魔法戦記リリカル00 ~世界を越えた超兵の話~(改定前)   作:かねごんマークII

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第37話 救えなかったもの

はやてside

 

 

 

はやて「いっつぅ…!強すぎやろ…」

 

リイン達がユニゾンした後、戦場は空から地上へと変わっていた。だけど…うちらは戦力の低下、カイゼルとライルさんの魔力量減少によって一気にじり貧に追い込まれていた。

 

ライル「アニュー、魔力と粒子残量は…」

 

アニュー〈戦闘の継続は厳しいわね…〉

 

カイゼル「私達もまずいな…」

 

阿修羅〈このような所で…!〉

 

阿修羅とケルディムのバリアジャケットの維持も困難らしく、胴体、脚、腕を覗いた装甲が解除され、武装も阿修羅は刀が一振り、ケルディムはスナイパーライフル2の一丁しかない。

 

レント「よくやったものだ、君たちは。…だが、それも終わりだ」

 

レントの周りには黒い剣が群れをなし、後ろには…

 

星光「………」

 

冷たい瞳にうちらを写したなのはちゃんがおる。…しゃあないな、ここまできたら…

 

はやて「(出し惜しみしてられへんし…)レント…うちの奥の手を見せたるわ!」

 

うちはマリエルさんに頼んでつけて貰った新装備を展開する。右肩から手の先にまで機械の装甲が展開され…

 

レント「ほう、その武装は…」

 

右手に握ったシュベルトクロイツの柄が縮み、十字架の先端から粒子で出来た剣が伸びる。ほんとは使いたくなかったんやけどなぁ…

 

はやて「こんなん、アレルヤに見られたら嫌われるかもしれへんし…」

 

肩の後ろについたGNドライヴー2、それによって出来た白き長剣を握りしめる。

 

カイゼル「アリオスのデータにあったGNフラッグ…その武装を真似たのか!」

 

はやて「そうや…うちは広域魔法は得意やけど近接戦闘はからっきしやからな。せやから万が一に備えてマリエルさんに頼んでつけて貰ったんよ」

 

シュベルトクロイツを構え、レントを見る。彼は…笑っていた。

 

レント「いい…実にいいな!それでこそ、王だ!星光、手を出すなよ。あれは私の獲物だ」

 

星光「かしこまりました、我が闇よ」

 

剣の群れを消し去り、一振りの魔法剣を両手に握ってうちと対峙するレント。

 

はやて「八神はやて…いくで!」

 

レント「ダーク・サイレント…参る!」

 

はやて「でやあ!」

 

うちはその場から前に向かって勢いよく飛び上がり、上段に構えた長剣をレントに向けて思いっきり振り落とす!

 

レント「なんのお!!」

 

レントは剣を横に構えて受け止める。ギチギチと音が鳴り、剣が擦れて火花が散る。

 

レント「ぬぅ…!ぐぉおお!!」

 

はやて「うわっ!?」

 

レントが一瞬だけしゃがみ、脚のバネを使ってバランスが崩れたうちを剣ごと弾き飛ばす。

 

レント「受けよ!我が連撃を!!」

 

レントが2本目の剣をその手に出現させ、怒濤の勢いで双剣を振るう!

 

はやて「やば…!」

 

レント「せりぁああ!」

 

うちは咄嗟に防御魔法を展開しつつ、可能な限りでレントの剣を受け止める。

 

レント「防御ばかりか!?それでは私は倒せんぞ!」

 

はやて「くう…!せりゃぁあ!!」

 

幾らか防いだ後に、渾身の力を込めて突きを放つ!

 

レント「甘いな…背中が、がら空きよ!!」

 

レントの声がうちの上から聞こえた。

 

はやて「くっ…!」

 

レント「死ね!」

 

レントがうちに双剣を投げつける!真っ直ぐうちに向かってきた剣、だけど…

 

カイゼル「させんよ!」

 

ライル「狙い撃つ!」

 

カイゼルの刀がレントの剣に投げつけられて剣の軌道が反れる。ライルさんのスナイパーライフルがもう一方の剣を撃ち抜いた。

 

カイゼル「だがしかし!!」

 

レントは右手の指にナイフを三本ほど挟んでうちに投擲する。

 

はやて「(ここしか!!)トランザム!!」

 

眼前まで飛んできていたナイフをしゃがんでかわし、その状態から一気に飛んでレントのもとへ飛び、懐に潜り込む!

