボーンズガンダム。彼女はリボーンズガンダムにブラスターを向けたまま対峙していて、動く気配がない。

 

ハルート「貴方は……どうして、こんな事をするの!?」

 

リボンズ<どうして?意味は…そうだな。強いて言うならば、君に会うためさ>

 

ハルート「ふざけないでよ!!人が、人が死ん出るんだよ!?」

 

リボンズ<別にどうと言うことはないと思うけどね。たかだか下等な人類の一人や二人、死のうが僕の知ったことではないね>

 

見るからに動揺しているハルート。その証拠に、彼女の握るブラスターが震えていた。

 

はやて『なのはちゃん、フェイトちゃん、今、シグナム達にも連絡をとろうとしてるけど繋がらへん』

 

フェイト『原因は…あのリボーンズガンダムだね』

 

なのは『あのガンダムをどうにかしないと、今の状況はよくないよ。ハルートはかなり緊張してるし…』

 

私たちは念話で話し合うけど解決策が思いつかない。

 

カイゼル「『とりあえず、このままじゃ埒があかん。接触してみる』……おい!リボンズ・アルマーク!!」

 

はやて「ちょ!?カイゼル!?」

 

リボーンズはこちらを向くとその手に持つビームライフルをカイゼルに向けた!

 

リボンズ<気安く僕の名前を呼ばないでほしいな。下等な人類には特にね……おや、その機体は…スサノオかい?>

 

カイゼル「やはり知ってるのか…私はカイゼルという者だ。君には2、3聞きたい事があるのだがご同行、願おうかっ!」

 

次の瞬間、リボンズがビームライフルを撃ってきてカイゼルがそれを切り飛ばした!

 

フェイト「な!?警告も無しに…!」

 

なのは「どういうつもり!?」

 

リボンズを睨み付けるけど、彼はガンダムの顔でこちらを見るだけだ。

 

リボンズ<僕に指図しないでもらおうか。僕は神だ、君達より高度な存在なんだよ。話せるだけありがたいと思ってほしいな…と!危ないな、君は>

 

ハルート「思い上がるな!リボンズ!!」

 

次はハルートがリボンズに向けてブラスターを撃った!

 

リボンズ<やれやれ…仕方ない、少し相手をしてあげるよ。ただし…相手は僕ではないけどね>

 

カイゼル「チッ!全員散開!!」

 

カイゼルの言葉に私たちはジンクスを無視してその場を離れる。

そして次の瞬間、私たちのいた場所からさらに上空から砲撃が何発も降り注ぐ!

 

はやて「くっ……あれは、スローネ・アインか!?」

 

フェイト「ヴァーチェとデュナメスまで…」

 

ジンクスの数だけでも厄介なのにさらにガンダムまで……!

 

ハルート「ぐ…頭が……!!」

 

ハルートが頭を押さえてふらふらしながら私たちの方へ飛んできた。リボンズは何もしてこないみたい。

 

カイゼル「みんな、陣形を組め!はやて、指揮は任せる!」

 

はやて「了解や!ハルート、無事か!?」

 

ハルート「……何、これ?だれ?誰なの!?私は、私は!!」

 

ハルートは頭を抱えて何かを喚き始めた。まずい…!ハルートは明らかに混乱してる!彼女を下がらせないと!

 

なのは「ハルート、落ち着いて。大丈夫、大丈夫だから…」

 

ハルート「……うあ、うあああぁぁぁぁぁ!!」

 

私はハルートを頭を胸に抱きしめて落ち着かせようとすると、彼女は泣き始めた。

 

ハルート「ッ……止めてよ、私には出来ない。出来ないよ…殺したくない…!!」

 

なのは「大丈夫…大丈夫だから…」

 

リボンズ<ほう……どうやら感受性は高いみたいだね>

 

リボンズの声に、私はその方向を見るとガンダム達を従えたリボーンズガンダムがいた。

 

なのは「彼女に何をしたの!?」

 

リボンズ<さあね…知りたいなら僕らを倒してみるといい。それで答えは得られるよ>

 

クロノ「なら、そうさせてもらう」

 

第三者の声と同時に青白い魔力で出来た何十という剣がジンクス達に直撃する!

