魔法戦記リリカル00 ~世界を越えた超兵の話~(改定前)   作:かねごんマークII

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第35話 公開意見陳述会(3)

フェイトsied

 

 

 

私はスバル達四人と合流したあと、なのは、スバル、ティアナと別れてエリオとキャロと一緒に機動六課へ向かっていた。

 

フェイト「みんな…無事でいて…!」

 

主力を欠いた六課はそこまで持たないだろう…急がないと!

 

バルディッシュ〈サー、こちらに近づいてくる熱源を感知。その中に生態反応を確認、戦闘機人の可能性大〉

 

バルディッシュの報告と同時に赤いビームが雨のように降ってきた!

 

エリオ「!、フェイトさん!」

 

フェイト「バルディッシュ!」

 

バルディッシュ〈プロテクション〉

 

エリオ達の横を飛んでいた私はエリオ達の上に移動してビームを防ぐ!

 

セッテ「すみませんが、ここで通行止めです」

 

ビームの雨が止み、私たちの前に現れたのはブーメランのような武器を二本持った髪の長い戦闘機人と等身大のランスを持ち、切っ先をこちらに向けたジンクスの部隊だった。

 

フェイト「(この数を守りながらの戦いは……)エリオ、キャロは先に行って六課の援護をお願い」

 

エリオ「え、……分かりました。フリード、頼む!」

 

フリード「ギュオオオ!」

 

私の意図を読んでくれたエリオ達はフリードと共に六課へと飛んでいく。その間も私は彼女達から目を剃らさない

 

セッテ「…自己紹介をしましょう。私は戦闘機人ナンバー7、セッテです。プロジェクトFの1号体…フェイト・テスタロッサ、おとなしく我々のもとに来るのなら危害は加えません。ですから投降してください」

 

目標が私なら好都合…相手をこちらに惹き付ける!

 

フェイト「断る!犯罪者に協力するつもりは毛頭ない!貴女こそ投降しろ!」

 

バルディッシュを構えて相手を睨み付ける。相手は私の反応を予想していたのか、身動ぎをせずに私を見ていた。

 

セッテ「言っても分かってくれませんか。では、貴女の気持ちが変わるようにしましょう」

 

フェイト「どんなことをしても私は「これを見ても…ですか」……え?」

 

セッテの隣に空間モニターが現れ、そこに映し出された光景を私は…理解したくなかった。

 

フェイト「ハレルヤ…?」

 

そこには、何か大きな機械にワイヤーを巻き付けられたアリオスが映っていた。

 

セッテ「彼は我々が捕獲しました。彼の安全を保証したいのなら我々に投降してください」

 

私は画面に映るアリオス…いや、ハレルヤを見ていた。彼は…いつも私をからかってばかりで、嫌な笑みを浮かべてるんだけど、ときどき、ほんとにときどきだけど……子供のような無邪気な笑顔をする…私を気にかけてくれる人。

 

いつだっただろうか…私はアレルヤに私の生い立ちを話した事がある。するといつの間にかハレルヤが出てきていて、私の話を聞いていた。ハレルヤは私に同情も哀れみもしなかった。

 

ハレルヤ「くっだらねェな…どんな生まれだろうが関係ねェだろ。今、此処にいるテメェは誰でもねぇ、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンという名の女だ。それ以下でもそれ以上でもねェ。その事はどォしよォもネェんだから突き進め。俺が惚れた女なら出来る筈だぜ…なあ?フェイト」

 

そう言って彼は笑った。それからだ…私、フェイトが彼、ハレルヤに完全に惹かれるようになったのは…そんな彼が、やられた。

 

フェイト「バルディッシュ……!」

 

私は仲間を、彼をやられた怒りに身を震わせながらも、静かに深呼吸をする。

 

バルディッシュ〈カートリッジ、ロード〉

 

シリンダーが回転して撃鉄を撃つ。バルディッシュが変型してザンバーフォームに変わる。電撃が辺りに迸ることでジンクスが下がっていった。

 

フェイト(ハレルヤ…)

 

セッテ「…抵抗の意思有りと判断、鎮圧します」

 

いきなり背後に移動してきたセッテが武器を振る…けれど…

 

フェイト(私は…突き進むよ!)

 

気配でそれを察した私は力を抜いて飛行を止め、重力に身を任せて落下することでそれを回避する。

 

セッテ「なっ…!?」

 

フェイト「でやあ!!」

 

驚きで相手の動きが止まったところを私はすぐに飛行魔法を使用、バルディッシュで相手に突きを繰り出す!