 

レント「しまっ…!」

 

はやて「でええぇえい!!」

 

下段から振り上げられるシュベルトクロイツの攻撃はかわされる事なく、レントを腰の右から左肩まで切り裂いた!

 

レント「グ…は…!」

 

勢いに飛ばされ、倒れたレント。うちはトランザムを解除してレントの首筋にシュベルトクロイツをあてる。

 

はやて「…まだ、やるんか?」

 

レント「………」

 

沈黙……大ダメージやったし、気絶したんかな…?

 

レント「…う……どうなったのだ…?」

 

カイゼル「動くな!」

 

ライル「大人しくしろ!」

 

体を起こそうと動いたレントをカイゼルとライルさんが押さえつける。

 

レント「いたっ!痛い痛い!落ち着け!アレルヤが解放されたんだ!抵抗はしないから!離してくれ!」

 

するとレントの髪の色が銀色から黒色に変わり、そして…

 

アレルヤ「ごめん、皆には迷惑かけたね…」

 

金と銀のオッドアイがうちを見ていた。

 

はやて「ほんまに、ほんまにアレルヤ…なんやな?」

 

アレルヤ「そうだよ…ごめんね、はやて。たくさん傷つけて…そして、ありがとう。僕を、レントを止めてくれて」

 

カイゼルの手をかりて立ち上がったアレルヤはいつもの悲しげな笑顔で、うちの頭を撫でてくれた。

 

はやて「…良かった…ほんまに……あれ…?ちからが…抜けて…」

 

アレルヤ「慣れない戦いをした上にトランザムまで使ったからね…今はおやすみ、はやて」

 

はやて「うん……おやすみ…アレルヤ…」

 

安心したうちはアレルヤに寄りかかって、そのまま睡魔に身を任せて眠った。

 

 

 

アレルヤside

 

 

 

はやてが僕の腕で眠っている。よほど疲れたんだろう…

 

アレルヤ「…カイゼル、状況はどうなってるんだい?」

 

カイゼル「…事態は終息しつつある」

 

カイゼルからの話だと現在は内部に侵入したガジェットもジンクスも撃破され、本部上空でスローネ・アイン、デュナメスがシグナムとヴィータが交戦していたが二機が撤退した為、二人は襲撃された六課に向かったらしい。フェイトは現在、連絡が取れない。

 

カイゼル「あと…言いにくいのだが…」

 

アレルヤ「なんだい?」

 

カイゼルが暗い表情をする。そういえば…六課が襲撃されたって…まさか…!

 

アレルヤ「まさか…敵の狙いは…!」

 

カイゼル「ヴィヴィオだ。あの子が連れ去られた」

 

アレルヤ「…!くそっ!」

 

ライル「おいおいおい!落ち着け、アレルヤ!」

 

アレルヤ「けどっ!」

 

すぐに助けに行きたかった。けれど、それをライルに止められる。

 

ライル「みんなもう、限界だ!俺も、アニューも、カイゼルも、八神部隊長も、他の奴等も…お前も」

 

ライルの言う通り…体が何時もより重く感じる。いつの間にかユニゾンアウトしたリースとリインもその場にへたりこんでいて、話しに参加できないほど疲弊していた。

 

アレルヤ「なら、どうしたらいいんだよ!?」

 

星光「……私が行きましょう」

 

後ろからの声に振り返ると、そこには黒いバリアジャケットを着たなのはが立っていた。

 

アレルヤ「君は…」

 

星光「はじめまして、アレルヤ。私の名は星光の殲滅者、高町なのはの闇です」

 

僕の前まで歩いてきた彼女はその場にひざまずいた。

 

星光「我が主よ、ご命令を…貴方の為ならば私はどのような事でも従いましょう」

 

杖を置き、目を閉じて頭を垂れる星光…

 

アレルヤ「どうして…」

 

星光「貴方に宿る闇の核…それは私の元になるモノです。それが貴方の中にあるのならば、貴方は私の主…つまりそういう事です」

 

よく分からないけど…どうやら協力してくれるみたいだ。

 

アレルヤ「なら、ヴィヴィオを可能なら助けてあげてほしい。不可能なら何処に連れ去られたかをある程度でいいから調べてほしいんだ」

 

星光「わかりました…では、少しだけ失礼します」

 

彼女は立ち上がると僕に近づき…

 

星光「ん…」

 

アレルヤ「んん…!?」

 

キスをしてきた!

