【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~ 作:不知火新夜
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「おや、どうやらかなり早く僕達の出番が来た様だよ、ベルぺオル」
「その様だねぇ、フリアグネ。アタシ達がこうも早く登板しなきゃならなくなるとは、下っ端共は何をやっているんだか。ま、退屈はしなくて済みそうだがね」
「フリアグネ、ベルペオル、相手はあの榊遊矢率いるランサーズ、油断は禁物でありますよ」
「御三方、宜しくお願い申し上げる。ホルアクティ・フォースが付くとあらば心強い」
月影達が向かった東側の塔、其処にはホルアクティ・フォースのリーダーであるキサラの他、フリアグネと呼ばれた白いスーツを身に纏う青年と、ベルペオルと呼ばれた黒いドレスに身を包み、左眼に眼帯を付け、額に3つ目の眼があるかの様なタトゥーを施した女性の、ホルアクティ・フォースに属する3人と、東側の塔の守護者を務める赤い法衣に身を包んだ男がランサーズメンバーを迎え撃つべくスタンバイしていた。
他にスタンバイしていたデュエル戦士達の姿は無い、セルゲイの思惑通り収容者の脱走阻止の為に皆揃って出払ってしまっているからだ。
「あら、如何にも「待っていたぜ!」と言いたげな様子ね」
「それはそうでござろう。セルゲイ殿や遊香殿があれだけ暴れ回ったのでござるからな」
「だったら話は早いな。悪いがお前ら全員ブッ倒して其処を通させて貰う!」
「生憎だが俺らも暇じゃあ無いんでね、最初から全力でぶちかますぜ!」
其処に雪乃をトップとした東側への突撃班が到着、既に準備万端と言いたげなキサラ達の様子を見て瞬時にデュエルディスクを展開、デュエルに入ろうと挑みかかった。
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「敵性反応、察知。ランサーズの者と思われる。カムシン、最大級の警戒が必要」
「ああ、とうとう来ましたか。僕達ホルアクティ・フォースの実力を今こそ見せる時。頼みますよ、ヘカテー」
「宜しく頼みます、お二方」
「自分を忘れられては困るな。自分もまた全力でランサーズを、榊遊矢が率いる組織を叩き潰す…!」
一方、日影達が向かった西側の塔、其処にはヘカテーと呼ばれた白い法衣を身に纏う少女と、カムシンと呼ばれた普段着姿の少年の、ホルアクティ・フォースに属する2人と、西側の塔の守護者を務める白い羽衣に身を包んだ女性、そして何故か遊矢達と同じ次元にいた筈の、アカデミアとは何の関係も無い筈の少年、デュエルスクール『梁山泊』に属していた勝鬨勇雄が、此方もまたランサーズメンバーを迎え撃つべくスタンバイしていた。
これまた収容者の脱走阻止の為に出払った影響で、他にスタンバイしていたデュエル戦士の姿は無い。
「む?お主は確か、舞網チャンピオンシップに出場していた…」
「何処かで見た覚えがあると思えば、そういう事だったか。最初からスパイだったか、或いはスタンダードから引き込んだか。まあ良い、どちらにせよ倒すのみ!」
「左様、某らのデュエルを以て、その道を通させて頂こう!」
「リンさん、瑠璃さんは私達が助け出させて貰います!邪魔立てするならば、斬ります!」
そしてまたこちらにも日影をトップとした西側への突撃班が到着、勇雄の姿に少なからず疑問を覚えたりはしたがそれも数瞬の内で、直ぐ様切り替えてデュエルディスクを展開、デュエルに入ろうと挑みかかる。
「さあ皆、存分にお仕置きしてあげなさい!」
「では方々、参ろうぞ!」
『了解!』
そして、
『デュエル!』
『デュエr』