 

フェイト「お兄ちゃん!?どうしてここに!?」

 

クロノ「……アレルヤとヴィヴィオが気絶した。状況がさらに悪化する前に援護に来た。というか、お兄ちゃんはやめてくれ、フェイト」

 

クロノは私たちの所に飛んでくるとリボーンズガンダムを睨みつけた。

 

クロノ「君がスキュラスを撃沈したリボンズだな?」

 

リボンズ<スキュラス?……ああ、あの艦か。最新鋭の艦と言っていたが存外と脆かったね、アレは。なんせ…このファングだけで墜ちたのだから>

 

リボンズがファングを発射して私達に襲い掛かってきた!

 

カイゼル「高町教導官はハルートを連れて離れろ!その状態では!」

 

ハルート「後ろ!」

 

ハルートは私にしがみついたまま、ブラスターでカイゼルの後ろに迫ったファングを撃ち抜いた!

 

なのは「ハ、ハルート?」

 

ハルート「…………さない……」

 

ハルートは両手のブラスターを強く握りしめて、私から離れる。

 

ハルート「貴方は…絶対に許さない!!」

 

 

 

ハルートSide

 

 

 

ハルート(許さない!絶対に、リボンズを許す訳にはいかない!)

 

頭に響いた声は、私に自分を殺して欲しいと言っていた。そして自分が今はどんな状態なのかも…

 

ハルート(君は…そこにいるんだね。ヴァーチェのナカに…)

 

ヴァーチェ(ソウダヨ…ワタシハ、ココニイル。ダカラ…ハヤク…)

 

リボンズ<人形風情がよく喋る…黙ってくれるかい?>

 

ハルート「!!、リボンズーーーー!!」

 

私は背中のブースターで一気に加速して近くにいたリボンズに急接近し…

 

ハルート「はあぁ!!」

 

ブラスターのソード部分を使って上から下へと振り下ろす!

だけどその寸前にヴァーチェが間に割って入ってきてブラスターがその頭に直撃した!

 

ハルート「なっ!?どうして!!」

 

火花を散らして、少しずつ高度を落としながら、ふらふらと飛ぶヴァーチェ。寸前に手加減したけれど、その顔は……外装が剥げて下に隠れていたナドレの顔が露出していた。

 

ヴァーチェ(コレデ、ジユウニ、ナレタヨ)

 

まさか…、

 

ハルート(わざとなの…?私の攻撃を受けたのは?)

 

ヴァーチェ(…………スコシ、ハナレテイルヨ…)

 

ヴァーチェはそう言って地上へ落ちていった。私はすぐにリボンズを捜そうとしたけど…

 

ハルート「どこに…っ!、アムルタート!!」

 

アムルタート<その前に、左右から接近する目標を捕捉、ジンクス2機だ>

 

ハルート「くっ!邪魔しないで!」

 

アムルタート<ビーム拡散に切り替え。チャージまで3秒>

 

魔力が両手に握ったブラスターに宿っていき、魔力のチャージが終わると私は迷う事なく、引き金を引く!

 

ハルート「ファイア!!」

 

ブラスターから撃たれたのは何時ものビームではなく、散弾銃のような細かな魔力弾。

射程は短いけれど面での制圧力は抜群でショットガンのように弾が分散し、それを真正面から受けたジンクスは大量のダメージを受けて爆発した。

 

ハルート「次は!?」

 

ヴァーチェ(ツギハ、ウエト、シタカラクルヨ)

 

ハルート(く……!!)

 

頭に響く、ヴァーチェの声の言う通りにジンクスがビームサーベルを握って上と下から迫ってきた!