 

 

 

星光の殲滅者side

 

 

 

星光「ふぅ…ごちそうさまでした」

 

彼の唇を解放する。ふむ…なんだか癖になりそうですね。

 

アレルヤ「いきなり何を…!?」

 

星光「魔力を少しですが、もらいました」

 

アレルヤ「キスじゃなきゃダメなのかい!?」

 

星光「(別段、他にも方法はありますが…面白いし、嘘をついておこう)ええ、キスでなくてはなりません」

 

彼は顔を赤くしながら抗議し、悩んでいる。意外に純情なんですね…

 

カイゼル「…熱いな」

 

ライル「あ〜あ…俺は知らないぜ…」

 

さて、外野の男はほっといて果たすべき使命を果たしますか。

 

星光「(飛んで行くには距離がありますね…)…アレルヤ、リースをお借りします。彼女のアリオスならここからでも間に合うと思うので」

 

アレルヤ「…はぁ…分かったよ。リース、疲れていると思うけど…」

 

リース「…大丈夫です…行きます」

 

よろよろと立ち上がったリース。こうして、戦いの場でとはいえ、彼女と会えるとは…

 

星光「…運命とは、分からないモノですね」

 

アリオス〈何か言いましたか?〉

 

星光「いえ…行きましょう」

 

戦闘機形態のアリオスの上にのり、六課へと向かう。…だが、私はこの行動がアレルヤ達に私の考えを予測され、考えられた上での行動とは知らなかった。

 

 

 

ライルside

 

 

 

ライル「なんとまぁ…冷たい中に面白さがあるな。あの星光とやらは」

 

俺たちが六課へと飛んでいく彼女達の姿を見ていると前にいたアレルヤが真剣な顔で振り返る。

 

アレルヤ「カイゼル、時間が無いから手短に話すよ。分かってると思うけど、僕は…」

 

カイゼル「反逆者、犯罪者扱いになるな…高官があれだけいる場を襲撃したんだ。ただでは済まんだろう…」

 

ライル「はあ!?待てよ、それじゃアレルヤは…」

 

沈黙する二人。マジか…

 

アレルヤ「僕に出来るのは、はやてやカイゼルが被害者として扱われるように動く…これしかないと思う」

 

カイゼル「いいのか、それで…」

 

アレルヤは黙って頷いた。…覚悟、決めてんだな…なら、俺も何かしねえとな!

 

ライル「俺には何が出来る?」

 

アレルヤ「……カイゼルと一緒に行動してくれるかな?ライルもガンダムを使ってるから変に疑われたら君も何も出来なくなるから…」

 

何も出来なくなる?どういう意味だ?

 

カイゼル「先を読んでの行動か…もうじき訪れる、スカリエッティ対管理局の…」

 

アレルヤ「それもある、けど…一番心配なのはリボンズだよ」

 

リボンズ・アルマークか…こいつは俺が許せねぇ奴の1人だ。

アニューから聞いた。元の世界で裏切ったアニューが俺の元に帰ろうとした時、リボンズが脳量子波とヴェーダを使ってアニューを操り、俺に止めを刺そうとした事を…

 

アニュー〈ライル、リボンズを止めないと…人を人として見ない彼は必ず大勢の人を不幸にするわ〉

 

ライル「(言われなくてもだぜ、アニュー)分かった。俺はカイゼルと一緒に行こう。とりあえずはこの後の事だが…」

 

カイゼル「まず我々は此処を離脱し、リースとハルートを回収する。アレルヤと関わりが深い彼女達だしな。おまけにリースは元は闇の書というロストロギアの管制人格、ハルートは新型のユニゾンデバイス…管理局の科学者どもが欲しがりそうな要因を抱えているからな…」

 

ライル「そうだな…あの二人を他人に好き勝手されるのは腹がたつしな」

 

そうと決まれば早く行動しなくちゃな。

 

アレルヤ「…!、早く行って、どうやら来たみたいだ」

 

アレルヤが上空を見上げる。俺も見上げるがその光景に驚いた。…あれは…赤い粒子…だと!?

