魔法戦記リリカル00 ~世界を越えた超兵の話~(改定前)   作:かねごんマークII

30 / 42
第28話 狙撃手の参戦

アレルヤsied

 

 

 

アレルヤ「ごめんね、フェイト。何回も車をだしてもらって…」

 

フェイト「気にしないで、アレルヤ。私も用事があったんだし」

 

ロックオン…いや、ライルと会った翌日、僕とフェイト、そしてはやては退院するライルを迎えに行く為に再び聖王病院へと向かっていた。

 

アレルヤ「…ライルの処遇はどうなるのか、きまっているのかい?はやて」

 

静かな車内で、僕は後ろの座席に座るはやてに聞いてみた。

 

はやて「………」

 

アレルヤ「?、はやて?」

 

いくら待っても返事をしないはやてを見ると……

 

はやて「…zzz…」

 

見事に寝ていた

 

アレルヤ「…………はぁ…」

 

僕は前を向くと昨日、アムルタートから聞いた話を思い出す。

 

アレルヤ「トライアルシステム…か」

 

 

 

〜回想〜

 

 

 

アレルヤ「なら今日の模擬戦でのバリアジャケットの変化は…」

 

アムルタート〈私に内包されていたシステム、トライアルシステムの発動による変化と私は考えています〉

 

病院から帰ってきた僕はハルートからアムルタートを預かり、今日の模擬戦でのハルートのバリアジャケットの変化、キュリオス達が動きだした理由を聞いていた。

 

アレルヤ「システムは組み込まれていたのはカイゼルから聞いていたけど、アムルタートも詳しく知らなかった筈だよね」

 

アムルタート〈………ここからの話は私とアレルヤ、アリオスだけの話にして下さい…我がマスター、ハルートにも知らせてない事です〉

 

アレルヤ「…なにがあったんだい?」

 

アムルタート〈………実は…〉

 

 

 

〜回想終了〜

 

 

 

アレルヤ(ハルートが意味不明な言葉を発した後、システムが起動した、か。だけど本人には自覚がない…というか記憶がない可能性もある)

 

これの意味する事は…

 

ハレルヤ(似てんなァ、あん時と状況がよォ)

 

アレルヤ(……)

 

通信・映像記録に残ってた……ライルとアニューさんの、戦い。

あの時、アニューさんを撃破した刹那の話ではあの時ライルを撃とうとしたアニューさん以外の別の存在だったらしいけど…。

 

アレルヤ(ハレルヤ、部隊に帰ったらやりたい事があるんだけど、手伝ってくれるかな?)

 

ハレルヤ(アぁ〜〜〜〜?めんどくせぇ〜〜〜〜………が、仕方がねぇか。テメェの娘は俺の娘、テメェの妹は俺の妹でもあるしな……)

 

アレルヤ(ありがとう、ハレルヤ)

 

そうこうしているうちに車は病院に到着し、僕は車を降りて空を見上げる。

 

アレルヤ(………マリー…)

 

今はとても遠いところに来てしまったけれど…

 

アレルヤ(必ず戻るよ、君の元に……だから、それまで僕はこの世界で出来た家族を護るよ…)

 

後悔はしたくないから…

 

 

 

ニールsied

 

 

 

ニール「…ふああぁ……はぁ…」

 

俺はあくびをしながら背伸びをする…。あの後、病院から帰ってきた俺は完徹してライルとアニューさんから頼まれた事を調べていた。

 

ニール「ふぅ…データはあるんだよな…後はそれを入れる器の問題か…」

 

最近は違法研究施設を襲撃しまくってたからな…そこで回収したユニゾンデバイスの素体があるんだよな。

 

ニール「体はユニゾンデバイスでいいとして…後は武器になるデバイスが必要だな…」

 

どうしたもんか…新たに作るには時間がかかるしな…

 

ニール「ユニゾンデバイスの方も同調率が問題点だし…はぁ…」

 

問題が山積みだなぁ、おい。

 

カイゼル「ずいぶんと悩んでるようだな、ニール」

 

ニール「ん?まぁな……、ライルの処遇はどうなるんだ?」

 

いつの間にか後ろにいたカイゼルに向き直りその目を見る。……どうやら悪い事にはなってないみたいだな。

 

カイゼル「いろいろ手を回したからな……予定通り、六課に行かせる事ができた」

 

近くのソファーに寝転がり空間ディスプレイを見ているカイゼル。……本当に、色々と世話になってばかりだ。

 

ニール「……俺達の事でいろいろとすまねぇな、隊長」

 

カイゼル「フ…気にするな、私が好きでやってる事だ。……アレルヤの事も、ライルの事も、お前の事もな」

 

そう言った後、カイゼルは少し寝ると言い、寝息をたて始めた。

 

ニール「……ま、礼はするさ。この目の事もあるしな」

 

俺は眼帯の上から右目を押さえる。この右目は自分の目じゃない。

………この世界にきた時には、俺の右目は治療不足せいなのか、サーシェスとの戦闘のせいかは分からないが、完全に使い物にならなくなっていた。

 

ニール(本当に、あん時はどうなることかと不安になったな)

 

思い出すのはこの世界にきた時の事……四年前の事だ。

 

 

 

〜回想〜

 

 

 

