【完結】遊戯王ARC-V~遊の力を矢に束ね~ 作:不知火新夜
「3連勝を決めるとはやるじゃないか、柚子。さあ、最後はボクとのデュエルだよ」
「行くわよ、ユベル!」
明日香さん、アキさん、小鳥さん、嘗ての遊矢と一生を共にした人達とのデュエルで勝利を重ねた私、最後となる4戦目の相手は、遊矢の最も側に居たと言って良い存在であるユベル。
遊矢が『本当の意味で』デュエルモンスターズを始めてから300年近く、その全ての時間を共にした唯一人(?)の存在、いついかなる時も遊矢を見守り、側で手助けして来たんだと思う。
デュエルの実力だって伊達じゃ無い筈、全力でぶつかって行かないと!
「さて。今回のデュエルでボクが使うデッキだけど、このデッキは遊矢が、ランサーズのトップとしてアカデミアと戦う為に、ボクやアストラルと共に組み直したデッキの1つさ。お遊び要素をなるべく削ぎ落し、『デュエルの勝利』その一点を追求した、正にガチ構築。柚子、これからも君は遊矢と共にその人生を歩んでいく事となるだろう、目前に迫っているアカデミアとの全面戦争を始め、その行く先には様々な困難が待っているとボクは思っている。その困難に全力で立ち向かう、その覚悟をボクに見せて貰うよ、このデュエルで!」
「ええ、望む所よ!」
「「デュエル!」」
先攻 Yuzu LP 4000 VS 後攻 Yubel LP 4000
使っているデッキは遊矢のそれ、実力的にも遊矢のデュエルをずっと見守って来た存在故に遊矢と遜色ない筈、事実上、私が対峙しているのはユベルの姿を借りた遊矢だと思って良い。
なら、序盤から気を引き締めて行くわ!
「私のターン!
まずは魔法『独奏の第1楽章』発動!」
独奏の第1楽章
通常魔法
『独奏の第1楽章』は1ターンに1枚しか発動出来ず、このカードを発動するターン、自分は『幻奏』モンスターしか特殊召喚出来ない。
1:自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動出来る。手札・デッキからレベル4以下の『幻奏』モンスター1体を特殊召喚する。
「独奏の第1楽章の効果で、デッキから『幻奏の音女セレナ』を守備表示で特殊召喚!」
幻奏の音女セレナ
効果モンスター
光属性
天使族
レベル 4
守備力 1900
もう何度と見た、独奏の第1楽章によるセレナのリクルート、この夢の中のデュエルでも、アキさんとのデュエル以外では決めているわね。
勿論、その後に行うのも、
「次に、今出したセレナをリリースしてアドバンス召喚!天上に響く妙なる調べよ、眠れる天才を呼び覚ませ!出でよ、レベル8!『幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト』!」
幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト
効果モンスター
光属性
天使族
レベル 8
攻撃力 2600
このデッキのキーマンである、プロディジー・モーツァルトのアドバンス召喚。
尤も、この後の動きはちょっと違うけどね。
「続いてプロディジー・モーツァルトの効果発動!
手札から『幻奏の歌姫ソプラノ』を攻撃表示で特殊召喚!」
幻奏の歌姫ソプラノ
効果モンスター
光属性
天使族
レベル 4
攻撃力 1400
「特殊召喚したソプラノの効果発動!
墓地にあるセレナを手札に加えるわ!」
さて、アカデミアとの戦いに向けてデッキを組み直した、と言っても、大元は恐らく変わっていない筈。
遊矢の使っているデッキは10個もあり(その内2つは未だに私も、使っている所を見た事が無いけど…)、更に最近、新たに2個組んだらしい。
その中でユベルが使うとなれば、やっぱり自分自身のデッキかな?
そのユベルの効果を考えると、
「更に、ソプラノのもう1つの効果発動!
私のフィールドにいる、ソプラノ自身と、プロディジー・モーツァルトを融合!
天使のさえずりよ!至高の天才よ!タクトの導きにより力重ねよ!融合召喚、今こそ舞台に勝利の歌を!『幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァ』!」
「やっぱりブルーム・ディーヴァを出して来たか…」
幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァ
融合・効果モンスター
光属性
天使族
レベル 6
攻撃力 1000
戦闘や効果で破壊されない、ブルーム・ディーヴァね。
「私はこのままターンエンドよ!」
Yuzu
LP 4000
手札 3(うち1枚はセレナ)
モンスター 幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァ(攻撃表示)
魔法・罠カード なし
「さあ行くよ。ボクのターン、ドロー!
