【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~   作:不知火新夜

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今回はかなり短いです。
今回を以て8章・Bパートは終了、次回から8章・Cパートに入ります。


114話_そして、ラストデュエルへ…!

Side ????

 

「また、負けた…

エンタメデュエルに、榊遊矢に、負けた…」

 

遊矢が呼び出した、其々の召喚方法の名を冠した3体の竜、その進化した姿達による総攻撃、それによってまたも後攻1ターンキルで敗北し、再び瓦礫へと吹っ飛ばされたエド、仰向けに倒れた状態のまま、それを悔しがる様な事を呟いてはいたが、それに反してその顔からは笑みが浮かんでいた。

 

「デッキに宿るモンスター達がどうありたいのか、どう動きたいのかを聞き取る、か…

それが出来るからこそ、榊遊矢のデュエルは緻密で、鮮やかで、あれ程の迫力ある布陣を、活き活きとした笑顔で動かせる…

自分も、相手も、見ている観客も、カード達すらも自然と笑顔にさせる、エンタメデュエル…

今までの僕では一生届かないと言われるのも分かる、今までの僕のデュエルは、アカデミアの理想は、『アークエリア・プロジェクト』と称した侵略戦争は、間違っていた…」

「大丈夫か、エド?」

 

様々な事を反芻し、呟き続けるエド、そんな彼、倒れたまま起き上がらない彼を心配してか、遊矢が駆け寄って来た。

 

「ああ、これ位は問題ない。それより君の眼の事だが、おや?黒くなっていた白目が元に戻っていないか?左眼の変色までは治っていないみたいだが…」

「ん?ああ、やっと消化が終わったか。流石にオッドアイズ達4龍と合体していた事はあるな、呑み込んだと思ったら消化するのに大分時間が掛かるとは…」

「え?」

「あ、いや、こっちの話だ」

 

そんな遊矢の眼、デュエル中に起こった謎の現象を経て黒く染まっていた白目が何時の間にか元に戻っていたのだ。

エメラルドグリーンに染まっていた左の黒目までは戻っていなかったが、遊矢はその現象に何処か合点がいったのか、妙な事を口にしている。

 

「今の君とのデュエルで僕ははっきりと分かった。やはり君の父親は、いや、君は正しかった。デュエルとは皆に笑顔を齎す為の物であり、戦争の道具なんかじゃない!我々はアークエリア・プロジェクトと称して実際には侵略戦争を行って来た。これは我々の理想と反する物、よって今を以てこの計画を破棄し、エクシーズ次元復興に努める事とする!それが数多くの命を、笑顔を奪い去った僕達に出来る事だ」

「エド…!

これからも、宜しくな!」

「ああ!」

 

だがそれはさらりと流され、遊矢が掲げるデュエルの真理に気付いた事、アカデミアが掲げる計画を放棄する事をエドは宣言し、遊矢との握手が交わされた。

 

「とはいえ、これからが大変だ。アークエリア・プロジェクト、理想こそ崇高な物だからこそそれに賛同するアカデミア兵も少なくないだろう、恐らくお前の説得に耳を貸さない奴も出て来るかも知れない。それに破壊の爪痕は、エクシーズ次元の人達に刻まれた心の傷は相当根深い、お前達からの施しは受けないだとか、信用出来ないだとか言う人々もいるだろう。此処から先は茨の道だぞ」

「分かっているさ、それでも僕達はやらねばならない。僕達が今までしてきた事を償うには、それぐらいの覚悟が無ければ出来ない事だ」

 

だが一口に復興すると言っても、その大変さを身に染みて理解している遊矢はエドに忠告をする。

それでも揺るがないエドの意志を見て、遊矢は手ごたえを感じているかの様な笑顔を浮かべていた。

 

------------

 

「遅ーい!私の計算によれば29分58秒で全員のスープが完成する筈なのに、既に時計の針は30分を越えている!市民の皆さんを何時までお待たせするつもりだ!」

「お待たせ、ノロマちゃん」

「ノロマではない!野呂だ!」

 

その後、総司令官であるエドの宣言を聞いたアカデミア派遣軍の構成員は全員、エドに従う事を決定、既に捕虜となっていたタイラー姉妹含め、エクシーズ次元復興に力を注いでいた。

遊矢達が抱いていた懸案の1つである離反者こそいなかったが、もう1つの懸案である救援を拒否する人達は少なからずいて、破壊の爪痕も想像以上に深く、再建のメドが全く立たない現状ではある。

それでもエド達元アカデミア軍は、遊矢達ランサーズは復興の為、前を進んでいた。

 

「お、電話だ。月影か、アカデミアの方で動きがあったみたいだな」

 

そんな中、遊矢が持っていたスマートフォンに、着信音が鳴った。

発信先は、アカデミアで活動中の月影の様だ。

 

「もしもし、俺だ…

そうか、そっちも順調の様だな。こっちもエクシーズに派遣されていたアカデミア軍の無力化に成功した所だ…

何だって、それは本当なのか?分かった、皆にも伝えて置く…

了解だ、後は俺達が向かうだけか。さっきの件からして、少し寄り道するべきだな…

連絡は以上か?分かった、じゃあ、また後で会おう」

 

何件か報告を交わす遊矢と月影、その中で遊矢が驚いた様な素振りを見せたり、何か考えを巡らせたりする場面もあった中で、電話は終了した。

そして、こう呟いた。

 

「機は、熟した」

 

遊矢の呟きに呼応するかの様に、アカデミアとの戦いは、最終局面に突入していく事になる…!

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