ニール「ぐぁ…畜生……体が、動かねぇ……」

 

当時の俺は自分の置かれた現状が理解出来なかった。サーシェスを、家族の仇を撃つことが出来たのは良かったが奴の放った一撃で結局は奴との相討ちで、俺は終わってしまった筈なのに……

 

ニール「ソレがなんでこんな場所にいるんだよ……」

 

俺は何処かのビーチに倒れていた。…俺は宇宙にいたはずなんだがな…

 

ニール「くそったれが……意味わかんねぇな…」

 

体が痛い、てことは俺がまだ生きてる証拠だが…

 

ニール「それもいつまで持つのかね………」

 

そこで一度は意識がなくなってしまい、次に目を覚ました時、俺は治療されて豪華なベッドに寝かされていた。

 

ニール「何処だよ、此処は?」

 

カイゼル「私の別荘だ、客人」

 

ドアの方からの声に驚き、視線を向けるとそこには黒髪で黒い瞳の青年が俺を見ていた。

それが俺とカイゼルとの出会いだった。

 

 

 

〜回想終了〜

 

 

 

ニール「その後はいろいろ世話になったな……」

 

魔法の事もそうだが、衣食住や仕事にしてもカイゼルがいなかったら俺はどうなっていたことやら…

 

ニール「右目の義眼なんか、特別製なヤツだしな」

 

ちなみに、今の俺の瞳は元の青色との深緑色のオッドアイになってるんだがな。

 

ニール「………さて、続きをするか」

 

カイゼルにはいろいろ世話になってるからな…いつかこの恩を返せるといいが…

 

ニール「とりあえずは目の前の事に集中だな」

 

そして俺はモニターに向き直り作業を再開した。

 

 

 

はやてsied

 

 

 

病院に着いた後、起こされたうちはライルさんにこれからの事を説明していた

 

はやて「……となりますけど質問はありますか?」

 

ライル「いや、特に無いな…。アニューは何かあるか?」

 

アニュー「私も特には無いかな。体の方はニー…ん、んん!…カイゼルさんに頼んであるし…」

 

ライルさんの隣でプカプカと空中に浮かぶアニューさん。

 

…病室に入ってきて、可愛い丸っこい物体を見つけたので拾い上げようとしたら突然跳ね回り、口がひらいて彼女が出てきた時にはフェイトちゃんとうちは腰を抜かしそうになってしもうた。

ちなみにアレルヤとフェイトちゃんは退院の手続きに行っている。

 

はやて「それなら説明を終わりますね…では、改めまして、これからは共に戦う仲間としてよろしくお願いします。ライル・ディランディさん、アニュー・リターナーさん」

 

ライル「ああ、よろしくな。隊長さん」

 

アニュー「よろしくね、八神さん」

 

そして、退院したライルさんとアニューさんを連れてみんなで六課に戻る途中…

 

アレルヤ「…?何か、来る?…フェイト、車を止めて」

 

フェイト「え?」

 

はやて「どないしたんや?アレルヤ」

 

走行中にアレルヤが険しい顔つきになり、車を停止させた。

 

アレルヤ「………やっぱり、近づいてる…!フェイト!はやて!何かが近づいてきてる!」

 

突然のアレルヤの言葉にうちらは困惑する。

 

フェイト「でも何の反応も連絡もないよ?…バルディッシュ、何かあった?」

 

バルディッシュ〈私のセンサーには何も…ただ、気になる事が一つ有ります〉

 

はやて「気になる事、と言うのはなんや?」

 

バルディッシュ〈10分ほど前から対向車も後続車も一台としてこの車とすれ違っていません〉

 

はやて「!、全員警戒態勢!!」

 

全員が車から飛び出し、バリアジャケットを纏うと周囲を警戒する。ライルさんも車を盾にして周りを確認する。そんなライルさんにアレルヤはビームライフルを差し出す。

 

ライル「まったく…とんだ歓迎だな。何発だ?」

 

アレルヤ「20発位かな……僕たちは逃れることはできないのかもね…戦いからは…」

 

ライルさんはアレルヤからビームライフルを受けとると立ち上がり、アレルヤと背中合わせになる。

 

ライル「ハッ…そうかもな……!?そこか!」

 

ライルさんが何も無い空間に向けてビームを撃つと空間が歪み、ナニかがそこに姿を現した。

 

?〈…………〉

 

はやて「な!?リボーンズガンダム!!」

 

現れたのは先日、聖王教会を襲撃し、多くの死傷者をだした元凶だった!

 

アリオス〈違います、八神部隊長……この機体は…!?〉

 

アリオスが説明をしようとすると同時にうちらを中心に所々で空間が歪みをみせる…

 

アリオス〈リボーンズガンダムの原型となった機体……イノベイド専用モビルスーツ、1(アイ)ガンダムです!〉

 

全部で5機の1ガンダムは一定の距離を保ったまま近寄っては来ない…なにが目的なんや…?

 

?〈今日はいい天気だね…そう思わないかい?アレルヤ・ハプティズム〉

 

1ガンダムの一機がアレルヤに話しかけてきた。

 

アニュー「この声は…!」

 

ライルさんの隣にいるアニューさんが驚きの表情で話しかけてきた1ガンダムを見る。

この声はうちらも知っとる…でも1ガンダムはさらに驚く行動をとった!