まずは手札の『トラゴエディア』を捨てて『ダーク・グレファー』を攻撃表示で特殊召喚!」
ダーク・グレファー
効果モンスター
闇属性
戦士族
レベル 4
攻撃力 1700
ユベルのフィールドに出て来た、戦士ダイ・グレファーが闇落ちした姿の戦士、やっぱりユベル自身をエースカードとしたデッキの様ね。
でもさっきも言っていた通りアカデミアとの戦いに向けて組み直したと言っていたし、今まで無かった筈のエクストラデッキのカードも、なんかユベルの腕から生えている様にしか見えないデュエルディスク(みたいな物)から確認出来る、一体どんなデッキになっているのかしら…?
「手札の『レベル・スティーラー』を捨てて、ダーク・グレファーの効果発動!
デッキから『ヘルウェイ・パトロール』を墓地へ送るよ。
次に『終末の騎士』を召喚!」
終末の騎士(制限カード)
効果モンスター
闇属性
戦士族
レベル 4
攻撃力 1400
そのダーク・グレファーが、自らの手から生成した黒い炎を握りつぶしている横に登場したのは、赤黒いマフラーみたいな物を首に巻き、さび付いた鎧を身に纏った騎士。
「召喚した終末の騎士の効果発動!
デッキから2枚目のレベル・スティーラーを墓地へ送るよ」
この終末の騎士、闇属性モンスターを中心としたデッキでは、ダーク・グレファーに並ぶ墓地肥やし要員として人気が高いけど、こと墓地肥やしの点だけを見れば『安定感の終末、爆発力のダーク』と言われ、ダーク・グレファー以上に人気が高い。
それは何故かと言うと、墓地肥やし効果の発動タイミングが関係している。
今の効果処理を見れば分かるけど、終末の騎士は召喚・反転召喚・特殊召喚をトリガーとした誘発効果、一方のダーク・グレファーは、手札1枚をコストとした起動効果。
よって『落とし穴』や『激流葬』等の召喚誘発カードに邪魔される事が無い(フィールドには残れないけどね)し、バトルフェイズに出す事が出来ればエフェクト・ヴェーラーも怖くない、と言った感じになる。
その安定感が過ぎた結果、制限入りになっちゃったのも仕方の無い事かも知れないわね。
「続いて、墓地のヘルウェイ・パトロールを除外して効果発動!
手札から、ボク自身を攻撃表示で特殊召喚!」
ユベル
効果モンスター
闇属性
悪魔族
レベル 10
攻撃力 0
ユベル、ボク自身と言っているけど、実際にフィールドに出ているのは『別の』ユベルよね?
「更に『死者蘇生』発動!」
死者蘇生(制限カード)
魔法
1:自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。
「死者蘇生の効果で『トラゴエディア』を守備表示で蘇生!」
トラゴエディア
効果モンスター
闇属性
悪魔族
レベル 10
守備力 0
そんな私の(心の中での)ツッコミを気にする事無く、死者蘇生の効果で蘇生したのは、何と言うか名状しがたい姿の悪魔、トラゴエディア。
レベル10で守備力0?となると効果が相当凄いって事なのかしら?
「さて、此処からが本番だよ、柚子。
まずは、終末の騎士とダーク・グレファーでオーバーレイ!2体のレベル4モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ、No.80!猛りし魂に取りつく、呪縛の鎧!『狂装覇王ラプソディ・イン・バーサーク』!」
No.80狂装覇王ラプソディ・イン・バーサーク
エクシーズ・効果モンスター
闇属性
悪魔族
ランク 4
守備力 1200
ORU 2
エクシーズ召喚、それもNo.ですって!?
エクシーズ召喚の演出と共に出現したのは、頑丈そうな鎧を身に纏い、肩から紫色のマントを羽織り、その襟の部分に自らのナンバー『80』の文字が刻まれた悪魔、ラプソディ・イン・バーサーク。
「ラプソディ・イン・バーサークのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて効果発動!
