【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~   作:不知火新夜

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110話_遥かなる時を越えての激突!

Side ????

 

「野呂副司令官、申し上げます!救援として此方に来る予定でしたタイラー姉妹が、ランサーズメンバーに敗北、拘束されたとの連絡が入って来ました!」

「野呂副司令官、申し上げます!各地で活動中のデュエル戦士達が相次いで、ランサーズメンバーに敗北、強制転送されているとの連絡が次々と入ってきております!」

「ば、馬鹿な、タイラー姉妹達がこんなにも早くやられ、敵方に捕まるとは…!

展開が余りにも早すぎる、どうしてこうなったのだ…!」

 

所変わってエクシーズ次元にあるアカデミアの派遣軍本拠基地、其処に次々と寄せられる、アカデミア側にとって悪い報告の数々、その惨状に野呂は頭を抱えずにはいられなかった。

アカデミアのトップであるプロフェッサーこと赤馬零王が掲げた計画『アークエリアプロジェクト』を基としたエクシーズ次元への侵略、ほんの数日前まで、やや計画と比べて遅延が見うけられたり、総司令官である筈のエド・フェニックスが時折姿を消したりする以外順調だった筈の派遣軍だったが、此処に来て急な融合次元でのゴタゴタに伴う人員の削減、その原因である融合次元への総攻撃の準備をしていると思われていたランサーズの潜入、それによるデュエル戦士の相次ぐ撃破、エドの負傷離脱、そして頼みの綱であったタイラー姉妹の敗北…

特にタイラー姉妹は、嘗て侵略に参加ししてた際にたった2人で、此処のデュエリストスクールに属する精鋭達を相手に大立ち回りを繰り広げた末に勝利した指折りの実力者、その2人があっさりと敗れるという報告は、野呂を始めとした非戦闘員達に絶望感を与えるには充分だった。

そしてそんな悪い流れは続く物だ。

 

「野呂副司令官、申し上げます!治療中のフェニックス総司令官が行方を晦ませました!」

「なっまたか!?あんな怪我を負ってまだどっかをほっつき歩くというのか!?急いで探せ!」

『はっ!』

 

重傷を負っていたエドがいなくなったという報告に対して声を荒げながら捜索を指示する野呂の怒号が響き渡る指令室、そんな最中エドは、

 

「待っていろ、榊遊矢、君は必ず、僕が倒す…!

この屈辱、親子2人からの敗北という屈辱を、必ず晴らし、僕のデュエルが、アカデミアの理想こそが正しいという事、証明して見せる…!」

 

怪我が治っていない身でありながらも既に本拠基地を抜け出し、遊矢を探しに瓦礫の中を彷徨っていた。

 

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Side 遊矢

 

「それにしても良いのかカイト、俺とアクションデュエルをしようだなんて?」

「ああ。お前達の次元で流行っているというアクションデュエル、俺も堪能してみたくなった」

 

先程のデュエルで勝利、拘束したタイラー姉妹を連れてカイト達の待つ拠点へと戻った俺達、どうやらタイラー姉妹の名はエクシーズ次元で相当知られていたみたいで、カイトからは「流石と言うべきだな。タイラー姉妹はこのエクシーズ次元で大いに暴れ回ったデュエリストタッグ。その2人を捕まえられたのは大きい…」と感心された。

で、そんな実力を見てデュエリストの血が騒いだのか、俺にデュエルを申し込んで来たのだが、何とそれはアクションデュエルでやろうという物だった。

もう80近くも年いった身だというのに、大丈夫か…?

 

「じゃあ行くぜカイト!アクションフィールド、オン!『クロス・オーバー』!」

「辺り一面にカードが散らばった…

これらのカードがアクションカード、これを探し、目当ての物か見極めて入手し、手札として使って行くのがアクションデュエルという、お前達の次元で流行っているデュエルだったな。中々面白そうだ」

「そうだろ、カイト。今やこうして手軽に楽しむ段階に移った、俺達の次元の文化(ミーム)なんだ」

 

とはいえやる気充分なカイトを前にそれを指摘する気にもなれないと気持ちを切り替え、発動させたクロス・オーバー、それによって辺り一面に散らばったアクションカードを見て、カイトは感慨深げにそう話していた。

さてカイトとのデュエルも久々だ、幾らカイトが爺さんのままだろうと、手加減無しで行かせて貰うぜ!