 

?「こうして直に会うのは初めてだね…改めて自己紹介をしようか、僕の名前は…」

 

なんと…1ガンダムはバリアジャケットだったらしく、それを解除して出てきたのは…

 

リボンズ「リボンズ・アルマーク。いずれ、神になる者だ」

 

ハルートにそっくりな男性、リボンズだった。

 

 

 

アレルヤsied

 

 

 

アレルヤ「……僕たちの前に現れたのは逮捕される為かい?それとも…僕たちを殺しにきたのかい?」

 

僕はリボンズ・アルマークの前に出て彼にビームライフルを向ける。

 

リボンズ「残念だけど違うかな…捕まりにきた訳じゃ無いし、君たちを殺しに来た訳でもない」

 

?…なら何をしに来たんだ?

 

リボンズ「これを渡しに来たのさ。君たち…特に機動六課の八神はやて部隊長にとっては有益な情報だと思うけどね…」

 

はやて「うちにとって有益な情報?…っと!?」

 

リボンズから投げられたモノをキャッチするはやて。

 

フェイト「……カード?」

 

リボンズが投げてきたのはクロスミラージュのようなカードだった。

 

リボンズ「その中には僕の知りうる限りのスカリエッティ作の戦闘機人のデータとその戦闘機人が使用する武装に関するデータが入っている」

 

!!…確かに有益な情報だ…だけど、

 

アレルヤ「何故そんな情報を僕たちに?」

 

リボンズ「なに…スカリエッティに利用されるのもそろそろ終わりにしたいのさ…用件は済んだし、僕は行くとするよ」

 

はやて「はいそうですか…て逃がすと思うか?」

 

はやてとフェイトがデバイスをリボンズに向ける。

 

リボンズ「フフ…僕ばかり見ていて大丈夫かい?」

 

はやて「なんや「車から離れろ!!」…ちぃ!!」

 

ライルの声に反応してみんなが一斉に車から離れた…と同時に車に小型のミサイルが飛んできて車を爆散させた!!

 

アレルヤ「く…!待て!」

 

リボンズ「それじゃ諸君、さようなら。また会う時まで…」

 

煙がたちこめる中、リボンズは薄く笑い…再び1ガンダムをセットアップするとそのまま飛び去って行く。

 

はやて「チッ…逃げられたか」

 

周囲を見回すと、さっきまでいた1ガンダム達もいなくなっていた。

 

フェイト「あううぅ〜〜〜!私の車がぁぁぁ〜!!」

 

はやて「ひどい事をするなぁ、リボンズ」

 

悲観するフェイトに他人事のように言うはやて。ゴウゴウと燃え盛るフェイトの車…廃車は確定かな…

 

フェイト「うわぁ〜〜〜ん!アレルヤ〜〜〜!!」

 

フェイトが抱きついてきたので僕はバリアジャケットを解除してフェイトを抱きしめ返しながら頭を撫でてあげた。

 

アレルヤ「よしよし…泣かないで、フェイト」

 

フェイト「うぅ〜〜〜」

 

ハレルヤ(今のフェイトはめんどくさそうだから任せるわ、アレルヤ)

 

ショックで幼児退行しかけている、ぐずるフェイトが何だか可愛くて、僕はしばらく抱きしめながら頭を撫でていた。

 

 

 

リボンズsied

 

 

 

僕は1ガンダムを纏って自分の拠点への帰路についた。

 

リボンズ「あのデータがあれば機動六課も少しは戦えるだろう…」

 

スカリエッティと管理局上層部が繋がっているから六課の情報は逐一手に入れる事が可能だが、六課がスカリエッティの情報を手に入れるのは一苦労するだろう。

 

リボンズ「しかし、それは僕にとってはあまりよろしくない状況を生みかねない…」

 

スカリエッティと管理局……互いを潰し合わせる為にはある程度の戦力、策略、情報が互角でないとね。

 

リボンズ「その為にも…頑張って欲しいものだね…機動六課には…フフ」

 

しかし…

 

リボンズ「あの場にロックオン・ストラトスとアニュー・リターナーが居たのは驚きだったかな」

 

あっちの世界から何でも流れてきすぎだろう…

 

リボンズ「…まあいいさ。計画は順調だ、後は…“アレ”さえ完成すれば…」

 

この世界は…

 

リボンズ「ふふふふふ…ははははははははははは!!」

 

僕を神と崇め、奉るだろう!!

 

 

 

ライルsied

 

 

 

ライル「話しには聞いていたが…本当にイノベイターが関わってるんだな」

 

アレルヤ「うん…そのせいでこの世界はかなり被害を受けてる」

 

車での移動が駄目になったので迎えのヘリを待つ間に俺はアレルヤから現状を詳しく聞いていた。アレルヤの膝にはフェイトが泣き疲れて寝ていた。はやて隊長はアレルヤの右肩を借りて寝ていた。

 

ライル(やれやれ、疲れてんのかね…)

 

アニュー「…ねぇ、ライル」

 

幸せそうに寝ている二人とは対極に不安そうに俺を見るアニュー…何か心配事があるのだろうか?