 

ハルート「アムルタート!!」

 

アムルタート<追尾型に切り替え。チャージまで2秒>

 

ハルート「ファイヤ!」

 

私は体の前で右手を上に、左手を下に向けると引き金を弾き、ジンクスを撃つ。

ビームのような魔力弾がジンクスに向かっていくけど…

 

ジンクス<……!>

 

それをたやすくかわして私にさらに接近してきた!けれど…

 

ハルート「落ちろ!!」

 

その言葉をトリガーにジンクスが回避した魔力ビームが急反転し、ジンクスの背後から擬似GNドライヴを撃ち抜き、ジンクスは爆散した。

 

ハルート「何処いる!?リボンズ!!」

 

カイゼル「落ち着け、ハルート。突っ込みすぎはよくない」

 

はやて「せやな。せっかく人数がおるんやし、それを活かさんとな」

 

肩を掴まれて振り返ると、そこにはそれぞれのデバイスを構えたみんながいた。

 

フェイト「たぶん、なんだけど…ハルートも聞こえたんだね?スローネ・ツヴァイと戦ったアレルヤと同じように」

 

なのは「だから…誰かの声が聞こえたから、今も泣いてるんでしょう?」

 

ハルート「え…泣いてる?私が…?」

 

片手で頬に触れると手が水……いや、涙で濡れていた。……私、どうして泣いてるんだろう?

 

クロノ「それより…敵も準備が出来たみたいだ」

 

クロノさんの視線の先を見ると敵の編成も完了したらしく、デュナメス、アイン、それぞれにジンクスが5機ずつ配置されていて…

 

リボンズ<さて、見せてもらおうか。君達の力を>

 

リボーンズガンダムは他のガンダムの後方に移動していた。

 

ハルート「リボンズ…!」

 

飛び出そうとした私は、カイゼルとフェイトが前に出てきたのでその場に留まる。

そんな私にはやてが横にきて頭をポンポン、と優しく叩いてきた。

 

ハルート「はやて?」

 

はやて「ハルート、リボンズを倒したいのは分かるけど今は落ち着き。とりあえず、こちらの編成はカイゼルとフェイト隊長は前衛、なのは隊長とハルートは中衛、うちとクロノ提督は後衛や」

 

全員「「「「「了解!」」」」」

 

はやては私の頭に手を置いたまま、みんなに指示をする。

 

ハルート「ありがと…はやて」

 

はやて「ええよ。ハルートはうちの妹みたいなものやしな」

 

はやての言葉で落ち着きを取り戻した私は、はやての言われた通りの配置に移動する。

すると脳量子波を通じてヴァーチェの声とは別の…アレルヤの声が聞こえてきた。

 

アレルヤ(ハルート、聞こえるかい?)

 

ハルート(アレルヤ!?大丈夫なの?クロノさんから気を失った、て聞いたけど…)

 

アレルヤ(ああ、今は意識だけを飛ばしてる感じかな……原因は見つけたかい?)

 

ハルート(うん。リボンズは違った…ヴァーチェだったよ)

 

アレルヤ(そう……今回は僕は出れそうにないから…頼んだよ、ハルート)

 

ハルート「(了解だよ)……それじゃ、行くよ。みんな!!」

 

はやて「やる気は充分やな!ほな、戦闘…開始!!」

 

はやての言葉と同時にフェイトとカイゼルが一気に飛び出した!

 

カイゼル「雑兵風情に用は無い!落ちろ!」

 

フェイト「いきます!!」

 

カイゼルは左手の短い刀を使ってジンクスのランスを受け流すと右手の長い刀でジンクスの首を切り落とし……

 

フェイト「やあ!!」

 

フェイトは横から振られたビームサーベルを仰向けになってかわし、そのまま勢いをつけて宙返りをしてジンクスの頭を蹴り上げ…

 

フェイト「とどめ!」

 

すぐに体制を戻してバルディッシュでジンクスの胸を貫いた。

 

そんな二人の後ろから接近するジンクスを…

 

なのは「行かせない!」

 

ハルート「右に同じく!」

 

私となのはで魔法弾をばらまき、ジンクスを牽制して近づけさせない。

 

ハルート(……私、なんだか敵の動きが読めてる?)