 

セッテ「くぅ!?」

 

だけどセッテもすぐに立ち直し、武器を交差させて私の攻撃を防ぐ。

 

フェイト「(私の、私だけの道を突き進む!)バルディッシュ!」

 

バルディッシュ〈プラズマバスター!〉

 

剣先から魔力砲を撃ち放つ!

この攻撃方法はアリオスの使うシールドクローの意外性をヒントに思い付いた魔法で、威力はなのはのディバインバスターよりは低いし、誘導も出来ないから決定力には欠けてしまう。

けれど相手の意表を突くこの攻撃は相手を動揺させる。

 

フェイト(そして…)

 

私の攻撃でセッテが焦りに刈られたせいか、私から離れて武器を構えた。

 

セッテ「IS、スローターアームズ!」

 

私にはセッテの動きが分かっていた。そう…動揺は焦りを生み、焦りは単調な動きを作りだす!

 

フェイト「その動き、読めた!」

 

私は足場を二つ作る。一つは自分の足下、もう一つは自分の背中より少し後ろに。

 

フェイト「バルディッシュ!」

 

バルディッシュ〈ソニックムーブ!〉

 

まず足下の足場を蹴り、次に後ろの足場に着地。ザンバーの剣先をセッテに向けて、両脚のバネを生かしてその足場から飛び出す!この動きも、ハレルヤがリインとユニゾンした時に私の攻撃をプロテクションを蹴って回避した事を参考にした。

 

そしてソニックムーブの効果も有り、私は端から見れば雷の弾丸だ。

 

セッテ「なぁ!?」

 

そして、雷の弾丸はセッテの武器を弾き飛ばした!

 

フェイト「食らえ!!」

 

バルディッシュ〈サンダーブレイク!〉

 

次の瞬間、辺りは閃光に包まれた。

 

 

 

アニューsied

 

 

 

私とライル、ニールさんはデバイスルームの前にいたガジェット3型を撃破した後、マリエルさんと数人の研究員を残して周囲の索敵、局員の捜索をしている。

その間も建物内は爆発の振動で揺れていた。

 

アニュー〈情報を見ていると攻撃してきてるのはガジェットやジンクスばかり。戦闘機人の姿は報告されてないみたいだけれど、スカリエッティが絡んでるのは間違いないわね〉

 

ライル「やれやれ、まったく…何で無駄に力を持ってる奴はこうも自分の力を誇示して暴れたがるのかね」

 

ニール「同感だ…っと、ガジェット撃破。右通路クリア」

 

会話をしながらもその手は休めずに敵を狙い撃っていく。

 

デュナメス〈マイスター、熱源を4つ、感知しました〉

 

ニール「敵か?」

 

デュナメス〈3人は不明、ですが1人は管理局員です。データ照合の結果、管理局員、ギンガ・ナカジマと合致。熱源反応から戦闘行動中の模様〉

 

ライル「おいおい、マジかよ!」

 

アニュー〈ギンガが誰かと戦ってる?〉

 

ニール「しかも三対一か。現場に急ぐぞ!」

 

私達は急いでギンガのところへ向かう。……後少しで到着、のところで大きな爆発音がした!ライルは曲がり角の壁を蹴って強引に曲がる!

 

ライル「チッ!このままじゃ間に合わねえ!アニュー、トランザムだ!」

 

アニュー〈わかったわ!トランザム!〉

 

トランザムを起動させて一気に加速する。さらに曲がり角を蹴り曲がったところでギンガの姿が見えた。

 

アニュー〈見えた!〉

 

だが赤毛の女の子がまさにギンガに止めを刺そうとしていた。

 

ライル「アニュー!シールドビット!」

 

アニュー〈了解!シールドビット展開!〉

 

ケルディムの腰の後ろについているシールドビットを飛ばして赤毛の女の子の蹴りを止める事に成功した!それと同時にトランザムを解除、ライルとニールさんがギンガの前に出て守りを固める。

ギンガを見ると彼女はボロボロだった。…相手は手練れね…

 

アニュー〈ライル、気をつけて〉

 

ライル「了解だ、アニュー」

 

さあ、戦闘開始よ!