 

ライル「どうかしたのか?なんか落ち込んでるみたいだけど…」

 

アニュー「…ん〜ん、何でもない」

 

そう言うとアニューは俺の膝に座った。実体がないから重くないんだけど…やっぱり何か物足りねぇな…

 

アニュー「……ライル、私…今度こそ貴方の傍にいるから。だから…無茶はしないでね…」

 

後ろからだとアニューの表情はわからないが、話し方でどんな表情をしているかはなんとなくわかっちまった。

 

ライル「アニュー…お前が俺の傍にいてくれるなら俺はお前を護る為に無茶はしない。だからさ、そんな悲しい顔してないで笑ってくれ」

 

アニュー「ふふふ…ライルは私の事を何でも解っちゃうんだね…」

 

振り返えったアニューは嬉しそうに笑っていた。

 

ライル(そうさ…アニューには笑顔がよく似合う)

 

だから、その笑顔を曇らせるようなヤツは…

 

ライル(俺が狙い撃つ!)

 

アニューの為なら誰であろうと容赦無しでな!!

アレルヤsied

 

 

 

僕たちがヴァイスのヘリで六課に帰ってくる頃には既に日が傾き始めていた。

なので詳しい案内は明日にし、今日は軽い歓迎会をやろか…と、はやてはそれだけを言い残し、食堂の方へ向かっていった。ちなみにハロ…リターナーさんはフェイトについていった。…なんでも、もっとこの世界の情報が欲しいらしい。

 

アレルヤ(でも、驚いたな…彼女がデータになって生きてたなんて)

 

イノベイドには驚かされるよ…

 

ライル「ふぅ〜、退院初日から問題事とはね…こりゃ思っていたよりも大事になりそうだな」

 

アレルヤ「(それより…今はライルのデバイスをどうしたらいいか考えないとな…)………」

 

ライル「ん?どうかしたか、アレルヤ」

 

僕は悩んでいた。ライルは六課に協力する以上は戦闘要員になるのは確定だろうし、本人もその気だ。それなら…

 

アレルヤ「ライル、ちょっと僕について来てくれるかい?」

 

ライル「ああ、いいぜ。何処に行くんだ?」

 

アレルヤ「デバイスルームだよ…詳しい説明はそこで」

 

ライル「…解った」

 

僕の真剣な表情から何かを感じたのかライルは表情を引き締めて僕についてきた。

 

アレルヤ(本来の計画とは違ってしまうけど…アレの扱いはガンダムマイスターの方がいいだろうし…)

 

それに…

 

アレルヤ(作っておいて言うのもなんだけど…彼女たちに使われない事に越した事は無いしね…)

 

いろいろと考えていると前の方から誰か歩いてきた。…あ、フォワードの四人か。

 

スバル「あ、アレルヤさん!お疲れ様です!」

 

アレルヤ「お疲れ様、スバル。訓練は終わったのかい?」

 

スバル「はい!それより、大丈夫でしたか!?アレルヤさん達が襲撃された、て聞いたんですけど!」

 

ティアナ「私達も行きたかったんですけど…この前みたいに留守を狙われる可能性があったので…」

 

心配そうに僕を見る四人……そうか、こちらから見ればスカリエッティとリボンズはまだ手を組んでいる状態だから迂闊に動けないんだよね…

 

アレルヤ「みんな無事だったよ。心配してくれてありがとう」

 

素直にお礼を言っておく。不謹慎だけど、心配されていて嬉しかった。

 

ライル「おいおい、時空管理局じゃ子供まで戦ってんのか?」

 

後ろからのライルの声に気付いた四人はライルを見て、そのあと全員が困った顔をして僕を見てきた。

 

アレルヤ「あ…みんなに紹介するよ。彼はライル・ディランディ、これからは僕と同じで六課の民間協力者として戦ってくれる仲間だよ」

 

ライル「よろしくな」

 

フォワード四人「「「「はい、よろしくお願いします!!」」」」

 

そのあと四人も自己紹介をし、デバイスルームに一緒に行く事になった。

 

 

 

キャロsied

 

 

 

私がアレルヤさんたちについて行く事にしたのは理す由があった。

 

キャロ(ライルさん…確か私が使っているシールドビットを使っていた人…)

 

私はアレルヤさんの過去を見てないけどエリオ君やフェイトさんから大まかな説明だけ聞かせてもらった。その時にシールドビットは元々はケルディムガンダムの武装で、そのパイロットは…

 

キャロ(目の前を歩いているライル・ディランディさん)

 

なんで名前がロックオン・ストラトスじゃないのかは知らないけれど…

 

キャロ「(せっかくなんだからシールドビットの扱いについて聞いてみよう)…あ…あの、ライルさん」

 

ライル「ん?ルシエお嬢ちゃん、俺に何か用事かい?」

 

ライルさんは振り返ると私の目線の高さを合わせるようにその場にしゃがんでくれました。

 

キャロ「あの、お聞きしたいんですけど…シールドビットを上手く扱うにはどうすればいいんですか?」

 

ライル「ん〜、そうだなぁ……」

 

ライルさんは私の質問に何か考えているのか…黙り込んでしまいました。

 

ライル「その前に聞いてみたいことがあるんだが…その答え次第かな?」

 

キャロ「聞いてみたいこと…ですか?」

 

いつの間にか皆と離れてしまった私達は歩きながら話す事にしました。

 

ライル「聞いてみたいこと、つ〜のは…なんでルシエ…「キャロでいいですよ」…そうか。キャロは戦っているのか、なんだよ」

 

私が、戦う理由?

