【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~   作:不知火新夜

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3話_俺達、紹介!

「それじゃあ、遊矢の勝利を祝ってェ!」

「「「「乾杯!」」」」

「ありがとう、皆!」

 

ストロング石島とのデュエルが終わり、夜の遊勝塾では、俺の祝勝会が急遽行われ、遊勝塾生総出で祝われる事となった。

正直な事を言うと本当にプロと戦っているのかと思う状態だったあのデュエルで、勝った事を祝われるのは複雑な気分なんだが、それでも知名度抜群な相手に圧勝したという事は、俺の実力を世界中が目の当たりにしたという事、いずれ俺が望んでいる様な相手と会う事もあるだろう、故に今日のデュエルは決して無駄じゃないと、素直に祝われる事にした。

 

「やっぱおめェすげェな、遊矢!おめェなら勝てると信じてたけど、まさかプロ相手にワンターンキルとかさァ!」

「はは、ありがとうな、一行」

 

今、俺にどっかの一方通行さんの様な口調で話し掛けて来たのは、ジュニアユースクラスの塾生で、俺と同級生の上村(うえむら)一行(いっこう)

モノクロを基調とした服装にイヤホン(スマホと繋いでいるそうだ)、銀髪で赤目とどっからどう見ても一方通行さんなコイツは、俺が舞網チャンピオンシップ・ジュニアクラスで初めて優勝した小学4年生の時、そのデュエルを見て衝撃を受けたそうで、俺や父さんからエンターテイメントデュエルを教わりたいと加入した。

あのデッキでのデュエルの真意を小学4年生で見抜くとか、当時のお前どんだけマセてんだよ…

 

「やったな、遊矢!あ、でもおおっぴらな場面でシンクロ召喚しても良かったのか?」

「別に良ィじゃねェか当麻!シンクロ召喚なンざLDSとかで普通に教わるもンなンだし、去年の舞網チャンピオンシップだって使って来た奴いたじゃねェか!全くこまけェンだよおめェは!」

「いや細かくねーだろ!遊勝塾内と、権現坂道場との交流戦以外では余り使うなって塾長から言われていただろ!その辺り知らない相手に使うのはフェアじゃねぇからって事で!」

「プロ相手にフェアもクソもあっかバカタレ!第1ストロング石島はLDSの広告塔だからそこら辺知ってンだろォし、問題ねェだろ!いちいち噛みつきやがって、やンのかおめェ!」

「上等だ!表に出てデュエルだ!」

「お前ら程々にな」

「諍いからのデュエルで絆が深まる、これぞ熱血だ!」

 

次に声を掛けて来たのは、同じくジュニアユースクラスの塾生で、同級生の冴木(さえき)当麻(とうま)

黒のツンツンヘアーに黒目、私服には全く頓着していないと言わんばかりに、中学の制服を何時も着用しているという、こっちはこっちでどっかの上条さんみたいな姿のコイツも、一行と同じ時期に、俺のプレイングに圧倒されたそうで、加入した。

因みに、今の光景を見ても明らかではあるが、一行と当麻は同期のライバル意識からか、口論から良くデュエルに発展する。

決して仲は悪くないんだが、やっぱ同じ時期に遊勝塾に入ったとか、同級生だとか、そういった『同じ』要素を持っているからか、ふとしたきっかけでケンカ紛いのデュエルに発展する。

周りも何時もの事と分かって居るし、リアルファイトになる事は無いと言って良い為、半ば放任状態、というか塾長を中心に「良いぞもっとやれ」状態だ。

 

「遊矢兄ちゃん!プロとのデュエルの勝利、おめでとう!」

「遊矢兄ちゃんのオッドアイズが見せた最後の一撃、痺れたなぁ!」

「格好良かったよ、遊矢兄ちゃん!」

「あの時見せた、えーとペンデュラム召喚でしたっけ、凄く綺麗でした、遊矢兄ちゃん!」

 

そして、ジュニアクラスに属する塾生の『4人』。

「痺れるぅ!」が口癖の太った男の子、原田(はらだ)フトシと、赤毛の髪にカシューシャをつけた女の子、鮎川(あゆかわ)アユ、そして眼鏡を掛けた男の子、山城(やましろ)タツヤ、と、此処までならタツヤがやけに早く加入しているなと、原作を知っている人から突っ込まれそうな以外は原作通りの面々だが、他にも、

 

「ありがとうな、フトシ、アユ、タツヤ、そしてエレン」

「まああれがもしストロング石島の本気だとしたら、俺でも勝てそうだけどなぁ」

「え、エレン、それは言い過ぎだよ」

「何処がだよ、アユ。あんなプレイング、プロにしちゃお粗末にも程があるだろ」

 

生意気そうな口調でストロング石島をバッサリ切り捨てた、黒髪にエメラルドの様な眼の男の子、エレン・アヴェニール。

この4人は全員同級生だが、エレンだけ他の3人よりも塾生としてのキャリアは、『圧倒的』が付くほど長い、というか、ジュニアユースに属している一行や当麻と同期だ。

実を言うとこのエレン、物心ついた時から親がおらず、遊勝塾に加入するまでは施設で過ごしていたんだけど、ふとしたきっかけで、大会での俺のデュエルを見て感動し、「このお兄ちゃんの所でデュエルをやりたい!」と、施設を通じて遊勝塾、というか我ら榊家に養子(という名の弟子)入りをお願いして来た。

突然の事でびっくりはしたけど、父さんの意向もあってそれに応じ、以来榊家のもとで勉強やデュエルにのめりこみ、実力もジュニアクラスでも飛びぬける、というかジュニアユースクラスに属している俺達にすらある程度の勝率を叩き出す程にまで成長し、昨年初めて参加した舞網チャンピオンシップ・ジュニアクラスでは他のデュエリストを圧倒、優勝するに至り、『完全決闘者の一番弟子』という異名で呼ばれる様になった。