デュエルが始まった、
「むっ!?」
「な、何だ!?」
とその時、東側ではそのままデュエルに突入した一方、西側の塔では異変が起こった。
「塔が、爆破された!?」
「熱源反応からして、今の攻撃はロケットランチャーの類」
「ろ、ロケットランチャーだと!?ランサーズは現実兵器をも持っていると言うのか!?」
「ん?現実兵器…
ああ成る程、もしかしたらエクシーズへ派遣されていたデュエル戦士の間で噂になっていた『炎髪灼眼の討ち手』の仕業ですかね?狙われたら最後、その命は無いと言われている…」
突如として後方から殺気が放たれた事で誰もがその場を飛び退いた次の瞬間、その間から飛来した物が後方にある扉へと直撃して爆発、直撃した扉はおろか周囲の壁すらも巻き込んだ爆発が発生していた。
突然の攻撃に驚きを隠せないアカデミア側のメンバー、そんな中でカムシンがとある噂を思い出し、下手人の推測を立てていると、
「ええ、そうよ。私がその『炎髪灼眼の討ち手』で間違いないわ。皆、待たせたわね」
案の定と言うべきか後方から、髪と眼を真っ赤に染めた状態の遊香が、既に弾を発射した事を示す様に発射口らしき部分から白煙を吐いている、モンスターカード『ヴォルカニック・ロケット』を模したロケットランチャーを構えた状態で現れた。
「ああ、貴方が炎髪灼眼の討ち手でしたか。成る程、その殺気は噂に恥じない凄まじさです…!」
「最大級の危険分子と認識。炎髪灼眼の討ち手、貴方は私が倒す!」
「良いわ、掛かって来なさい、返り討ちにしてあげるわ」
その姿を見たカムシンとヘカテーが凄まじい戦意を漲らせて遊香にデュエルを挑もうとし、遊香もまた応じるべく前へと進んでいく中、
「隼、あの塔の中に貴方の妹さんが待っているかも知れないわ。此処は私達が食い止めるから、先に行きなさい。でも気を付けて、彼女達の頭の中に洗脳装置的な物が仕込まれているかも知れないわ」
「い、良いのか?」
隼に対し、先に行く様告げる。
「黙って通すと思って「せい!はぁ!」な、きゃぁ!?」
「く、飛び道具を使うとは卑k「戦場では、卑怯もラッキョウも好き嫌いなく、よ!」ぐぉ!?」
無論それを黙って見ている残りの2人では無く、隼が戸惑っている隙に破壊された扉の前に立ち塞がろうとしたが、遊香はそれを許さない。
2人の前へと一気に飛びかかりながら何処からともなく2丁の拳銃を手にし、まずは守護者の女に威嚇発砲で足止めしながら回し蹴りで転倒させ、次に殴りかかって来た勇雄をこれまた威嚇発砲で怯ませつつ、空砲による反動で勢いを付けた遊底の部分で思いっきり殴り飛ばした。
「行きなさい、早く!」
「我らの本来の任務はリン殿、瑠璃殿の救出でござる!この塔に監禁されし存在が瑠璃殿であるならば、実の兄である貴殿こそが適任!」
「左様!此処は某らに任せ、隼殿はあの塔で待っているやも知れぬ瑠璃殿をお救いなされよ!」
「私達も此処を切り抜け、直ぐに向かいます!ですから早く!」
「お前ら…!
ああ、分かった!瑠璃は、必ず救い出す!」
「はっ!?炎髪灼眼の討ち手に構っている場合じゃない、私達の任は『ピース』の確保「何処へ行こうと言うのかしら?」なっ…!」
「ああ、動いたらハチの巣にする、という事ですか、これは何とも…!」
そんな彼女の奮闘と、仲間達の檄に背中を押され、隼は塔へと向かって行った。
それに本来の任務を思い出したのか、ヘカテーとカムシンが追いすがろうとしたが、遊香が何処からともなく取り出した重機関銃にロックオンされ、下手な動きが出来なくなった。
「話が早くて助かるわね。それじゃあ、始めようかしら…!」
『デュエル!』
そして西側の塔でも、東側に少しばかり遅れながらも、デュエルは始まった…!