魔法戦記リリカル00 ~世界を越えた超兵の話~(改定前) 作:かねごんマークII
ハルートside
ハルート「…見えた!」
全速力で飛行していた私は遂にヴィヴィオを連れ去った女の子に追いついた。
ハルート「その子を…返してもらうわ!」
ルーテシア「いって、ガリュー…」
ビームを撃てばヴィヴィオに当たるかもしれない。射撃で牽制しようとした矢先に女の子の命令を受けた黒い人型の生物、ガリューは私に向かって突撃してきた!
ハルート「ッ、どけぇえ!!」
突撃してきたガリューの爪を私は顔を反らして紙一重でかわし、ガリューの顔面にブラスターで突きを放つ!
ガリュー「!」
だけど、あちらも反射神経がいい。こちらの突きをかわして距離をとる。
ハルート「今のをかわせるなんて、あいつやるね…」
マルート(そうね…魔法戦闘向きのあたしは援護できそうにないわ、ハルート…頑張りなさい)
ハルート「言われなくても!」
ブラスターを構えてトリガーを引く。狙い撃つように射撃をしても右に左にと上手く避けられてしまう…。
ハルート(くっ…!やっぱり近接戦闘タイプか!)
急速に接近してきた相手の右ストレートを私は脚で蹴り上げて反らし、そのまま横に脚を下ろした反動を使い、もう片方の脚で頭に蹴りを打ち込む。
ガリュー「…!?」
ガードはされたけど…少しは動揺してるみたいね。
ハルート「私をただのユニゾンデバイスだと思わないことね!」
早くコイツを倒して、ヴィヴィオを助けないと!
ハルート「早期決着…行くよ!ツヴァイ!」
ツヴァイ〈了解した!〉
雲の上から赤いビームが降ってくる。そして雲を割いて突撃してきたツヴァイは上段からバスターソードを振り落としてガリューを弾き飛ばし、後退させた。
マルート(これなら…ハルート、アタシに変わりなさい。ガリューの相手をツヴァイがやってくれるなら、私達はあの子を追うのよ!)
ハルート「(分かった!)ツヴァイ、ここは任せるよ!」
ツヴァイ〈了解した、行け!ハルート!〉
ツヴァイをその場に残して私はヴィヴィオを追いかける…が、
?「あ〜ら、残念ねぇ…貴女もここで通行止めよん?」
私の周囲にジンクスとガジェットが現れ、上空には髪を三編みにして眼鏡をかけた女性がガジェットの上に立っていた。
ハルート「邪魔しないでよ…戦闘機人!」
?「い、や、よ」
マルート「勘に触る女ね…殺す!」
笑顔で…いや、何かムカつく顔で答えた女を殺すべく、アタシの次の戦いが始まった。
ドゥーエside
ドゥーエ「我が姉妹ながら、派手にやってるわねぇ…」
私は燃え盛る機動六課の廊下を走っていた。既に聖王の器は回収され、ガジェットも先程、黒い大型の竜のようなモノが殲滅してしまった。
ドゥーエ「多分、救援にきた召喚師辺りの仕業ね…急がないと」
ニールの情報だと…確かこの辺りのはずなんだけど…。
ドゥーエ「あ、あの部屋かしら?」
目的の部屋を開けようとしたけど…ロックがかかってるわね。
ドゥーエ「ま、私にかかればこれぐらい…と、」
伊達や酔狂で女スパイは務まらないわよ。扉のロックを解除して中に入る。中まで火は来てないけど…最悪、この建物が倒壊するかもしれないわね。
ドゥーエ「その前に回収しないと。どれかしら…」
中を捜索して数分、ついに私はニールから頼まれた目的の物を見つけた。
ドゥーエ「聞いていた形状も同じ…これね。けれど、またロックがかかってるし…」
パネルにはパスワードを入力画面が出ている。これに関しては…
ドゥーエ「ニールが知ってて助かったわ」
どうやらニールには弟がいて、その弟から機動六課で開発されていた新型デバイスの事を聞き、六課襲撃でそのデバイスが奪われる、もしくは破壊される事が無いように急遽、ニールが私に回収を依頼してきた。パスワードもその時に聞いた。
ドゥーエ「これが新型デバイス…」
開いたケースから取り出して眺めてみる。デバイスは2つあって片方は青いプレート、もう片方は紫色のプレートだ。そして、それぞれのプレートには金色の…なんだろう、鳥のようなモノが描かれている。
ドゥーエ「何の絵かしら?」
まじまじと眺めていると…
?〈君が僕のマスターか?〉
ドゥーエ「ひゃっ!?」
紫色のプレートが急に話しかけてきた。突然の声に驚いた私は紫色のプレートを落としてしまった!