 

「戦いの殿堂に集いしデュエリストが!モンスターと共に地を蹴り宙を舞い!フィールド内を駆け巡る!見よ、これぞデュエルの最強進化系!アクショーン!」

「「デュエル!」」

 

先攻 Kaito LP 4000 VS 後攻 Yuya LP 4000

 

「俺の先攻!

まずは魔法『フォトン・サンクチュアリ』発動!」

 

フォトン・サンクチュアリ

通常魔法

このカードを発動するターン、自分は光属性モンスターしか召喚・反転召喚・特殊召喚出来ない。

1:自分フィールドに『フォトントークン』(雷族・光属性・レベル4・攻撃力2000/守備力0)2体を守備表示で特殊召喚する。このトークンは攻撃出来ず、シンクロ素材にも出来ない。

 

先攻となったカイトが最初に発動したのは、俺も『完全決闘』デッキで世話になっているフォトン・サンクチュアリ。

そういえば以前のデュエルで俺がこれを発動した時、エクシーズ次元出身の黒咲とユートが驚いていたっけ、確かにこのエクシーズ次元で有名なカイトが使っていたのと同じカードを使ったとあれば普通は驚くわな。

 

「フォトン・サンクチュアリの効果で、2体のフォトントークンを守備表示で特殊召喚!」

 

フォトントークン

光属性

雷族

レベル 4

守備力 0

 

「俺はこの2体のフォトントークンをリリースし『フォトン・カイザー』をアドバンス召喚!」

 

フォトン・カイザー

効果モンスター

光属性

戦士族

レベル 8

攻撃力 2000

 

そのフォトン・サンクチュアリによってフォトントークンが2体登場した、と思った次の瞬間、それを吸い込み、全身から光を放つ帝王然とした姿の戦士が登場した。

此処でフォトン・カイザーをアドバンス召喚したという事は、

 

「アドバンス召喚したフォトン・カイザーの効果発動!

デッキから2体目のフォトン・カイザーを守備表示で特殊召喚!」

『レベル8モンスターが2体、来るぞ遊矢!』

 

そうだなアストラル、レベル8のフォトン・カイザーを2体並べたと来れば、間違いなくランク8エクシーズモンスターをエクシーズ召喚して来る筈。

さて、そうなると何が来るか…

カイトはこのターンにフォトン・サンクチュアリを発動した事で発生した誓約により、光属性以外のモンスターを特殊召喚出来ない、よって1ターンに1度『神罰』を発動出来る『No.23冥界の霊騎士ランスロット』等は出せない。

となるとフリーチェーンで効果耐性を与えられるフェルグラント辺りだろうか…?

 

「俺は2体のフォトン・カイザーでオーバーレイ!2体のレベル8モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!我が記憶に眠る2つの希望!その希望を隔てし闇の大河を貫き今その力が1つとなる!エクシーズ召喚、現れろ!『No.38希望魁竜タイタニック・ギャラクシー』!」

 

No.38希望魁竜タイタニック・ギャラクシー

エクシーズ・効果モンスター

光属性

ドラゴン族

ランク 8

攻撃力 3000

ORU 2

 

と考えていたら、何か知らないNo.が出て来たぞ!?