 

ライル「まさか、リボンズか!?」

 

アレルヤ「僕が食い止める…あとを頼んだよ、カイゼル、ライル」

 

悲しげに笑うアレルヤ…たく、縁起でもないこと言いやがって…

 

カイゼル「必ず助けに行く。それまで辛抱していてくれ」

 

アレルヤは笑って頷いた。そして寝かせていた八神部隊長の傍に膝をつき、彼女の頭を撫でる。

 

アレルヤ「はやて…今までありがとう。…君の事、好きだったよ」

 

好きだったよ、か。それは友人としてなのか、異性としてなのかは俺には分からない。けれど、これだけは言えるな…

 

ライル「その言葉、本人が起きている時に言ってやれよ。泣いて喜ぶと思うぜ?」

 

アレルヤ「そうだと、嬉しいな…行くよ、ハレルヤ、レント!」

 

立ち上がり、その場から赤い粒子の元へ飛んで行ったアレルヤ。

 

ライル「…無事でいろよ、アレルヤ」

 

俺はその場で仲間の姿を見送りながら、その無事を祈った。

 

 

 

アレルヤside

 

 

 

星光にはああ言って頼んだけど、おそらくヴィヴィオ救出は間に合わないだろうな…。

 

ハレルヤ(だから遠ざけたのか、リースを管理局に捕まらせない為に)

 

アレルヤ「ああ…」

 

レント(済まない…私の責任だ…)

 

アレルヤ「いや…これではっきりするかもしれないからね、ある意味ではレントの暴走も意味があったと言えるよ」

 

レント(それはどういう意味だ?)

 

アレルヤ「その答えは、すぐに分かるさ」

 

赤い粒子の元へ来た僕は、それを吹き出していた機体を見て、少し驚いた。

 

ハレルヤ(ハッ!懲りねえ奴だな、リボンズもよお!!)

 

レント(コイツらは…)

 

そこには疑似太陽炉を掲載した機体が三機いた。それぞれに違う武装を持って。

 

アレルヤ「ガデッサ、ガラッゾ、ガッデス…」

 

元の世界で散々、イノベイドとこの機体達には散々苦しめられた。

 

ガデッサ〈1人で立ち向かってくるとは…見上げた根性だな〉

 

アレルヤ「?、リボンズじゃない…?」

 

声が違う…おまけにこの感じは…人間…なのか?いや、でも…

 

ガッデス〈君には管理局襲撃者の一味である疑いがある〉

 

…この三機は管理局の所属か…はっきりしたな。リボンズと管理局が手を組んだんだ。…それがどんなに危険な事なのか知らないで…

 

ガラッゾ〈よって、この場で武力制圧させてもらう!〉

 

アレルヤ「なっ!?待て!僕に抵抗の意思は…〈問答無用!〉くっ!」

 

最後まで言い切る前に斬りりかかってきたガラッゾのビームクローを後退してかわす。

 

ハレルヤ「お構い無しならこっちも殺ってやるよ!」

 

レント「これは私の招いた事だ…責任はとる!」

 

アレルヤ「くそ…!」

 

僕は魔法剣を両手に持って構える。

 

ガデッサ〈死ねい!〉

 

アレルヤ「回避を!」

 

ガデッサのメガビームランチャーが撃たれ、それを下降してかわすとガラッゾのビームクローが再び迫る…

 

ガラッゾ〈隙ありだ!〉

 

ハレルヤ「はっはぁ!」

 

が、それをハレルヤが魔法剣で受け止めると次はガッデスのファングが僕の背後から突撃してきた!