?〈ひどいな、もう少し丁寧に扱ってくれないか〉
ドゥーエ「ご、ごめんなさい…」
少し落ち着いた私は紫色のプレートを拾う。プレートはチカチカと光ながらしゃべる。
ドゥーエ「あなた、インテリジェントデバイス?」
?〈分類的には近いがインテリジェントデバイスとは違う。しいて言うならば…僕たちのシリーズはガンダム・デバイスといった名前がしっくりくるだろう〉
ドゥーエ「ガンダム…あのアリオスと同じと考えていいのかしら?」
?〈差し支えない。ちなみに僕の名前はセラヴィー、君の名前は?〉
ドゥーエ「ドゥーエよ」
セラヴィー〈了解した、ではドゥーエ、早く脱出するべきだ。建物内には生命反応が見当たらないことから職員達は既に脱出したのだろう。それにもうじき、この建物が崩れる可能性がある〉
ドゥーエ「分かってるわ」
セラヴィーに促されて建物の外へ脱出し、近くに隠しておいた車に乗り込みその場から離れる。
ドゥーエ「追っ手はないみたいね…」
セラヴィー〈そうでもなさそうだ。ジンクスが接近して来てる…数は四機、どうする?〉
ジンクスか…味方では無いわね。今回は私が独断で動いてるし、ジンクスを応援に頼んだ訳でもない。私はアクセルを踏み込む。
ドゥーエ「くっ…今回は姉さんに支援を頼む訳にはいかないし…」
セラヴィー〈…駄目だ、さらに接近してきている。ドゥーエ、戦うしかない。車を止めるんだ〉
ドゥーエ「無理よ!私は戦闘に向いて〈僕をセットアップするんだ〉…はい!?」
ブレーキをおもいっきり踏んで急ブレーキをかける。車は前のめりになりながらも停止した。
セラヴィー〈もう少し安全運転をお願いしたい〉
ドゥーエ「あなたが悪いんでしょう!いきなり変な事を言い出すから!」
セラヴィー〈別に変な事はないはずだ。君には魔力がある。魔力があれば私をセットアップすることが可能だ。あとのエネルギー問題は僕の方でどうにでもなる〉
ドゥーエ「どうにで〈車から出るんだ!ジンクスが来ている!〉ああ!もう!」
セラヴィーに急かされて車から出て、後方を確認する。少し離れたところに赤い光が見える…こうなったらやるしかないわね…。
ドゥーエ「仕方ないわ…やるわよ、セラヴィー!」
セラヴィー〈了解、セラヴィー、ドゥーエをマスターとして仮登録。バリアジャケット展開!〉
プレートが輝き、目の前が真っ白になる。そして光が収まって目を開ける。…どんな姿のガンダムなのかしら…
ドゥーエ「こ、これが…この姿が…」
車のミラーに写っているのは…
セラヴィー〈そう、この姿こそ僕のガンダムとしての姿だ〉
言っては悪いけど、かなりずんぐりとしたガンダムだった!
セラヴィー〈試験運用もなく、初陣を迎えてしまったが問題無いだろう…〉
ドゥーエ「サラリと嫌な発言しないで!」
セラヴィー〈改良された僕の力を見せてやろう…〉
ドゥーエ「人の話を聞いて!」
私の話をスルーしまくるセラヴィー。…デバイスとしては問題ないけど、AIに問題ありまくりね!
セラヴィー〈ドゥーエ、両手のバズーカを背中にあるキャノンと連結させるんだ!〉
ドゥーエ「……了解よ」
半ば呆れて、何か言うのもバカらしいので素直に指示に従う。
セラヴィー〈よし、メインGNドライヴ出力低下…確認、続いてツイン疑似GNドライヴ改…トランザム!〉
ぼんやりとセラヴィーの言葉を聞いていると、突然体が赤く輝きだした!