 

 

 

ギンガsied

 

 

 

ニール「君、体は大丈夫か?」

 

ギンガ「その声…ライルさん、ですか?それに、そのガンダムは、スカリエッティが使っているガンダムなんじゃ…」

 

荒い息を整えながら疑問を口にする。このガンダムの名前は確か…デュナメスだったかな…?彼に手を借りて私は立ち上がる。

 

ニール「いや、俺は…すまないが今は説明してる時間が惜しい、ライル!」

 

ライル「オーライ!アニュー、ビットは任せる!」

 

アニュー〈了解!シールドビット、アサルトモード!〉

 

緑色のシールドビットが無造作に舞い上がり、ビームを発射する。

 

ウェンディ「チッ!いい加減にするっすよ!!」

 

それをウェンディが撃ち落とそうと撃ちまくるが無軌道に動きまわるシールドビットには当たらず…

 

チンク「IS、ランブルデトネイ「させるか!!」クッ…!」

 

チンクがナイフみたいなモノを飛ばそうとしても、デュナメスが二挺のハンドガンでそれを防ぎ…

 

ノーヴェ「ぶっ飛べよ!ガンダム!」

 

ライル・ニール「「お前がぶっ飛べ!!」」

 

隙を突いて近づいてきたノーヴェの蹴りに対して二機は片方は右、片方は左の脚を使って蹴りを受け止め、逆に二機はそのまま蹴り返す!

 

ギンガ「凄い…息が合ってる」

 

私は壁を背にして立ち上がり、二機のガンダムの戦いを見ていた。デュナメスとケルディムはお互いにサポートしあって隙がない。

 

ニール「今だ、デュナメス!」

 

デュナメス〈了解、スモーク発射〉

 

デュナメスの前部スカートに格納されているミサイルが発射され、チンク達に向かっていき、その途中で爆発した!

 

ギンガ「これは…スモーク?きゃっ!?」

 

ニール「よし、離脱するぞライル!それと君、舌を噛むなよ!」

 

辺りが真っ白になって動けなくなった私はいきなりデュナメスにお姫様抱っこをされてしまった。

 

ギンガ「えっ!?ちょ!?」

 

ニール「デュナメス、ルートを割り出してくれ!」

 

デュナメス〈了解…割り出し完了、いきましょう。マイスター〉

 

驚いている私を余所に、ガンダム二機は物資搬入通路を飛んでその場から離脱した。

 

 

 

ライルsied

 

 

 

ライル「あの娘達、追ってこないぜ」

 

ニール「ふぅ〜…何とかなったか…」

 

しばらく飛んでいた俺達は追っ手がない事を確認して着地する。

 

ギンガ「あの…貴方達は?」

 

兄さんから下りたギンガは困惑気味に聞いてきた。

 

ライル「ああ、悪い。これじゃ分かんないか。アニュー、ケルディムの頭部のバリアジャケットを解除してくれ」

 

アニュー〈了解よ、ライル〉

 

ケルディムのバリアジャケットを解除して彼女を見るとずいぶんと驚いた表情をしていた。

 

ギンガ「えっ?アニュー?それに、こちらがライルさん、なら…こちらは?」

 

ニール「ああ、俺か。俺は…」

 

兄さんもデュナメスの頭部のバリアジャケットを解除した。

 

ニール「俺はニール・ディランディ。ライルの双子の兄貴だよ、お嬢さん」

 

何度も俺と兄さんを見比べるギンガ……そんなに珍しいかね?

 

マリエル「三人とも、早くこっちに!」

 

マリエルさんが小声で手招きをする。そう、俺達はデバイスルームに通じる廊下まで引き返してきていた。

 

ニール「マリエルさんの言う通りだな。早く部屋に入ろう」

 

兄さんの言葉に頷き、俺達はデバイスルームに入り、またバリケードを築くと部屋にあった椅子に座る。

 

ライル「とりあえず、一安心だな…」

 

マリエル「ご苦労様、三人とも。それに、ギンガも」

 

マリエルさんが奥からカップをお盆に載せて歩いてきた。……この薫りは…コーヒーか。

 

ニール「お、ありがたいな」

 

ギンガ「いただきます」

 

ライル「ありがとう、マリエルさん」

 

俺のところに置かれるカップ…だがその数は2つ。ああ、アニューのか。

 

マリエル「アニューさんにもあるからユニゾンアウトしてくれるかな?」

 

ライル「了解だ。アニュー、準備はいいか?」

 

アニュー〈了解よ…ユニゾン・アウト〉

 

淡い緑色の光が部屋を満たし、収まった時にはアニューが俺の横に立っていた。

 

アニュー「ギンガはこの体の私と会うのは初ね」

 

ギンガ「アニュー!?ライルさんとユニゾンしていたという事は…」

 

アニュー「ええ、これが私の新しい体よ。なかなかいいでしょ?」

 

ギンガ「良かったじゃない!おめでとう!」

 

