【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~ 作:不知火新夜
「さて、今日は皆に紹介したい人がいる。今日から遊勝塾の講師となった、プロデュエリストの藤原雪乃さんと、塾生となった、マリア・デックスちゃんだ。皆、仲良くしてくれよ!」
「昨日の塾長さんとのデュエルを見ていて知っている人も多いと思うけど、藤原雪乃よ。宜しくね」
「マリア・デックスだよ~!遊勝塾の皆、宜しくなのだ!」
『ゑ?』
塾長のプロ復帰戦から1日経った今日、現在リフォームと言う名の建て替え真っ最中な遊勝塾の代替施設としてLDSから用意された塾舎にて、塾長から新しい講師と塾生を紹介されたんだがまず、講師となったその人物とはなんと、昨日のデュエルで対戦した雪乃だった。
な、何がどうなって急に、講師になるって話になったんだ?
「なんでも雪乃さん曰く、自分を鍛え直したいとの事でな、プロとしての活動は続けながら、此処に講師として加入したいとニコさんを通じて頼まれて、ウチとしてもプロが俺を含めて2人所属しているとなれば、ネームバリュー的にもプラスになると思って承諾したんだ」
「昨日のデュエルで、私もまだまだデュエリストとして未熟と痛感したのよ。全く新しい召喚方法の数々、それらを知っていたつもりだったけど、まだまだ私の見立ては甘かったと言わざるを得ないわ。だから此処で自分を鍛え直そうと思って、此処のマネージャーを務めているというニコさんにお願いしたの」
成る程そういう事だったのか。
でも確かに遊勝塾としても、今度の建て替えで受け入れ人数も増えたし、今までみたいに余裕が無いから門前払いという事態も少なくなる、となれば塾生は増えて来るが、今の指導方針を考えると講師も増やしておかないと行けなかったし、丁度良かった。
と、思っていると、
「貴方が榊遊矢君ね、塾長さんやニコさんが太鼓判を押していた。何でも、貴方がいたからこそ遊勝塾は今の実力を得られたとか、遊勝塾の指導方針を考案したのは貴方だとか、色々言っていたわ。この街で『完全決闘者』として噂になっているし、あのストロング石島に後攻ワンターンキルで勝利したのも聞いていたとは言え、此処で会うまでそれは半信半疑だったけど…
年不相応だけど、その綺麗な見た目と合っている、その冷静で堂々とした佇まい、それでいて年相応の熱さとひたむきさを感じる眼…
ふふふ、やっぱりこの塾に加入して正解だったわ、ご指導の程、宜しく頼むわね、遊矢君」
「あ、はい。宜しく」
急に近寄って来て声を掛けて来た。
まさか、気にいられちゃったとか?ミエルとかと同じパターン?
まあその話は後で考える事にしよう。
「それで、ちょっと私のデッキを見て欲しいんだけど、良いかしら?塾長さんの指導も受け持っているという貴方の意見を聞いてみたいの」
「俺の意見を?」
その提案はちょっと意外だった。
この世界に限らず、俺が人生を歩んで来た各世界のデュエリスト達(一部を除いて)にとってデッキは一張羅の正に「自身の魂」、殊にプロデュエリストとなればその辺の拘りは強く、安易に人に見せる事を嫌う。
そんなプライドを捨てて、まだジュニアユースの俺にデッキ診断を頼むと言う事は、それだけ雪乃は「このままじゃいけない」と危機感を感じているのかも知れない。
ならばその要望に応えるのが、デュエリストって物だろ!
「分かった。じゃあデッキを見せてくれ」
「ええ。これが私のデッキよ」
さて、雪乃のデッキは『デミスドーザー』だと分かっているが、基本戦略と言う名の幹がそうなっているだけで、サポートと言う名の枝葉はどうなっているか…
要である『高等儀式術』と『終焉の王デミス』、そして『デビルドーザー』は3積みされているな。
後は各種コストとなっている『
ん?『アームズ・ホール』?『巨大化』サーチの為だろうが、マンジュ・ゴッド等との兼ね合い的に不味くないか?