 

ライル「見た目から判断して悪いけど、キャロとモンディアルは本来なら学校に行ってるくらいの歳なんじゃないか?」

 

キャロ「はい…私もエリオ君も今は10歳です」

 

ライル「…そうか、キャロ」

 

ライルさんが突然その場に止まって屈んで私を手招きしだしました。

 

キャロ「?」

 

ライル「ほら、肩車してやるから早く乗れ」

 

キャロ「え?…かたぐるまですか?」

 

何故、今かたぐるまを?

 

ライル「そうだ、肩車だ。ちなみに乗らないとシールドビットの扱い方を教えないからな」

 

キャロ「わ、わかりました!乗ります!」

 

教えてもらわないと困るので私は急いでライルさんの肩に乗りました。そして…

 

キャロ「…わぁ…!」

 

そこから眺める景色はとても新鮮でした。いつもフリードに乗ってるから高い所は平気だけど…いつも見慣れてる廊下が高さ違うだけでこんなに見方が変わるなんて…!

 

フリード「きゅく〜〜〜」

 

フリードがライルさんの頭の上にとまった事に少し驚きました。…普段のフリードなら初めて会った人には警戒心をむき出しにするのに…

 

ライル「…キャロ」

 

キャロ「は、はい!」

 

ライルさんの重い声に私は少し驚いてしまいました。

 

ライル「…キャロの過去や境遇を詳しくは聞かねぇ。人生は人それぞれだしな。おまけに此処は俺からしたら異世界だ。部外者、異世界の人間の俺がキャロに何かを言える権利もねぇ。だが…これから先、もし辛いことや悲しいことがあったら迷わずに俺に言え。力になってやる」

 

………アレルヤさんもそうだけど、ライルさんも優しい人です。ガンダムマイスターの人達はみんなこんなに優しい人達なんでしょうか…。

 

キャロ「ありがとうございます。ライルさん…先ほどの戦う理由、答えますね」

 

ライルさんは黙ったまま耳を傾けてくれます。

 

キャロ「私の戦う理由は…自分の居場所(いえ)を護るのと、私に家族の暖かさを教えてくれた人への恩返しの為です」

 

ライル「…そうか、家族の暖かさか…」

 

?、ライルさんが何か呟いたけど、よく聞こえませんでした。

 

ライル「解った。…俺に教えれる事があるかはわからないがコツやテクニックを教えてやるよ」

 

キャロ「!!、ありがとうございます、ライルさん!」

 

やったー!これでもっと強くなればみんなを護る事が出来る!

 

ライル「ただし、条件付きだ」

 

キャロ「条件付き…」

 

何を言われるのかな…?

 

ライル「そんな心配そうな声をだすな…条件はな、少し先の話になるんだが俺の仲間が…恋人なんだが六課に来ることになっててな、そいつに魔法を教えてやって欲しいんだ。…頼めるか?」

 

キャロ「わかりました、私に教えれることは少ないですけど…頑張ります!」

 

ライル「よし、いい返事だ、と。ここだな、デバイスルームとやらは」

 

ライルさんの肩から降りた私の頭をわしゃわしゃと撫でて微笑んでいるライルさんに…何故か懐かしい感じを受けました。

 

キャロ「…お父さん…」

 

ライル「ん?何か言ったか?」

 

キャロ「!、なんでもないですよ!早く入りましょう!」

 

私はなぜか、今の呟きをライルさんに聞かれたくなくて…ライルさんの手を引っ張って急いでデバイスルームに入りました。でも…いつかライルさんの事をお父さん…と、言ってしまいそうです。

 

 

 

ティアナsied

 

 

 

私はライルさんのデバイスに興味が湧いてデバイスルームまでついて来た。今はアレルヤさんがキーボードを叩きながら何かを操作している。

 

ティアナ(アレルヤさんのデバイスはガンダムだし…ライルさんのデバイスもガンダムなのかしら)

 

私はライルさんに、私の戦い方を見てもらって意見を聞きたいと思っていた。

アレルヤさんの過去を見せてもらった時に、ライルさんはケルディムガンダムに乗って戦っていたけど…

 

ティアナ(あのガンダムでの戦い方…私とクロスミラージュの戦い方に通じるものがあるのよね…)

 

基本が後方からの援護による戦い方のケルディムガンダム…戦いの経験値や技術面はライルさんの方が私達より圧倒的に上だ。

 

ティアナ(もしかしたら隊長達より上かも…)

 

無理な訓練や戦闘は自分の命…下手をすれば仲間や助けるべき人達をも殺しかねない事はなのはさんやアレルヤさんから教わった。

 

ティアナ(無茶苦茶はしない…けど、話やアドバイスは聞きたいし、欲しいのよね)

 

そんなことを考えているとアレルヤさんが振り返った。

 

アレルヤ「ライル、君はこの世界をどう思った?」

 

ライル「……答えはいるのか?」

 

アレルヤさんの真剣な問いに苦笑して答えるライルさん。…何の話をしてるんだろう?