 

ガッデス〈これでどうだ!?〉

 

レント「あまい!!」

 

レントが魔法剣を空中に出現させてファングを全て弾き飛ばし、その剣を目の前のガラッゾに向けて射出する!

 

ガラッゾ〈チッ…!〉

 

ガラッゾは肩に装備していたGNフィールドで剣を防ぐとそのまま後退する。

 

アレルヤ「僕たち、意外と連携がとれてるね…」

 

ハレルヤ「俺とアレルヤはまあ分かるが…テメェは意外だぜ、レント」

 

レント「私も驚いているよ。完全に意識が共有出来てるからな…」

 

ちなみに今の僕はレントのバリアジャケットを着て金と銀のオッドアイ、黒髪で右目の上の髪に白いメッシュがはいっている。

 

アレルヤ「どうにか穏便に出来ないかな…」

 

レント「無理だな。己の正義の為なら平気で暴力を使う奴らだ…話にならんよ」

 

ガッデス〈やるではないか…〉

 

ガデッサ〈どれ…試験運転も兼ねてアレをやってみるかの…〉

 

アレ?…アレとは一体なんだろう?

 

ガラッゾ〈では…行くぞ、小僧…〉

 

〈〈〈トランザム!!〉〉〉

 

目の前の三機が赤く輝く。そう、トランザムの光だ…!そして三機は一瞬で視界から消えた!

 

アレルヤ「まずい!回避と防御に専念するんだ!」

 

ハレルヤ「クソが!!」

 

レント「チィ!!」

 

三機のトランザムをしのげるか…いや、無理だ。あの力を僕は知っている。僕たちの世界では、トランザムを発動されたら同じようにトランザムで対抗するしかない。

 

ハレルヤ「何処に…ぐあぁあ!!」

 

ガラッゾ〈背中が、がら空きよぉ!!〉

 

蹴飛ばされてガラッゾとかなりの距離が開くも…

 

ガッデス〈食らえ!ファング!〉

 

レント「は、早い!?」

 

ファングのスピードが先ほどより格段にあがっていて、防御にまわした魔法剣が突撃されて次々と砕け散っていく。

 

アレルヤ「駄目だ、これでは!?〈堕ちろ〉しまっ…!回避を!?」

 

ファングに気を取られて、ガデッサの攻撃準備に気づかなかった。気づいたら、目の前は赤く染まっていて…

 

アレルヤ「ぐあああぁぁぁぁぁぁああ!!?」

 

僕の意識は、暗闇へと落ちてしまった。

 

 

 

ハルート・マルートside

 

 

 

マルート「状況が悪化するだけね、これ以上は…」

 

ツヴァイ〈く…!〉

 

ヴィヴィオは既に連れ去られ、ハルートは…

 

ハルート(代わってよ!マルート!アイツは、目の前のアイツだけでも殺してやるんだから!!)

 

目の前の戦闘機人、クアットロ(眼鏡女と呼ぶことにした)にアレルヤを馬鹿にされたせいで異常なまでに興奮してるし…

 

マルート「(黙ってなさい)…ツヴァイ、損耗はどれくらい?」

 

ツヴァイ〈今は無い〉

 

背中合わせでアタシ達は敵に対峙する。さて、どうしようかしら?

 

マルート「ツヴァイ、トランザムは出来るかしら?」

 

ツヴァイ〈使えないことはない。だが元来、私はトランザムを運用出来るように作られていないからな…関節を強化されているから幾ばくかは持つが、その後は戦力として役に立つかは保証出来ない〉

 

つまりは一度トランザムを発動したらアタシは1人で戦う事になるのか…

 

クアットロ「作戦会議は終わったかしらん?」

 

マルート「黙れ、眼鏡女」

 

ムカつくなあ…しょうがない、不安はあるけど…

 

マルート「ハルート、行くわよ。失敗は許さないからね」

 

ハルート「わかってる…少しは落ち着いたし…。アムルタート、あの武装を使うよ」

 

アムルタート〈ロード、マスター、本気か?アレは貴女達が二人揃って初めてその機能を有効に使えるモノだ…大丈夫なんだな?〉

 

マルート「くどいわよ」

 

ハルート「大丈夫…扱いこなしてみせるよ」

 