キャッキャッと騒ぐ二人……微笑ましい光景だ、てか、いつの間に友達になったんだ。チラリと兄さんに視線を向けると何か考えているのか、難しい表情をしている。

 

ライル「どうかしたのか?兄さん」

 

ニール「いや、カイゼルのデバイスを俺が預かっていてな、どうにかして届けたいんだが…」

 

ライル「ん?たしかデバイスは携行してもよかったんじゃないか?」

 

ニール「それはリボンズの襲撃があったからであって、本来は携帯不可だったんだよ。カイゼルから預かった後に渡す機会がなかったし、しかも上には…」

 

…ああ、上にはアレルヤがいるから行けないか。しょうがねえな…

 

ライル「兄さんは此処で待っててくれ。俺とアニューで行ってくる」

 

ニール「だが戦力を分断する事になる。今の状況下じゃ危険だ」

 

アニュー「それなら心配無いわ…ほら、来てくれたみたい」

 

ドアをドンドン!と叩く音が部屋に響く。だが…

 

ティアナ「誰か!誰か居ますか!?管理局員です!救助に来ました!」

 

ギンガ「ティアナ!?あなたなの!?」

 

スバル「今の声…ギン姉!無事なの!?」

 

どうやら敵じゃ無くて、スバル達が来てくれたみたいだ。

 

ギンガ「スバルまで…ちょっと待ってて、すぐに開けるかっ…」

 

アニュー「ギンガ!危ないわ、貴女は座っていて」

 

ギンガが怪我でふらふらとしながらもドアに向かおうとして、こけそうになったところをアニューがカバーしてくれた。

 

ニール「無理しなさんな、俺達で開けるから下がってな」

 

ライル「そうそう、こういうのは男の仕事さ」

 

バリケードを退けてドアを開くとスバルとティアナが中に入ってきた。

 

スバル「ギン姉!」

 

ギンガ「スバル!」

 

抱き合う姉妹を見たあと、1人、足りない事に気づいた。

 

ライル「あれ?高町隊長はどうした。一緒じゃないのか?」

 

ティアナ「なのはさんは途中までは一緒だったんですが今は別行動で他の支援に行ってます。私達は地下に残った人達の救助を」

 

ニール「なるほどな、若いのに頑張るじゃないの」

 

ティアナが兄さんを見て俺と見比べる………そのリアクション、飽きたよ。

 

スバル・ティアナ「「お兄ちゃんが二人!?」」

 

兄さんがそれを聞いた瞬間、俺に肩を組んで後ろを向く。

 

ニール「説明しろ」

 

ライル「まあまあ、そう怒りなさんなって…いろいろ事情があったんだよ…」

 

ニール「………事が終わったら聞かせてもらうからな」

 

ライル「オーライ」

 

そして、俺とアニューは兄さんとスバル達にその場を任せて会議室へと向かった。

 

 

 

レントsied

 

 

 

トーレを撃破した私は地上本部に目を向ける。まだ騒がしくはあるが事態は沈静化し始めている。

フム…今回、この機会を逃せばアレルヤとハレルヤが戻った時に私は精神の奥に押し込まれてしまう可能性が高い。

 

レント「ケリを着けなければな…」

 

私は転移魔法を展開し、会議室に戻る。突然現れた私に驚く者が大半だが何人かは私の姿を見て安堵を、何人かは警戒している。

 

はやて「レント…その甲冑は…それに翼は…」

 

レント「驚いたか、夜天の王。この甲冑、翼、姿こそが私の本来の力を解放したモノだ」

 

さすがは夜天の王、私の正体に感ずいたか。

 

カイゼル「下がれ、八神部隊長。今のアレルヤは…危険だ」

 

カイゼルが八神の前に出て私から護ろうとする。

 

はやて「……なぁ、あなたの本当の名前を教えてくれんか?」

 

レント「言わずとも分かる筈だ。貴様の本能と、リンカーコアが反応しているだろう?」

 

苦し気に私を睨む八神…そうだ。私は……

 

レント「そう、私こそは貴様が、貴様達が!壊れた、悪だ、不要だ、殲滅だ、抹消だと言い、消し去った…闇の書の闇、その核たる者だ!!」

 

はやて「……っ!!やっぱり、そうなんや…」

 

私の名前を聞いた瞬間、会議室で騒ぎが大きくなる。そんな中で驚き、悲しげな表情で私を見る八神…そう、その顔が…私を苛立たせる…!!