 

…いや、違う。この感じ、脳量子波を通じてヴァーチェが敵の位置や動きを教えてくれてるんだ。

 

ヴァーチェ(ワタシニハ、コレグライシカ、キミニ………ハルートニ、キョウリョク、デキナイカラ)

 

ハルート「(充分過ぎるよ)…はやて!!」

 

はやて「全員、射線からはなれて!いくよ…ラグナロク、ブレイカーーー!!」

 

私達はその場を急速に離れるとはやてから撃たれた魔力砲がジンクス達を飲み込んでいき、その先にいたリボンズへと着弾し、リボンズのまわりは爆煙で見えなくなった。

 

クロノ「やったか!?」

 

はやて「…いや、駄目みたいや。魔力制限もあるけど…威力が足らんかった…」

 

ハルート「…!、みんな散って!!」

 

煙りの中から赤い砲撃と、赤いファングが飛び出してきた!!

 

リボンズ<ははははははは!無駄だよ、通じない。このリボンズには、何もね!!>

 

煙が晴れるとソコには前面にGNフィールドを展開したリボンズがいる。私は驚いた。無傷なリボンズに驚いたんじゃなく、その後ろに、さっきまで居なかったヒトがいたから。

 

ヴァーチェ<ナラ、コレナラ、ドウナンダイ>

 

次の瞬間、ヴァーチェがリボンズの背後からしがみついていた。

 

リボンズ<なに?…離してもらおうか>

 

ヴァーチェ<イヤダネ>

 

ヴァーチェがしがみついたまま、GNフィールドを展開した。だけど、何だか様子がおかしい。

 

リボンズ<まさか…くそ!離せ!>

 

リボンズはもがいたりファングを戻してヴァーチェを攻撃しようとしたけど…GNフィールドの密度がかなり濃くて攻撃を全てはじいてしまってる。

 

ハルート「そんな…あのままじゃ……駄目…止めて、あなたが犠牲になる事なんてない!!」

 

ヴァーチェの考えが分かってしまった。

トランザムではないけど、あのまま擬似GNドライヴを暴走寸前で維持していたら…!

 

そう思った瞬間…

 

 

 

ヴァーチェはリボンズを捕まえたまま、大爆発を起こした

 

 

 

アレルヤSide

 

 

 

アレルヤ「これは…ひどいな」

 

目が覚めて、傍にいたグラシアさんに案内されて外に出ると…辺りは管理局員や救助隊員が駆け回っていた。

 

カリム「こんな…こんな事に…どうして…」

 

隣にいたグラシアさんもかなりショックを受けていた。

 

ヴィヴィオ「パパ…」

 

抱き抱えていたヴィヴィオが目を覚ましたみたいだ。

 

アレルヤ「ヴィヴィオ、もう少し寝ていてもいいよ。それにしても、カイゼルやハルートはどこに…」

 

カイゼル「アレルヤ!カリム!ここにいたのか!」

 

人込みの中をこちらに走ってきたカイゼル。

 

アレルヤ「カイ…「カイゼル!」…グラシアさん?」

 

カイゼルを確認するとグラシアさんはカイゼルに抱き着いた。………ああ、そういう事なのか…。

 

アレルヤ「その…ごゆっくり…」

 

カイゼル「いや、その、待ってくれ、アレルヤ!カリム、少し落ち着け、な?」

 

僕がその場を去ろうとしたらカイゼルはグラシアさんに抱き着かれたまま僕の服を掴んだ。

 

アレルヤ「……分かった。でも、僕より先にグラシアさんを落ち着かせた方がいいよ」

 

カイゼル「……すまん」

 

そして少し時間が経って、グラシアさんが落ち着いてきたのでカイゼルが状況を説明してくれた。

 

アレルヤ「つまり…ヴァーチェが自爆して、リボンズは…」

 

カイゼル「リボンズは自爆に巻き込まれて中破した。そこを捕まえようとしたが……奴はジンクス達を操作して自爆させ、その隙に逃げられたよ…」

 

アレルヤ「そうなんだ……!、はやて達は!?」

 

爆発に巻き込まれていたら…!