アムルタート〈…了解、ならいくぞ!〉

 

背中のブースターの上部がスライドして何かが飛び出す。

 

ハルート「マルート…ソレを頼んだよ」

 

マルート「ハルート…体は任せるわ」

 

従来の赤を基調としたバリアジャケットに戻り、私は体を、マルートはアレの使用に専念する。

 

クアットロ「あら、何かしらソレ?」

 

マルート「あんたを切り刻む為のモノよ…」

 

私の周りに浮かび、シャキン、シャキンと音をたてるそれは、攻撃にのみに特化した新装備…

 

マルート「ことごとく切り刻め…ゆけ!シザーファング!!」

 

全部で10機のハサミのようなその武器は私の魔力を供給する事で空中で不規則な動きをし、私の周囲にいたガジェットやジンクスを次々と挟み切る!

 

クアットロ「あらん?危ない娘ねぇ…」

 

いち早くこの武装の機能に気づいた眼鏡女はガジェットを盾に後方へ下がる。

 

ハルート「深追いは厳禁…ツヴァイ、離脱するわ。私達の後方にいる敵を最優先で撃破して!」

 

ツヴァイ〈了解!GNキャノン、発射!〉

 

赤い二つの砲撃がガジェットを飲み込み、砲撃を避けたジンクスを…

 

マルート「逃がしは、しない!」

 

アタシのシザーファングがジンクスの胴体を真っ二つにする。…離脱ルートは確保は出来た…。

 

ハルート「(ごめんね、ヴィヴィオ…必ず、助けに行くから!)ツヴァイ!」

 

私はシザーファングを格納してツヴァイの首に後ろからしがみつく!

 

ツヴァイ〈トランザム!〉

 

トランザムによる急激な加速に振り落とされないようにしっかりと掴む。

 

ハルート(…アレルヤになんて言えばいいのかな…)

 

離脱しながらも、そんな事を考える。ヴィヴィオを助けることは叶わず、リースと合流した私は安堵から意識を失ってしまった…。

 

 

 

ハレルヤ・レントside

 

 

 

ハレルヤ(クソが…アレルヤは…ダメか、のびてやがる。レント、聞こえるか?)

 

レント(なんとか…アレルヤがダメージを持っていってくれたみたいだからな…)

 

瓦礫に埋もれた俺は首を動かして周りを確認する。体は…チッ、なんとか動けるくらいか…どうするかねぇ…

 

ハレルヤ(場所は…どっかのビルか?)

 

ガデッサの砲撃で叩き落とされた俺はどうやらビルに墜落したらしい…天井をみるとビルの2、3階分くらいは貫通したみたいだ。

 

レント(追って来ないところをみると…私達を見失ったか?)

 

そりゃねえな。どうせ俺たちが外に出て来るのを待ってんだろ。

 

ハレルヤ(さあな…だが、どちらにしても、やられっぱなしは俺の柄じゃねぇ…)

 

レント(確かに…一機くらいは破壊したいが…トランザムに対抗出来ないのでは…)

 

確かに、そりゃそうだ。アリオスも無しに戦っても結果は見えてる。だがなぁ…!

 

ハレルヤ「それで、はいそうですか、と言えるほど甘ちゃんじゃねえんだよ!!」

 

レント「ははは!確かにな!!」

 

体に乗っかっていた瓦礫を払い退ける。立ち上がって服についた埃を払って軽く体を動かしてみる。

 

ハレルヤ「チッ…しくったか。左肩が動かねぇ」

 

レント「私の魔力もそこそこだな。長くは戦えん」

 

穴の空いた天井を見上げる。…なら、やることは決まったな。

 

ハレルヤ「一撃で仕止めるぞ」

 

レント「ああ、武器は…コレでいいか?」

 

黒い球体に右腕が包まれ、球体が形を変え、作ったのは黒色のキュリオスのシールドクローだった。…いや、改造されてんな。粒子が無くても切れるようにシールドの端が実体剣になってやがる。

 

ハレルヤ「ハッ!思いだすなあ!四年前のあの時をよお!」

 

俺は髪をかきあげてオールバックにする。

 

レント「…どうやら三機とも、まだ外にいるな」

 

ハレルヤ「上等ォ!俺の反射についてこれるかよ…レント!!」

 

レント「ふ…貴様こそ、私の魔法を無駄にするなよ!?」

 

周りには黒い剣が10本…俺を囲むように浮いている。

 

ハレルヤ・レント「「いくぞ!!」」

 

俺は剣をその場に残してビルの天井に開いた穴から飛び出し、辺りを見回す。だが、誰もいねぇ…訳ねえか!