ドゥーエ「いきなりなに!?」
セラヴィー〈照準、ロック。粒子チャージ…70…80…90…100、完了。ドゥーエ、トリガーを引け!〉
ドゥーエ「もう、やけくそよ!!消し飛べーーー!!」
引き金を引いた後の事はよく覚えていない。私は…正直いえば間抜けな顔をしていたと思う。
なんせ…セラヴィーは単体で戦艦クラスの砲撃を撃ったのだから。
レントside
カイゼル「ハッ!」
レント「シッ!」
互いに斬り結んでは離れ、また斬り結んでは離れを繰り返す。
レント(この男…やる…)
剣を通して分かる。この男が幾度も戦いを経験し、それゆえに強くなったのだと。
レント「ブレード20、射出!」
私が魔法で制御し不規則に動きながら迫る剣を…
カイゼル「阿修羅ぁ!!」
阿修羅〈空殺斬!〉
ヤツの斬撃が切り落としていく。そしてまた斬り結ぶ。
カイゼル「いい加減…アレルヤを解放しろ!!」
レント「断る!」
つばぜり合いから力押しでカイゼルを押し離す。その隙にもう一方の戦いに目を向ける。
ライル「この…アニュー!」
アニュー〈くぅ…!シールドビットを防御に!〉
はやて「なのはちゃん!正気に戻ってや!うちらは仲間やろ!」
リース〈クッ!はやて、私の後ろに!〉
たった1人で四人を相手にする星光の殲滅者はひらひらと舞う桜の花のように攻撃を避けつつカウンターで魔力弾を叩きこんでいく。
星光「この空で散りなさい。…パイロシューター」
あちらも一進一退の攻防を繰り広げているようだし、心配はいらんだろう。
カイゼル「はぁ…はぁ…くそ…」
レント「疲れてきたか?私は余裕だが?」
カイゼル「フ…そんなはず…あるわけがなかろう!!」
阿修羅〈我が主…〉
レント「ほう…ならばどうする?ライルと夜天の小娘はあの通り、星光がとめている。お前は孤立無援の状況だ。なのにまだ手があると?」
理想を、願いを、想いを、いくら叫ぼうとも暴力の前には全てが打ち砕かれる。これが現実…これが…世界だ…
カイゼル「手はある」
レント「…小賢しい、消えろ。カイゼル!」
私が手を振り上げると現れたのは剣の軍勢。その全てがカイゼルを中心に全方位から矛を向けてある。しかし、カイゼルは剣を構えたまま動かない。…罠か?
レント「(なら、それすらも討ち滅ぼすまで…)逝け、剣の軍「やらせないですよ!」がはっ!?」
後ろからの突然の攻撃と声に振り返る。私の目に写ったのは白き融合機…リインフォース・ツヴァイが私に向かって勢いよく飛んで来ている姿だった!
レント「小人が!邪「捕まえたぞ!レント!!」なんだと!?」
さらに衝撃が背中を走る。首を向けるとそこには黒い機体…阿修羅・スサノオがいて、私を羽交い締めにしていた。
レント「ならば、剣の軍勢を「させはしない!」…キサマぁ!!」
剣の軍勢は全てがアリオスにより、砕かれていく。この連携…もしや…
レント「最初から仕組まれていたのか!?」
はやて「せや!うちは殺されるのはかまへん!けど、親友にまで手を出した、あんたを許す訳にはいかん!!」
ライルとともに星光を相手にしつつ言い放つ小娘…だがなぁあ!
レント「だがどうする!?これは一時的なしのぎにしかならんよ!私にかかればこれくらい「「だから私達がいる!!」」な、なにを…!」
リイン「アレルヤ、必ず助けるですよ!」
リース「今こそ、マイスターを救う好機!」
アリオスを解除して向かってくるリース、そしてリイン…この状況で何を…?