 

カイゼル「安心してくれ、爆発は目くらましだった。彼女達は無事だよ……ただ…」

 

アレルヤ「ただ…?」

 

カイゼル「ハルートは……精神的に参ってる状態だ」

 

…ハルートは僕たちよりは影響が少なく、だけどまともにヴァーチェと脳量子波で通じていた。

 

アレルヤ「……ハルートは今、どこに?」

 

カイゼル「あっちの…あの大きな木の近くにいる。……行ってやれ」

 

カイゼルとグラシアさんと別れてカイゼルに言われた木の所に向かうと、ハルートはその木の根本に座り込んでいた。

 

アレルヤ「ハルート…」

 

ハルート「………」

 

彼女は何も答えないまま、顔を伏せていた。

僕はヴィヴィオをその木の根本に寝かせて僕の上着をかけてあげた。

そして僕はハルートの隣に座って彼女の頭に手を置いて、髪をすくように撫でた。

 

ハルート「…………ヴァーチェは、私に…殺して欲しい、て言ってた…」

 

アレルヤ「うん…」

 

ハルートは震えていた。彼女は何度か戦闘の経験はあるけど…今回みたいに意思があって、脳量子波を発している…つまり脳だけになった彼らと戦うのは…初めてだった。

 

ハルート「でも、ヴァーチェは…自分から……。私は、何も出来なかった…!殺してあげる事も!救ってあげる事も!何も、何も…して…あげれなかった……!」

 

泣き始めたハルートを僕は黙って彼女の頭を胸に抱き、背中に腕を廻して抱きしめる。

 

ハルート「今日、初めて、人の死を見たの。……怖かった…私も、あんな風に死んでしまうのか、考えると震えが止まらなかった…!」

 

アレルヤ「…うん」

 

ハルート「でもね、アムルタートに言われたんだ。私には…待ってくれてる人が居るよ、て…そして、決めたんだ。…アレルヤが私を助けた事を誇れるように、私も沢山の人を助けよう、て……」

 

アレルヤ「……ハルート、君はすごい娘だよ。君はその誓いを実行したんだから……僕は君を誇りに思う」

 

ハルートは僕の腕のなかで首を振る。

 

ハルート「できてない……できてないよ…だって、私はヴァーチェを…」

 

アレルヤ「できてるよ、ハルート。君がヴァーチェを自由にしてあげたおかげで、ヴァーチェは自分の意思で戦えたし、そのおかげでリボンズはジンクスを自爆させて逃げて、教会の被害を抑える事ができた。その結果、それ以上の犠牲者はでなかった」

 

ハルートはじっ……としていた。まだ、泣いてはいるけど…

 

アレルヤ「だから、僕は君を誇りに思うよ、ハルート」

 

ハルート「う…うああぁぁぁぁぁ……!!」

 

震える身体を抱き締めて、背中を優しく擦ってあげる。

怖かったのだろう、悲しかったのだろう、悔しかったのだろう……今日は、いろんな事がハルートに起こりすぎた。

 

ヴィヴィオ「ハルートお姉ちゃん…」

 

ハルート「…グスッ……ヴィヴィオ?」

 

いつの間にか起きていたヴィヴィオはハルートに近づき、その手を握る。

 

ヴィヴィオ「おかえり」

 

ハルート「!!………ただいま」

 

ヴィヴィオの言葉に少し驚いた後、ハルートは泣き止んで…少しぎこちない笑顔で、言葉を返した。

そのあと、僕はヴィヴィオとハルートを休ませる為にグラシアさんに許可を貰って教会の一部屋を借りて彼女達を休ませた。

 

アレルヤ「ふぅ……僕自身もかなり疲れてるな…」

 

二人が眠ったのを確認して、僕もソファーで仮眠をとることにした。

目を閉じ、睡魔に身を任せた。

 

レント「………フム……やっと眠ったか」

 

私は立ち上がると小娘達を残して部屋を出た。

 

 

リボンズSide

 

 

 

リボンズ「ふん……やはり遠隔操作はタイムラグがあって使いにくいな…」

 

画面に映っているのは現在、秘密施設に格納されている背中と脚、肩を破壊された僕のガンダム、リボーンズガンダムだ。

 

リボンズ「頭と胴体、腕が残っていたから帰還はできたが…これでは修理に時間が掛かるな」

 