後、『
…そうだ!
「今の雪乃のデッキを見てまあ色々と思う所はあるが、それよりも1つ提案があるんだ」
「提案?何かしら?」
「一先ずデミスの効果は強力だし、主軸はこのままでも良いと思う。その後の動きなんだが…
コレなんてどうだ?」
「これって、融合モンスター?召喚制限が厳しいみたいだけど、これが私のデッキとどんなシナジーが?」
俺が雪乃に見せた融合モンスター、それは『
俺が十代時代に持っていたHEROカテゴリ『E-HERO』の融合モンスターの1体で、魔法『ダーク・フュージョン』の効果でしか特殊召喚出来ないという、雪乃が言う通りの厳しい召喚制限が課されている(まあこれはE-HERO融合モンスター全体に言える事だ)が、
「融合素材を読んで見てくれ」
「何々…
悪魔族モンスターと岩石族モンスターで融合出来るの!?随分と素材指定が緩いわね…」
「そうだ、そして何もコイツを融合召喚するには『ダーク・フュージョン』でなければならない、という訳じゃ無い。これを見てくれ」
「これも融合魔法みたいだけど…
え、これ『ダーク・フュージョン』による融合召喚扱いになるの!?しかも墓地のカードを除外する事で融合素材に出来るなんて…
つまりこれで、高等儀式術で墓地に送った悪魔族と岩石族の通常モンスターを融合素材に使うって事かしら?」
E-HEROを使っている読者ならもう分かっていると思うが、雪乃に見せたのは『ダーク・コーリング』。
E-HERO版『ミラクル・フュージョン』とも呼ばれている(但しフィールドのモンスターを融合素材に出来ない代わりに、手札のモンスターを素材に出来る)カードだ。
「そう、そして融合召喚したダーク・ガイアの『元々の』攻撃力は、融合素材としたモンスターの元々の攻撃力の合計となる。つまり『巨大化』が適用できるって訳だ」
「つまり融合素材にもよるけど、『デビルドーザー』を上回る爆発力を得られるわけね…」
この様に、デミスの儀式召喚及び全体破壊効果の後にダーク・ガイアを呼び出して後攻1ターンキルを決めるデッキ、それが『デミスガイア』。
まあ一言で言うと『デミスドーザー』の、『デビルドーザー』の代わりにダーク・ガイアを突っ込んだ派生デッキだが、その爆発力は派生元をも上回る一方、『トレード・イン』が使いにくくなる等、安定性に問題が出て来るのが弱点だな。
「まああくまでこれは俺からの『提案』だ、実際に使うかどうかは、雪乃が決めてくれ」
「分かったわ、検討してみる」
一先ず雪乃の頼みはこれで大丈夫かな。
次は新しく入って来た塾生、マリアの事だな。
当麻、一行、美琴と来てやっぱり来たかと一瞬思った、シルバーブロンドの長髪に碧眼と、まあどっからどう見ても某禁書目録さんか、言動がアレ過ぎる10才の飛び級シスターのどっちかにしか見えないこの少女、現在小学4年生でエレン達とは1学年下、クラスはジュニアに該当するとの事。
さてその実力の程はどれ位かな?
「さてマリアちゃん、此処遊勝塾に加入するにあたって、君に頼みがある」
「ん?頼みって何なのだ、塾長のおじちゃん?」
「君のデュエルを見せて欲しい!どんなデュエルかで、君に合ったエンタメデュエルが見つかるという物!相手は君が選んで良いぞ!」
「分かったのだ!じゃあ其処の緑色の眼したお兄ちゃんで!」
「緑色の眼ってお前もだろ。まあ良いぜ!俺のデュエルを、遊勝塾のデュエルを見せてやるぜ!」
エレンが相手か、普通のジュニアクラスにエレンの相手は荷が重いが、果たしてマリアはその『普通』か、或いは…