 

レント「今こそ、あの時からの積年の恨みを、果たす!」

 

魔法剣を10本、私の周囲に出現させて切っ先を全て八神に向ける。八神は、カイゼルの前に出てきて、私を見てくるが…それ以外は何もしようとしない。

 

レント「抗わないのか」

 

はやて「まぁ……これが、ここが、うちの終わりなんやろ。なら、復讐させたる。けれど一つだけ、約束してほしい」

 

レント「…なんだ」

 

はやて「復讐が終わったら、アレルヤ達を元の世界に帰したってな?」

 

レント「!!」

 

はやて「言いたい事はそれだけや。さ、終わらせてしまおうか」

 

両手を広げ、目を閉じ、待つ八神。……分からんな、自分を犠牲にする意味が……まぁいい…

 

レント「……ならば、潔く散るがいい!夜天の王よ!!」

 

手を振り上げ、一息に下ろす。それに従って魔法剣が全て八神に向かって飛んでいく。…終わりだ、これで、私は…

 

?「この人を殺させはしない!!」

 

だが……剣は、届かなかった。突如として八神の前に出てきた者に私の剣が全て切り落とされたからだ。

 

カイゼル「なんだ…一体、どういうことだ!?」

 

その場にいた者達は驚きを隠せない…それは、そうだろう。本来ならあり得ない現象が目の前で起きているのだから。

 

はやて「ど、どうやって動いて…?」

 

レント「やはり、私の邪魔をするか、アリオス」

 

マイスター、アレルヤ達も無しにガンダムになって動いているアリオス。…誰が動かしているのか、とは言わなくていいだろう。私には分かっているのだから…

 

レント「いや、こう言った方がいいか。なぁ…夜天の書、祝福の風(リィンフォース)よ!」

 

アリオスの装甲…バリアジャケットが外れていき、その姿があらわになる。

 

はやて「そ、そんな…!!」

 

長く綺麗な銀髪、澄んだ赤いルビーのような瞳、白い肌に均整のとれたプロポーション、体にフィットした黒い服、整った顔立ち…

 

リース「貴方の好きにはさせません。レント」

 

そんな彼女は凛とした声で、そう宣言した。

 

 

 

アレルヤsied

 

 

 

アレルヤ「う…く…ここは…?」

 

強い日射しを受けて目を開く。……あれ、僕は何をしていたんだっけ…?

 

ティエリア「何を呆けてるんだ?アレルヤ」

 

ニール「まったくだ…世界が平和になってのんびりしすぎだろ」

 

刹那「人の事は言えないだろう…ロックオン・ストラトス」

 

スメラギ「そうね、最近はフェルトと仲が良いみたいだしね?」

 

ここは…そうか、僕たちはソレスタルビーイングの活動が終わったからみんなで遊びに来ていたんだった。

 

アレルヤ「ごめん、少し寝てたみたいだ…」

 

みんなが笑って、しょうがないとか、さすがアレルヤだとか、言ってくれる。

 

そう、僕たちは“何も、誰も犠牲にする事なく”世界を変えたんだ…

 

……う…!

 

アレルヤ「ん?何か聞こえたような…」

 

マリー「おはよう、アレルヤ。やっと起きたのね」

 

マリーが缶ジュースを持って僕の隣にいた。

 

アレルヤ「ごめんね、マリー。寝てしまって…」

 

マリー「いいのよ。アレルヤの寝顔、見てて飽きないから」

 

アレルヤ「マリー…」

 

互いに見つめ合う僕達。そこへ…

 

セルゲイ「ウオッホン!!アレルヤ君、私は娘との交際は許したが手を繋ぐこと以外は許してないぞ!」

 

マリー「も、もう!お義父さん!」

 

マリーのお義父さんが現れた。僕達はびっくりして互いに少しだけ距離をおいた。

 

ホリィ「あなた、ここは若い二人だけにしてあげるのがマナーよ」

 

セルゲイ「むぅ…しかしだな…」

 

アンドレイ「父さんの気持ちは分かるけど、姉さんの気持ちも考えてあげないと…」

 

この人達はマリーの家族でセルゲイさん、ホリィさん、アンドレイ君だ。マリーは孤児院の子で女の子が欲しかったスミルノフ一家に迎えられたんだ。

 

マリー「もう、お義父さんったら…」

 

マリーはクスクスと笑って賑やかな家族を見る。幸せそうで、良かった……

 

…おき……ヤ!

 

アレルヤ「やっぱり、聞こえた…」

 

誰かに呼ばれてる感じ…誰だろう?