 

アレルヤ「…分かった。なら受け取って欲しい。君の…“新しい力”を」

 

アレルヤさんがパネルのボタンを押すと…壁にあるデバイスケースから一枚のプレートが出てきた。緑色で…アリオスの待機状態の時に見られるソレスタルビーイングのマークが描かれたプレートだ。

 

ライル「ほ〜…これがデバイスなのか」

 

ライルさんはプレートをひっくり返したりしてまじまじと眺めていた。

 

アリオス〈ロックオン・ストラトス、そのデバイスには製作途中なのと武装の都合上、簡単なAIしか積んでいないので今はまともな戦闘が出来ません。なので、今後の事を考えると別の管制人格が必要になりますが…その点については解決策がありましたね、マイスター?〉

 

アリオスの言葉にその場にいる全員の視線がアレルヤさんに向けられる。

 

アレルヤ「アリオスの言う通り、解決策がちゃんとある。ライル、確かリターナーさんはユニゾンデバイスとして生きていく為にカイゼルに身体を探してもらってたよね?」

 

ライル「ああ、その通りだが…」

 

リターナーさん?誰だろうか?ライルさん以外にも保護された人がいたのかしら…?

 

アレルヤ「君が戦うなら…彼女も戦うのかい?」

 

ライル「ああ…俺もアニューも、今回の件を黙って見過ごす事は出来ないし、するつもりはねぇ…」

 

アレルヤ「それなら問題は無くなったよ…リターナーさんとそのデバイスをリンクさせれば管制人格の問題はクリアだからね。でも、それまではアリオスの説明にもあったけど最低限の武装と動きしか出来ないから、しばらくの間は現場には出ないでデータ収集と訓練に専念するようにね」

 

ライル「了解だ…こいつの名前は?」

 

アレルヤ「…答えはいるのかい?」

 

アレルヤさんの切り返しに驚いた顔をしたライルさん、でも次に浮かべた表情はとても楽しそうな笑顔だった。

 

ライル「ははは!言うようになったな、アレルヤ!…ケルディムだろ」

 

ライルさんの言葉に反応してチカチカと明滅するケルディム。…やっぱり、未完成みたいだけど名前からみてもあのデバイスもガンダムらしい。

 

アレルヤ「とりあえず今日は歓迎会もあるみたいだし、堅い話はここまでにして食堂に行こうか」

 

アレルヤさんに促されてデバイスルームを出て、食堂に向かう途中で私は思いきってライルさんに声をかける事にした。

 

ティアナ「あの、ディランディさん。少しだけ…」

 

ライル「話したい事があるんだろ?あんなに熱心に見つめられたら断れないしな」

 

き、気づかれてたんだ…//

 

ライル「ま、詳しい話は後にして、今は食堂に行こうぜ?ランスターさん。あと、俺の事はライルでいい」

 

私の頭をポンポン、と軽く叩くと私の先を歩いて行くライルさん…その背中は、まるで…

 

ティアナ「兄さん…」

 

いつかの日の、朝早く仕事に出かけて行くティーダ兄さんの背中と重なって見えた。

 

 

 

ライルsied

 

 

 

はやて「お!来たみたいやね。アレルヤ、ライルさん、こっちに来て〜」

 

食堂に着くと八神部隊長に呼ばれたのでそちらに行くとハロがぴょんぴょんしながら跳んできたのでキャッチする。アレルヤはそのまま八神部隊長と話をしていた。

 

アニュー「おかえりなさい、ライル。何処に行ってたの?」

 

ライル「ただいま、アニュー。アレルヤから俺のデバイスをもらってな…後で見せてやるよ」

 

ハロの口から出てきたアニューは俺の肩に座った。

 

スバル「え!?えええ!?」

 

エリオ「ど、どうなってるんですか!?」

 

やべ…アニューの説明を忘れてた。

 

ライル「後でも紹介するんだが、この人はアニュー・リターナー。訳あって今はデータとして生きているんだ。元はちゃんとした人間だったんだけどな」

 

アニュー「アニューよ、よろしくね!」

 

フォワード四人「「「「は、はい…」」」」

 

プカプカ浮かびながら四人に挨拶するアニュー。四人は驚きから抜け出せないのか呆けていた。

 

はやて「ラブラブやな、二人とも」

 

フェイト「…うらやましい…」

 

外野のフェイトちゃんや八神部隊長が冷やかす中、その隣に栗色の長い髪をサイドポニーにした女性が目にはいった。あちらも俺の視線に気付いたみたいで一歩前に出てきた。

 

なのは「初めまして、機動六課スターズ分隊所属、高町なのは分隊長です」

 

ライル「どうも、次元漂流者で機動六課の民間協力者になったライル・ディランディだ」

 

握手を交わして高町隊長を見る。…今、思ったが…

 

ライル「若い奴が多いな。しかも大半が女性みたいだが…」

 

周りを見回すと男性と女性の比率が3:7くらいと女性が多い。

 

はやて「ああ〜〜……時空管理局は人手不足でな、おまけに六課はちょっと事情があってな…若い人が多いんよ」

 

苦笑いをしながら答える八神部隊長。……彼女になら後で話をしてもいいかもな。

 

ライル(これだけでかい組織だ…裏がない筈がない…)

 

それこそ、あのアロウズの奴らみたいにな…

 

?「そんな顔してると美形が台無しですよ?」

 

ライル「!、あぁ、そう…だ…な!?」

 

アニュー「な、なんで!?」

 

俺は思わず後退りしてしまった。いつの間にか目の前にいて、俺に話しかけてきたのは…

 

ライル(リボンズ!?…いや、違う…のか?)