擬似GNドライヴを4機も積んでみたはいいが…パワーがありすぎてトランザムどころか普通の攻撃すら苦労する羽目になった。

 

リボンズ「まぁ…データが取れただけでも良しとしよう…」

 

今後は従来のリボーンズガンダムに戻して使用するか…

 

リボンズ「しかし…ハルートか……ふふふ…」

 

彼女は僕の事を知っているみたいだった…だが自分がどういった存在かは気付いてないみたいだね…。

 

リボンズ「自分がある技術を応用して作り出された、僕のクローンのようなモノだということには…」

 

それはそれで利用価値はあるけどね。

 

リボンズ「脳量子波を使えば彼女の意思をある程度、読む事ができるしね…」

 

仮に彼女が変に疑われても本人は全く身に覚えのない事なのだから検査を受けても身の潔白を証明できる。

 

リボンズ「………駒は揃い始めた。後は…スカリエッティ次第かな」

 

彼の計画を知っているがどのタイミングで奪うか……まあ、時間はまだある。

 

リボンズ「焦らずにいくとしよう…ふふふ…」

 

人が、世界が、自分を中心に廻っているのがとても、とてもおかしく、僕は自然と笑っていた。

 

 

 

はやてSide

 

 

 

はやて「う…ぐ…はぁ〜〜〜……疲れた……」

 

椅子に座った途端、全身を疲労感が襲ってきた。

応援に来てくれた部隊に全ての引き継ぎをやっと終えて、カリムの執務室に帰って来れたのは午前2時を廻ったところだった。

 

なのは「つ、疲れた〜…」

 

フェイト「…うん、疲れた……」

 

うちと同じように椅子に座り込む二人。

 

カリム「三人とも、ご苦労様でした。おかげで教会の被害を抑える事ができました」

 

カリムが紅茶の入ったカップをうちらの前に差し出してきて、うちは眠気覚ましにゆっくりと紅茶を飲んだ。

 

はやて「………はぁ…そういえば、カイゼルとクロノ提督は?」

 

アレルヤ?「二人とも外にいたよ。まだ仕事をしていたみたいだけど…」

 

はやて「!!…アレルヤ…?」

 

びっくりしたぁ…

いつの間にか部屋の入口の所に立っていたアレルヤ……でも、なんやろか、この感じ……アレルヤになんか違和感を感じる…。

 

なのは「アレルヤ、その……ハルートの事なんだけど…」

 

アレルヤ?「ああ…大丈夫、心配ないよ。彼女は強いからね…今はヴィヴィオと一緒に隣の部屋で休んでる…」

 

そう言って、なのはちゃんの髪…サイドポニーを手にとると口づけをするアレルヤ…て!?

 

なのは「あ、アレルヤ!?」

 

フェイト「な、何してるの!?」

 

アレルヤはなのはちゃんの髪を離すと何も答えずに、その場に立って、微笑んでいた。…この感じは……

 

はやて「誰…て聞くのは野暮やな?レント」

 

レント「…フン、気づくのが遅すぎるな。夜天の王」

 

アレルヤ、いや…レントはそう言って窓辺に移動して外の様子を眺め始めた。

 

なのは(はやてちゃん、どういう事なの?)

 

フェイト(彼は…アレルヤでも、ハレルヤでもないよね)

 

念話で話し掛けてくるなのはちゃん達……そういえば、うち以外はレントの事を知らへんかったな。

 

はやて「みんなには説明してなかったな……彼の名前はダーク・サイレント。アレルヤの第三の人格なんや」

 

なのは「アレルヤの…」

 

フェイト「第三の人格…」

 

レント「そちらの三人は初めまして…か。今、紹介にあった通りだが…私はダーク・サイレントと言う。今後も世話になると思うが…よろしく」

 

こちらに振り向いて自己紹介するレントの瞳は赤黒く、こちらを射ぬくようにみていた。

 

 

 

レントSide

 

 

 

なのは「えっと…はじめまして、かな?機動六課スターズ分隊隊長、高町なのはです」

 