 

なのは「ほら、早く来ないと皆がいっちゃうよ?」

 

フェイト「ほら、アレルヤ!」

 

はやて達、機動六課のみんなも歩いていく。暖かい、幸せな場所へと…でも……これは…

 

 

 

リースsied

 

 

 

レントの覚醒により、マイスター・アレルヤが精神世界に閉じ込められた事を察した私は自らのプロテクトを解除、本来の姿に戻り、元主、八神はやての防衛に成功した。

 

リース「復讐をやめて下さい、レント。こんな事をしても…あなたは…」

 

レント「フン…何を言うかと思えば…私が貴女の言うことを聞く訳がないだろう?」

 

赤く濁った目で私を見るレント…やはり、変わってないのか…

 

リース「ならば、せめて私をその復讐対象にしてくれないか?主であったこの方を苦しめるような事は…もう、したくない」

 

レント「笑止、私は私に直接、手を下した者に対して復讐する事を決めた…それに、私は私の寄り代であり、私の母のような存在の君に手を下したくはない」

 

母か…私は君に、そんなふうに思われていたんだな……

 

リース「その母が、止めてくれと頼んでもか…?」

 

レント「…………邪魔をするならば…例え母であれ、容赦はしない」

 

レントの周囲に再び剣が現れる。戦闘は、避けられないか…!

 

ライル「事情は分かった…手伝おうか?銀髪の美しいお嬢さん」

 

そんな時…後ろの破壊されていた扉から歩いて現れたのは……

 

リース「ライル・ディランディ…」

 

この世界に飛ばされて来たもう1人のガンダムマイスターだった。

 

 

 

アレルヤsied

 

 

 

暖かい光がある。皆がそこで手を振って僕を待ってる……だけど、その場所に僕はいけない。これからもずっと…

 

アレルヤ「そうだろう?ハレルヤ」

 

周りの景色が急に色あせていき、ガラスのように砕け散った。

 

ハレルヤ「ハッ!やっと気づいたかよ。世話かけやがって…」

 

僕の目の前に立つハレルヤ……夢の中で聞こえていた声は、ハレルヤの声だった。

 

アレルヤ「これは夢だよね」

 

ハレルヤ「ああ、しかもお前には飛びっきりの悪夢だ……見ろよ」

 

僕達の周囲の景色がまた歪み、次の瞬間には僕達は建物の中にいた。

 

ハレルヤ「お〜お〜…ハハハ!懐かしいな、おい!」

 

辺りを見回して笑うハレルヤ…僕は、笑えないけどね。なんせ、此処は…

 

アレルヤ「超人機関…やっぱり、此処からなんだ…」

 

白い廊下を歩いて行くと、沢山の子供が裸で寝かされていたり、頭に機械を被せられたり、運動能力を調べる為に互いに戦い、傷付け合っていた。

 

ハレルヤ「………なるほどな、見てみろ」

 

アレルヤ「なんだい、ハレルヤ。…これは…!」

 

いい加減、嫌気がしていた僕はハレルヤに呼ばれてパネルを見る。そこにはこう、記されていた。

 

 

〔被験体‐E0057:君は夢で満足出来ないのかな?〕

 

アレルヤ「…レント…僕はね、この世界に来て、僕の願いを、存在する理由を見つけたんだ…」

 

〔……それは、なんだい?〕

 

アレルヤ「ハレルヤが前に言ったんだ…。戦う為に作られた僕や同胞達は何処に行っても戦う事しか出来ないし、それを不幸とも思わない、と…」

 

思い出すのは、キュリオスで超人機関を爆撃した時の光景。ミサイルが建物に当たる度に、苦しむ同胞達の声が光と共に消えていった…

 

アレルヤ「けれど、それでも!この世界で、僕達のような境遇で生きてきた人を、子供を、助けて、共に暮らして、泣いて、笑って……幸せに暮らせる事が分かったんだ」

 

ヴィヴィオは人造魔導師で必死に親を探していた。ハルートはユニゾンデバイスだけど、その体には命も感情もある。

 

アレルヤ「だから、僕は僕のエゴで救える命を助けるんだ!それが、僕の存在する理由だと思うから!夢で満足出来るような願いじゃないから!!」

 

〔…………〕

 

ハレルヤ「ハッ…あまちゃんだなあ?アレルヤ…ま、それぐらい甘い方が俺との釣り合いがとれていいか」

 

アレルヤ「ハレルヤ…」

 

ハレルヤは呆れて、笑っていた。でも、まんざらでもないみたいだ。

 

ハレルヤ「そうと決まれば話しは早ェ、こんな場所はとっととおさらばするとしようぜ!」

 

アレルヤ「けど、どうすれば…」

 

ハレルヤ「とりあえずは建物内に何かないか探すしかねえな」

 