 

ハレルヤ「おっとお!?」

 

レント「ファングか!」

 

背後から飛んできたファングをしゃがんでやり過ごし、その場から駆け出す!

 

ガッデス〈逃がすものか!〉

 

まずはガッデスが現れ、真っ正面からファングを三機、飛ばしてきたが…

 

ハレルヤ「軌道が読めてんだよ!」

 

まず一機目を前のめりになってかわし、二機目と三機目を右手に握ったシールドを左から右に振り抜いて叩き切る!

 

ガデッサ〈ゆくぞ〉

 

ファングをかわされたガッデスがその場から上昇するとその後ろにいたガデッサがビームランチャーを撃ってきた!

 

ハレルヤ「二度も喰らうか!アホぉ!!」

 

そのビームを左に向かって飛んでかわす!

 

ガラッゾ〈ふん!死ねい!〉

 

だがその進行方向に現れたガラッゾは、その両手からはビームクローを伸ばし、交互に突きを繰り出してくる!

 

レント「そのような攻撃!」

 

右手に握ったシールドで突きの軌道を反らして回避する!…今の立ち位置は私を中心に三機が三角形を作っている状態…さっきのビルに近いヤツは…

 

ガッデス〈終わりだ!〉

 

ガラッゾの相手をしていた私達の背後から今度は一斉にファングが殺到する。

 

レント「終わったのは貴様だ………、ガッデス!」

 

私達が飛び出た穴から黒い剣が飛び出し、ガッデスに向かって突き進む!

 

ガデッサ〈チッ!〉

 

だがガデッサがガッデスの前に出てメガビームランチャーで剣を全て消し去ってしまった。

 

ガラッゾ〈隙あり!〉

 

少し注意が逸れていたせいでガラッゾにシールドを上空に弾き飛ばされる…だが、ガッデスのファングは先ほどの私の奇襲のせいで私に当たる事もなく、あさっての方向へ飛んでいった。

 

そして、目の前のガラッゾからの突きが再び迫る…条件は今、揃った!!

 

ハレルヤ「レントぉお!!」

 

レント「落ちろ!シールドクロー!!」

 

私の言葉に反応して空中に飛ばされていたシールドが方向を変えて急速落下し…

 

ガラッゾ〈ギゴグ!〉

 

ガラッゾの頭に突き刺さった。そう、このシールドクローは私の魔力で作ったモノ、だから私が指示を出せば剣の軍勢のように私の意思で動かせるのだ。

 

ガッデス〈き、貴様ぁ…!〉

 

ガデッサ〈……〉

 

ガラッゾはその場に崩れおち、頭からは変な色をした液体が流れていた。

 

レント「これは…」

 

ハレルヤ「やっぱりか。テメェ等がマトモな人間じゃねえ事は動きで分かってたからなぁ!ワリィが頭を潰させてもらったぜ!」

 

ガッデス「貴様…!クソッ、時間か!」

 

戦意をたぎらせていた二機だが此方に何かするわけでもなく、そのまま飛び去っていった。

 

ハレルヤ「ハッ、なんとかなるもんだな」

 

構えを解くと手に握っていたシールドが泡のように弾けて消えた。それにつられて魔力が空になったせいでバリアジャケットが強制解除されていく。

 

レント「…ここまでか…魔力が尽きた」

 

バリアジャケットもシールドクローも消え、もとの制服姿になる。対抗する力がなくなった…すると数人の魔導師が飛んできて俺を囲み、杖を向ける。

 

ハレルヤ「ハイハイ…大人しくしますよっと…」

 

そして、俺はスカリエッティ一味との内通、及び管理局への反逆行為の容疑で逮捕された。




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