リイン・リース「「ユニゾン…」」
レント「まさか!?ユニゾンを…!!」
まずい!今はアレルヤ達を抑えてはいるが外的要因が加えられたら精神世界から出てくる可能性が…
リイン・リース「「イン!!」」
身動きのできない私にはどうしようもなく、辺りは光に包まれた。
アレルヤside
ハレルヤ「チッ!うぜェヤツらだな!」
レント「次の通路を左に!」
アレルヤ「まったく…数だけは多いな…」
レント(良心)が仲間になった後、出口を探して建物の中を捜索していた僕たちの前に現れたのはガジェット1型で、あまりの数に僕たちは走って逃げる事にした。
ハレルヤ「オラオラオラァ!!死にやがれェ!!」
ハレルヤは両手に持ったツインビームライフルで後ろから来ているガジェットを蜂の巣にしながらついて来ていた。
アレルヤ「しかし、驚いたよ。アリオスの武装を部分的とはいえ、使えるようになるなんて」
ちなみに僕はアリオスの肩とビームシールドとビームサーベル、レントは腕とサブガトリングガンを装備している。
レント「元が私の復讐心が造り出した世界だからな、私の干渉で何とかなって良かったよ」
現実ならビームライフルやサブガトリングガンは粒子がないと撃てないし、ビームシールドも使えない。それが無限に使えるのはありがたいね…
レント「アレルヤ、そこの角を曲がったところにある部屋だ!」
アレルヤ「了解」
レントの道案内に従って部屋にきた僕たちは急いで中に入り、扉をロックする。
ハレルヤ「ったく…しつこさだけは天下一品だな、ガジェットは」
ハレルヤの言葉に苦笑しながらも、僕たちは部屋の中を捜索してみる事にした。
レント「う〜ん…確かにこの部屋のはずだが…」
アレルヤ「特に変わったところはないね…」
ハレルヤ「ふわあぁ〜…ねみぃ…」
ひと通り探して見たけれど、特に異常はない。
レント「変だ…確かにこの部屋が一番この精神世界の出口になってる可能性が高いのに…」
アレルヤ「どうやったら分かるの?」
レント「さっきも言ったがここにいる私も、復讐心に駆られている私も元は一つなんだ。だから感覚で分かるんだよ」
部屋の中を捜索しながら説明するレント。
ハレルヤ「間違えたんじゃねェか?この部屋には何にも…どわっ!?」
アレルヤ「ハレルヤ!?」
部屋の壁に寄りかかろうとしたハレルヤが壁に吸い込まれるように消えてしまった!
ハレルヤ「いってェな〜!なんだこりゃ!?」
ハレルヤの声が聞こえ、壁からハレルヤが出てきた。これって…
レント「隠し部屋か…」
レントがハレルヤが出てきた壁を触ると手が壁に入ってしまう。
アレルヤ「ならこの先が…」
レント「ああ…おそらく出口になってる筈だ…」
ハレルヤ「なら行こうぜ、俺は疲れた」
行かなければならないのは分かる。だけど…変な感じがするんだ…
カツン…
その時、僅かにだけど僕の耳に音が聞こえた。
レント「よし、なら行こ「待ってくれ、レント」…どうした?アレルヤ」
壁に向かおうとしたハレルヤとレントを止める。二人は僕の反応を見てすぐに部屋にあった機材の物陰に隠れる。
レント「何か感じたのか?」
アレルヤ「足音が聞こえたんだ…多分、壁の向こう側から…」
ハレルヤ「………来たぜェ…」
足音がはっきりと聞こえるようになった。音からして…1人かな。
アレルヤ「1、2、3で一気にいくよ…」
レント「了解した」
ハレルヤ「…あと…五歩…」
ハレルヤが相手の接近を告げる。…視線でハレルヤとレントに合図を送ると頷いた。そして…ハレルヤが指を曲げて数える。
3、
2、
1、
アレルヤ・レント「「とまれ!!その場で……は?」」
僕とレントは部屋に入ってきた“人物達”に驚いて固まってしまった。
ハレルヤ「くくく…やっぱりテメェらか」
僕たちと相手側が呆然とするなかハレルヤがおかしそうに笑う…
レント「分かってたのか?ハレルヤ。彼女達が来るのが」
ハレルヤ「ああ…なんとなくな」
アレルヤ「まぁいいさ…無事に合流できた事を喜ぼう。リース、リインフォース・ツヴァイ…よく来てくれたね」
リイン「は!?良かった〜…アレルヤ、無事だったですね!」
リース「!、ぶ、無事で何よりです、マイスター」
壁の向こうから出てきたのはリインとリースだった。足音が1人だったのはリインが空中に浮いていたからか。2人が立ち直ったのを確認して僕はレントに関する事情を説明する。
リース「つまり今現在、マイスターの体を乗っ取っているのは半暴走したレント…という認識でいいですか?」
レント「少し違う気もするが…まぁそんな感じだな。外の方はどうなっている?」
リイン「なのはちゃんが黒いバリアジャケットを着て暴走レントさんの援護をしています〜!」
アレルヤ「なんだって!?レント、まさか…」
レント「くそっ!治療をした事があだになったのか…!」
レントは悔しげに壁を殴った。…つまりレントは元から、なのはを治療するつもりだったんだろうか?
アレルヤ(けれど良心と復讐心がごちゃ混ぜになって…敵であるなのはを治療して自分の戦力にする、という考えになったのかな?)
…もしかしたら…レントはなのはの事が好きなんじゃ…いや、考えすぎか。確証もないし。
ハレルヤ「此処でぐだぐだしている時間は無ェんだろ、さっさと行くぞ!」
ハレルヤが先に壁を抜けて行き、後にリインとレントが続いて入って行く。
アレルヤ「せっかちだよ、ハレルヤ…僕たちも行こうか、リース」
リース「………」
アレルヤ「?…リース?どうかしたのかい?」
黙ってうつむいたまま、動かないリース…どうしたんだろう?