ハレルヤと話し合っていると、パネルに新たなメッセージが出てきた。

 

〔もし、君たちがここから出られたなら…その時は、君たちの、仲間に、私は、なりたい…〕

 

……?言ってる事が、何だかおかしい…此処に僕らを閉じ込めたのに、仲間になりたいなんて…

 

アレルヤ「?、君は…誰だい?レントじゃないのか?」

 

〔私は、言うならレントの良心。此処は復讐に走った私が作った空間で、私は君たちと共に此処に閉じ込められてしまったんだ〕

 

ハレルヤ「都合よすぎだろ…アレルヤ、テメェはどうすんだ?」

 

アレルヤ「さっき言ったよ、僕は」

 

ハレルヤ「ハッ!勝手にしな!先に行ってるぜ」

 

ハレルヤはさっさと歩いていく。……少しだけ、笑ってたな…

 

アレルヤ「行こう、僕達と共に…未来を生きよう」

 

〔ありがとう…アレルヤ、ハレルヤ」

 

後ろからの声に驚いて、振り返ると、そこには白い髪で赤い瞳の…

 

アレルヤ「よろしく、レント」

 

レント「ああ、よろしく」

 

三人目の、僕が立っていた。

 

 

 

リボンズsied

 

 

 

リボンズ「死ぬがいい!僕のコピーでありながら失敗作の君は世界にはいらない!」

 

ハルートの首を締める。そう、僕は完璧でなくてはならない。たとえ人格の違うとしても僕のデータが元になったコピーなら、その存在は許されない。

彼女の抵抗が弱くなる。そうさ、そのまま死ぬがいい!

 

ハルート?『神を気取るマヌケ、あんたが死ねば?』

 

リボンズ「な、グブぉ!?」

 

突然、頭の中に聞こえた声に驚いた僕の油断を突いて、何かが腹に突き刺さった!

 

リボンズ「ご、ごれば…ブラズダー?」

 

膝をつき、口から血を吐きながらも目線を下げるとハルートの使っていたブラスターが僕の腹を後ろから貫いていた。

 

ハルート?「ゴホッゴホッ…ハア…死ぬかと思ったわよ」

 

リボンズ「ゴボッ、ハルート…!!」

 

貫かれた時に手を離してしまったせいで彼女に止めを刺し損ねたか…!

 

ハルート?「悪いけど、あんたが此処で死んでちょうだい。その方があたしが楽だし、後々の問題にもならないし、彼も喜んでくれるし、良いことだらけじゃないの」

 

ハルートはからからと笑いながら僕を見下していた。……気に入らないな……

 

リボンズ「……冗談じゃない……死ぬのは、君の方だ!!」

 

僕はブラスターを逆に押し込んで腹から抜き、ナノマシンと魔法で治癒しつつ、1ガンダムをセットアップする。

 

ハルート?「あっそ、なら…死ね、害虫。アムルタート、モード・デストロイ起動」

 

アムルタート〈イエス・マイ・ロード。モード・デストロイ起動〉

 

言葉に反応してハルートの纏うバリアジャケットや武装が黒く変色し始める。……この隙を、逃さない……!

 

リボンズ「馬鹿め…死ぬがいい!」

 

ビームライフルの引き金を引き、ビームを撃つ。これで終わりだ…!

 

ハルート?「甘いわよ、あんた」

 

アムルタート〈プロテクション・パワード〉

 

だが、僕の攻撃はハルートに届く前に、彼女の手のひらで弾かれてしまった。

 

リボンズ(馬鹿な!?調査した時には、ハルートは魔法が得意ではなかった筈だ!)

 

ハルートの戦闘記録を見ればわかるが彼女は単純に威力のある魔法や防御力の高いフィールドは出来るが細かな誘導系やシールドの部分的な展開は出来ていない。

 

リボンズ「……君は、何だ!?」

 

ハルート?「知りたい?でもあんたが知る必要はないわよ。だってあんたはさ…」

 

ジャケット、武装がすべて黒と赤に変色した彼女は左手を空に向けてあげる。それに呼応して地面に落ちていたブラスターが浮かび、ハルートはそれを握る。

 

ハルート「ここで、死ぬんだから」

 

そう宣告した彼女は…髪もバリアジャケットもブラスターも真っ黒に染め上げ、その“赤く輝く瞳”に僕をうつしていた。

 

リボンズ「冗談はほどほどに…ゴホッ!」

 

ハルート?「ま、あたしが殺す前に先に死にそうよね、あんた。治療は間に合いそう?」

 

リボンズ「ふ、ふざけるなあ!!!」

 

僕はビームサーベルを抜き放ち、トランザムを使って背後に回り込み、目の前のハルートの姿をした誰かに切りかかる!