 

リボンズに似てはいるが…髪は長いし、女の子だし、柔らかな眼差しだし…細部が違う。

 

ライル(おまけに…でるところはでてるし、ひっこむところはひっこんでるし…)

 

特に胸と腰の辺りとか…

 

?「?…どうかしました?」

 

ライル「いや!!なんでもない…君は?」

 

?「あ、自己紹介がまだでしたね。私の名前はハルートです。ロックオンさん…ですよね?」

 

ライル「ああ、そうだが…今はライルと呼んでくれ。…なんで名前を知ってるんだ?」

 

ハルートは柔らかな仕草で口元に手をやり、クスクスと笑ったが不思議と嫌な気はしなかった。

 

ハルート「アレルヤから聞きましたから。おまけにアレルヤがヴィヴィオをあやす時に…ロックオンなら上手くやれるんだろうな、てよく言ってますから」

 

アレルヤがそんな事を…ん?ヴィヴィオ、て言うのは誰だ?

 

ヴィヴィオ「パパ〜〜〜!」

 

とてとて…と走ってきた女の子。その女の子が行き着いた場所は……

 

ライル「おいおい…マジかよ…!」

 

アニュー「嘘…!?」

 

アレルヤの足下だった。八神部隊長と話をしていたアレルヤは女の子…足下にきたヴィヴィオを抱き上げた。……確認してみるか。

 

ライル「アレルヤ、ちょっと聞きたいんだが…その子はお前の…」

 

アレルヤ「ん?あ、紹介してなかったね…ヴィヴィオ、この人はライルさん。パパのお友達なんだ。挨拶してあげて?」

 

パパ、て言ってるよ…

 

ヴィヴィオ「………ヴィヴィオ・ハプティズムです」

 

女の子がペコリと頭を下げてきた。う〜ん、しっかりした子だな。

 

ライル「あ、ああ。ライル・ディランディだ。よろしくな、ヴィヴィオちゃん」

 

アニュー「私はアニュー・リターナーよ。よろしくね」

 

そしてその小さな手に握手をする。横を見ると…何故かアレルヤが動揺していた。

 

アレルヤ「ヴィヴィオ、なんで名前にハプティズムがついてるんだい?」

 

ヴィヴィオ「ん?ママ達がそう言いなさい、て言ってたよ?」

 

隊長三人「「「あ、あはは〜〜」」」

 

アレルヤ「まぁ…いいけど」

 

呆れるアレルヤに笑う隊長三人……つ〜か、今ママ達が、て言わなかったか?

 

ライル「おいおい…まさか、アレルヤ。お前…」

 

アニュー「隊長たち三人と…その、ムフフな事をしたの?」

 

アニュー…ストレート過ぎじゃないか?

 

アレルヤ「や、やってないよ!!///」

 

なのは・はやて・フェイト「「「まだね//」」」

 

アレルヤは否定してるが…やる気だよ、あの隊長三人は…

 

ライル(確か…アレルヤにはパーファシィさんがいたが…)

 

アニュー(あの三人…そんなのお構い無しにアレルヤさんを狙ってるわ…)

 

アレルヤを見る三人の目は…獲物を狙う肉食獣のような目をしていた。

 

 

 

アレルヤsied

 

 

 

アレルヤ「ふぅ…」

 

少し休憩をしようと近くにあった椅子に座って辺りを見回すと、みんなパーティーを楽しんでいた。

 

ハルート「アレルヤ〜〜〜!!」

 

ハルートは叫びながら僕に思いっきり抱きついてきた。僕は座った状態で抱き止めたので僕の顔の横にハルートの顔がある状態になってしまった。

 

アレルヤ「ん?ハルート?…お酒臭いよ?」

 

ハルートの顔を見るとほんのり赤くなっていて、目が潤んでいた。

 

ハルート「んにゅ〜〜〜、アレルヤ〜〜〜!」

 

僕に抱きついたままごそごそと動くハルート。…なんだが猫みたいだな…。

 

アレルヤ「ハイハイ…よしよし…」

 

ハルートは体勢を変える。その体勢は僕がハルートをお姫様抱っこしている状態だった。ただし、ハルートは僕の首に腕を回したまま離そうとはしなかった。

 

アレルヤ「よしよし…大丈夫、大丈夫だよ。………君は僕が護るから」

 

ハルート「……………うん」

 

少し沈んだ声でハルートは答えた。僕はハルートを抱きしめて左手で背中を軽く叩き、右手で頭を撫でる。サラサラとした髪を透きながらしばらくそのままでいた。

 

ハルート「アレルヤ、私は多分…いや、確実にリボンズのクローンなんだと思う」

 

アレルヤ(…気付いてたんだね…)

 

いや、気付かないフリをしていただけかもしれない。僕の過去を見た時にリボンズの姿を見た筈だし…

 

ハルート「だから…もし、もし私がアニューさんの時みたいに……仲間を撃ちそうになったら…その時は「それ以上は言ったらいけないよ」…でも、私は…」

 