 

『こ、このNo.は一体…!?』

『ボク達が知らない奴という事は、恐らくカイトがこのエクシーズ次元で手にしたNo.かな?』

「カイト、そのNo.は一体…?」

「コイツは、俺がこの世界で英雄として称えられる切っ掛けとなった戦いの、思い出と言うべき物だ」

 

フィールドに舞い降りた、光や電気で出来ているかのような身体に鎧を身に纏ったモンスターを見て疑問をぶつける俺に、カイトはその姿を何処か懐かしむ様な様子で語り始めた。

今から60年も前、カイトが18歳だった頃にこのエクシーズ次元にも、遊馬だった頃と同じ様な力を持ったNo.がばら撒かれ、その力にあてられて暴走した人達による様々な事件が多発していた。

そんな状況をカイトは見過ごせず、前世と同じくNo.ハンターとして暗躍する(といっても前世の様な荒事は無かったそうだが)事となったが、そんな最中、この次元でのNo.に関わる出来事の裏に、全世界に存在する『希望の光』の影ともいうべき『絶望の闇』より生まれた破壊の女神『e・ラー』の存在がある事を突き止めた。

それを知ったカイトはe・ラーの野望を止めるために奔走、彼女の策略によって敵対する事となってしまった幼馴染との死別をも乗り越え、最終的に彼女との世界の存亡を賭けたデュエルに勝利、その野望を打ち砕く事が出来た。

今しがたエクシーズ召喚したタイタニック・ギャラクシーは、元はその幼馴染が使っていた全く別のNo.モンスターらしく、その名残が身体の一部にあるとかないとか。

 

「その戦いを経て、俺はこの世界をe・ラーによる脅威から守り抜いた功績から、英雄として称えられる事となった。今やNo.モンスターは色んな意味で弱体化した、普通のカードとしてこの世界で流通してはいるが、そんな中でもこのタイタニック・ギャラクシーは今尚俺が持つこの1枚だけのカードとなっている。嘗ての戦いの、1つの記憶として…

尤もアカデミアとの長い戦いで、そんな功績も記憶も、跡形もなくなってしまったが…」

 

そう語り続けるカイト、だがその表情はアカデミアとの戦いに言及を始めると共に何処か暗くなったというか、泣きそうな表情へと変わって行った。

クールな様で人情に篤いカイトだ、その顔から浮かぶ絶望感とアカデミアへの憎悪の念、如何ばかりか…

 

「おっと、湿っぽい話になってしまったな。デュエルを続けよう。

カードをセットしてターンエンド!」

「ならエンドフェイズにアクションマジック『ソニックカッター』発動!」

 

ソニックカッター(オリジナルカード)

アクションマジック

1:フィールドの魔法・罠カード1枚を選んで破壊する。

 

「エンドサイクの要領でセットカードを破壊して来るか…

だが甘い!それにチェーンしてタイタニック・ギャラクシーの効果発動!」

 

何、このタイミングで発動する効果持ちだったのか!

 

「コイツは魔法カードの効果がフィールドで発動した時、それを無効にしてこのカードのオーバーレイ・ユニットに変える事が出来る!

その効果でソニックカッターを無効にし、このカードのオーバーレイ・ユニットにする!

改めてターンエンドだ!行くぞ、タイタニック・ギャラクシー!」

 

No.38希望魁竜タイタニック・ギャラクシー ORU 2→3

 

って事はつまり毎ターン1回だけ『マジック・ジャマー』を使える、いやフィールド上だけなら効果の発動にも対応しているから、それよりも範囲の広いカウンター効果か!

まさかアクションマジックメタと言っても良い効果だったとはな、これは慎重に動かないと…

 

Kaito

LP 4000

手札 2

モンスター No.38希望魁竜タイタニック・ギャラクシー(攻撃表示)

魔法・罠カード セット

 

「俺のターン、ドロー!

まずは魔法『ハーピィの羽根帚』発動!」

 

ハーピィの羽根帚(制限カード)

通常魔法

1:相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する。

 

後攻となった俺のターン、やっぱりセットカードが鬱陶しいと感じたのでハーピィの羽根帚で除去しに掛かるが、此処はどう動く?

 

「それは通そう」

 

お、これは通してくr…

って、セットカードは神宣だったか、こりゃあ確かにタイタニック・ギャラクシーで無効にしない方が賢い選択だわな。

 

「次に手札を1枚墓地へ送って魔法『オノマト連携』発動!」

「それは通さない!タイタニック・ギャラクシーの効果発動!