柚子、君の墓地にあるソプラノを除外させて貰うよ!やれ、ラプソディ・イン・バーサーク!」
『フン!(ドゴォォォォン!)ヌゥン!(グシャァ!)』
「マイスタリン・シューベルトと同じ、墓地メタ効果を持っているなんて…」
No.80狂装覇王ラプソディ・イン・バーサーク ORU 2→1
ユベルが効果発動をした途端、ラプソディ・イン・バーサークが地面を殴り飛ばして地割れを引き起こし、そこから出て来たソプラノのカードを殴り潰して(実際は除外ゾーンに送られただけよ、念の為)しまった。
「おっと、驚くのはまだ早いよ。ラプソディ・イン・バーサークの除外効果は1ターンに2度まで使える!今度はプロディジー・モーツァルトだよ。やれ、ラプソディ・イン・バーサーク!」
『フン!(ドゴォォォォン!)ヌゥン!(グシャァ!)』
「に、2回も使えるの!?」
「一体何を驚いているのさ?柚子、君のマイスタリン・シューベルトは最大3枚を一度に除外出来るばかりか、フリーチェーンで使えるじゃないか。それと比べたらラプソディ・イン・バーサークはオーバーレイ・ユニットを使った起動効果、可愛い物だよ」
No.80狂装覇王ラプソディ・イン・バーサーク ORU 1→0
純粋な除外枚数だったらマイスタリン・シューベルトの方が多いのは確かだし、相手の展開を妨害する意味ではフリーチェーンなのも優れている点だけど、それ以前に1ターンに2回も効果を使える所にびっくりした。
この手の効果って大抵は1ターンに1度の制限が付いているからね。
「まだまだ行くよ。次はボク自身とトラゴエディアでオーバーレイ!2体のレベル10モンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!現れろ、No.35!暴食を司る大蜘蛛が、全てを絡め取り、喰い荒らさん!『ラベノス・タランチュラ』!」
No.35ラベノス・タランチュラ
エクシーズ・効果モンスター
闇属性
昆虫族
ランク 10
攻撃力 0
ORU 2
な、何か気色悪い蜘蛛が出て来たんだけど!?
ラプソディ・イン・バーサークの横に、エクシーズ召喚の演出と共に登場したのは、異世界から来たと言うデュエリスト、大輔が使っていた『No.70デッドリー・シン』の様な、蜘蛛みたいな姿のNo.、ラベノス・タランチュラ。
それにしてもランク10で攻撃力0?
「ラベノス・タランチュラの攻守、というかボクのフィールドにいるモンスター全員の攻守は、ボクと柚子のLPの差の数だけ上がるんだけど、まあ今は無用の長物だね。
本題は此処からさ。今出したラベノス・タランチュラのオーバーレイ・ネットワークを再構築!エクシーズ召喚!現れろ、No.84!嫉妬を司る大蜘蛛が苦痛を得る時、あらゆる物に分け与えん!『ペイン・ゲイナー』!」
No.84ペイン・ゲイナー
エクシーズ・効果モンスター
闇属性
昆虫族
ランク 11
守備力 0→3000
ORU 3
ま、また蜘蛛みたいなNo.…
それにさっきのラベノス・タランチュラと比べて、色とナンバーが変わっただけの様な気が…
でも守備力が0から3000も上がっている…?
「ペイン・ゲイナーの守備力は、ボクのフィールドにいるエクシーズモンスターのランクの合計×200アップするんだ。これはペイン・ゲイナー自身も含まれるよ。今ボクのフィールドにいるエクシーズモンスターのランクの合計は15、よってペイン・ゲイナーの守備力は3000、となる訳さ。
尤も、ペイン・ゲイナーもまた布石、次に出すモンスターこそが、このデッキの真のエースだよ!
今出したペイン・ゲイナーのオーバーレイ・ネットワークを再構築!エクシーズ召喚!現れよ、No.77!化天を司る糸よ!儚き無幻となりて我が滅び行く魂を導け!『ザ・セブン・シンズ』!」
No.77ザ・セブン・シンズ
エクシーズ・効果モンスター
闇属性
悪魔族
ランク 12
攻撃力 4000
ORU 4
こ、今度は何か、遊矢の持っているホープみたいな色合いの、それでいて蜘蛛みたいなNo.…
でも種族は悪魔族になっているし、攻撃力もさっきまでとは打って変わって素で4000、度重なるエクシーズ召喚によってオーバーレイ・ユニットも4つにまで増えている、其処からどんな効果が…
「このまま効果発動、と行きたいけど、この方法で特殊召喚しちゃうとこのターンに効果が使えないんだよね、いち早くブルーム・ディーヴァを対処したいんだけどさぁ…
まあ良いや、ラプソディ・イン・バーサークの2つ目の効果発動!