アレルヤ「ハルートの不安は僕には解らない。けれど、君は僕が護る…僕だけじゃないな。六課の皆も君を護るよ…君は仲間で家族だから」

 

ハルート「…………」

 

?、あれ?反応がないな……

 

アレルヤ「ハルート?」

 

顔を覗きこむと…

 

ハルート「……ZZZ」

 

彼女は寝ていた…

 

アレルヤ「………やれやれ」

 

僕はハルートを抱き抱え、ソファーに寝かせて頭を撫でる。…穏やかな寝顔だな…

 

アレルヤ「そうさ…ハルートはハルートだ。相手の、リボンズの好き勝手になんてさせない…」

 

だから、安心して眠るんだよ、ハルート。

 

アレルヤ「護るさ…どんな敵だろうと、必ずね…」

 

 

 

なのはsied

 

 

 

私は会場内をアレルヤを探し歩いていた。

 

なのは「何処かな…」

 

辺りを見回す…と、見つけた。けど…アレルヤは外に出て行ってしまった。

 

なのは(何処に行くのかな?)

 

私は気になってついて行くとアレルヤは外で空を見上げていた。

 

なのは「(今なら誰もいないし…チャンスかな?)何してるの?アレルヤ」

 

私の声に反応して振り返るアレルヤ。けれど、その瞳は…

 

レント「ふん…高町か…」

 

紅く、怪しいモノになっていた。…レントさん、だよね。

 

なのは「えと…こんばんは」

 

レント「ククク…そんなに身構えるな…まあ、立ったままというのもなんだな。そこに座ろうか」

 

レントさんに促されて近くにあったベンチに座る。

 

レント「さて…何か話があるのか?残念ながらアレルヤもハレルヤも眠っていて私しか話し相手になれないがな」

 

なのは「いえ…その、たいした事じゃないんです。ただ、何処に行くのか気になっただけで…」

 

隣に座るレントさんを見ると彼は私…私の目をじっ…と見つめていた。私は少し恥ずかしくなって目を反らしてしまう。

 

レント「高町…お前、身体に異常があるな。しかも、リンカーコアに」

 

なのは「!!、ど、どうして…」

 

私の驚いた顔を見て、彼は笑っていた。

 

レント「ククク…図星か。……その傷、治してやろうか?」

 

なのは「…え?」

 

彼は今、何て言った?

 

レント「…治してやろうか、と聞いたのだが?」

 

なのは「な、治せるんですか!?」

 

私は彼に詰め寄った。いろいろな治療を受けてきたがどれも効果があまり無かった。だから無理をしない事で身体とリンカーコアに負担をかけないようにしていた。

 

レント「ああ、治るさ。…ただし…条件があるがな」

 

なのは「条件?それは何ですか?きゃ!?」

 

そう聞いた瞬間、私は彼にベンチに押し倒されていた。

 

なのは「な、何をするんですか!!」

 

レント「条件はただ一つだ、高町…いや、なのは。お前が私のモノになることだ」

 

なのは「そんな!?」

 

彼に両手を押さえられてしまい、身動きがとれない…!!

 

レント「………ククク、答えは何時でも構わん。お前がその気になったら私のところに来るといい…」

 

彼は私の手を離すとその場に座り直した。私は急いでその場から立ち上がり彼を睨み付ける。

 

なのは「最低です…!」

 

レント「ククク…子供を建て前にした君に言われるとは光栄だな」

 

!!…な、なんで…!?

 

レント「そう驚くな。…だから私はお前に惹かれたのだよ、なのは。お前の闇は実に私好みだからな」

 

彼は立ち上がると私の前まで歩いてきた。

 

レント「安心するといい…アレルヤはこの事を知らない。そしてこの場での出来事も私とお前しか知らない。…無論、先ほどの約束もな」

 

彼は私のおでこに軽くキスをして会場に戻って行きました。

 

なのは「……なんで…」

 

私は…拒めたはずなのに…彼に押し倒されてしまった瞬間、受け入れてしまいそうになった…。

 

なのは「嫌じゃ…無かったのかな……?」

 

自問自答するけど、答えは出なかった。…私も戻ろう…

 

結局、その夜も寝るまでいろいろ考えてみたけど答えは出なかった。

 

 

 

レントsied

 

 

 

レント「……ククク…」

 

当時は純真無垢な子供でも、時が経ち、成長すれば知らず知らずのうちに薄汚れた大人へとなる。

 

レント「……殺すだけが復讐でもないか…」

 

特に…高町なのは、アイツの闇はとても良い。

 

レント「ククク……私の色に染め上げるのも一興か…」

 

アイツは私に押し倒されてしまった時、ほんのわずかだがその瞳に期待を抱いていた。…恐らく本人も自覚出来ないくらいの期待だったが。だから手を離し、解放した。

 

レント「ああ言っておけばアイツは自分の意志で私のもとに来なければならない。そう、自分の意志でな……」

 

その時は存分に可愛がって、私色に染め上げてやろう…それこそ、私の命令で…

 

レント「簡単に他人を殺せるくらいにな…ククク……はははははははははは!!」




誤字、脱字が有りましたらお知らせください(´∇`)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。