それを無効にしてこのカードのオーバーレイ・ユニットにする!」

 

オノマト連携

通常魔法

手札を1枚墓地へ送って発動出来る。デッキから以下のモンスターの内1体ずつ、合計2体までを手札に加える。『オノマト連携』は1ターンに1枚しか発動出来ない。

●『ズババ』と名の付いたモンスター

●『ガガガ』と名の付いたモンスター

●『ゴゴゴ』と名の付いたモンスター

●『ドドド』と名の付いたモンスター

 

流石に此処は通してくれないよな、けど!

 

「ならば魔法『手札抹殺』発動!」

 

手札抹殺(制限カード)

通常魔法

1:手札があるプレイヤーは、その手札を全て捨てる。その後、それぞれ自身が捨てた枚数分デッキからドローする。

 

「手札抹殺の効果により、俺は残りの手札2枚を全て捨て、2枚ドロー!」

「俺も手札2枚を全て捨て、2枚ドロー!」

 

よし、良い引きだ!

 

「更に今引いた『ゴゴゴジャイアント』召喚!」

 

ゴゴゴジャイアント

効果モンスター

地属性

岩石族

レベル 4

攻撃力 2000

 

「召喚したゴゴゴジャイアントの効果発動!

墓地のこのカードを守備表示で蘇生する!Let’s Go!覚悟!『ゴゴゴゴースト』!Go!Go!Go!Go!」

 

ゴゴゴゴースト

効果モンスター

闇属性

アンデット族

レベル 4

守備力 0

 

「特殊召喚したゴゴゴゴーストの効果発動!

墓地の『ゴゴゴゴーレム』を守備表示で蘇生する!」

 

ゴゴゴゴーレム

効果モンスター

地属性

岩石族

レベル 4

守備力 1500

 

今引いたゴゴゴジャイアントからのゴゴゴモンスターの大量展開、これは並行世界での零児とのデュエルでも見せた展開だ。

普通なら此処でエクシーズ召喚、と行くところだが…

 

「カイト。この手札に残った最後の1枚、これをデュエルで使うのは今回が初めてだ。コイツはこのデッキに1枚でも入れて置けば爆発的な力を齎すカード。それによって得られる展開力と持久力は、正にこのデッキにおけるドーピング剤だ」

「ほう?」

「だが一般的なドーピング剤には代償がある。法的な事とか精神的な事とかは勿論、身体的な事にも副作用という刃で使用者に襲い掛かる。このカードもまた、使う俺に少なくない代償を背負わせてくる」

 

手札に残された最後の1枚、それをカイトにアピールしつつ、そう語る。

遊馬だった頃はこのカードを態々使わなくても良い程パワーカードに恵まれていたのもあって入れる必要は無かった、遊矢として転生してからも「究極奥義使っちまえばよくね?」という考えから入れる事無く勝って来た、ランサーズの最高指揮官としてアカデミアとの戦いに臨んでいる今も、その代償がアカデミアのデュエルスタイルとの関係上まずい事から入れるのを避けていた。

だが今回の相手はカイト、今までと同じ考えでは、代償の重さに躊躇していては勝てない相手、そんな隙を見せたら首根っこを掴まれる。

天城カイトというデュエリストは、俺にとって最高のライバルの1人は、そんなデュエリストなんだ。

 

「今からその恐ろしき力をお見せしよう!永続魔法『エクシーズ・チェンジ・タクティクス』発動!」

 

エクシーズ・チェンジ・タクティクス

永続魔法

自分フィールド上に『希望皇ホープ』と名の付いたモンスターがエクシーズ召喚された時、500ライフポイントを払い、このカードの効果を発動出来る。デッキからカードを1枚ドローする。『エクシーズ・チェンジ・タクティクス』は自分フィールド上に1枚しか表側表示で存在出来ない。

 

さあ、本気で行くぜカイト!

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