 

ハルート?「ハア…頭わる…」

 

だが…僕は動けなかった。いや、動けなくなった。

 

リボンズ(馬鹿な…!いつの間に…!)

 

何故なら、真っ黒な糸、バインドが僕の両手足と、首を締め付けていたから。目の前の誰かはゆっくりと振り返り、穏やかな笑顔で僕を見る。

 

ハルート?「残念でした。また今度……ああ、でも無理か…なんせ、あんたは…」

 

ハルート?は、ゆっくりと腕を横に上げて、ブラスターを水平に構えた。

 

リボンズ「や、やめ……!」

 

ハルート?「私が殺すんだから」

 

彼女は勢いよく、両腕とその手に握っている2つのブラスターを前に振り、腕を交差させた。僕は…地面を転がった……

 

リボンズ「が…あ…」

 

ハルート?「ぎっちょんぱ……くくくく、ひゃははははははははは!!楽しい、楽しいよ!こんなに簡単に、何かを殺せるなんて!!そうでしょ!!ハルート!?あははははははははははは!!」

 

意識が無くなる中で、僕がこの世で最後に見た光景は、大量の血の雨を浴びながら、狂ったように笑う黒い誰かだった……

 

 

 

なのはsied

 

 

 

なのは「ハア、ハア、ぐぅ…!体が…痛い…!」

 

私は地上本部の地下通路を一人で歩いていたけれど、身体中にはしるあまりの痛さに地べたに座って自分の体を抱きしめる。

さっきから自分の中で、何かが暴れてる感じがある…!

 

(まだ抵抗できるとは、驚きですね)

 

なのは「!?、誰!?何処にいるの!?」

 

突然、聴こえた声にレイジングハートを杖の代わりにして立ち上がって周りを見る。

 

なのは「誰も…いない…?」

 

「いいえ、いますよ」

 

なのは「誰、誰なの!?いったい何処にいるの!?」

 

焦る私に、レイジングハートが、告げた。

 

レイジングハート〈マスター、先程から一人で何を言ってるのですか?〉

 

え…?ひとり…?そんな、確かに、声が…

 

「そうですね…端から見れば貴女は頭の可笑しな人に見えるでしょうね」

 

壁に手をついて、その壁とは違う感触に目を向けると、そこには大きな鏡があって……でも…

 

なのは?「おや、気付きましたか…」

 

なのは「貴女…誰…?」

 

そこに写っていたのは私と同じ顔と体つきをしていて…

 

なのは?「私ですか?私は…」

 

私と違ってショートカットの髪に、黒いバリアジャケットを着ていて…

 

なのは?「私は闇のマテリアルの一角…またの名を…」

 

冷たい瞳と、声でその名を告げた。

 

なのは?「星光の殲滅者と、申します」

 

なのは「星光の殲滅者……」

 

星光「ええ、そうです。私は闇の書が記録した貴女の闇ですよ。高町なのは」

 

なのは「私の…闇…」

 

星光「…あまり驚かないのですね、つまらないですよ」

 

なのは「あ、ごめんね…」

 

星光「謝られても困ります」

 

なんか…言うことにトゲを感じるんだけど…

 

星光「とりあえず、貴女は私と入れ替わりなさい」

 

なのは「どうして…うぐっ!」

 

いきなり胸が苦しくなって、私はその場に膝をついてしまった。

 

星光「レントからの魔力が貴女を蝕んでいるのです。私はあの方と同じ存在ですから貴女の負担にならないように、彼の魔力をこの体に馴染ませる事ができます、だから替わりなさい」

 

なのは「…で、でも…」

 

星光「貴女が死んだら私が困るのです。だからさっさと替わりなさい」

 

不安は残るけど、確かにこのままじゃ死んでしまうかもしれない…

 

なのは「…分かった、後は、よろしく…ね…」

 

星光「ええ、おやすみなさい…高町なのは」

 

そして、私は意識を手離した。

 

 

 

星光「……眠りましたか……では、行きますか…」

 

私は高町なのはと入れ替わり、彼女が眠ったのを確認した後、地上を目指す為に歩きだした。……先程から感じるこの魔力……

 

星光「目覚めたのですね…闇よ」

 

私も行くとしましょう。彼のもとへ………

 




不定期更新ながらも見て下さる皆さまに感謝を(´∇`)

誤字、脱字ありましたらご一報お願いします(´∇`)
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