リースside
リース「私は、マイスターに謝らなければなりません」
アレルヤ「何をだい?」
顔を上げてマイスターの目を見る。私はマイスターに、この人に言わなければならない事があった。それをここで言う事にした。
リース「マイスターは以前に私の記憶を、断片的に見たことがありますね?」
アレルヤ「ああ…確か、リースが自分の消滅を望んだ時の記憶、だよね?」
リース「そうです。……あの時の私は消滅しなければならなかった…その理由も、ご存知ですか?」
アレルヤ「大まかにしか知らないよ」
そうでしたか…ならば尚更、話さなければならないですね。
リース「話したい事とは、以前にマイスターが私に対して質問された時の…答えです」
アレルヤ「……」
リース「今こそお答えします。マイスターには知る権利がありますから…」
アレルヤ「…分かった…とりあえず、歩きながら話そうか」
マイスターに促されて歩いて話す事になった。そして、私は話した…夜天の書のこと、改悪されて闇の書になったこと、沢山の死と破壊をもたらしたこと、ヴォルケンリッターのこと、元の主のはやてのこと、そして…自身が消滅しなければならなかったことを…
アレルヤ「なるほど…いろんな事があったんだね」
マイスターは…ただ、それだけしか言わなかった。
リース「マイスターは…私を恨まないのですか?今回の全ての始まりは私が消滅しきれず、挙げ句には分離したことで闇の核が貴方に寄生し、融合してしまった。…貴方には愛する人がいたはずです。その方とも離ればなれになって「もういいよ」…え?」
マイスターが立ち止まり、私をみつめる。精神世界の影響でその瞳は両目とも銀色になっていた。
アレルヤ「もういいよ、そこまで自分を責めちゃいけないよ」
マイスターは私の頭を撫でながら幼子に言い聞かせるような優しい声で、許してくれている…
リース「ですが、私は…私は自分が許せない…レントの事で、自分1人ではどうにもならなくて、マイスターを利用している…私は、最低です…」
私はうつむき、涙を流した。私のせいで、1人の人間の、マイスターの幸せを奪ってしまっている…
アレルヤ「…感謝、してるんだ。レントにも、リースにも」
リース「…マイスター?」
マイスターは私を抱きしめて、何か、言い始めました。
アレルヤ「確かにマリーと離ればなれにはなってしまったよ?けれど、レントが僕をこの世界に送ってくれたおかげでなのはやはやて、フェイト達に出会えた。リースがいてくれたおかげで助けたい人達を助けることもできた。だから感謝してるんだ、二人には」
私が顔を上げると、マイスターが優しい微笑みで私を見ていました。
アレルヤ「話しは少し変わるけど…僕には母や父の記憶がない。どうして無くなったのかも知らない。気づいたら超兵機関にいて、いろんな実験をされてたよ」
マイスターの瞳が悲しげに揺れていて、私は目をそらす事ができなかった。
アレルヤ「君と僕は似ているね。産まれて、愛された記憶を失って…悪意によって人生をねじ曲げられた。けれどね、そうなってしまう前は確かにその時代、その時に君は誰かに望まれて産まれたんだ。だから、そんなに自分を嫌いにならないで欲しいな。君は今も誰かにいてほしいと、望まれているんだから」
僕は望まれたのかは分からないけれどね?、と苦笑するマイスター。
リース「……マイスター、私は、誰かに望まれているんでしょうか…?」
アレルヤ「少なくとも、僕は君にいてほしいと望むよ…はやてやシグナム達もね?」
そうか…私は、まだ生きていてもいいのかだろうか…
リース「あり、がとう…ございます、アレルヤ…」
私はマイスターに抱きついて、涙を流した。
だけどこの涙はさっきとは違って嬉しさからの涙だった。
アレルヤ「世界が壊れる…」
顔を上げるとピシピシと辺りがひび割れていき、ソコから光が溢れてきた。
リース「おそらくマイスター・ハレルヤ達が出口にたどり着いたのでしょう…」
涙を拭ってマイスターから離れる。
アレルヤ「そうか…これからもよろしくね、リース」
リース「はい、私もよろしくお願いします」
改めて互いに手を取り合い、笑顔で挨拶をかわす。そして…私達は光の中に消えた。
誤字、脱字がありましたら教えてくださいませ
(´∇`)