このカードを、ザ・セブン・シンズに装備するよ!」
No.77ザ・セブン・シンズ 攻撃力 4000→5200
あ、直ぐには使えないんだ、と安堵したその時、ザ・セブン・シンズの横に立っていたラプソディ・イン・バーサークが突如分解、ザ・セブン・シンズの鎧として再構築され、装着された。
それによって攻撃力が5200…
ブルーム・ディーヴァがいるからまだ大丈夫そうだけど、凄い攻撃力ね…
「ボクはこのままターンエンドだよ」
Yubel
LP 4000
手札 0
モンスター No.77ザ・セブン・シンズ(攻撃表示)
魔法・罠カード No.80狂装覇王ラプソディ・イン・バーサーク(装備対象: No.77ザ・セブン・シンズ)
なんか今、ユベルが不穏な事を言っていた様な…
よし、やられる前にやるわ!
「私のターン!ドロー!
『幻奏の音女ソナタ』を攻撃表示で特殊召喚してバトルフェイズに入るわ!」
幻奏の音女ソナタ
効果モンスター
光属性
天使族
レベル 4
攻撃力 1200→1700
幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァ 攻撃力 1000→1500
「ブルーム・ディーヴァでザ・セブン・シンズを攻撃!ブルーム・ディーヴァの効果は説明しなくてもいいわね?」
「うん、通すよ」
「ブルーム・ディーヴァの効果発動!ブルーム・ディーヴァとザ・セブン・シンズの元々の攻撃力の差、3000ダメージを貴方に与えて、ザ・セブン・シンズを破壊!リフレクト・シャウト!」
「ならザ・セブン・シンズの効果で、破壊される代わりにオーバーレイ・ユニットを1つ取り除くよ。オーバーレイ・サクリファイス(ザシュゥ!)ぐぁっ!?」
Yubel LP 4000→1000
No.77ザ・セブン・シンズ ORU 4→3
ま、まさか破壊置換効果を持っていたなんて…
このターンでの決着は無理になっちゃったし、返しのターンでソナタを標的にされちゃうけど、それでもその攻撃力の差は3500、ギリギリ持ちこたえそうね。
「私はこのままターンエンドよ!」
Yuzu
LP 4000
手札 3(うち1枚はセレナ)
モンスター 幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァ(攻撃表示)
幻奏の音女ソナタ(攻撃表示)
魔法・罠カード なし
「ボクのターン!ドロー!
それじゃあ、このターンで決めちゃおうか!」
なっこのターンで勝利宣言!?一体どうやって!?
「ザ・セブン・シンズのオーバーレイ・ユニットを2つ取り除いて効果発動!
柚子、君のフィールドにいる特殊召喚されたモンスターを全て除外して貰うよ!スパイダー・シルク・レイン!」
「なっ何ですって!?」
「この効果は全体除外効果、よってアリアやエレジーのロック効果は通じないし、ブルーム・ディーヴァの効果も関係ない!後、追加効果として、ブルーム・ディーヴァをザ・セブン・シンズのオーバーレイ・ユニットにするよ」
No.77ザ・セブン・シンズ ORU 3→1→2
ま、まさかの全体除外効果!?
こ、これは負けたわね、ユベルの言う通り、これではアリアもエレジーも抗い様が無いし、ブルーム・ディーヴァも耐えられない…
「さあフィニッシュだよ、柚子!ザ・セブン・シンズでダイレクトアタック!
ジェノサイド・スパイダー・シルク・バーサーク!」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
Yuzu LP 4000→-1200 LOSE
WINNER Yubel
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最後の最後で負けちゃった、やっぱりまだまだ遊矢の壁は厚いって事かな…
「よく頑張ったね、柚子。最後の最後はボクが勝たせて貰ったけど、その覚悟、しっかり見させて貰ったよ。君なら、遊矢の心の支えになれる。遊矢を宜しくね、ボクも、しっかりサポートするよ」
「彼の事、宜しくね、柚子」
「これから4つの次元での戦いが始まるってユベルから聞いていたけど、彼なら、貴方なら、貴方達なら切り抜けられるわ。シグナーとして一緒に戦った、私達の様に…」
「全力で頑張ってね!そして、皆に笑顔をお願いね!」
「はい、頑張って来ます!」
まだまだユベルに、実力的には及ばなかったけど、それでも私の覚悟を認めてくれたのか、皆して激励してくれた。
遊矢、私も、彼女達みたいに貴方の支えになるわ!