最初に私の自己紹介に応えたのは…栗色の長い髪をサイドポニーテールにした女だった。

 

フェイト「私の名前はフェイト・テスタロッサ・ハラオウン、機動六課ライトニング分隊隊長を務めてます」

 

次に自己紹介してきたのは長い金色の髪に紅い瞳が特長の娘だ。

 

カリム「聖王教会で騎士を務めてます、カリム・グラシアといいます」

 

最後が長い金色の髪で緑の瞳の娘の自己紹介となった。

 

レント(なるほど…やはりこの二人も…)

 

グラシアは違うが……高町とハラオウンは私が復讐すべき仇だな…。

 

レント(あの時の苦しみ、痛み、無念……幾ら時が進もうとも…年月が経とうとも…決して忘れる日などなかった!!)

 

人間は私を勝手に生み出し!利用し!いらないから、邪魔だから、悪だからと言って私を破壊した!!

 

レント(私とて、好きで生まれたわけではないのに…!)

 

だから……私は、私を殺した貴様等を殺す!

 

はやて「レント、どないしたんや?」

 

レント「…!、いや、なんでもない。どうかしたのか?」

 

はやて「いや…今のレント、かなり怖かったからなぁ…せやから何を思うとんやろ…と思ったから声をかけたんや」

 

顔に出ていたか…

 

レント「なんでもない。気にするな、夜天の王」

 

すると小娘どもは変な顔をする。

 

なのは「どうしてはやてちゃんを夜天の王、て呼ぶの?」

 

レント「その通りだからだ」

 

何も間違えてない筈だが…。

 

フェイト「ねぇ、レント。質問ばかりで悪いのだけれど…貴方のその瞳の色は…」

 

レント「あぁ、私が表に出ている時は紅くなる」

 

質問に答えながらも私は考える。今、ここで小娘どもを抹殺するか、否か……

 

レント「(……否、だな。まだ時ではない)……今回は気まぐれにでてきただけなんでな……そろそろ失礼する…この体、頼むぞ…夜天の王…」

 

はやて「あ、うん。了解や」

 

その返事を聞いた後、私は意識を闇の中に沈めた。

 

 

レント(今は一時の幸せを噛み締めるがいい……夜天の王と高町にハラオウン……)

 

その首が刈り取られる、その時までな……

 

 

 

カイゼルSide

 

 

 

カイゼル「これでようやく一段落だな…」

 

クロノ「そうだな…」

 

現場が一段落してきたので私達は休憩をするために近くにあったベンチに腰掛けた。

調べた限りでは教会側の被害はかなりのモノだ……かなりの人数が負傷し死亡者も多い。

 

クロノ「カイゼル、このまま此処を離れるのは心苦しいが僕は本局に戻る。対策を立てないと……このままでは奴に、リボンズに躍らされるばかりだ」

 

カイゼル「分かった。カリムには私が伝えておこう」

 

クロノ「すまない…、頼んだぞ」

 

そう言い残すとクロノは転移魔法で戻って行った。残された私はその場から空を見上げる。

 

カイゼル「……………」

 

?「よぉ…無事か?隊長殿?」

 

カイゼル「……ああ、無事だ。副隊長……そちらの首尾は?」

 

?「駄目だった……途中で邪魔が入ってな」

 

後ろに振り返ると肩を竦めた私の部下がいた。

彼には逃げたリボンズを追ってもらったのだが…逃げられたみたいだ。

 

カイゼル「仕方ないか……そういえば、君のデバイスの方は順調か?」

 

?「あぁ、データが揃ったおかげで上手くいきそうだ…アレルヤには感謝、だな」

 

彼はそう言って困ったような笑顔を見せる。

 

カイゼル「………会わなくていいのか?仲間なんだろう?」

 

?「俺は…今はまだ会う気はねぇよ、カイゼル。それじゃ、任務に戻る」

 

彼は報告を終えると次の案件に取り組む為に転移魔法でこの場から消えた。

 

カイゼル「今はまだ…か。…フゥ、私も戻るか」

 

そして私も仮眠をとるべく、ベンチから立ち上がり、カリムの執務室へと引き上げた。




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