まあ他にも色々とあるんだが、それはまたの機会にな。

 

以上の、俺、柚子、一行、当麻のジュニアユースクラスの4人と、エレン、フトシ、アユ、タツヤのジュニアクラスの4人、合計8人が、此処遊勝塾の塾生だ。

さて、遊勝塾のメンバー紹介は此処までにして、

 

「なぁ、柚子」

「ん?どうしたの、遊矢?」

「ペンデュラム召喚の事なんだけどな、恐らく明日はそれ見たさに、多くの加入希望者が押し寄せて来ると思う」

「あー、そうね。融合やシンクロ、エクシーズまではLDSでも指導をしていたし、それほど目立たないけど、遊矢が初めて行った全く新しい召喚方法、それが見たいが為、来るのは予想できるわね…」

「ごめんな、お前に余計な仕事をさせる事になっちまって」

「い、良いわよ、そんな。元はと言えば私がソリッドビジョンシステムを壊しちゃったのが原因なんだし…」

「いや、それは関係ないだろ。そもそもストロング石島からのデュエルのオファーはそれとは全く関係なく来たんだし」

「で、でも…」

 

とりあえず柚子と、明日の事を話し合う。

今日、大々的に披露された、全く新しい召喚方法『ペンデュラム召喚』、それを目の当たりにした人々はどうなるか、まず間違い無く、もう1回見たいと俺の所に押し寄せるに違いない。

それを披露して塾生が増えました、と普通に考えれば、塾生8人しかいない俺達にとっては、切磋琢磨していく存在が増えて良い事なんだが、そうは問屋が卸さない事情がある。

塾としての規模だ。

3年前に父さんが失踪して以来、俺が『臆病者の息子』と言われた事の話は以前したよな?

そう、それまではそれなりの規模を誇っていた遊勝塾、しかしその事件以降、塾生は勿論、父さんに付く形で資金や施設の提供をしてくれたスポンサー等が次々と離れて行き、規模の縮小を余儀なくされた。

塾生の問題こそ、俺が、いや俺達が大会において暴れ回った事でその指導力が知れ渡り、加入希望者は大いに集まって来ているんだけど、資金力、それを提供してくれるスポンサーまではどうしようも無い。

結果としてソリッドビジョンシステムは、柚子がこの前ぶっ壊しちゃった1つをやりくりせざるを得ず(それはストロング石島とのデュエルの報酬として貰った最新型に代わりはしたが、依然1つのままだ)、故に塾生の受け入れを制限せざるを得なくなり、加入希望者たちを泣く泣く門前払いする事になってしまった。

受け皿を広く出来なければ、水はその程度しかゲットできないんだ。

 

「まあそれは良いとして、明日はそういったペンデュラム召喚見たさに押し寄せるに違いない。よって、明日は俺と塾生でデュエルをして、ペンデュラム召喚のデモンストレーションをしたいんだ」

「成る程ね、分かったわ。そしたら相手はどうしようかしら?私のデッキだと、ペンデュラムモンスターの詳細を教えられる状況を作るのは難しいし…

そうだ、一行か当麻が良いわ。あの2人のデッキなら、より詳しく教えられる状況を作り出せるし」

「そうだな、さてあの2人のデュエル、終わったかな?」

 

よし、明日の予定は決まった。

因みに明日の対戦相手となる2人の様子を見ると、へとへとの状態で、背中合わせで座っている姿があった、まあこれもデュエルが終わった後の、何時もの光景だが。

 

------------

 

「こちらの書類にお名前をご記入ください!ちゃんと並んで下さーい!」

「押さないで押さないで!希望者の方全員、受付は必ず行いますので!」

「デュエルフィールドにて、ペンデュラム召喚のデモンストレーションを行いますので、受付を済ませた方は観客席へどうぞ!こちらです!」

 

翌日、其処には予想していた光景が広がっていた。

塾の入り口前には加入希望者が殺到、その受付を柚子と当麻が、受付を済ませた希望者の誘導を俺が担い、てんてこ舞いだった。

一行?アイツ平時でも口調が荒いからこういうの向いていないので、代わりに別の仕事を任せている。

 

「よし、これで希望者は全員か?」

「そうね、予想はしていたけど、随分と集まったわね…」

「本当だぜ、行列を捌くのってこんな大変なんだな…

あ、そろそろデモンストレーションの時間だろ?早くスタンバイして来いよ」

「分かった、当麻。2人とも、後はよろしくな」

 

後の対応を2人に任せつつ、俺はアクションフィールドへと向かう、と、其処には、

 

「おォ、逃げねェで良く来たなァ、完全決闘者(パーフェクト・デュエリスト)さンよォ!」

 

既に展開されていた(柚子から『プレイン・プレーン』という、広大な草原のフィールドだと聞いた)アクションフィールドのど真ん中で、『ヴェルズ・オピオン』の顔を模した仮面で、顔の上半分を覆った1人の男がいた…

まあ、一行なんだけどね。

 

「誰が逃げるか!ヴェルズ・イッコー!」

「はっその心意気だけは認めてやンよォ!まァ、喋りは終わりにして、とっとと始めっかァ!」

 

言うまでも無く、俺をヒーロー、一行をアンチヒーローに見立てたエンターテイメントデュエルのつもりである。

 

「戦いの殿堂に集いしデュエリストがァ!」

「モンスターと共に地を蹴り宙を舞い!」

「フィールド内を駆け巡るゥ!」

「見よ、これぞデュエルの最強進化系!」

「「アクショーン、デュエル!」」

 

先攻 Ikko LP 4000 VS 後攻 Yuya LP 4000

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